(建築主事又は建築副主事)
第四条政令で指定する人口二十五万以上の市は、その長の指揮監督の下に、第六条第一項の規定による確認に関する事務その他のこの法律の規定により建築主事の権限に属するものとされている事務(以下この条において「確認等事務」という。)をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。
2市町村(前項の市を除く。)は、その長の指揮監督の下に、確認等事務をつかさどらせるために、建築主事を置くことができる。
3市町村は、前項の規定により建築主事を置こうとする場合においては、あらかじめ、その設置について、都道府県知事に協議しなければならない。
4市町村が前項の規定により協議して建築主事を置くときは、当該市町村の長は、建築主事が置かれる日の三十日前までにその旨を公示し、かつ、これを都道府県知事に通知しなければならない。
5都道府県は、都道府県知事の指揮監督の下に、第一項又は第二項の規定によつて建築主事を置いた市町村(第九十七条の二を除き、以下「建築主事を置く市町村」という。)の区域外における確認等事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。
6第一項、第二項及び前項の建築主事は、市町村又は都道府県の職員で第七十七条の五十八第一項の登録(同条第二項の一級建築基準適合判定資格者登録簿への登録に限る。)を受けている者のうちから、それぞれ市町村の長又は都道府県知事が命ずる。
7第一項、第二項又は第五項の規定によつて建築主事を置いた市町村又は都道府県は、当該市町村又は都道府県における確認等事務の実施体制の確保又は充実を図るため必要があると認めるときは、建築主事のほか、当該市町村の長又は都道府県知事の指揮監督の下に、確認等事務のうち建築士法第三条第一項各号に掲げる建築物(以下「大規模建築物」という。)に係るもの以外のものをつかさどらせるために、建築副主事を置くことができる。
8前項の建築副主事は、市町村又は都道府県の職員で第七十七条の五十八第一項の登録(同条第二項の二級建築基準適合判定資格者登録簿への登録に限る。)を受けている者のうちから、それぞれ市町村の長又は都道府県知事が命ずる。
9特定行政庁は、その所轄区域を分けて、その区域を所管する建築主事(第七項の規定によつて建築副主事を置いた場合にあつては、建築主事及び建築副主事)を指定することができる。
(建築基準適合判定資格者検定)
第五条建築基準適合判定資格者検定は、建築士の設計に係る建築物が第六条第一項の建築基準関係規定に適合するかどうかを判定するために必要な知識について、国土交通大臣が行う。
2前項の検定は、これを分けて一級建築基準適合判定資格者検定及び二級建築基準適合判定資格者検定とする。
3一級建築基準適合判定資格者検定は、一級建築士の設計に係る建築物が第六条第一項の建築基準関係規定に適合するかどうかを判定するために必要な知識について行う。
4二級建築基準適合判定資格者検定は、二級建築士の設計に係る建築物が第六条第一項の建築基準関係規定に適合するかどうかを判定するために必要な知識について行う。
5一級建築基準適合判定資格者検定は、一級建築士試験に合格した者でなければ受けることができない。
6二級建築基準適合判定資格者検定は、一級建築士試験又は二級建築士試験に合格した者でなければ受けることができない。
7建築基準適合判定資格者検定に関する事務をつかさどらせるために、国土交通省に、建築基準適合判定資格者検定委員を置く。ただし、次条第一項の指定建築基準適合判定資格者検定機関が同項の建築基準適合判定資格者検定事務を行う場合においては、この限りでない。
8建築基準適合判定資格者検定委員は、建築及び行政に関し学識経験のある者のうちから、国土交通大臣が命ずる。
9国土交通大臣は、不正の手段によつて建築基準適合判定資格者検定を受け、又は受けようとした者に対しては、合格の決定を取り消し、又はその建築基準適合判定資格者検定を受けることを禁止することができる。
10国土交通大臣は、前項又は次条第二項の規定による処分を受けた者に対し、情状により、二年以内の期間を定めて建築基準適合判定資格者検定を受けることができないものとすることができる。
11前各項に定めるものを除くほか、建築基準適合判定資格者検定の手続及び基準その他建築基準適合判定資格者検定に関し必要な事項は、政令で定める。
(建築物の建築等に関する申請及び確認)
第六条建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事又は建築副主事(以下「建築主事等」という。)の確認(建築副主事の確認にあつては、大規模建築物以外の建築物に係るものに限る。以下この項において同じ。)を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。
一別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が二百平方メートルを超えるもの
二木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの
三木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの
四前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物
2前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。
3建築主事等は、第一項の申請書が提出された場合において、その計画が次の各号のいずれかに該当するときは、当該申請書を受理することができない。
一建築士法第三条第一項、第三条の二第一項、第三条の三第一項、第二十条の二第一項若しくは第二十条の三第一項の規定又は同法第三条の二第三項の規定に基づく条例の規定に違反するとき。
二構造設計一級建築士以外の一級建築士が建築士法第二十条の二第一項の建築物の構造設計を行つた場合において、当該建築物が構造関係規定に適合することを構造設計一級建築士が確認した構造設計によるものでないとき。
三設備設計一級建築士以外の一級建築士が建築士法第二十条の三第一項の建築物の設備設計を行つた場合において、当該建築物が設備関係規定に適合することを設備設計一級建築士が確認した設備設計によるものでないとき。
4建築主事等は、第一項の申請書を受理した場合においては、同項第一号から第三号までに係るものにあつてはその受理した日から三十五日以内に、同項第四号に係るものにあつてはその受理した日から七日以内に、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し、審査の結果に基づいて建築基準関係規定に適合することを確認したときは、当該申請者に確認済証を交付しなければならない。
5建築主事等は、前項の場合において、申請に係る建築物の計画が第六条の三第一項の構造計算適合性判定を要するものであるときは、建築主から同条第七項の適合判定通知書又はその写しの提出を受けた場合に限り、第一項の規定による確認をすることができる。
6建築主事等は、第四項の場合(申請に係る建築物の計画が第六条の三第一項の特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。)に適合するかどうかを審査する場合その他国土交通省令で定める場合に限る。)において、第四項の期間内に当該申請者に第一項の確認済証を交付することができない合理的な理由があるときは、三十五日の範囲内において、第四項の期間を延長することができる。この場合においては、その旨及びその延長する期間並びにその期間を延長する理由を記載した通知書を同項の期間内に当該申請者に交付しなければならない。
