第二条の二都道府県は、環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項の規定に基づき水質の汚濁に係る環境上の条件について生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準(以下「水質環境基準」という。)が定められた河川その他の公共の水域又は海域で政令で定める要件に該当するものについて、その環境上の条件を当該水質環境基準に達せしめるため、それぞれの公共の水域又は海域ごとに、下水道の整備に関する総合的な基本計画(以下「流域別下水道整備総合計画」という。)を定めなければならない。
2流域別下水道整備総合計画においては、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めなければならない。
二下水道により下水を排除し、及び処理すべき区域に関する事項
三前号の区域に係る下水道の根幹的施設の配置、構造及び能力に関する事項
四第二号の区域に係る下水道の整備事業の実施の順位に関する事項
五前項の公共の水域又は海域でその水質を保全するため当該水域又は海域に排出される下水の窒素含有量又は燐含有量を削減する必要があるものとして政令で定める要件に該当するものについて定められる流域別下水道整備総合計画にあつては、第二号の区域に係る下水道の終末処理場から放流される下水の窒素含有量又は燐含有量についての当該終末処理場ごとの削減目標量(以下単に「削減目標量」という。)及び削減方法に関する事項
3流域別下水道整備総合計画は、次に掲げる事項を勘案して定めなければならない。
一当該地域における地形、降水量、河川の流量その他の自然的条件
4流域別下水道整備総合計画において削減目標量が定められた終末処理場(以下「特定終末処理場」という。)で放流する下水の窒素含有量又は燐含有量に係る水質を政令で定める基準に適合させることができる構造のもの(以下「高度処理終末処理場」という。)を管理する地方公共団体は、当該高度処理終末処理場について定められた削減目標量を超える量の窒素含有量又は燐含有量を削減する場合には、その削減目標量を超えて削減する窒素含有量又は燐含有量のうち一定量のものについては、他の地方公共団体のため、当該他の地方公共団体が管理する特定終末処理場(当該高度処理終末処理場に係る下水道と同じ第二項第二号の区域に係る下水道のものに限る。)について定められた削減目標量の一部に相当するものとして削減するものである旨を、あらかじめ当該他の地方公共団体の同意を得て、国土交通省令で定めるところにより、都道府県に対し、申し出ることができる。
5前項の規定による申出を受けた都道府県は、第二項第五号に掲げる事項に、当該申出に係る窒素含有量又は燐含有量の削減方法、当該高度処理終末処理場の設置、改築、修繕、維持その他の管理に要する費用の予定額及び当該他の地方公共団体による費用の負担に関する事項を記載することができる。
6都道府県は、第一項の規定により流域別下水道整備総合計画(次項に規定するものを除く。)を定めようとするときは、あらかじめ、関係市町村の意見を聴かなければならない。
7都府県は、第一項の規定により二以上の都府県の区域にわたる水系に係る河川その他の公共の水域又は二以上の都府県の区域における汚水により水質の汚濁が生じる海域の全部又は一部についての流域別下水道整備総合計画を定めようとするときは、あらかじめ、関係都府県及び関係市町村の意見を聴かなければならない。
8国土交通大臣は、都府県の求めに応じ、前項に規定する流域別下水道整備総合計画の作成に関し必要な助言を行うことができる。
9国土交通大臣は、前項の助言を行うに際し必要と認めるときは、環境大臣に対し、意見を求めることができる。
10都府県は、第一項の規定により第七項に規定する流域別下水道整備総合計画を定めたときは、国土交通省令で定めるところにより、これを国土交通大臣に届け出なければならない。
11国土交通大臣は、前項の規定による届出を受けたときは、当該届出の内容を環境大臣に通知しなければならない。
12都道府県は、第一項の水質環境基準が改定された場合、第三項各号に掲げる事項に変更を生じた場合その他の場合において流域別下水道整備総合計画を変更する必要が生じたときは、遅滞なく、当該流域別下水道整備総合計画を変更しなければならない。この場合においては、第二項から前項までの規定を準用する。