第三条この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一武力攻撃武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号。以下この条において「事態対処法」という。)第二条第一号に規定する武力攻撃をいう。
二武力攻撃事態事態対処法第二条第二号に規定する武力攻撃事態をいう。
三存立危機武力攻撃事態対処法第二条第八号ハ(1)に規定する存立危機武力攻撃をいう。
四存立危機事態事態対処法第二条第四号に規定する存立危機事態をいう。
五敵国軍隊等武力攻撃事態又は存立危機事態において、武力攻撃又は存立危機武力攻撃を行っている外国の軍隊その他これに類する組織をいう。
六抑留対象者次のイからルまでのいずれかに該当する外国人をいう。
イ敵国軍隊等の構成員(ホ、ト、リ及びヌに掲げる者を除く。)
ロ敵国軍隊等に随伴する者(敵国軍隊等の構成員を除く。)であって、当該敵国軍隊等からその随伴を許可されているもの(ヘ及びチに掲げる者を除く。)
ハ船舶(軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶であって非商業的目的のみに使用されるもの(以下「軍艦等」という。)を除く。)であって敵国軍隊等の軍艦等に警護されるもの又は武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律(平成十六年法律第百十六号)第二条第三号に規定する外国軍用品等(ニにおいて「外国軍用品等」という。)を輸送しているものの乗組員(武力攻撃又は存立危機武力攻撃を行っている外国の国籍を有する者に限る。)
ニ国際民間航空条約第三条に規定する民間航空機であって敵国軍用航空機(敵国軍隊等に属し、かつ、その軍用に供する航空機をいう。)に警護されるもの又は外国軍用品等を輸送しているものの乗組員(同条約第三十二条(a)に規定する運航乗組員であって、武力攻撃又は存立危機武力攻撃を行っている外国の国籍を有するものに限る。)
ホ戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(以下「第一条約」という。)第二十四条に規定する傷者若しくは病者の捜索、収容、輸送若しくは治療若しくは疾病の予防に専ら従事する衛生要員又は敵国軍隊等の衛生部隊及び衛生施設の管理に専ら従事する職員
ヘ第一条約第二十六条第一項に規定する武力攻撃又は存立危機武力攻撃を行っている外国の赤十字社その他の篤志救済団体で当該外国の政府が正当に認めたものの職員のうち、ホに掲げる者と同一の任務に当たるもの
ト第一条約第二十四条に規定する敵国軍隊等に随伴する宗教要員
チ第一条約第二十六条第一項に規定する武力攻撃又は存立危機武力攻撃を行っている外国の赤十字社その他の篤志救済団体で当該外国の政府が正当に認めたものの職員のうち、トに掲げる者と同一の任務に当たるもの
リ敵国軍隊等の構成員であって、千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書Ⅰ)(以下「第一追加議定書」という。)第四十四条3に規定する義務に違反し、捕虜として取り扱われる権利を失うこととなるもの
ヌ敵国軍隊等の構成員であって、第一追加議定書第四十六条の規定により間諜として取り扱われることとなるもの
七捕虜第二章第三節又は第四章第二節に規定する手続により前号イからニまでに掲げる外国人に該当する旨の抑留資格認定又は裁決を受けて抑留される者をいう。
八衛生要員第二章第三節又は第四章第二節に規定する手続により第六号ホ又はヘに掲げる外国人に該当する旨の抑留資格認定又は裁決を受けて抑留される者をいう。
九宗教要員第二章第三節又は第四章第二節に規定する手続により第六号ト又はチに掲げる外国人に該当する旨の抑留資格認定又は裁決を受けて抑留される者をいう。
十区別義務違反者第二章第三節又は第四章第二節に規定する手続により第六号リに掲げる外国人に該当する旨の抑留資格認定又は裁決を受けて抑留される者をいう。
十一間諜第二章第三節又は第四章第二節に規定する手続により第六号ヌに掲げる外国人に該当する旨の抑留資格認定又は裁決を受けて抑留される者をいう。
十二傭兵第二章第三節又は第四章第二節に規定する手続により第六号ルに掲げる外国人に該当する旨の抑留資格認定又は裁決を受けて抑留される者をいう。
十三資格認定審査請求第十四条第一項、第十七条第四項及び第百六条第一項の規定による抑留資格認定に関する審査の請求をいう。
十四懲戒審査請求第百二十五条の規定による懲戒処分に関する審査の請求をいう。
十五捕虜収容所自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第二十四条第三項に規定する捕虜収容所をいう。
十六捕虜収容所長自衛隊法第二十九条の二第二項に規定する所長をいう。
十七捕虜代表第三条約第八十条に規定する任務を遂行する者として、捕虜収容所長から指名されたものをいう。
十八利益保護国第一追加議定書第二条(c)に規定する利益保護国をいう。
十九利益保護国代理第一追加議定書第二条(d)に規定する代理をいう。
二十利益保護国代表我が国領域内において第三条約又は第一追加議定書の規定による利益保護国又は利益保護国代理としての任務を遂行する者であって、我が国政府が承認を与えたものをいう。