(援護の実施者)
第九条この法律に定める身体障害者又はその介護を行う者に対する援護は、その身体障害者の居住地の市町村(特別区を含む。以下同じ。)が行うものとする。ただし、身体障害者が居住地を有しないか、又は明らかでない者であるときは、その身体障害者の現在地の市町村が行うものとする。
2前項の規定にかかわらず、第十八条第二項の規定により入所措置が採られて又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第二十九条第一項若しくは第三十条第一項の規定により同法第十九条第一項に規定する介護給付費等(次項及び第十八条において「介護給付費等」という。)の支給を受けて同法第五条第一項若しくは第六項の主務省令で定める施設又は同条第十一項に規定する障害者支援施設(以下「障害者支援施設」という。)に入所している身体障害者、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第三十条第一項ただし書の規定により同法第三十八条第二項に規定する救護施設(以下この項において「救護施設」という。)、同条第三項に規定する更生施設(以下この項において「更生施設」という。)又は同法第三十条第一項ただし書に規定するその他の適当な施設(以下この項において「その他の適当な施設」という。)に入所している身体障害者、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第八条第十一項に規定する特定施設(以下この項及び次項において「介護保険特定施設」という。)に入居し、又は同条第二十五項に規定する介護保険施設(以下この項及び次項において「介護保険施設」という。)に入所している身体障害者及び老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第十一条第一項第一号の規定により入所措置が採られて同法第二十条の四に規定する養護老人ホーム(以下この項において「養護老人ホーム」という。)に入所している身体障害者(以下この項において「特定施設入所等身体障害者」という。)については、その者が障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第五条第一項若しくは第六項の主務省令で定める施設、障害者支援施設、救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設、介護保険特定施設若しくは介護保険施設又は養護老人ホーム(以下この条において「特定施設」という。)への入所又は入居の前に有した居住地(継続して二以上の特定施設に入所又は入居をしている特定施設入所等身体障害者(以下この項において「継続入所等身体障害者」という。)については、最初に入所又は入居をした特定施設への入所又は入居の前に有した居住地)の市町村が、この法律に定める援護を行うものとする。ただし、特定施設への入所又は入居の前に居住地を有しないか、又は明らかでなかつた特定施設入所等身体障害者については、入所又は入居の前におけるその者の所在地(継続入所等身体障害者については、最初に入所又は入居をした特定施設への入所又は入居の前に有した所在地)の市町村が、この法律に定める援護を行うものとする。
3前二項の規定にかかわらず、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十四条の二第一項若しくは第二十四条の二十四第一項若しくは第二項の規定により障害児入所給付費の支給を受けて又は同法第二十七条第一項第三号若しくは第二項の規定により措置(同法第三十一条第五項又は第三十一条の二第三項の規定により同法第二十七条第一項第三号又は第二項の規定による措置とみなされる場合を含む。)が採られて障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第五条第一項の主務省令で定める施設に入所していた身体障害者又は身体に障害のある児童福祉法第四条第一項に規定する児童(以下この項において「身体障害者等」という。)が、継続して、第十八条第二項の規定により入所措置が採られて、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第二十九条第一項若しくは第三十条第一項の規定により介護給付費等の支給を受けて、生活保護法第三十条第一項ただし書の規定により、若しくは老人福祉法第十一条第一項第一号の規定により入所措置が採られて特定施設(介護保険特定施設及び介護保険施設を除く。)に入所した場合又は介護保険特定施設若しくは介護保険施設に入所若しくは入居をした場合は、当該身体障害者等が満十八歳となる日の前日に当該身体障害者等の保護者であつた者(以下この項において「保護者であつた者」という。)が有した居住地の市町村が、この法律に定める援護を行うものとする。ただし、当該身体障害者等が満十八歳となる日の前日に保護者であつた者がいないか、保護者であつた者が居住地を有しないか、又は保護者であつた者の居住地が明らかでない身体障害者等については、当該身体障害者等が満十八歳となる日の前日におけるその者の所在地の市町村がこの法律に定める援護を行うものとする。
4前二項の規定の適用を受ける身体障害者が入所し、又は入居している特定施設の設置者は、当該特定施設の所在する市町村及び当該身体障害者に対しこの法律に定める援護を行う市町村に必要な協力をしなければならない。
5市町村は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
