第五条各議院若しくは委員会又は両議院の合同審査会は、証人が公務員(国務大臣、内閣官房副長官、内閣総理大臣補佐官、副大臣、大臣政務官及び大臣補佐官以外の国会議員を除く。以下同じ。)である場合又は公務員であつた場合その者が知り得た事実について、本人又は当該公務所から職務上の秘密に関するものであることを申し立てたときは、当該公務所又はその監督庁の承認がなければ、証言又は書類の提出を求めることができない。
当該公務所又はその監督庁が前項の承認を拒むときは、その理由を疏明しなければならない。その理由をその議院若しくは委員会又は合同審査会において受諾し得る場合には、証人は証言又は書類を提出する必要がない。
前項の理由を受諾することができない場合は、その議院若しくは委員会又は合同審査会は、更にその証言又は書類の提出が国家の重大な利益に悪影響を及ぼす旨の内閣の声明を要求することができる。その声明があつた場合は、証人は証言又は書類を提出する必要がない。
前項の要求後十日以内に、内閣がその声明を出さないときは、証人は、先に要求された証言をし、又は書類を提出しなければならない。
第五条の三情報監視審査会は、前条の規定による審査の求め又は要請を受けた場合は、各議院の議決により定めるところにより、これについて審査するものとする。
各議院の情報監視審査会から審査のため、行政機関の長に対し、必要な特定秘密の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。
前項の場合における特定秘密保護法第十条第一項及び第二十三条第二項の規定の適用については、特定秘密保護法第十条第一項第一号イ中「各議院又は各議院の委員会若しくは参議院の調査会」とあるのは「各議院の情報監視審査会」と、「国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第百四条第一項(同法第五十四条の四第一項において準用する場合を含む。)又は議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(昭和二十二年法律第二百二十五号)第一条」とあるのは「議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(昭和二十二年法律第二百二十五号)第五条の三第二項」と、「審査又は調査であって、国会法第五十二条第二項(同法第五十四条の四第一項において準用する場合を含む。)又は第六十二条の規定により公開しないこととされたもの」とあるのは「審査(公開しないで行われるものに限る。)」と、特定秘密保護法第二十三条第二項中「第十条」とあるのは「第十条(議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第五条の三第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」とする。
行政機関の長が第二項の求めに応じないときは、その理由を疎明しなければならない。その理由をその情報監視審査会において受諾し得る場合には、行政機関の長は、その特定秘密の提出をする必要がない。
前項の理由を受諾することができない場合は、その情報監視審査会は、更にその特定秘密の提出が我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがある旨の内閣の声明を要求することができる。その声明があつた場合は、行政機関の長は、その特定秘密の提出をする必要がない。
前項の要求後十日以内に、内閣がその声明を出さないときは、行政機関の長は、先に求められた特定秘密の提出をしなければならない。
情報監視審査会は、第一項の審査の結果に基づき必要があると認めるときは、行政機関の長に対し、当該審査の求め又は要請をした議院若しくは委員会又は両議院の合同審査会の求めに応じて第五条第一項の承認をすべき旨の勧告をすることができる。この場合において、当該勧告は、その承認を求める証言又は書類の範囲を限定して行うことができる。
第四項から第六項までの規定は、行政機関の長が前項の勧告に従わない場合について準用する。この場合において、第四項及び第五項中「行政機関の長は」とあるのは「証人は」と、「その特定秘密の提出」とあるのは「その勧告に係る証言又は書類の提出」と、第六項中「行政機関の長は」とあるのは「証人は」と、「先に求められた特定秘密の提出」とあるのは「その勧告に係る証言又は書類の提出」と読み替えるものとする。
情報監視審査会は、第一項の審査の結果を、当該審査の求め又は要請をした議院若しくは委員会又は両議院の合同審査会に対して通知するものとする。