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平成三十一年法律第十四号

旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律

目次

  • 前文
  • 第一章 総則(第一条・第二条)
  • 第二章 一時金の支給(第三条〜第十五条)
  • 第三章 旧優生保護法一時金認定審査会(第十六条〜第二十条)
  • 第四章 調査等及び周知(第二十一条・第二十二条)
  • 第五章 雑則(第二十三条〜第三十条)
  • 附則
昭和二十三年制定の旧優生保護法に基づき、あるいは旧優生保護法の存在を背景として、多くの方々が、特定の疾病や障害を有すること等を理由に、平成八年に旧優生保護法に定められていた優生手術に関する規定が削除されるまでの間において生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてきた。
このことに対して、我々は、それぞれの立場において、真摯に反省し、心から深くおわびする。
今後、これらの方々の名誉と尊厳が重んぜられるとともに、このような事態を二度と繰り返すことのないよう、全ての国民が疾病や障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、努力を尽くす決意を新たにするものである。
ここに、国がこの問題に誠実に対応していく立場にあることを深く自覚し、この法律を制定する。

第一章 総則

(趣旨)

第一条この法律は、旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給に関し必要な事項等を定めるものとする。

(定義)

第二条この法律において「旧優生保護法」とは、昭和二十三年九月十一日から平成八年九月二十五日までの間において施行されていた優生保護法(昭和二十三年法律第百五十六号)をいう。
2この法律において「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者」とは、次に掲げる者であって、この法律の施行の日(第五条第三項において「施行日」という。)において生存しているものをいう。
一昭和二十三年九月十一日から昭和二十四年六月二十三日までの間に、優生保護法の一部を改正する法律(昭和二十四年法律第二百十六号)による改正前の優生保護法第三条第一項又は第十条の規定により行われた優生手術を受けた者(同項第四号又は第五号に掲げる者に該当することのみを理由として同項の規定により行われた優生手術を受けた者を除く。)
二昭和二十四年六月二十四日から昭和二十七年五月二十六日までの間に、優生保護法の一部を改正する法律(昭和二十七年法律第百四十一号)による改正前の優生保護法第三条第一項又は第十条の規定により行われた優生手術を受けた者(同項第四号又は第五号に掲げる者に該当することのみを理由として同項の規定により行われた優生手術を受けた者を除く。)
三昭和二十七年五月二十七日から平成八年三月三十一日までの間に、らヽいヽ予防法の廃止に関する法律(平成八年法律第二十八号)による改正前の優生保護法第三条第一項、第十条又は第十三条第二項の規定により行われた優生手術を受けた者(同法第三条第一項第四号又は第五号に掲げる者に該当することのみを理由として同項の規定により行われた優生手術を受けた者を除く。)
四平成八年四月一日から同年九月二十五日までの間に、優生保護法の一部を改正する法律(平成八年法律第百五号)による改正前の優生保護法第三条第一項、第十条又は第十三条第二項の規定により行われた優生手術を受けた者(同法第三条第一項第三号又は第四号に掲げる者に該当することのみを理由として同項の規定により行われた優生手術を受けた者を除く。)
五前各号に掲げる者のほか、昭和二十三年九月十一日から平成八年九月二十五日までの間に日本国内において行われた生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けた者(次に掲げる事由のみを理由として行われた生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けた者であることが明らかである者を除く。)
イ母体の保護
ロ子宮がんその他の疾病又は負傷の治療
ハ本人が子を有することを希望しないこと。
ニハに掲げるもののほか、本人が当該生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けることを希望すること。

第二章 一時金の支給

(一時金の支給)

第三条国は、この法律の定めるところにより、旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対し、一時金を支給する。

(一時金の額)

第四条一時金の額は、三百二十万円とする。

(一時金に係る認定等)

第五条内閣総理大臣は、一時金の支給を受けようとする者の請求に基づき、当該支給を受ける権利の認定を行い、当該認定を受けた者に対し、一時金を支給する。
2前項の一時金の支給の請求(以下単に「請求」という。)は、当該請求をする者の居住地を管轄する都道府県知事を経由してすることができる。
3請求は、施行日から起算して五年を経過したときは、することができない。

(支払未済の一時金)

第六条旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者が請求をした後に死亡した場合において、その者が支給を受けるべき一時金でその支払を受けなかったものがあるときは、その一時金は、その者の配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたもの(以下この条及び第二十五条において「遺族」という。)に支給し、支給すべき遺族がないときは、当該死亡した者の相続人に支給する。
2前項の規定による一時金を受けるべき遺族の順位は、同項に規定する順序による。
3第一項の規定による一時金を受けるべき同順位者が二人以上あるときは、その全額をその一人に支給することができるものとし、この場合において、その一人にした支給は、全員に対してしたものとみなす。

