(広域一時滞在の協議等)
第八十六条の八市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、被災住民の生命若しくは身体を災害から保護し、又は居住の場所を確保することが困難な場合において、当該被災住民について同一都道府県内の他の市町村の区域における一時的な滞在(以下「広域一時滞在」という。)の必要があると認めるときは、当該被災住民の受入れについて、当該他の市町村の市町村長に協議することができる。
2市町村長は、前項の規定により協議しようとするときは、あらかじめ、その旨を都道府県知事に報告しなければならない。ただし、あらかじめ報告することが困難なときは、協議の開始の後、遅滞なく、報告することをもつて足りる。
3市町村長は、第一項の規定による協議に際し、当該協議に係る各被災住民についての第九十条の三第二項各号に掲げる事項に係る情報であつて自らが保有するものを当該協議をする他の市町村の市町村長に提供しなければならない。
4第一項の場合において、協議を受けた市町村長(以下この条において「協議先市町村長」という。)は、被災住民を受け入れないことについて正当な理由がある場合を除き、被災住民を受け入れるものとする。この場合において、協議先市町村長は、広域一時滞在の用に供するため、受け入れた被災住民に対し避難所を提供しなければならない。
5第一項の場合において、協議先市町村長は、当該市町村の区域において被災住民を受け入れるべき避難所を決定し、直ちに、その内容を当該避難所を管理する者その他の内閣府令で定める者に通知しなければならない。
6協議先市町村長は、前項の規定による決定をしたときは、速やかに、その内容を第一項の規定により協議した市町村長(以下この条において「協議元市町村長」という。)に通知しなければならない。
7協議元市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その内容を公示し、及び内閣府令で定める者に通知するとともに、都道府県知事に報告しなければならない。
8協議先市町村長は、協議元市町村長から第四項の規定により受け入れた被災住民の援護に関する情報の提供を受けたときは、当該被災住民に対し、当該情報を提供するとともに、当該協議元市町村長から求められたときは、当該被災住民に関する情報であつて自らが保有するものを提供するものとする。
9第一項の場合において、協議元市町村長は、広域一時滞在の必要がなくなつたと認めるときは、速やかに、その旨を協議先市町村長及び第七項の内閣府令で定める者に通知し、並びに公示するとともに、都道府県知事に報告しなければならない。
10協議先市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その旨を第五項の内閣府令で定める者に通知しなければならない。
(都道府県外広域一時滞在の協議等)
第八十六条の九前条第一項に規定する場合において、市町村長は、都道府県知事と協議を行い、被災住民について他の都道府県の区域における一時的な滞在(以下「都道府県外広域一時滞在」という。)の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、当該他の都道府県の知事と当該被災住民の受入れについて協議することを求めることができる。
2市町村長は、前項の規定による都道府県知事との協議に際し、同項の規定による要求に係る各被災住民についての第九十条の三第二項各号に掲げる事項に係る情報であつて自らが保有するもの(以下この条において「被災住民情報」という。)を当該都道府県知事に提供しなければならない。
3第一項の規定による要求があつたときは、都道府県知事は、被災住民の受入れについて、当該他の都道府県の知事に協議しなければならない。
4都道府県知事は、前項の規定により協議しようとするときは、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に報告しなければならない。ただし、あらかじめ報告することが困難なときは、協議の開始の後、遅滞なく、報告することをもつて足りる。
5都道府県知事は、第三項の規定による協議に際し、第二項の規定により市町村長から提供された被災住民情報を当該協議をする他の都道府県の知事に提供しなければならない。
6第三項の場合において、協議を受けた都道府県知事(以下この条において「協議先都道府県知事」という。)は、被災住民の受入れについて、関係市町村長と協議しなければならない。
7協議先都道府県知事は、前項の規定による協議に際し、第五項の規定により都道府県知事から提供された被災住民情報を当該協議をする関係市町村長に提供しなければならない。
8第六項の場合において、協議を受けた市町村長(以下この条において「都道府県外協議先市町村長」という。)は、被災住民を受け入れないことについて正当な理由がある場合を除き、被災住民を受け入れるものとする。この場合において、都道府県外協議先市町村長は、都道府県外広域一時滞在の用に供するため、受け入れた被災住民に対し避難所を提供しなければならない。
9第六項の場合において、都道府県外協議先市町村長は、当該市町村の区域において被災住民を受け入れるべき避難所を決定し、直ちに、その内容を当該避難所を管理する者その他の内閣府令で定める者に通知しなければならない。
10都道府県外協議先市町村長は、前項の規定による決定をしたときは、速やかに、その内容を協議先都道府県知事に報告しなければならない。
11協議先都道府県知事は、前項の規定による報告を受けたときは、速やかに、その内容を第三項の規定により協議した都道府県知事(以下この条において「協議元都道府県知事」という。)に通知しなければならない。
12協議元都道府県知事は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その内容を第一項の規定により協議することを求めた市町村長(以下この条において「都道府県外協議元市町村長」という。)に通知するとともに、内閣総理大臣に報告しなければならない。
13都道府県外協議元市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その内容を公示するとともに、内閣府令で定める者に通知しなければならない。
14都道府県外協議先市町村長は、都道府県外協議元市町村長から第八項の規定により受け入れた被災住民の援護に関する情報の提供を受けたときは、当該被災住民に対し、当該情報を提供するとともに、当該都道府県外協議元市町村長から求められたときは、当該被災住民に関する情報であつて自らが保有するものを提供するものとする。
15第一項の場合において、都道府県外協議元市町村長は、都道府県外広域一時滞在の必要がなくなつたと認めるときは、速やかに、その旨を協議元都道府県知事に報告し、及び公示するとともに、第十三項の内閣府令で定める者に通知しなければならない。
16協議元都道府県知事は、前項の規定による報告を受けたときは、速やかに、その旨を協議先都道府県知事に通知するとともに、内閣総理大臣に報告しなければならない。
17協議先都道府県知事は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その旨を都道府県外協議先市町村長に通知しなければならない。
18都道府県外協議先市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その旨を第九項の内閣府令で定める者に通知しなければならない。
(内閣総理大臣による広域一時滞在の協議等の代行)
第八十六条の十三内閣総理大臣は、災害の発生により市町村及び当該市町村を包括する都道府県がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなつた場合であつて、被災住民の生命若しくは身体を災害から保護し、又は居住の場所を確保することが困難な場合において、当該被災住民について広域一時滞在又は都道府県外広域一時滞在の必要があると認めるときは、当該市町村の市町村長が第八十六条の八第一項、第三項及び第六項から第九項までの規定により実施すべき措置の全部若しくは一部を当該市町村長に代わつて実施し、又は当該都道府県の知事が第八十六条の十一前段並びに同条後段の規定により読み替えて適用する第八十六条の九第五項並びに同条第十一項並びに第八十六条の十一後段の規定により読み替えて適用する第八十六条の九第十二項、第十四項及び第十五項の規定により実施すべき措置(第八十六条の十一後段の規定により読み替えて適用する第八十六条の九第十二項及び第十五項の規定による報告を除く。)の全部若しくは一部を当該都道府県知事に代わつて実施しなければならない。
2内閣総理大臣は、前項の規定により市町村長又は都道府県知事の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を告示しなければならない。
3第一項の規定による内閣総理大臣の代行に関し必要な事項は、政令で定める。