(職権等)
第三十条第十条第一項、第十二条、第十五条第二項及び第十七条に規定する厚生労働大臣又は都道府県労働局長の職権は、二以上の都道府県労働局の管轄区域にわたる事案及び一の都道府県労働局の管轄区域内のみに係る事案で厚生労働大臣が全国的に関連があると認めて厚生労働省令で定めるところにより指定するものについては、厚生労働大臣が行い、一の都道府県労働局の管轄区域内のみに係る事案(厚生労働大臣の職権に属する事案を除く。)については、当該都道府県労働局長が行う。
2厚生労働大臣は、都道府県労働局長が決定した最低賃金が著しく不適当であると認めるときは、その改正又は廃止の決定をなすべきことを都道府県労働局長に命ずることができる。
3厚生労働大臣は、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ中央最低賃金審議会の意見を聴かなければならない。
4第十条第二項の規定は、前項の規定による中央最低賃金審議会の意見の提出があつた場合について準用する。
(船員に関する特例)
第三十五条第六条第二項、第二章第二節、第十六条及び第十七条の規定は、船員法(昭和二十二年法律第百号)の適用を受ける船員(以下「船員」という。)に関しては、適用しない。
2船員に関しては、この法律に規定する厚生労働大臣、都道府県労働局長若しくは労働基準監督署長又は労働基準監督官の権限に属する事項は、国土交通大臣、地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)又は船員労務官が行うものとし、この法律中「厚生労働省令」とあるのは「国土交通省令」と、第三条中「時間」とあるのは「時間、日、週又は月」と、第七条第四号中「軽易な」とあるのは「所定労働時間の特に短い者、軽易な」と、第十九条第二項中「第十五条第二項」とあるのは「第十五条第二項並びに第三十五条第三項及び第七項」と、「同条第二項及び第十七条」とあるのは「第十五条第二項及び第三十五条第七項」と、第三十条第一項中「第十条第一項、第十二条、第十五条第二項及び第十七条」とあるのは「第十五条第二項並びに第三十五条第三項及び第七項」と、「都道府県労働局の管轄区域」とあるのは「地方運輸局又は運輸監理部の管轄区域(政令で定める地方運輸局にあつては、運輸監理部の管轄区域を除く。)」と読み替えるものとする。
3国土交通大臣又は地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)は、賃金の低廉な船員の労働条件の改善を図るため、船員の生計費、類似の船員の賃金及び通常の事業の賃金支払能力を考慮して必要があると認めるときは、交通政策審議会又は地方運輸局に置かれる政令で定める審議会(以下「交通政策審議会等」という。)の調査審議を求め、その意見を聴いて、船員に適用される特定最低賃金の決定をすることができる。
4第十条第二項及び第十一条の規定は、前項の規定による交通政策審議会等の意見の提出があつた場合について準用する。この場合において、同条第二項中「地域」とあるのは、「事業若しくは職業」と読み替えるものとする。
5国土交通大臣又は地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)は、第三項の決定をする場合において、前項において準用する第十一条第二項の規定による申出があつたときは、前項において準用する同条第三項の規定による交通政策審議会等の意見に基づき、当該特定最低賃金において、一定の範囲の事業について、その適用を一定の期間を限つて猶予し、又は最低賃金額について別段の定めをすることができる。
6第十条第二項の規定は、前項の規定による交通政策審議会等の意見の提出があつた場合について準用する。
7国土交通大臣又は地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)は、第十五条第二項又はこの条第三項の規定により決定された船員に適用される特定最低賃金について、船員の生計費、類似の船員の賃金及び通常の事業の賃金支払能力を考慮して必要があると認めるときは、その決定の例により、その改正又は廃止の決定をすることができる。
8船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第八十九条第一項に規定する乗組み派遣船員については、その船員派遣の役務の提供を受ける者の事業又はその船員派遣の役務の提供を受ける者に使用される同種の船員の職業について特定最低賃金が適用されている場合にあつては、当該特定最低賃金において定める最低賃金額により第四条の規定を適用する。