(農用地利用集積等促進計画)
第十八条農地中間管理機構は、農地中間管理事業(第二条第三項第一号から第四号までに掲げる業務に係るものに限る。)の実施により、農地中間管理権若しくは経営受託権の設定若しくは移転(次項第一号において「農地中間管理権の設定等」という。)若しくは農作業の委託を受け、又は賃借権、使用貸借による権利若しくは経営受託権の設定若しくは移転(以下「賃借権の設定等」という。)若しくは農作業の委託を行おうとするときは、農林水産省令で定めるところにより、農用地利用集積等促進計画を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。ただし、農地法その他の法令の規定により農地中間管理機構が農地中間管理権又は経営受託権を取得する場合には、この限りでない。
2農用地利用集積等促進計画においては、当該農用地利用集積等促進計画に従って行われる次の各号に掲げる行為の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項を定めるものとする。
一農地中間管理機構に対する農地中間管理権の設定等又は農作業の委託次に掲げる事項
イ農地中間管理権の設定等又は農作業の委託を行う者の氏名又は名称及び住所
ロ農地中間管理機構がイに規定する者から農地中間管理権の設定等又は農作業の委託を受ける土地の所在、地番、地目及び面積
ハ農地中間管理機構がイに規定する者から農地中間管理権の設定等を受ける場合には、当該権利の種類、内容(土地の利用目的を含む。)、始期又は移転の時期及び存続期間又は残存期間並びに当該権利が賃借権である場合にあっては借賃並びにその支払の相手方及び方法、当該権利が経営受託権である場合にあっては農業の経営の委託者に帰属する損益の算定基準並びに決済の相手方及び方法
ニ農地中間管理機構がイに規定する者から農作業の委託を受ける場合には、当該農作業の内容、契約期間並びに対価及びその支払の方法
二農地中間管理機構による賃借権の設定等又は農作業の委託次に掲げる事項
イ賃借権の設定等又は農作業の委託を受ける者の氏名又は名称及び住所
ロイに規定する者が賃借権の設定等(その者が賃借権の設定等を受けた後において行う耕作又は養畜の事業に必要な農作業に常時従事すると認められない者(農地所有適格法人(農地法第二条第三項に規定する農地所有適格法人をいう。第五項第二号において同じ。)、農業協同組合、農業協同組合連合会その他政令で定める者を除く。同項第三号において同じ。)である場合には、賃借権又は使用貸借による権利の設定に限る。)又は農作業の委託を受ける土地の所在、地番、地目及び面積
ハロに規定する土地について現に農地中間管理機構から賃借権、使用貸借による権利若しくは経営受託権の設定又は農作業の委託を受けている者がある場合には、その者の氏名又は名称及び住所
ニイに規定する者が賃借権の設定等を受ける場合には、当該権利の種類、内容(土地の利用目的を含む。)、始期又は移転の時期及び存続期間又は残存期間並びに当該権利が賃借権である場合にあっては借賃及びその支払の方法、当該権利が経営受託権である場合にあっては農地中間管理機構に帰属する損益の算定基準及び決済の方法
ホイに規定する者が農作業の委託を受ける場合には、当該農作業の内容、契約期間並びに対価並びにその支払の相手方及び方法
ヘイに規定する者が第二十一条第二項各号のいずれかに該当する場合に賃貸借、使用貸借又は農業経営等の委託の解除をする旨の条件
3農地中間管理機構は、農用地利用集積等促進計画を定める場合には、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、関係する農業委員会(農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)第三条第一項ただし書又は第五項の規定により農業委員会を置かない市町村にあっては、その長。以下同じ。)の意見を聴くとともに、前項第一号ロ又は第二号ロに規定する土地が地域計画の区域内の土地であるときにあってはその定めようとする農用地利用集積等促進計画の内容が当該地域計画の達成に資すると認められるかどうかについて当該地域計画を定めた市町村の意見を、その他のときにあっては利害関係人の意見を聴かなければならない。
4農地中間管理機構は、第一項の認可の申請をしようとするときは、前項の規定により聴取した意見を記載した書類を提出しなければならない。
5都道府県知事は、第一項の認可の申請があった場合において、当該申請に係る農用地利用集積等促進計画が次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、その認可をしなければならない。
一農用地利用集積等促進計画の内容が、基本方針及び農地中間管理事業規程に適合するものであること。
二第二項第二号イに規定する者が、賃借権の設定等を受けた後において、次に掲げる要件の全て(農地所有適格法人及び次号に規定する者にあっては、イに掲げる要件)を備えることとなること。ただし、農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十一条の五十第一項第一号に掲げる場合において農業協同組合又は農業協同組合連合会が賃借権又は使用貸借による権利の設定又は移転を受けるとき、その他政令で定める場合には、この限りでない。
イ耕作又は養畜の事業に供すべき農用地の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められること。
ロ耕作又は養畜の事業に必要な農作業に常時従事すると認められること。
三第二項第二号イに規定する者が賃借権の設定等を受けた後において行う耕作又は養畜の事業に必要な農作業に常時従事すると認められない者である場合には、次に掲げる要件の全てを備えること。
イその者が地域の農業における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと見込まれること。
ロその者が法人である場合には、その法人の業務執行役員等(農地法第三条第三項第三号に規定する業務執行役員等をいう。)のうち一人以上の者がその法人の行う耕作又は養畜の事業に常時従事すると認められること。