7建築主事等は、第四項の場合において、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、又は建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を同項の期間(前項の規定により第四項の期間を延長した場合にあつては、当該延長後の期間)内に当該申請者に交付しなければならない。
8第一項の確認済証の交付を受けた後でなければ、同項の建築物の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事は、することができない。
9第一項の規定による確認の申請書、同項の確認済証並びに第六項及び第七項の通知書の様式は、国土交通省令で定める。
(国土交通大臣等の指定を受けた者による確認)
第六条の二前条第一項各号に掲げる建築物の計画(前条第三項各号のいずれかに該当するものを除く。)が建築基準関係規定に適合するものであることについて、第七十七条の十八から第七十七条の二十一までの規定の定めるところにより国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者の確認を受け、国土交通省令で定めるところにより確認済証の交付を受けたときは、当該確認は前条第一項の規定による確認と、当該確認済証は同項の確認済証とみなす。
2前項の規定による指定は、二以上の都道府県の区域において同項の規定による確認の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては国土交通大臣が、一の都道府県の区域において同項の規定による確認の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては都道府県知事がするものとする。
3第一項の規定による指定を受けた者は、同項の規定による確認の申請を受けた場合において、申請に係る建築物の計画が次条第一項の構造計算適合性判定を要するものであるときは、建築主から同条第七項の適合判定通知書又はその写しの提出を受けた場合に限り、第一項の規定による確認をすることができる。
4第一項の規定による指定を受けた者は、同項の規定による確認の申請を受けた場合において、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、又は建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨及びその理由を記載した通知書を当該申請者に交付しなければならない。
5第一項の規定による指定を受けた者は、同項の確認済証又は前項の通知書の交付をしたときは、国土交通省令で定める期間内に、国土交通省令で定めるところにより、確認審査報告書を作成し、当該確認済証又は当該通知書の交付に係る建築物の計画に関する国土交通省令で定める書類を添えて、これを特定行政庁に提出しなければならない。
6特定行政庁は、前項の規定による確認審査報告書の提出を受けた場合において、第一項の確認済証の交付を受けた建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないと認めるときは、当該建築物の建築主及び当該確認済証を交付した同項の規定による指定を受けた者にその旨を通知しなければならない。この場合において、当該確認済証は、その効力を失う。
7前項の場合において、特定行政庁は、必要に応じ、第九条第一項又は第十項の命令その他の措置を講ずるものとする。
(構造計算適合性判定)
第六条の三建築主は、第六条第一項の場合において、申請に係る建築物の計画が第二十条第一項第二号若しくは第三号に定める基準(同項第二号イ又は第三号イの政令で定める基準に従つた構造計算で、同項第二号イに規定する方法若しくはプログラムによるもの又は同項第三号イに規定するプログラムによるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。以下「特定構造計算基準」という。)又は第三条第二項(第八十六条の九第一項において準用する場合を含む。)の規定により第二十条の規定の適用を受けない建築物について第八十六条の七第一項の政令で定める範囲内において増築若しくは改築をする場合における同項の政令で定める基準(特定構造計算基準に相当する基準として政令で定めるものに限る。以下「特定増改築構造計算基準」という。)に適合するかどうかの確認審査(第六条第四項に規定する審査又は前条第一項の規定による確認のための審査をいう。以下この項において同じ。)を要するものであるときは、構造計算適合性判定(当該建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかの判定をいう。以下同じ。)の申請書を提出して都道府県知事の構造計算適合性判定を受けなければならない。ただし、当該建築物の計画が特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分のうち確認審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるものに限る。)又は特定増改築構造計算基準(確認審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるものに限る。)に適合するかどうかを、構造計算に関する高度の専門的知識及び技術を有する者として国土交通省令で定める要件を備える者である建築主事等が第六条第四項に規定する審査をする場合又は前条第一項の規定による指定を受けた者が当該国土交通省令で定める要件を備える者である第七十七条の二十四第一項の確認検査員若しくは副確認検査員に前条第一項の規定による確認のための審査をさせる場合は、この限りでない。
2都道府県知事は、前項の申請書を受理した場合において、申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて当該都道府県に置かれた建築主事等が第六条第一項の規定による確認をするときは、当該建築主事等を当該申請に係る構造計算適合性判定に関する事務に従事させてはならない。
3都道府県知事は、特別な構造方法の建築物の計画について第一項の構造計算適合性判定を行うに当たつて必要があると認めるときは、当該構造方法に係る構造計算に関して専門的な識見を有する者の意見を聴くものとする。
4都道府県知事は、第一項の申請書を受理した場合においては、その受理した日から十四日以内に、当該申請に係る構造計算適合性判定の結果を記載した通知書を当該申請者に交付しなければならない。
5都道府県知事は、前項の場合(申請に係る建築物の計画が特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。)に適合するかどうかの判定の申請を受けた場合その他国土交通省令で定める場合に限る。)において、前項の期間内に当該申請者に同項の通知書を交付することができない合理的な理由があるときは、三十五日の範囲内において、同項の期間を延長することができる。この場合においては、その旨及びその延長する期間並びにその期間を延長する理由を記載した通知書を同項の期間内に当該申請者に交付しなければならない。
6都道府県知事は、第四項の場合において、申請書の記載によつては当該建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を同項の期間(前項の規定により第四項の期間を延長した場合にあつては、当該延長後の期間)内に当該申請者に交付しなければならない。
