第二条次の各号のいずれかに該当する場合には、逃亡犯罪人を引き渡してはならない。ただし、第三号、第四号、第八号又は第九号に該当する場合において、引渡条約に別段の定めがあるときは、この限りでない。
二引渡しの請求が、逃亡犯罪人の犯した政治犯罪について審判し、又は刑罰を執行する目的でなされたものと認められるとき。
三引渡犯罪が請求国の法令により死刑又は無期若しくは長期三年以上の拘禁刑に当たるものでないとき。
四引渡犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、当該行為が日本国の法令により死刑又は無期若しくは長期三年以上の拘禁刑に処すべき罪に当たるものでないとき。
五引渡犯罪に係る行為が日本国内において行われ、又は引渡犯罪に係る裁判が日本国の裁判所において行われたとした場合において、日本国の法令により逃亡犯罪人に刑罰を科し、又はこれを執行することができないと認められるとき。
六引渡犯罪について請求国の有罪の裁判がある場合を除き、逃亡犯罪人がその引渡犯罪に係る行為を行つたことを疑うに足りる相当な理由がないとき。
七引渡犯罪に係る事件が日本国の裁判所に係属するとき、又はその事件について日本国の裁判所において確定判決を経たとき。
八逃亡犯罪人の犯した引渡犯罪以外の罪に係る事件が日本国の裁判所に係属するとき、又はその事件について逃亡犯罪人が日本国の裁判所において刑に処せられ、その執行を終わらず、若しくは執行を受けないこととなつていないとき。