一身体に障害のある者を発見して、又はその相談に応じて、その福祉の増進を図るために必要な指導を行うこと。
二身体障害者の福祉に関し、必要な情報の提供を行うこと。
三身体障害者の相談に応じ、その生活の実情、環境等を調査し、更生援護の必要の有無及びその種類を判断し、本人に対して、直接に、又は間接に、社会的更生の方途を指導すること並びにこれに付随する業務を行うこと。
6市町村は、前項第二号の規定による情報の提供並びに同項第三号の規定による相談及び指導のうち主として居宅において日常生活を営む身体障害者及びその介護を行う者に係るものについては、これを障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第五条第十九項に規定する一般相談支援事業又は特定相談支援事業を行う当該市町村以外の者に委託することができる。
7その設置する福祉事務所(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所をいう。以下同じ。)に身体障害者の福祉に関する事務をつかさどる職員(以下「身体障害者福祉司」という。)を置いていない市町村の長及び福祉事務所を設置していない町村の長は、第五項第三号に掲げる業務のうち専門的な知識及び技術を必要とするもの(次条第二項及び第三項において「専門的相談指導」という。)については、身体障害者の更生援護に関する相談所(以下「身体障害者更生相談所」という。)の技術的援助及び助言を求めなければならない。
8市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)は、第五項第三号に掲げる業務を行うに当たつて、特に医学的、心理学的及び職能的判定を必要とする場合には、身体障害者更生相談所の判定を求めなければならない。
9市町村長は、この法律の規定による市町村の事務の全部又は一部をその管理に属する行政庁に委任することができる。
(更生相談所)
第十一条都道府県は、身体障害者の更生援護の利便のため、及び市町村の援護の適切な実施の支援のため、必要の地に身体障害者更生相談所を設けなければならない。
2身体障害者更生相談所は、身体障害者の福祉に関し、主として前条第一項第一号に掲げる業務(第十八条第二項の措置に係るものに限る。)及び前条第一項第二号ロからニまでに掲げる業務並びに障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第二十二条第二項及び第三項、第二十六条第一項、第五十一条の七第二項及び第三項、第五十一条の十一、第七十四条並びに第七十六条第三項に規定する業務を行うものとする。
3身体障害者更生相談所は、必要に応じ、巡回して、前項に規定する業務を行うことができる。
4前各項に定めるもののほか、身体障害者更生相談所に関し必要な事項は、政令で定める。
(身体障害者福祉司)
第十一条の二都道府県は、その設置する身体障害者更生相談所に、身体障害者福祉司を置かなければならない。
2市及び町村は、その設置する福祉事務所に、身体障害者福祉司を置くことができる。
3都道府県の身体障害者福祉司は、身体障害者更生相談所の長の命を受けて、次に掲げる業務を行うものとする。
一第十条第一項第一号に掲げる業務のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと。
二身体障害者の福祉に関し、第十条第一項第二号ロに掲げる業務を行うこと。
4市町村の身体障害者福祉司は、当該市町村の福祉事務所の長の命を受けて、身体障害者の福祉に関し、次に掲げる業務を行うものとする。
二第九条第五項第三号に掲げる業務のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと。
5市の身体障害者福祉司は、第九条の二第二項の規定により技術的援助及び助言を求められたときは、これに協力しなければならない。この場合において、特に専門的な知識及び技術が必要であると認めるときは、身体障害者更生相談所に当該技術的援助及び助言を求めるよう助言しなければならない。
(身体障害者相談員)
第十二条の三市町村は、身体に障害のある者の福祉の増進を図るため、身体に障害のある者の相談に応じ、及び身体に障害のある者の更生のために必要な援助を行うこと(次項において「相談援助」という。)を、社会的信望があり、かつ、身体に障害のある者の更生援護に熱意と識見を持つている者に委託することができる。
2前項の規定にかかわらず、都道府県は、障害の特性その他の事情に応じた相談援助を委託することが困難であると認められる市町村がある場合にあつては、当該市町村の区域における当該相談援助を、社会的信望があり、かつ、身体に障害のある者の更生援護に熱意と識見を持つている者に委託することができる。
3前二項の規定により委託を受けた者は、身体障害者相談員と称する。
4身体障害者相談員は、その委託を受けた業務を行うに当たつては、身体に障害のある者が、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第五条第一項に規定する障害福祉サービス事業(第十八条の二において「障害福祉サービス事業」という。)、同法第五条第十九項に規定する一般相談支援事業その他の身体障害者の福祉に関する事業に係るサービスを円滑に利用することができるように配慮し、これらのサービスを提供する者その他の関係者等との連携を保つよう努めなければならない。
5身体障害者相談員は、その委託を受けた業務を行うに当たつては、個人の人格を尊重し、その身上に関する秘密を守らなければならない。