7建築主は、第四項の規定により同項の通知書の交付を受けた場合において、当該通知書が適合判定通知書(当該建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するものであると判定された旨が記載された通知書をいう。以下同じ。)であるときは、第六条第一項又は前条第一項の規定による確認をする建築主事等又は同項の規定による指定を受けた者に、当該適合判定通知書又はその写しを提出しなければならない。ただし、当該建築物の計画に係る第六条第七項又は前条第四項の通知書の交付を受けた場合は、この限りでない。
8建築主は、前項の場合において、建築物の計画が第六条第一項の規定による建築主事等の確認に係るものであるときは、同条第四項の期間(同条第六項の規定により同条第四項の期間が延長された場合にあつては、当該延長後の期間)の末日の三日前までに、前項の適合判定通知書又はその写しを当該建築主事等に提出しなければならない。
9第一項の規定による構造計算適合性判定の申請書及び第四項から第六項までの通知書の様式は、国土交通省令で定める。
(国土交通大臣等の指定を受けた者による完了検査)
第七条の二第七十七条の十八から第七十七条の二十一までの規定の定めるところにより国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者が、第六条第一項の規定による工事の完了の日から四日が経過する日までに、当該工事に係る建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合しているかどうかの検査を引き受けた場合において、当該検査の引受けに係る工事が完了したときについては、前条第一項から第三項までの規定は、適用しない。
2前項の規定による指定は、二以上の都道府県の区域において同項の検査の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては国土交通大臣が、一の都道府県の区域において同項の検査の業務を行おうとする者を指定する場合にあつては都道府県知事がするものとする。
3第一項の規定による指定を受けた者は、同項の規定による検査の引受けを行つたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を証する書面を建築主に交付するとともに、その旨を建築主事等(当該検査の引受けが大規模建築物に係るものである場合にあつては、建築主事。第七条の四第二項において同じ。)に通知しなければならない。
4第一項の規定による指定を受けた者は、同項の規定による検査の引受けを行つたときは、当該検査の引受けを行つた第六条第一項の規定による工事が完了した日又は当該検査の引受けを行つた日のいずれか遅い日から七日以内に、第一項の検査をしなければならない。
5第一項の規定による指定を受けた者は、同項の検査をした建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合していることを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該建築物の建築主に対して検査済証を交付しなければならない。この場合において、当該検査済証は、前条第五項の検査済証とみなす。
6第一項の規定による指定を受けた者は、同項の検査をしたときは、国土交通省令で定める期間内に、国土交通省令で定めるところにより、完了検査報告書を作成し、同項の検査をした建築物及びその敷地に関する国土交通省令で定める書類を添えて、これを特定行政庁に提出しなければならない。
7特定行政庁は、前項の規定による完了検査報告書の提出を受けた場合において、第一項の検査をした建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合しないと認めるときは、遅滞なく、第九条第一項又は第七項の規定による命令その他必要な措置を講ずるものとする。
(建築物に関する中間検査)
第七条の三建築主は、第六条第一項の規定による工事が次の各号のいずれかに該当する工程(以下「特定工程」という。)を含む場合において、当該特定工程に係る工事を終えたときは、その都度、国土交通省令で定めるところにより、建築主事等の検査を申請しなければならない。
一階数が三以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程のうち政令で定める工程
二前号に掲げるもののほか、特定行政庁が、その地方の建築物の建築の動向又は工事に関する状況その他の事情を勘案して、区域、期間又は建築物の構造、用途若しくは規模を限つて指定する工程
2前項の規定による申請は、特定工程に係る工事を終えた日から四日以内に建築主事等に到達するように、しなければならない。ただし、申請をしなかつたことについて国土交通省令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
3前項ただし書の場合における検査の申請は、その理由がやんだ日から四日以内に建築主事等に到達するように、しなければならない。
4建築主事等が第一項の規定による申請を受理した場合においては、検査実施者は、その申請を受理した日から四日以内に、当該申請に係る工事中の建築物等(建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事中の建築物及びその敷地をいう。以下この章において同じ。)について、検査前に施工された工事に係る建築物の部分及びその敷地が建築基準関係規定に適合するかどうかを検査しなければならない。
5検査実施者は、前項の規定による検査をした場合において、工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合することを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該建築主に対して当該特定工程に係る中間検査合格証を交付しなければならない。
6第一項第一号の政令で定める特定工程ごとに政令で定める当該特定工程後の工程及び特定行政庁が同項第二号の指定と併せて指定する特定工程後の工程(第十八条第三十一項及び第三十五項において「特定工程後の工程」と総称する。)に係る工事は、前項の規定による当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受けた後でなければ、これを施工してはならない。
7検査実施者又は前条第一項の規定による指定を受けた者は、第四項の規定による検査において建築基準関係規定に適合することを認められた工事中の建築物等について、第七条第四項、前条第一項、第四項又は次条第一項の規定による検査をするときは、第四項の規定による検査において建築基準関係規定に適合することを認められた建築物の部分及びその敷地については、これらの規定による検査をすることを要しない。
8第一項第二号の規定による指定に関して公示その他の必要な事項は、国土交通省令で定める。
(国土交通大臣等の指定を受けた者による中間検査)
第七条の四第六条第一項の規定による工事が特定工程を含む場合において、第七条の二第一項の規定による指定を受けた者が当該特定工程に係る工事を終えた後の工事中の建築物等について、検査前に施工された工事に係る建築物の部分及びその敷地が建築基準関係規定に適合するかどうかの検査を当該工事を終えた日から四日が経過する日までに引き受けたときについては、前条第一項から第三項までの規定は、適用しない。