(請求書の提出等)

第七条請求をしようとする者は、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣(当該請求が第五条第二項の規定により都道府県知事を経由してされる場合にあっては、当該都道府県知事)に、次に掲げる事項を記載した請求書(以下この条及び次条において単に「請求書」という。)を提出しなければならない。
一請求をする者の氏名及び住所又は居所
二請求に係る生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けた医療機関の名称及び所在地(これらの事項が明らかでないときは、その旨)
三請求に係る生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けた年月日(これが明らかでないときはその時期とし、いずれも明らかでないときはその旨とする。)
四請求に係る生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けるに至った経緯
五その他内閣府令で定める事項
2都道府県知事は、前項の規定による請求書の提出を受けたときは、直ちに、これを内閣総理大臣に送付しなければならない。

(都道府県知事による調査)

第八条都道府県知事は、前条第一項の規定による請求書の提出を受けたときは、内閣府令で定めるところにより、その都道府県の保有する文書(図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。次項及び第十条第一項において同じ。)にその請求に係る情報が記録されているかどうかについて調査し、又は当該都道府県の職員からの当該請求に関し知っている事実の聴取を行い、その結果を内閣総理大臣に報告するものとする。
2都道府県知事は、前条第一項の規定による請求書の提出を受けた場合であって、当該請求書にその都道府県の区域内においてその請求に係る生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けた旨の記載があるときは、内閣府令で定めるところにより、当該都道府県の区域内の市町村(特別区を含む。第二十五条において同じ。)、医療機関、障害者支援施設(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第五条第十一項に規定する障害者支援施設をいう。第十二条第三項において同じ。)、児童福祉施設(児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項に規定する児童福祉施設をいう。)その他の関係機関(以下単に「関係機関」という。)に対して、当該関係機関が保有する文書に当該請求に係る情報が記録されているかどうかについて調査し、又は当該関係機関の職員からの当該請求に関し知っている事実の聴取を行い、その結果を報告するよう求めるものとする。
3都道府県知事は、前項の規定による報告を受けたときは、速やかに、その内容を内閣総理大臣に通知するものとする。
4内閣総理大臣は、次の各号に掲げる場合には、その旨を当該各号に定める都道府県知事に通知するものとする。
一第五条第二項の規定により都道府県知事を経由してされた請求に係る請求書にその都道府県以外の都道府県の区域内において当該請求に係る生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けた旨の記載があるとき当該都道府県の知事
二都道府県知事を経由しないでされた請求に係る請求書に当該請求に係る生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けた都道府県の区域に関する記載があるとき当該都道府県の知事
5第一項から第三項までの規定は、前項の規定による通知を受けた都道府県知事について準用する。
6都道府県知事は、第一項又は第二項(これらの規定を前項において準用する場合を含む。)の規定による調査又は聴取に関し必要があると認めるときは、関係機関その他の公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

(内閣総理大臣による調査)

第九条内閣総理大臣は、第五条第一項の認定(以下単に「認定」という。)を行うため必要があると認めるときは、請求をした者(次条において「請求者」という。)その他の関係人に対して、報告をさせ、文書その他の物件を提出させ、出頭を命じ、又は内閣総理大臣の指定する医師の診断を受けさせることができる。
2内閣総理大臣は、認定を行うため必要があると認めるときは、関係機関その他の公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

(請求に係る審査)

第十条内閣総理大臣は、請求を受けたときは、当該請求に係る請求者が第二条第二項第一号から第四号までのいずれかに該当する者であることを証する書面その他当該請求に係る情報が記録されている文書により当該請求者が同項第一号から第四号までのいずれかに掲げる者に該当することを確認することができる場合を除き、当該請求の内容を旧優生保護法一時金認定審査会に通知し、当該請求者が同項各号に掲げる者に該当するかどうかについて審査を求めなければならない。
2旧優生保護法一時金認定審査会は、前項の規定による審査を求められたときは、当該審査に係る請求者が第二条第二項各号に掲げる者に該当するかどうかについて審査を行い、その結果を内閣総理大臣に通知しなければならない。
3旧優生保護法一時金認定審査会は、前項の審査を行うため必要があると認めるときは、請求者その他の関係人に対して、報告をさせ、文書その他の物件を提出させ、出頭を命じ、又は旧優生保護法一時金認定審査会の指定する医師の診断を受けさせることができる。
4旧優生保護法一時金認定審査会は、第二項の審査を行うため必要があると認めるときは、関係機関その他の公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
5旧優生保護法一時金認定審査会は、第二項の審査において、請求者及び関係人の陳述、医師の診断の結果、診療録の記載内容その他の請求に係る情報を総合的に勘案して、事案の実情に即した適切な判断を行うものとする。
6内閣総理大臣は、第二項の規定による通知があった旧優生保護法一時金認定審査会の審査の結果に基づき認定を行うものとする。

