第六条鉄道ハ左ノ事項ノ具備シタル場合ニ於テハ貨物ノ運送ヲ拒絶スルコトヲ得ス一荷送人カ法令其ノ他鉄道運送ニ関スル規定ヲ遵守スルトキ二貨物ノ運送ニ付特別ナル責務ノ条件ヲ荷送人ヨリ求メサルトキ三運送カ法令ノ規定又ハ公ノ秩序若ハ善良ノ風俗ニ反セサルトキ四貨物カ成規ニ依リ其ノ線路ニ於ケル運送ニ適スルトキ五天災事変其ノ他已ムヲ得サル事由ニ基因シタル運送上ノ支障ナキトキ前項ノ規定ハ旅客運送ニ之ヲ準用ス
第十条鉄道ハ貨物ノ種類及性質ヲ明告スヘキコトヲ荷送人ニ求ムルコトヲ得若シ其ノ種類及性質ニ付疑アルトキハ荷送人ノ立会ヲ以テ之ヲ点検スルコトヲ得点検ニ因リ貨物ノ種類及性質カ荷送人ノ明告シタル所ト異ナラサル場合ニ限リ鉄道ハ点検ニ関スル費用ヲ負担シ且之カ為生シタル損害ヲ賠償スルノ責ニ任ス前二項ノ規定ハ火薬其ノ他爆発質危険品ヲ成規ニ反シ手荷物中ニ収納シタル疑アル場合ニ之ヲ準用ス
第十一条旅客又ハ荷送人ハ手荷物又ハ運送品託送ノ際鉄道運輸規程ノ定ムル所ニ依リ表示料ヲ支払ヒ要償額ヲ表示スルコトヲ得前項ノ規定ニ依ル表示額カ託送手荷物又ハ運送品ノ引渡期間末日ニ於ケル到達地ノ価格及引渡ナキ場合ニ於テ旅客又ハ荷送人カ受クヘキ其ノ他ノ損害ノ合計額ヲ超ユルトキハ其ノ超過部分ニ付テハ其ノ表示ハ之ヲ無効トス
第十一条ノ二要償額ノ表示アル託送手荷物又ハ運送品ノ滅失又ハ毀損ニ因ル損害ニ付賠償ノ責ニ任スル場合ニ於テハ鉄道ハ表示額ヲ限度トシテ一切ノ損害ヲ賠償スル責ニ任ス此ノ場合ニ於テ鉄道ハ損害額カ左ノ額ニ達セサルコトヲ証明スルニ非サレハ左ノ額ノ支払ヲ免ルルコトヲ得ス一全部滅失ノ場合ニ於テハ表示額二一部滅失又ハ毀損ノ場合ニ於テハ引渡アリタル日(延著シタルトキハ引渡期間末日)ニ於ケル到達地ノ価格ニ依リ計算シタル価格ノ減少割合ヲ表示額ニ乗シタル額託送手荷物、高価品又ハ動物ニ付テハ託送ノ際旅客又ハ荷送人カ要償額ノ表示ヲ為ササル場合ニ於テハ鉄道ハ鉄道運輸規程ノ定ムル最高金額ヲ超エ其ノ滅失又ハ毀損ニ因ル損害ヲ賠償スル責ニ任セス前二項ノ賠償額ノ制限ハ託送手荷物又ハ運送品カ鉄道ノ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リテ滅失又ハ毀損シタル場合ニハ之ヲ適用セス
第十二条引渡期間満了後託送手荷物又ハ運送品ノ引渡ヲ為シタル場合ニ於テハ延著トス引渡期間ハ鉄道運輸規程ノ定ムル所ニ依ル延著ニ因ル損害ニ付賠償ノ責ニ任スル場合ニ於テハ鉄道ハ左ノ額ヲ限度トシテ鉄道運輸規程ノ定ムル所ニ依リ一切ノ損害ヲ賠償スル責ニ任ス一要償額ノ表示アルトキハ其ノ表示額二要償額ノ表示ナキトキハ其ノ運賃額前項ノ賠償額ノ制限ハ託送手荷物又ハ運送品カ鉄道ノ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リテ延著シタル場合ニハ之ヲ適用セス
第十三条鉄道カ引渡期間満了後一月ヲ経過スルモ託送手荷物又ハ運送品ノ引渡ヲ為ササル場合ニ於テハ旅客又ハ貨主ハ滅失ニ因ル損害賠償ヲ請求スルコトヲ得但シ鉄道ノ責ニ帰スヘカラサル事由ニ因リ引渡ヲ為ササル場合ハ此ノ限ニ在ラス前項ノ規定ニ依リ賠償ヲ受ケタル者ハ其ノ請求ノ際留保ヲ為シタルトキハ到達ノ通知ヲ受ケタル後一月内ニ限リ賠償金ヲ返還シテ託送手荷物又ハ運送品ノ引渡ヲ受クルコトヲ得
第十三条ノ三鉄道カ其ノ責ニ帰スヘカラサル事由ニ因リ貨物ノ引渡ヲ為スコト能ハサルトキハ貨主ノ費用ヲ以テ之ヲ倉庫営業者ニ寄託スルコトヲ得貨物ヲ寄託シタルトキハ鉄道ハ遅滞ナク荷送人及荷受人ニ対シ其ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス貨物ヲ寄託シタル場合ニ於テ倉荷証券ヲ作製セシメタルトキハ其ノ証券ノ交付ヲ以テ貨物ノ引渡ニ代フルコトヲ得鉄道ハ第一項ノ費用ノ弁済ヲ受クル迄倉荷証券ヲ留置スルコトヲ得前四項ノ規定ハ貨物ノ引取期間内ニ其ノ引取ナキ場合ニ之ヲ準用ス