2第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、前項の規定による検査の引受けを行つたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を証する書面を建築主に交付するとともに、その旨を建築主事等に通知しなければならない。
3第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第一項の検査をした場合において、特定工程に係る工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合することを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該建築主に対して当該特定工程に係る中間検査合格証を交付しなければならない。
4前項の規定により交付された特定工程に係る中間検査合格証は、それぞれ、当該特定工程に係る前条第五項の中間検査合格証とみなす。
5前条第七項の規定の適用については、第三項の規定により特定工程に係る中間検査合格証が交付された第一項の検査は、それぞれ、同条第五項の規定により当該特定工程に係る中間検査合格証が交付された同条第四項の規定による検査とみなす。
6第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第一項の検査をしたときは、国土交通省令で定める期間内に、国土交通省令で定めるところにより、中間検査報告書を作成し、同項の検査をした工事中の建築物等に関する国土交通省令で定める書類を添えて、これを特定行政庁に提出しなければならない。
7特定行政庁は、前項の規定による中間検査報告書の提出を受けた場合において、第一項の検査をした工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合しないと認めるときは、遅滞なく、第九条第一項又は第十項の規定による命令その他必要な措置を講ずるものとする。
(違反建築物に対する措置)
第九条特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
2特定行政庁は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対して、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
3前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
4特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取の請求があつた場合においては、第一項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
5特定行政庁は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第一項の規定によつて命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の二日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。
6第四項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
7特定行政庁は、緊急の必要がある場合においては、前五項の規定にかかわらず、これらに定める手続によらないで、仮に、使用禁止又は使用制限の命令をすることができる。
8前項の命令を受けた者は、その命令を受けた日から三日以内に、特定行政庁に対して公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。この場合においては、第四項から第六項までの規定を準用する。ただし、意見の聴取は、その請求があつた日から五日以内に行わなければならない。
9特定行政庁は、前項の意見の聴取の結果に基づいて、第七項の規定によつて仮にした命令が不当でないと認めた場合においては、第一項の命令をすることができる。意見の聴取の結果、第七項の規定によつて仮にした命令が不当であると認めた場合においては、直ちに、その命令を取り消さなければならない。
10特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反することが明らかな建築、修繕又は模様替の工事中の建築物については、緊急の必要があつて第二項から第六項までに定める手続によることができない場合に限り、これらの手続によらないで、当該建築物の建築主又は当該工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者に対して、当該工事の施工の停止を命ずることができる。この場合において、これらの者が当該工事の現場にいないときは、当該工事に従事する者に対して、当該工事に係る作業の停止を命ずることができる。
11第一項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができず、かつ、その違反を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、特定行政庁は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、特定行政庁又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。
12特定行政庁は、第一項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、みずから義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。
13特定行政庁は、第一項又は第十項の規定による命令をした場合(建築監視員が第十項の規定による命令をした場合を含む。)においては、標識の設置その他国土交通省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
14前項の標識は、第一項又は第十項の規定による命令に係る建築物又は建築物の敷地内に設置することができる。この場合においては、第一項又は第十項の規定による命令に係る建築物又は建築物の敷地の所有者、管理者又は占有者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
15第一項、第七項又は第十項の規定による命令については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。
(報告、検査等)
第十二条第六条第一項第一号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(国、都道府県及び建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物(以下この項及び第三項において「国等の建築物」という。)を除く。)及び当該政令で定めるもの以外の特定建築物(同号に掲げる建築物その他政令で定める建築物をいう。以下この条において同じ。)で特定行政庁が指定するもの(国等の建築物を除く。)の所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項において同じ。)は、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者(次項及び次条第三項において「建築物調査員」という。)にその状況の調査(これらの建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、これらの建築物の建築設備及び防火戸その他の政令で定める防火設備(以下「建築設備等」という。)についての第三項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