四第二項第一号ロに規定する土地ごとに、当該土地について所有権、地上権、永小作権、質権、賃借権、使用貸借による権利又はその他の使用及び収益を目的とする権利を有する者の全て(当該土地が農作業の委託を受ける土地である場合には、農作業の委託を行う者に限る。)の同意が得られていること。ただし、数人の共有に係る土地について賃借権、使用貸借による権利又は経営受託権(その存続期間が四十年を超えないものに限る。)の設定又は移転をする場合における当該土地について所有権を有する者の同意については、当該土地について二分の一を超える共有持分を有する者の同意が得られていれば足りる。
五第二項第二号ロに規定する土地ごとに、同号イに規定する者(同号ハに規定する者がある場合には、その者及び同号イに規定する者)の同意が得られていること。
六第二項第一号ロ又は第二号ロに規定する土地が次のイ又はロに掲げる土地のいずれかに該当する場合には、当該土地ごとに、それぞれ当該イ又はロに定める要件を備えること。
イ農用地であって、当該土地に係る第一項の権利の設定又は移転の内容が農地法第五条第一項本文に規定する場合に該当するもの同条第二項の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。
ロ農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第八条第二項第一号に規定する農用地区域内の土地であって、当該土地に係る第一項の権利の設定又は移転の内容が同法第十五条の二第一項に規定する開発行為に該当するもの(イに掲げる土地を除く。)同条第四項の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。
6都道府県知事は、第一項の認可をしようとする場合において、その申請に係る農用地利用集積等促進計画に定められた土地が次の各号に掲げる土地のいずれかに該当するときは、当該農用地利用集積等促進計画について、あらかじめ、それぞれ当該各号に定める者に協議しなければならない。ただし、農地中間管理機構が、第三項の規定による市町村の意見の聴取において、あわせて、次の各号に掲げる土地のいずれかに該当する第二項第一号ロ又は第二号ロに規定する土地がそれぞれ前項第六号イ又はロに定める要件に該当することについて意見を聴き、その聴取した意見を第四項の書類に記載して都道府県知事に提出したときは、この限りでない。
一前項第六号イに掲げる土地(農地法第四条第一項に規定する指定市町村の区域内のものに限る。)当該指定市町村の長
二前項第六号ロに掲げる土地(農業振興地域の整備に関する法律第十五条の二第一項に規定する指定市町村の区域内のものに限る。)当該指定市町村の長
7都道府県知事は、第一項の認可をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を、関係する農業委員会に通知するとともに、公告しなければならない。
8前項の規定による公告があったときは、その公告があった農用地利用集積等促進計画の定めるところによって第一項の権利が設定され、又は移転する。
9第七項の規定による公告があったときは、その公告があった農用地利用集積等促進計画の定めるところによって農作業の委託に係る契約が締結されたものとみなす。
10農地中間管理機構は、この節で定めるところにより農地中間管理権(第二条第五項第一号に係るものに限る。)を有する農用地等の貸付けを行う場合には、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百九十四条第二項又は第六百十二条第一項の規定にかかわらず、貸主又は賃貸人の承諾を得ることを要しない。
11農業委員会は、農用地の利用の効率化及び高度化の促進を図るために必要があると認めるときは、第二項各号に掲げる行為の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項を示して農用地利用集積等促進計画を定めるべきことを農地中間管理機構に対し要請することができる。この場合において、農地中間管理機構が定めようとする農用地利用集積等促進計画の内容がこの項前段の規定による要請の内容と一致するものであるときは、第三項の規定にかかわらず、農業委員会の意見の聴取を要しない。
12農地中間管理機構は、前項の規定による要請があったときは、当該要請の内容を勘案して農用地利用集積等促進計画を定めるものとする。
(計画案の提出等の協力)
第十九条農地中間管理機構は、農用地利用集積等促進計画を定める場合には、市町村又は農用地の利用の促進を行う者であって農林水産省令で定める基準に適合するものとして市町村が指定するもの(以下この条において「市町村等」という。)に対し、農用地等の保有及び利用に関する情報の提供その他必要な協力を求めるものとする。
2農地中間管理機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、市町村等に対し、その区域に存する農用地等について、前条第一項及び第二項の規定の例により、同条第五項各号のいずれにも該当する農用地利用集積等促進計画の案を作成し、農地中間管理機構に提出するよう求めることができる。この場合において、農地中間管理機構が定めようとする農用地利用集積等促進計画の内容がこの項前段の規定により市町村が提出した農用地利用集積等促進計画の案の内容と一致するものであるときは、同条第三項及び第六項の規定にかかわらず、同条第三項の規定による市町村の意見の聴取及び同条第六項の規定による協議を要しない。
3市町村等は、前二項の規定による協力を行う場合において必要があると認めるときは、農業委員会の意見を聴くものとする。
4市町村等は、前項の規定により農業委員会の意見を聴いたときは、その旨及びその内容を記載した書類を、第二項前段の規定により提出する農用地利用集積等促進計画の案に添付するものとする。この場合において、農地中間管理機構が定めようとする農用地利用集積等促進計画の内容が当該案の内容と一致するものであるときは、前条第三項の規定にかかわらず、農業委員会の意見の聴取を要しない。