(関係機関等の協力)

第十一条関係機関は、第八条第二項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による調査又は聴取を求められたときは、これに協力するよう努めなければならない。
2関係機関その他の公務所又は公私の団体は、第八条第六項、第九条第二項又は前条第四項の規定による必要な事項の報告を求められたときは、これに協力するよう努めなければならない。

(一時金の支給手続等についての周知、相談支援等)

第十二条国及び地方公共団体は、旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対し一時金の支給手続等について十分かつ速やかに周知するための措置を適切に講ずるものとする。
2国及び都道府県は、一時金の支給を受けようとする者に対する相談支援その他請求に関し利便を図るための措置を適切に講ずるものとする。
3前二項の措置を講ずるに当たっては、旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者の多くが障害者であることを踏まえ、障害者支援施設、障害者の支援に関する活動を行う団体その他の関係者の協力を得るとともに、障害の特性に十分に配慮するものとする。

(不正利得の徴収)

第十三条偽りその他不正の手段により一時金の支給を受けた者があるときは、内閣総理大臣は、国税徴収の例により、その者から、当該一時金の価額の全部又は一部を徴収することができる。
2前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

(譲渡等の禁止)

第十四条一時金の支給を受ける権利は、譲渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

(非課税)

第十五条租税その他の公課は、一時金を標準として課することができない。

第三章 旧優生保護法一時金認定審査会

(審査会の設置)

第十六条こども家庭庁に、旧優生保護法一時金認定審査会(以下この章において「審査会」という。)を置く。
2審査会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。

(審査会の組織)

第十七条審査会は、七人以上政令で定める人数以内の委員をもって組織する。
2委員は、医療、法律、障害者福祉等に関して優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
3委員は、非常勤とする。

(会長)

第十八条審査会に、会長一人を置き、委員の互選により選任する。
2会長は、審査会の会務を総理し、審査会を代表する。
3審査会は、あらかじめ、委員のうちから、会長に事故がある場合にその職務を代理する者を定めておかなければならない。

(委員の任期)

第十九条委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2委員は、再任されることができる。
3委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。

(政令への委任)

第二十条この章に定めるもののほか、審査会に関し必要な事項は、政令で定める。

第四章 調査等及び周知

(調査等)

第二十一条国は、特定の疾病や障害を有すること等を理由として生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けることを強いられるような事態を二度と繰り返すことのないよう、全ての国民が疾病や障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資する観点から、旧優生保護法に基づく優生手術等(第二条第二項各号に掲げる者に係る生殖を不能にする手術又は放射線の照射をいう。)に関する調査その他の措置を講ずるものとする。

(この法律の趣旨及び内容についての周知)

第二十二条国は、この法律の趣旨及び内容について、広報活動等を通じて国民に周知を図り、その理解を得るよう努めるものとする。

第五章 雑則

(費用の負担)

第二十三条次に掲げる費用として内閣府令で定めるものは、内閣府令で定める基準により、国庫の負担とする。
一認定を受けた者が当該認定に係る生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けたかどうかについての医師の診断の結果が記載された診断書を内閣総理大臣又は都道府県知事に提出していた場合における当該診断書の作成に要する費用(当該診断に要する費用を含む。次号において同じ。)(同号に該当するものを除く。)
二第九条第一項又は第十条第三項の規定による医師の診断の結果が記載された診断書の作成に要する費用

(事務費の交付)

第二十四条国は、政令で定めるところにより、都道府県に対し、都道府県知事がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定によって行う事務の処理に必要な費用を交付する。

(戸籍事項の無料証明)

第二十五条市町村の長(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長又は総合区長)は、内閣総理大臣、都道府県知事又は一時金の支給を受けようとする者若しくはその遺族若しくは相続人に対して、当該市町村の条例で定めるところにより、旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者又はその遺族若しくは相続人の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。

(事務の区分)

第二十六条第五条第二項並びに第八条第一項から第三項まで(これらの規定を同条第五項において準用する場合を含む。)及び第六項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(独立行政法人福祉医療機構への事務の委託)

第二十七条内閣総理大臣は、一時金(第二十三条各号に規定する診断書の作成に要する費用を含む。次条第一項において同じ。)の支払に関する事務を独立行政法人福祉医療機構(同項及び第二十九条において「機構」という。)に委託することができる。

(旧優生保護法一時金支払基金)

第二十八条前条の規定により業務の委託を受けた機構は、一時金の支払及びこれに附帯する業務(以下この項及び次条において「一時金支払等業務」という。)に要する費用(一時金支払等業務の執行に要する費用を含む。次条において同じ。)に充てるため、旧優生保護法一時金支払基金(次項において「基金」という。)を設ける。
2基金は、次条の規定により交付された資金をもって充てるものとする。