2国、都道府県又は建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する特定建築物の管理者である国、都道府県若しくは市町村の機関の長又はその委任を受けた者(以下この章において「国の機関の長等」という。)は、当該特定建築物の敷地及び構造について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員に、損傷、腐食その他の劣化の状況の点検(当該特定建築物の防火戸その他の前項の政令で定める防火設備についての第四項の点検を除く。)をさせなければならない。ただし、当該特定建築物(第六条第一項第一号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして前項の政令で定めるもの及び同項の規定により特定行政庁が指定するものを除く。)のうち特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て指定したものについては、この限りでない。
3特定建築設備等(昇降機及び特定建築物の昇降機以外の建築設備等をいう。以下この項及び次項において同じ。)で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(国等の建築物に設けるものを除く。)及び当該政令で定めるもの以外の特定建築設備等で特定行政庁が指定するもの(国等の建築物に設けるものを除く。)の所有者は、これらの特定建築設備等について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築設備等検査員資格者証の交付を受けている者(次項及び第十二条の三第二項において「建築設備等検査員」という。)に検査(これらの特定建築設備等についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
4国の機関の長等は、国、都道府県又は建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物の特定建築設備等について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築設備等検査員に、損傷、腐食その他の劣化の状況の点検をさせなければならない。ただし、当該特定建築設備等(前項の政令で定めるもの及び同項の規定により特定行政庁が指定するものを除く。)のうち特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て指定したものについては、この限りでない。
5特定行政庁、建築主事等又は建築監視員は、次に掲げる者に対して、建築物の敷地、構造、建築設備若しくは用途、建築材料若しくは建築設備その他の建築物の部分(以下「建築材料等」という。)の受取若しくは引渡しの状況、建築物に関する工事の計画若しくは施工の状況又は建築物の敷地、構造若しくは建築設備に関する調査(以下「建築物に関する調査」という。)の状況に関する報告を求めることができる。
一建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者又は建築物に関する調査をした者
三第七十七条の三十五の五第一項の指定構造計算適合性判定機関
6特定行政庁又は建築主事等にあつては第六条第四項、第六条の二第六項、第七条第四項、第七条の三第四項、第九条第一項、第十項若しくは第十三項、第十条第一項から第三項まで、前条第一項又は第九十条の二第一項の規定の施行に必要な限度において、建築監視員にあつては第九条第十項の規定の施行に必要な限度において、当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者又は建築物に関する調査をした者に対し、帳簿、書類その他の物件の提出を求めることができる。
7建築主事等又は特定行政庁の命令若しくは建築主事等の委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の職員にあつては第六条第四項、第六条の二第六項、第七条第四項、第七条の三第四項、第九条第一項、第十項若しくは第十三項、第十条第一項から第三項まで、前条第一項又は第九十条の二第一項の規定の施行に必要な限度において、建築監視員にあつては第九条第十項の規定の施行に必要な限度において、当該建築物、建築物の敷地、建築材料等を製造した者の工場、営業所、事務所、倉庫その他の事業場、建築工事場又は建築物に関する調査をした者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、建築物、建築物の敷地、建築設備、建築材料、建築材料等の製造に関係がある物件、設計図書その他建築物に関する工事に関係がある物件若しくは建築物に関する調査に関係がある物件を検査し、若しくは試験し、又は建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者若しくは建築物に関する調査をした者に対し必要な事項について質問することができる。ただし、住居に立ち入る場合においては、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。
8特定行政庁は、確認その他の建築基準法令の規定による処分並びに第一項及び第三項の規定による報告に係る建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する台帳を整備し、かつ、当該台帳(当該処分及び当該報告に関する書類で国土交通省令で定めるものを含む。)を保存しなければならない。
9前項の台帳の記載事項その他その整備に関し必要な事項及び当該台帳(同項の国土交通省令で定める書類を含む。)の保存期間その他その保存に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
(特定行政庁等に対する指示等)
第十七条国土交通大臣は、都道府県若しくは市町村の建築主事等の処分がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又は都道府県若しくは市町村の建築主事等がこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、国の利害に重大な関係がある建築物に関し必要があると認めるときは、当該都道府県知事又は市町村の長に対して、期限を定めて、都道府県又は市町村の建築主事等に対し必要な措置を命ずべきことを指示することができる。
2国土交通大臣は、都道府県の建築主事等の処分がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又は都道府県の建築主事等がこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、これらにより多数の者の生命又は身体に重大な危害が発生するおそれがあると認めるときは、当該都道府県知事に対して、期限を定めて、都道府県の建築主事等に対し必要な措置を命ずべきことを指示することができる。