第十七条天災事変其ノ他已ムヲ得サル事由ニ因リ運送ニ著手シ又ハ之ヲ継続スルコト能ハサルニ至リタルトキハ旅客及荷送人ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テ鉄道ハ既ニ為シタル運送ノ割合ニ応シ運賃其ノ他ノ費用ヲ請求スルコトヲ得
第十八条旅客ハ鉄道係員ノ請求アリタルトキハ何時ニテモ乗車券ヲ呈示シ検査ヲ受クヘシ有効ノ乗車券ヲ所持セス又ハ乗車券ノ検査ヲ拒ミ又ハ取集ノ際之ヲ渡ササル者ハ鉄道運輸規程ノ定ムル所ニ依リ割増賃金ヲ支払フヘシ前項ノ場合ニ於テ乗車停車場不明ナルトキハ其ノ列車ノ出発停車場ヨリ運賃ヲ計算ス乗車等級不明ナルトキハ其ノ列車ノ最優等級ニ依リ運賃ヲ計算ス
第二十九条鉄道係員ノ許諾ヲ受ケスシテ左ノ所為ヲ為シタル者ハ五十円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス一有効ノ乗車券ナクシテ乗車シタルトキ二乗車券ニ指示シタルモノヨリ優等ノ車ニ乗リタルトキ三乗車券ニ指示シタル停車場ニ於テ下車セサルトキ
第四十一条第四条ノ規定ニ違反シ伝染病患者ヲ乗車セシメタル者ハ百円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス伝染病患者其ノ病症ヲ隠蔽シテ乗車シタルトキ亦同シ前項ノ場合ニ於テ途中下車セシメタルトキト雖既ニ支払ヒタル運賃ハ之ヲ還付セス
第四十二条左ノ場合ニ於テ鉄道係員ハ旅客及公衆ヲ車外又ハ鉄道地外ニ退去セシムルコトヲ得一有効ノ乗車券ヲ所持セス又ハ検査ヲ拒ミ運賃ノ支払ヲ肯セサルトキ二第三十三条第三号ノ罪ヲ犯シ鉄道係員ノ制止ヲ肯セサルトキ又ハ第三十四条ノ罪ヲ犯シタルトキ三第三十五条、第三十七条ノ罪ヲ犯シタルトキ四其ノ他車内ニ於ケル秩序ヲ紊ルノ所為アリタルトキ前項ノ場合ニ於テ既ニ支払ヒタル運賃ハ之ヲ還付セス
(施行期日)第一条この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定公布の日
(施行期日)第一条この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一第四条、第十条(国土交通省設置法第十五条の改正規定を除く。)、第十一条及び第十二条並びに次条、附則第三条、第五条から第八条まで、第十条、第十一条及び第十三条の規定平成十八年四月一日
(罰則に関する経過措置)第六条この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定)の施行前にした行為及び附則第四条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(検討)第八条政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況を勘案し、必要があると認めるときは、当該規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(鉄道営業法の一部改正に伴う経過措置)第二十一条旧物品運送契約に基づいて貨物を寄託した場合における預証券及び質入証券並びに旧物品運送契約に基づいて鉄道と船舶との通し運送をした場合における運送状及び貨物引換証については、なお従前の例による。