第二条災害により住宅又は家財について甚大な被害を受けた者で被害を受けた年分の所得税法第二十二条に規定する総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額(以下「合計所得金額」という。)が千万円以下であるもの(当該災害による損失額について同法第七十二条第一項の規定の適用を受けない者に限る。)に対しては、政令の定めるところにより、当該年分の所得税の額(延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税の額を除く。)を、次の区分により軽減し又は免除する。
合計所得金額が五百万円以下であるとき当該所得税の額の全部
合計所得金額が七百五十万円以下であるとき当該所得税の額の十分の五
合計所得金額が七百五十万円を超えるとき当該所得税の額の十分の二・五
第三条所得税法第百四条第一項の規定による納付をなすべき者がその年七月一日以後の日に災害に因り被害を受け、当該被害のあつた日においてその年分の合計所得金額の見積額を計算した場合において前条の規定の適用を受けることができることとなり、且つ、その計算した合計所得金額の見積額を基礎とし、同条の規定を適用して計算した所得税の額が同項に規定する第一期において納付すべき同法第二条第一項第三十六号に規定する予定納税額(以下予定納税額という。)の計算の基礎となつた同法第百四条第一項に規定する予定納税基準額又は同法第百十一条第四項に規定する申告納税見積額に比し減少することとなつたときは、その者は、政令の定めるところにより、当該災害のあつた日から二月以内に、政府に対し、同法第百四条第一項に規定する第一期又は第二期において納付すべき予定納税額の減額に係る承認を申請することができる。この場合においては、同法第百十二条から第百十四条までの規定を準用する。
所得税法第二十八条第一項に規定する給与等(以下「給与等」という。)の支払を受ける者で、災害により住宅又は家財について甚大な被害を受け、かつ、当該災害のあつた日においてその年分の合計所得金額の見積額を計算した場合において当該見積額が千万円以下であるものに対しては、政府は、政令の定めるところにより、当該災害のあつた日以後に支払を受けるその年分の給与所得に係る給与等につき同法第百八十三条の規定による徴収を猶予し、又はその年一月一日から当該災害があつた日の前日までの間において受けた当該給与等につき同条の規定により徴収された税額を還付することができる。
所得税法第三十五条第三項に規定する公的年金等(以下「公的年金等」という。)の支払を受ける者で、災害により住宅又は家財について甚大な被害を受け、かつ、当該災害のあつた日においてその年分の合計所得金額の見積額を計算した場合において当該見積額が千万円以下であるものに対しては、政府は、政令の定めるところにより、当該災害のあつた日以後に支払を受けるその年分の雑所得に係る公的年金等につき同法第二百三条の二の規定による徴収を猶予し、又はその年一月一日から当該災害があつた日の前日までの間において受けた当該公的年金等につき同条の規定により徴収された税額を還付することができる。
所得税法第二百四条第一項第一号から第六号までに規定する報酬又は料金の支払を受ける者で、災害により住宅又は家財について甚大な被害を受け、かつ、当該災害のあつた日においてその年分の合計所得金額の見積額を計算した場合において当該見積額が千万円以下であるものに対しては、政府は、政令の定めるところにより、当該災害のあつた日以後に支払を受けるその年分の当該報酬又は料金につき同項の規定による徴収を猶予することができる。
給与等、公的年金等、報酬又は料金で政令で定めるものの支払を受ける者が災害により被害を受けた場合において、当該災害のあつた日の属する年又はその翌年以後三年以内の各年において、当該災害のあつた日の現況により当該災害による所得税法第二条第一項第二十六号に規定する雑損失の金額(当該災害以外の理由による雑損失の金額がある場合には、その金額を含む。以下この項において同じ。)があるものと見積られ、又はその雑損失の金額で同法第七十一条第一項の規定による控除を受けることができるものがあるときは、政府は、政令の定めるところにより、その者のその年又はその翌年以後三年以内の各年において支払を受ける当該給与等、公的年金等、報酬又は料金につき、同項又は同法第七十二条第一項の規定の適用に関し必要な限度において、同法第百八十三条、第二百三条の二又は第二百四条第一項の規定による徴収を猶予することができる。