3都道府県知事は、市町村の建築主事等の処分がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又は市町村の建築主事等がこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、これらにより多数の者の生命又は身体に重大な危害が発生するおそれがあると認めるときは、当該市町村の長に対して、期限を定めて、市町村の建築主事等に対し必要な措置を命ずべきことを指示することができる。
4国土交通大臣は、前項の場合において都道府県知事がそのすべき指示をしないときは、自ら同項の指示をすることができる。
5都道府県知事又は市町村の長は、正当な理由がない限り、前各項の規定により国土交通大臣又は都道府県知事が行つた指示に従わなければならない。
6都道府県又は市町村の建築主事等は、正当な理由がない限り、第一項から第四項までの規定による指示に基づく都道府県知事又は市町村の長の命令に従わなければならない。
7国土交通大臣は、都道府県知事若しくは市町村の長が正当な理由がなく、所定の期限までに、第一項の規定による指示に従わない場合又は都道府県若しくは市町村の建築主事等が正当な理由がなく、所定の期限までに、同項の規定による国土交通大臣の指示に基づく都道府県知事若しくは市町村の長の命令に従わない場合においては、正当な理由がないことについて社会資本整備審議会の確認を得た上で、自ら当該指示に係る必要な措置をとることができる。
8国土交通大臣は、都道府県知事若しくは市町村の長がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又はこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、国の利害に重大な関係がある建築物に関し必要があると認めるときは、当該都道府県知事又は市町村の長に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
9国土交通大臣は、都道府県知事がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又はこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、これらにより多数の者の生命又は身体に重大な危害が発生するおそれがあると認めるときは、当該都道府県知事に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
10都道府県知事は、市町村の長がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定に違反し、又はこれらの規定に基づく処分を怠つている場合において、これらにより多数の者の生命又は身体に重大な危害が発生するおそれがあると認めるときは、当該市町村の長に対して、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
11第四項及び第五項の規定は、前三項の場合について準用する。この場合において、第五項中「前各項」とあるのは、「第八項から第十項まで又は第十一項において準用する第四項」と読み替えるものとする。
12国土交通大臣は、都道府県知事又は市町村の長が正当な理由がなく、所定の期限までに、第八項の規定による指示に従わない場合においては、正当な理由がないことについて社会資本整備審議会の確認を得た上で、自ら当該指示に係る必要な措置をとることができる。
(国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物に対する確認、検査又は是正措置に関する手続の特例)
第十八条国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物及び建築物の敷地については、第六条から第七条の六まで、第九条から第九条の三まで、第十条及び第九十条の二の規定は、適用しない。この場合においては、次項から第四十一項までの規定に定めるところによる。
2第六条第一項の規定によつて建築し、又は大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする建築物の建築主が国、都道府県又は建築主事を置く市町村である場合においては、当該国の機関の長等は、当該工事に着手する前に、その計画を建築主事等(当該計画が大規模建築物に係るものである場合にあつては、建築主事)に通知しなければならない。ただし、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合(当該増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内である場合に限る。)においては、この限りでない。
3建築主事等は、前項の通知を受けた場合においては、第六条第四項に定める期間内に、当該通知に係る建築物の計画が建築基準関係規定(第六条の四第一項第一号若しくは第二号に掲げる建築物の建築、大規模の修繕若しくは大規模の模様替又は同項第三号に掲げる建築物の建築について通知を受けた場合にあつては、同項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する建築基準関係規定。以下この項、次項、第十五項、第十六項及び第十九項において同じ。)に適合するかどうかを審査し、審査の結果に基づいて、建築基準関係規定に適合することを認めたときは、当該通知をした国の機関の長等に対して確認済証を交付しなければならない。
4国の機関の長等が第二項の規定による通知をしなければならない場合において、国の機関の長等が同項の計画を当該計画に係る工事に着手する前に第六条の二第一項の規定による指定を受けた者に通知したときは、当該者は、当該計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し、審査の結果に基づいて、建築基準関係規定に適合することを認めたときは、当該通知をした国の機関の長等に対して確認済証を交付しなければならない。この場合においては、前二項の規定は、適用しない。
5国の機関の長等は、前二項の場合において、第二項又は前項の通知に係る建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかの審査(以下この項において「審査」という。)を要するものであるときは、当該建築物の計画を都道府県知事に通知し、構造計算適合性判定を求めなければならない。ただし、当該建築物の計画に係る審査が、特定構造計算基準のうち第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分であつて審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるもの又は特定増改築構造計算基準のうち審査が比較的容易にできるものとして政令で定めるものに適合するかどうかの審査である場合において、当該審査を構造計算に関する高度の専門的知識及び技術を有する者として国土交通省令で定める要件を備える者である建築主事等がするとき又は第六条の二第一項の規定による指定を受けた者が当該要件を備える者である第七十七条の二十四第一項の確認検査員若しくは副確認検査員にさせるときは、この限りでない。
