最高裁判所判例集
事件番号 | 令和2年(あ)第96号 |
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事件名 | 殺人,殺人未遂,傷害被告事件 |
裁判日 | 令和3年1月29日 |
法廷名 | 最高裁判所 第二小法廷 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄自判 |
判例集等 | 刑集 第75巻1号1頁 |
原審裁判所名 | 東京高等裁判所 |
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原審事件番号 | 平成31年(う)第21号 |
原審裁判日 | 令和元年12月17日 |
判示事項 |
自動車を運転する予定の者に対し,ひそかに睡眠導入剤を摂取させ運転を仕向けて交通事故を引き起こさせ,事故の相手方に傷害を負わせたという殺人未遂被告事件について,事故の相手方に対する殺意を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例 |
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裁判要旨 |
被告人が,自動車を運転する予定の者に対し,ひそかに睡眠導入剤を摂取させて運転するよう仕向けたことにより,走行中にその運転者が仮睡状態等に陥って自車を対向車線に進出させて対向車に衝突させる交通事故を引き起こし,対向車の運転者に傷害を負わせたという殺人未遂被告事件について,対向車の運転者に対する殺意を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決は,死亡の危険性及びその認識に関する第1審判決の評価が不合理であるとする説得的な論拠を示していないなど,第1審判決が論理則,経験則等に照らして不合理であることを十分に示したものとはいえず(判文参照),刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があり,同法411条1号により破棄を免れない。 |
参照法条 |
刑訴法382条,刑訴法411条1号 |
全文 | 全文 |