第二項又は前項の規定によりその年分の給与所得に係る給与等につき所得税法第百八十三条の規定による徴収を猶予され、又はその年分の給与所得に係る給与等につき同条の規定により徴収された税額の還付を受けた者(その相続人を含む。)は、その年分の同法第百二十条又は第百二十二条から第百二十七条までの規定による申告書を提出しなければならない。この場合において、同法第百二十一条第一項及び第百九十条の規定は、これを適用しない。
前項の規定の適用がある年分の所得税につき国税通則法第二十五条の規定による決定があつた場合において、その決定に係る所得税法第百二十二条第一項第二号若しくは第三号若しくは第百二十三条第二項第八号又は東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法第十七条第二項第一号若しくは第二号に掲げる金額があるときは、所得税法第百五十九条若しくは第百六十条の規定又は東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法第二十三条の規定を準用する。この場合において、所得税法第百五十九条第三項中「第一項の更正等の日の翌日以後一月を経過する日(当該更正等が次の各号に掲げるものである場合には、当該各号に定める日。以下この項において「一月経過日」という。)(当該一月経過日」とあるのは「同法第二十五条(決定)の規定による決定の日(同日」と、同法第百六十条第三項ただし書中「次に掲げる日のうちいずれか早い日」とあるのは「同法第二十五条(決定)の規定による決定の日」と読み替えるものとする。
前項に定めるもののほか、第一項から第六項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第七条酒類又は製造たばこ、揮発油、石油ガス、原油、ガス状炭化水素若しくは石炭の製造者(石油ガスについては石油ガスの充てん者とし、原油、ガス状炭化水素又は石炭については原油、ガス状炭化水素又は石炭の採取者とする。以下この条において同じ。)又は販売業者(石油製品の販売業者を含む。以下この条において同じ。)が販売のために所持するこれらの物(石油製品を含む。)で酒税又はたばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税若しくは石油石炭税を課せられたものが災害により亡失し、滅失し、又はその本来の用途に供することができない状態になつた場合においては、政令で定めるところにより、当該災害により亡失し、滅失し、又はその本来の用途に供することができない状態になつた酒類又は製造たばこ、揮発油、石油ガス、原油、石油製品、ガス状炭化水素若しくは石炭(以下「被災酒類等」と総称する。)について課せられた酒税又はたばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税若しくは石油石炭税(以下「酒税等」と総称する。)の税額(延滞税、過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税の額を除く。)に相当する金額(被災酒類等について当該製造者又は販売業者が保険金、損害賠償金等により損失を補塡されたときは、その補塡された金額に応じ政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額)を当該被災酒類等に係る酒税等の納税義務者がその災害のあつた日以後において納付すべき酒税等の税額から、それぞれ控除する。ただし、当該納税義務者が当該製造者又は販売業者である場合を除き、その控除すべき金額は、当該製造者又は販売業者が当該納税義務者の負担により当該被災酒類等について損失の補償を受けた金額を限度とする。
前項の規定は、被災酒類等について酒税法第三十条第一項若しくは第五項、たばこ税法第十六条第一項若しくは第五項、揮発油税法第十七条第一項若しくは第四項、地方揮発油税法第九条第一項(揮発油税法第十七条第一項又は第四項に係る部分に限る。)、石油ガス税法第十五条第一項、第三項若しくは第五項又は石油石炭税法第十二条第一項若しくは第四項の規定の適用がある場合には、適用しない。
第一項の規定により被災酒類等を所持していた者ごとに酒税等の税額から控除すべきものとして計算したその税目の異なるごとの金額(控除される税目のうちに揮発油税及び地方揮発油税があるときは、これらの税目について計算した金額の合算額)が五百円未満である場合における当該金額については、同項の控除を行わない。
第一項の場合において、製造の廃止その他の事由により、同項に規定する納税義務者がその災害のあつた日以後において納付すべき酒税等の税額が当該税額から控除すべき金額に満たないこととなつたときは、政令で定めるところにより、その満たない金額をその者に還付する。この場合において、その還付が揮発油税及び地方揮発油税に係るときは、地方揮発油税法第十二条第一項及び第三項の規定を準用する。