6都道府県知事は、前項の通知を受けた場合において、当該通知に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて当該都道府県に置かれた建築主事等が第三項に規定する審査をするときは、当該建築主事等を当該通知に係る構造計算適合性判定に関する事務に従事させてはならない。
7都道府県知事は、特別な構造方法の建築物の計画について第五項の構造計算適合性判定を行うに当たつて必要があると認めるときは、当該構造方法に係る構造計算に関して専門的な識見を有する者の意見を聴くものとする。
8都道府県知事は、第五項の通知を受けた場合においては、その通知を受けた日から十四日以内に、当該通知に係る構造計算適合性判定の結果を記載した通知書を当該通知をした国の機関の長等に交付しなければならない。
9都道府県知事は、前項の場合(第五項の通知に係る建築物の計画が特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。)に適合するかどうかの判定を求められた場合その他国土交通省令で定める場合に限る。)において、前項の期間内に当該通知をした国の機関の長等に同項の通知書を交付することができない合理的な理由があるときは、三十五日の範囲内において、同項の期間を延長することができる。この場合においては、その旨及びその延長する期間並びにその期間を延長する理由を記載した通知書を同項の期間内に当該通知をした国の機関の長等に交付しなければならない。
10都道府県知事は、第八項の場合において、第五項の通知の記載によつては当該建築物の計画が特定構造計算基準又は特定増改築構造計算基準に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を第八項の期間(前項の規定により第八項の期間を延長した場合にあつては、当該延長後の期間)内に当該通知をした国の機関の長等に交付しなければならない。
11国の機関の長等は、第八項の規定により同項の通知書の交付を受けた場合において、当該通知書が適合判定通知書であるときは、第三項又は第四項の規定による審査をする建築主事等又は第六条の二第一項の規定による指定を受けた者に、当該適合判定通知書又はその写しを提出しなければならない。ただし、当該建築物の計画に係る第十五項又は第十六項の通知書の交付を受けた場合は、この限りでない。
12前項の場合において、同項の規定による適合判定通知書又はその写しの建築主事等への提出は、第三項の期間(第十四項の規定により第三項の期間が延長された場合にあつては、当該延長後の期間)の末日の三日前までにしなければならない。
13建築主事等又は第六条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第三項又は第四項の場合において、第二項又は第四項の通知に係る建築物の計画が第五項の構造計算適合性判定を要するものであるときは、当該通知をした国の機関の長等から第十一項の適合判定通知書又はその写しの提出を受けた場合に限り、第三項又は第四項の確認済証を交付することができる。
14建築主事等は、第三項の場合(第二項の通知に係る建築物の計画が特定構造計算基準(第二十条第一項第二号イの政令で定める基準に従つた構造計算で同号イに規定する方法によるものによつて確かめられる安全性を有することに係る部分に限る。)に適合するかどうかを審査する場合その他国土交通省令で定める場合に限る。)において、第三項の期間内に当該通知をした国の機関の長等に同項の確認済証を交付することができない合理的な理由があるときは、三十五日の範囲内において、同項の期間を延長することができる。この場合においては、その旨及びその延長する期間並びにその期間を延長する理由を記載した通知書を同項の期間内に当該通知をした国の機関の長等に交付しなければならない。
15建築主事等は、第三項の場合において、第二項の通知に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、又は建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を第三項の期間(前項の規定により第三項の期間を延長した場合にあつては、当該延長後の期間)内に当該通知をした国の機関の長等に交付しなければならない。
16第六条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第四項の場合において、同項の通知に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、又は建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨及びその理由を記載した通知書を当該通知をした国の機関の長等に交付しなければならない。
17第二項又は第四項の通知に係る建築物の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事は、第三項又は第四項の確認済証の交付を受けた後でなければすることができない。
18第六条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第四項の確認済証又は第十六項の通知書の交付をしたときは、国土交通省令で定める期間内に、国土交通省令で定めるところにより、審査報告書を作成し、当該確認済証又は当該通知書の交付に係る建築物の計画に関する国土交通省令で定める書類を添えて、これを特定行政庁に提出しなければならない。
19特定行政庁は、前項の規定による審査報告書の提出を受けた場合において、第四項の確認済証の交付を受けた建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないと認めるときは、国の機関の長等及び当該確認済証を交付した第六条の二第一項の規定による指定を受けた者にその旨を通知しなければならない。
20国の機関の長等は、第十七項の工事を完了した場合においては、その旨を、工事が完了した日から四日以内に到達するように、建築主事等(当該工事が大規模建築物に係るものである場合にあつては、建築主事。第二十八項において同じ。)に通知しなければならない。
21建築主事等が前項の規定による通知を受けた場合においては、検査実施者は、その通知を受けた日から七日以内に、その通知に係る建築物及びその敷地が建築基準関係規定(第七条の五に規定する建築物の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事について通知を受けた場合にあつては、第六条の四第一項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する建築基準関係規定。以下この条において同じ。)に適合しているかどうかを検査しなければならない。
22検査実施者は、前項の規定による検査をした場合において、当該建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合していることを認めたときは、国の機関の長等に対して検査済証を交付しなければならない。
23第二十項の規定は、第七条の二第一項の規定による指定を受けた者が、第十七項の工事の完了の日から四日が経過する日までに、当該工事に係る建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合しているかどうかの検査を引き受けた場合において、当該検査の引受けに係る工事が完了したときについては、適用しない。
