2宗教法人令(昭和二十年勅令第七百十九号)及び宗教法人令施行規則(昭和二十年司法、文部省令第一号)は、廃止する。
3この法律施行の際現に存する宗教法人令の規定による宗教法人は、この法律施行後も、同令の規定による宗教法人として存続することができる。
4第二項に掲げる命令の規定は、前項の宗教法人(以下「旧宗教法人」という。)については、この法律施行後も、なおその効力を有する。この場合において、宗教法人令第五条第一項及び第十四条第一項中「命令」とあるのは、「法務省令、文部科学省令」とする。
5旧宗教法人は、この法律中の宗教法人の設立に関する規定(設立に関する罰則の規定を含む。)に従い、規則を作成し、その規則について所轄庁の認証を受け、設立の登記をすることに因つて、この法律の規定による宗教法人(以下「新宗教法人」という。)となることができる。
6二以上の旧宗教法人は、共同して、この法律中の宗教法人の設立に関する規定(設立に関する罰則の規定を含む。)に従い、規則を作成し、その規則について所轄庁の認証を受け、設立の登記をすることに因つて、一の新宗教法人となることができる。
7第三十四条第二項から第四項までの規定は、前項の規定により二以上の旧宗教法人が一の新宗教法人となろうとする場合に準用する。この場合において、同条第二項中「前項の規定による公告」とあるのは「附則第六項の規定により二以上の旧宗教法人が一の新宗教法人となろうとする決定」と、「第六条の規定による事業」とあるのは「公益事業その他の事業」と読み替えるものとする。
8第五項又は第六項の規定により旧宗教法人が新宗教法人となるための設立の登記の申請書には、旧宗教法人のうち、教派、宗派及び教団にあつてはその主たる事務所の所在地の登記所において、神社、寺院及び教会にあつてはその所在地の登記所において、当該設立の登記をする場合を除く外、旧宗教法人の登記簿の謄本を添えなければならない。
9第六項の規定により二以上の旧宗教法人が一の新宗教法人となるための設立の登記の申請書には、第七項において準用する第三十四条第三項及び第四項の規定による手続を経たことを証する書類を添えなければならない。
10第六項の規定により一の新宗教法人となろうとする旧宗教法人が第七項において準用する第三十四条第二項から第四項までの規定による手続を経ないで、所轄庁に対し規則の認証の申請をしたときは、当該旧宗教法人の主管者又は代務者は、一万円以下の過料に処する。
11旧宗教法人が第五項又は第六項の規定により新宗教法人となろうとする旨の決定及び当該新宗教法人に係る規則に関する決定は、当該旧宗教法人における規則の変更に関する手続に従つてするものとする。
12旧宗教法人のうち神社、寺院又は教会で、だん徒会、信徒会等当該旧宗教法人における規則の変更に関し議決の権限を有する機関を有しないものにあつては、前項に規定する決定をするに当つて、当該旧宗教法人の主管者又は代務者は、信者その他の利害関係人の意向を反映させるため必要があると認めたときは、当該旧宗教法人の規則にかかわらず、特に現任の総代と同数の総代を選任して、当該決定に参与させることができる。
13旧宗教法人と当該旧宗教法人を包括する宗教団体との被包括関係の廃止は、当該関係の廃止が当該旧宗教法人が第五項又は第六項の規定により新宗教法人となることに伴う場合に限りすることができるものとする。
14前項の規定により旧宗教法人が被包括関係を廃止しようとする場合の手続に関しては、第十一項の規定にかかわらず、左の各号の定めるところによる。
一旧宗教法人令第六条後段の規定による手続を経ることを要しないこと。
二当該被包括関係の廃止に関し当該旧宗教法人の規則中に当該旧宗教法人を包括する宗教団体が一定の権限を有する旨の定がある場合においても、その権限に関する規則の規定によることを要しないこと。
三第十二条第三項の規定による公告と同時に、当該旧宗教法人を包括する宗教団体に対し当該被包括関係を廃止しようとする旨を通知しなければならないこと。
15旧宗教法人は、第五項又は第六項の規定により新宗教法人となろうとするときは、この法律施行の日から一年六月以内に、第十三条の規定による認証の申請をしなければならない。
16前項の規定による申請があつた場合における認証については、第十四条第四項中「三月」とあるのは、「一年六月」と読み替えるものとする。
17旧宗教法人は、第十五項の期間内に認証の申請をしなかつた場合又は当該認証の申請をしたがその認証を受けることができなかつた場合においては、当該認証の申請をすることができる期間の満了の日又は当該認証を受けることのできないことが確定した日(その日が当該認証の申請をすることができる期間の満了の日前である場合には、当該期間の満了の日)において、これらの日前において解散したものを除いて、解散する。
18旧宗教法人が第五項又は第六項の規定により新宗教法人となつたときは、その設立の登記をした日において、当該旧宗教法人は解散し、その権利義務(当該旧宗教法人が行う公益事業その他の事業に関し行政庁の許可、認可その他の処分に基いて有する権利義務を含む。)は、新宗教法人が承継する。この場合においては、法人の解散及び清算に関する民法及び非訟事件手続法の規定は適用しない。
19第五項又は第六項の規定により旧宗教法人が新宗教法人となるための設立の登記がなされたときは、登記官吏は、職権で、当該旧宗教法人の登記用紙を閉鎖しなければならない。
20旧宗教法人が第五項又は第六項の規定により新宗教法人となつた場合においては、当該宗教法人が所有する旧宗教法人令第十五条に規定する建物又はその敷地について同条の規定による登記をした事項(当該建物又はその敷地について旧宗教法人令の規定による登記をしたものとみなされた事項を含む。)は、当該宗教法人が新宗教法人となつた日において、第六十八条の規定による登記をしたものとみなす。
21前項の建物及びその敷地については、第八十三条中「その登記後」とあるのは、「旧宗教法人令又は旧宗教団体法(昭和十四年法律第七十七号)の規定による登記後」と読み替えるものとする。
22旧宗教法人のうち教派、宗派又は教団で第五項又は第六項の規定により新宗教法人となつたものの所轄庁は、第五条第一項の規定にかかわらず、文部科学大臣とする。
23当分の間、宗教法人は、第六条第二項の規定による公益事業以外の事業を行わない場合であつて、その一会計年度の収入の額が寡少である額として文部科学大臣が定める額の範囲内にあるときは、第二十五条第一項の規定にかかわらず、当該会計年度に係る収支計算書を作成しないことができる。
24前項に規定する額の範囲を定めようとする場合においては、文部科学大臣は、あらかじめ宗教法人審議会に諮問してその意見を聞かなければならない。
25附則第二十三項の場合において、宗教法人は、第二十五条第二項(第一号、第二号及び第四号から第六号までを除く。)の規定にかかわらず、同項第三号に掲げる収支計算書を作成している場合に限り、これを宗教法人の事務所に備えなければならない。