(交付金)

第二十九条政府は、予算の範囲内において、第二十七条の規定により業務の委託を受けた機構に対し、一時金支払等業務に要する費用に充てるための資金を交付するものとする。

(内閣府令への委任)

第三十条この法律に定めるもののほか、一時金の支給手続その他の必要な事項は、内閣府令で定める。

附 則抄

(施行期日)

第一条この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三章の規定並びに附則第四条中厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号)第六条第二項の改正規定及び同法第十三条の二の次に一条を加える改正規定は、公布の日から起算して二月を経過した日から施行する。

(請求の期限の検討)

第二条第五条第三項に規定する請求の期限については、この法律の施行後における請求の状況を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする。

附 則(令和四年六月二二日法律第七六号)抄

(施行期日)

第一条この法律は、こども家庭庁設置法(令和四年法律第七十五号)の施行の日から施行する。ただし、附則第九条の規定は、この法律の公布の日から施行する。

(処分等に関する経過措置)

第二条この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条及び次条において「旧法令」という。)の規定により従前の国の機関がした認定、指定その他の処分又は通知その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条及び次条において「新法令」という。)の相当規定により相当の国の機関がした認定、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
2この法律の施行の際現に旧法令の規定により従前の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定により相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
3この法律の施行前に旧法令の規定により従前の国の機関に対して申請、届出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前に従前の国の機関に対してその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、これを、新法令の相当規定により相当の国の機関に対してその手続がされていないものとみなして、新法令の規定を適用する。

(命令の効力に関する経過措置)

第三条旧法令の規定により発せられた内閣府設置法第七条第三項の内閣府令又は国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第十二条第一項の省令は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定に基づいて発せられた相当の内閣府設置法第七条第三項の内閣府令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令としての効力を有するものとする。

(旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第八条この法律の施行の際現に第四十条の規定による改正前の旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律第十六条第一項の規定により置かれている旧優生保護法一時金認定審査会(次項において「旧審査会」という。)は、第四十条の規定による改正後の旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律(次項において「改正後旧優生保護法一時金支給法」という。)第十六条第一項の規定により置かれる旧優生保護法一時金認定審査会(次項において「新審査会」という。)となり、同一性をもって存続するものとする。
2この法律の施行の際現に旧審査会の委員である者は、この法律の施行の日に、改正後旧優生保護法一時金支給法第十七条第二項の規定により、新審査会の委員として任命されたものとみなす。この場合において、その任命されたものとみなされる委員の任期は、改正後旧優生保護法一時金支給法第十九条第一項の規定にかかわらず、同日における旧審査会の委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。

(政令への委任)

第九条附則第二条から第四条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附 則(令和四年六月二二日法律第七七号)抄

(施行期日)

第一条この法律は、令和五年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、この法律の公布の日又は当該各号に定める法律の公布の日のいずれか遅い日から施行する。
一略
二附則第十一条の規定こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(令和四年法律第七十六号)
索引
  • 第一条(趣旨)
  • 第二条(定義)
  • 第三条(一時金の支給)
  • 第四条(一時金の額)
  • 第五条(一時金に係る認定等)
  • 第六条(支払未済の一時金)
  • 第七条(請求書の提出等)
  • 第八条(都道府県知事による調査)
  • 第九条(内閣総理大臣による調査)
  • 第十条(請求に係る審査)
  • 第十一条(関係機関等の協力)
  • 第十二条(一時金の支給手続等についての周知、相談支援等)
  • 第十三条(不正利得の徴収)
  • 第十四条(譲渡等の禁止)
  • 第十五条(非課税)
  • 第十六条(審査会の設置)
  • 第十七条(審査会の組織)
  • 第十八条(会長)
  • 第十九条(委員の任期)
  • 第二十条(政令への委任)
  • 第二十一条(調査等)
  • 第二十二条(この法律の趣旨及び内容についての周知)
  • 第二十三条(費用の負担)
  • 第二十四条(事務費の交付)
  • 第二十五条(戸籍事項の無料証明)
  • 第二十六条(事務の区分)
  • 第二十七条(独立行政法人福祉医療機構への事務の委託)
  • 第二十八条(旧優生保護法一時金支払基金)
  • 第二十九条(交付金)
  • 第三十条(内閣府令への委任)
  • 附 則抄
  • 附 則(令和四年六月二二日法律第七六号)抄
  • 附 則(令和四年六月二二日法律第七七号)抄
履歴
令和7年1月17日
令和6年法律第70号
令和5年4月1日
令和4年法律第76号
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