24第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、前項の規定による検査の引受けを行つたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を証する書面を国の機関の長等に交付しなければならない。
25第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第二十三項の規定による検査の引受けを行つたときは、当該検査の引受けを行つた第十七項の工事が完了した日又は当該検査の引受けを行つた日のいずれか遅い日から七日以内に、第二十三項の検査をしなければならない。
26第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第二十三項の検査をした建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合していることを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、国の機関の長等に対して検査済証を交付しなければならない。
27第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第二十三項の検査をしたときは、国土交通省令で定める期間内に、国土交通省令で定めるところにより、完了検査報告書を作成し、同項の検査をした建築物及びその敷地に関する国土交通省令で定める書類を添えて、これを特定行政庁に提出しなければならない。
28国の機関の長等は、第十七項の工事が特定工程を含む場合において、当該特定工程に係る工事を終えたときは、その都度、その旨を、その日から四日以内に到達するように、建築主事等に通知しなければならない。
29建築主事等が前項の規定による通知を受けた場合においては、検査実施者は、その通知を受けた日から四日以内に、当該通知に係る工事中の建築物等について、検査前に施工された工事に係る建築物の部分及びその敷地が建築基準関係規定に適合するかどうかを検査しなければならない。
30検査実施者は、前項の規定による検査をした場合において、工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合することを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、国の機関の長等に対して当該特定工程に係る中間検査合格証を交付しなければならない。
31特定工程後の工程に係る工事は、前項の規定による当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受けた後でなければ、これを施工してはならない。
32第二十八項及び前項の規定は、第十七項の工事が特定工程を含む場合において、第七条の二第一項の規定による指定を受けた者が当該特定工程に係る工事を終えた後の工事中の建築物等について、検査前に施工された工事に係る建築物の部分及びその敷地が建築基準関係規定に適合するかどうかの検査を当該工事を終えた日から四日が経過する日までに引き受けたときについては、適用しない。
33第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、前項の規定による検査の引受けを行つたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を証する書面を国の機関の長等に交付しなければならない。
34第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第三十二項の検査をした場合において、特定工程に係る工事中の建築物等が建築基準関係規定に適合することを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、国の機関の長等に対して当該特定工程に係る中間検査合格証を交付しなければならない。
35第三十二項の規定による検査に係る特定工程後の工程に係る工事は、前項の規定による当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受けた後でなければ、これを施工してはならない。
36第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第三十二項の検査をしたときは、国土交通省令で定める期間内に、国土交通省令で定めるところにより、中間検査報告書を作成し、同項の検査をした工事中の建築物等に関する国土交通省令で定める書類を添えて、これを特定行政庁に提出しなければならない。
37検査実施者又は第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、第二十九項又は第三十二項の規定による検査において建築基準関係規定に適合することを認められた工事中の建築物等について、第二十一項、第二十三項、第二十九項又は第三十二項の規定による検査をするときは、第二十九項又は第三十二項の規定による検査において建築基準関係規定に適合することを認められた建築物の部分及びその敷地については、第二十一項、第二十三項、第二十九項又は第三十二項の規定による検査をすることを要しない。
38第六条第一項第一号から第三号までの建築物を新築する場合又はこれらの建築物(共同住宅以外の住宅及び居室を有しない建築物を除く。)の増築、改築、移転、大規模の修繕若しくは大規模の模様替の工事で避難施設等に関する工事を含むものをする場合においては、第二十二項又は第二十六項の検査済証の交付を受けた後でなければ、当該新築に係る建築物又は当該避難施設等に関する工事に係る建築物若しくは建築物の部分を使用し、又は使用させてはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
一特定行政庁が、安全上、防火上又は避難上支障がないと認めたとき。
二建築主事等(当該建築物又は建築物の部分が大規模建築物又はその部分に該当する場合にあつては、建築主事)又は第七条の二第一項の規定による指定を受けた者が、安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたとき。
三第二十項の規定による通知をした日(第七条の二第一項の規定による指定を受けた者が第二十三項の規定による検査の引受けを行つた場合にあつては、当該検査の引受けに係る工事が完了した日又は当該検査の引受けを行つた日のいずれか遅い日)から七日を経過したとき。
39第七条の二第一項の規定による指定を受けた者は、前項第二号の規定による認定をしたときは、国土交通省令で定める期間内に、国土交通省令で定めるところにより、仮使用認定報告書を作成し、同号の規定による認定をした建築物に関する国土交通省令で定める書類を添えて、これを特定行政庁に提出しなければならない。
40特定行政庁は、前項の規定による仮使用認定報告書の提出を受けた場合において、第三十八項第二号の規定による認定を受けた建築物が同号の国土交通大臣が定める基準に適合しないと認めるときは、国の機関の長等及び当該認定を行つた第七条の二第一項の規定による指定を受けた者にその旨を通知しなければならない。
41特定行政庁は、国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物又は建築物の敷地が第九条第一項、第十条第一項若しくは第三項又は第九十条の二第一項の規定に該当すると認める場合においては、直ちに、その旨を当該建築物又は建築物の敷地を管理する国の機関の長等に通知し、これらの規定に掲げる必要な措置をとるべきことを要請しなければならない。