(違反に対する措置)
第七条都道府県知事は、条例で定めるところにより、第三条から第五条までの規定に基づく条例に違反した広告物を表示し、若しくは当該条例に違反した掲出物件を設置し、又はこれらを管理する者に対し、これらの表示若しくは設置の停止を命じ、又は相当の期限を定め、これらの除却その他良好な景観を形成し、若しくは風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止するために必要な措置を命ずることができる。
2都道府県知事は、前項の規定による措置を命じようとする場合において、当該広告物を表示し、若しくは当該掲出物件を設置し、又はこれらを管理する者を過失がなくて確知することができないときは、これらの措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。ただし、掲出物件を除却する場合においては、条例で定めるところにより、相当の期限を定め、これを除却すべき旨及びその期限までに除却しないときは、自ら又はその命じた者若しくは委任した者が除却する旨を公告しなければならない。
3都道府県知事は、第一項の規定による措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)第三条から第六条までに定めるところに従い、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせ、その費用を義務者から徴収することができる。
4都道府県知事は、第三条から第五条までの規定に基づく条例(以下この項において「条例」という。)に違反した広告物又は掲出物件が、はり紙、はり札等(容易に取り外すことができる状態で工作物等に取り付けられているはり札その他これに類する広告物をいう。以下この項において同じ。)、広告旗(容易に移動させることができる状態で立てられ、又は容易に取り外すことができる状態で工作物等に取り付けられている広告の用に供する旗(これを支える台を含む。)をいう。以下この項において同じ。)又は立看板等(容易に移動させることができる状態で立てられ、又は工作物等に立て掛けられている立看板その他これに類する広告物又は掲出物件(これらを支える台を含む。)をいう。以下この項において同じ。)であるときは、その違反に係るはり紙、はり札等、広告旗又は立看板等を自ら除却し、又はその命じた者若しくは委任した者に除却させることができる。ただし、はり紙にあつては第一号に、はり札等、広告旗又は立看板等にあつては次の各号のいずれにも該当する場合に限る。
一条例で定める都道府県知事の許可を受けなければならない場合に明らかに該当すると認められるにもかかわらずその許可を受けないで表示され又は設置されているとき、条例に適用を除外する規定が定められている場合にあつては当該規定に明らかに該当しないと認められるにもかかわらず禁止された場所に表示され又は設置されているとき、その他条例に明らかに違反して表示され又は設置されていると認められるとき。
(除却した広告物等の保管、売却又は廃棄)
第八条都道府県知事は、前条第二項又は第四項の規定により広告物又は掲出物件を除却し、又は除却させたときは、当該広告物又は掲出物件を保管しなければならない。ただし、除却し、又は除却させた広告物がはり紙である場合は、この限りでない。
2都道府県知事は、前項の規定により広告物又は掲出物件を保管したときは、当該広告物又は掲出物件の所有者、占有者その他当該広告物又は掲出物件について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)に対し当該広告物又は掲出物件を返還するため、条例で定めるところにより、条例で定める事項を公示しなければならない。
3都道府県知事は、第一項の規定により保管した広告物若しくは掲出物件が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又は前項の規定による公示の日から次の各号に掲げる広告物若しくは掲出物件の区分に従い当該各号に定める期間を経過してもなお当該広告物若しくは掲出物件を返還することができない場合において、条例で定めるところにより評価した当該広告物若しくは掲出物件の価額に比し、その保管に不相当な費用若しくは手数を要するときは、条例で定めるところにより、当該広告物又は掲出物件を売却し、その売却した代金を保管することができる。
一前条第四項の規定により除却された広告物二日以上で条例で定める期間
二特に貴重な広告物又は掲出物件三月以上で条例で定める期間
三前二号に掲げる広告物又は掲出物件以外の広告物又は掲出物件二週間以上で条例で定める期間
4都道府県知事は、前項に規定する広告物又は掲出物件の価額が著しく低い場合において、同項の規定による広告物又は掲出物件の売却につき買受人がないとき、又は売却しても買受人がないことが明らかであるときは、当該広告物又は掲出物件を廃棄することができる。
5第三項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。
6前条第二項及び第四項並びに第一項から第三項までに規定する広告物又は掲出物件の除却、保管、売却、公示その他の措置に要した費用は、当該広告物又は掲出物件の返還を受けるべき広告物又は掲出物件の所有者等(前条第二項に規定する措置を命ずべき者を含む。)に負担させることができる。
7第二項の規定による公示の日から起算して六月を経過してもなお第一項の規定により保管した広告物又は掲出物件(第三項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該広告物又は掲出物件の所有権は、当該広告物又は掲出物件を保管する都道府県に帰属する。