第三十条支援センターは、第十四条の目的を達成するため、総合法律支援に関する次に掲げる業務を行う。
一次に掲げる情報及び資料を収集して整理し、情報通信の技術を利用する方法その他の方法により、一般の利用に供し、又は個別の依頼に応じて提供すること。
イ裁判その他の法による紛争の解決のための制度の有効な利用に資するもの
ロ弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人及び隣接法律専門職者の業務並びに弁護士会、日本弁護士連合会及び隣接法律専門職者団体の活動に関するもの
二民事裁判等手続又は行政不服申立手続において自己の権利を実現するための準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない国民若しくは我が国に住所を有し適法に在留する者(以下「国民等」という。)又はその支払により生活に著しい支障を生ずる国民等を援助する次に掲げる業務
イ次の(1)又は(2)に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ(1)又は(2)に定める手続の準備及び追行(民事裁判等手続に先立つ和解の交渉で特に必要と認められるものを含む。)のため代理人に支払うべき報酬及びその代理人が行う事務の処理に必要な実費の立替えをすること。
(1)認知機能が十分でないために自己の権利の実現が妨げられているおそれがある国民等(以下この項において「特定援助対象者」という。)を援助する場合民事裁判等手続又は当該特定援助対象者が自立した生活を営むために必要とする公的給付に係る行政不服申立手続
(2)特定援助対象者以外の国民等を援助する場合民事裁判等手続
ロイに規定する立替えに代え、イに規定する報酬及び実費に相当する額を支援センターに支払うことを約した者のため、適当な契約弁護士等にイの代理人が行う事務を取り扱わせること。
ハ弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)その他の法律により依頼を受けて裁判所に提出する書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)を作成することを業とすることができる者に対し民事裁判等手続(特定援助対象者を援助する場合にあっては、イ(1)に定める手続)に必要な書類又は電磁的記録の作成を依頼して支払うべき報酬及びその作成に必要な実費の立替えをすること。
ニハに規定する立替えに代え、ハに規定する報酬及び実費に相当する額を支援センターに支払うことを約した者のため、適当な契約弁護士等にハに規定する書類又は電磁的記録を作成する事務を取り扱わせること。
ホ弁護士法その他の法律により法律相談を取り扱うことを業とすることができる者による法律相談(以下この項において単に「法律相談」という。)(刑事に関するものを除く。次号及び第四号において同じ。)を実施すること。
三特定援助対象者であって、近隣に居住する親族がいないことその他の理由により、弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人又は隣接法律専門職者のサービスの提供を自発的に求めることが期待できないものを援助するため、自立した日常生活及び社会生活を営むに当たり必要な法律相談を実施すること。
四著しく異常かつ激甚な非常災害であって、その被災地において法律相談を円滑に実施することが特に必要と認められるものとして政令で指定するものが発生した日において、民事上の法律関係に著しい混乱を生ずるおそれがある地区として政令で定めるものに住所、居所、営業所又は事務所を有していた国民等を援助するため、同日から起算して一年を超えない範囲内において総合法律支援の実施体制その他の当該被災地の実情を勘案して政令で定める期間に限り、その生活の再建に当たり必要な法律相談を実施すること。
五特定侵害行為(ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成十二年法律第八十一号)第二条第一項に規定するつきまとい等若しくは同条第三項に規定する位置情報無承諾取得等、児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)第二条に規定する児童虐待又は配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成十三年法律第三十一号)第一条第一項に規定する配偶者からの暴力をいう。以下この号において同じ。)を現に受けている疑いがあると認められる者を援助するため、特定侵害行為による被害の防止に関して必要な法律相談を実施すること。
六国の委託に基づく国選弁護人及び国選付添人(以下「国選弁護人等」という。)の選任並びに国選被害者参加弁護士の選定に関する次に掲げる業務
イ裁判所若しくは裁判長又は裁判官の求めに応じ、支援センターとの間で国選弁護人等の事務を取り扱うことについて契約をしている弁護士(以下「国選弁護人等契約弁護士」という。)の中から、国選弁護人等の候補を指名し、裁判所若しくは裁判長又は裁判官に通知すること。
ロ犯罪被害者等保護法第十一条第一項の規定による請求があった場合において、裁判所に対し、これを通知するとともに、同条第二項の規定により提出を受けた書面を送付すること。
ハ支援センターとの間で国選被害者参加弁護士の事務を取り扱うことについて契約をしている弁護士(以下「被害者参加弁護士契約弁護士」という。)の中から、国選被害者参加弁護士の候補を指名し、裁判所に通知すること。
ニイの通知に基づき国選弁護人等に選任された国選弁護人等契約弁護士及びハの通知に基づき国選被害者参加弁護士に選定された被害者参加弁護士契約弁護士にその事務を取り扱わせること。
七弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人又は隣接法律専門職者がその地域にいないことその他の事情によりこれらの者に対して法律事務の取扱いを依頼することに困難がある地域において、その依頼に応じ、相当の対価を得て、適当な契約弁護士等に法律事務を取り扱わせること。
八被害者等の援助に関する次に掲げる情報及び資料を収集して整理し、情報通信の技術を利用する方法その他の方法により、一般の利用に供し、又は個別の依頼に応じて提供すること。この場合においては、被害者等の援助に精通している弁護士を紹介する等被害者等の援助が実効的に行われることを確保するために必要な措置を講ずるよう配慮すること。
イ刑事手続への適切な関与及び被害者等が受けた損害又は苦痛の回復又は軽減を図るための制度その他の被害者等の援助に関する制度の利用に資するもの
ロ被害者等の援助を行う団体その他の者の活動に関するもの
九次に掲げる被害者等であって、当該被害に係る刑事手続への適切な関与又は損害若しくは苦痛の回復若しくは軽減を図るための訴訟その他の手続の準備及び追行に必要な費用の支払によりその生活の維持が困難となるおそれがあるものを包括的かつ継続的に援助するため、当該被害に係る刑事手続への適切な関与又は損害若しくは苦痛の回復若しくは軽減を図るために必要な法律相談を実施すること並びに契約弁護士等にこれらに必要な法律事務及びこれに付随する事務を取り扱わせること。
イ次に掲げる罪又はその未遂罪の被害者等
(2)刑法第百七十六条、第百七十七条若しくは第百七十九条の罪又はその犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪((1)に掲げる罪を除く。)
ロ人の生命又は心身に被害を及ぼす罪として政令で定めるもの(イに規定する罪を除く。)の犯罪行為により被害者が政令で定める程度の被害を受けた場合における当該犯罪行為の被害者等
十犯罪被害者等保護法第八条第一項に規定する権限に係る事務を行うこと。
十一国、地方公共団体、弁護士会、日本弁護士連合会及び隣接法律専門職者団体、弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人及び隣接法律専門職者、裁判外紛争解決手続を行う者、被害者等の援助を行う団体その他の者並びに高齢者又は障害者の援助を行う団体その他の関係する者の間における連携の確保及び強化を図ること。
十二支援センターの業務に関し、講習又は研修を実施すること。