最高裁判所判例集
事件番号 | 令和3年(行ヒ)第164号 |
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事件名 | 懲戒処分取消等請求事件 |
裁判日 | 令和4年6月14日 |
法廷名 | 最高裁判所 第三小法廷 |
裁判種別 | 判決 |
結果 | 破棄差戻 |
判例集等 | 集民 第268号23頁 |
原審裁判所名 | 名古屋高等裁判所 金沢支部 |
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原審事件番号 | 令和2年(行コ)第8号 |
原審裁判日 | 令和3年2月24日 |
判示事項 |
地方公共団体の職員が暴行等を理由とする懲戒処分の停職期間中に同僚等に対して行った同処分に関する働き掛けを理由とする停職6月の懲戒処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例 |
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裁判要旨 |
地方公共団体の職員が、上司及び部下に対する暴行等を理由とする停職2月の懲戒処分の停職期間中に、上記暴行等の一部についての事情を知っていた同僚及び上記暴行の被害者の1人である部下に対して行った各働き掛けを理由とする停職6月の懲戒処分を受けた場合において、次の(1)、(2)など判示の事情の下においては、上記処分が裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断には、懲戒権者の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。 (1) 上記同僚に対する働き掛けは、同人の弱みを指摘した上で、上記の先行の処分に係る調査に当たって同人が当該職員に不利益となる行動をとっていたならば何らかの報復があることを示唆するものであった。 (2) 上記部下に対する働き掛けは、同人の弱みを指摘するなどした上で、上記の先行の処分に対する審査請求手続を有利に進めることを目的として同人との面会を求め、これを断った同人に対し、告訴をするなどの報復があることを示唆するものであった。 |
参照法条 |
地方公務員法29条1項3号、氷見市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(昭和36年氷見市条例第16号)4条 |
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