(権限の委任等)
第三十八条内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。
2消費者庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を公正取引委員会に委任することができる。
3消費者庁長官は、緊急かつ重点的に不当な景品類及び表示に対処する必要があることその他の政令で定める事情があるため、事業者に対し、措置命令、課徴金納付命令又は第二十四条第一項の規定による勧告を効果的に行う上で必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、第一項の規定により委任された権限(第二十五条第一項の規定による権限に限る。)を当該事業者の事業を所管する大臣又は金融庁長官に委任することができる。
4公正取引委員会、事業者の事業を所管する大臣又は金融庁長官は、前二項の規定により委任された権限を行使したときは、政令で定めるところにより、その結果について消費者庁長官に報告するものとする。
5事業者の事業を所管する大臣は、政令で定めるところにより、第三項の規定により委任された権限及び前項の規定による権限について、その全部又は一部を地方支分部局の長に委任することができる。
6金融庁長官は、政令で定めるところにより、第三項の規定により委任された権限及び第四項の規定による権限(次項において「金融庁長官権限」と総称する。)について、その一部を証券取引等監視委員会に委任することができる。
7金融庁長官は、政令で定めるところにより、金融庁長官権限(前項の規定により証券取引等監視委員会に委任されたものを除く。)の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
8証券取引等監視委員会は、政令で定めるところにより、第六項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
9前項の規定により財務局長又は財務支局長に委任された権限に係る事務に関しては、証券取引等監視委員会が財務局長又は財務支局長を指揮監督する。
10第六項の場合において、証券取引等監視委員会が行う報告又は物件の提出の命令(第八項の規定により財務局長又は財務支局長が行う場合を含む。)についての審査請求は、証券取引等監視委員会に対してのみ行うことができる。
11第一項の規定により消費者庁長官に委任された権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
(外国執行当局への情報提供)
第四十一条内閣総理大臣は、この法律に相当する外国の法令を執行する外国の当局(次項及び第三項において「外国執行当局」という。)に対し、その職務(この法律に規定する職務に相当するものに限る。次項において同じ。)の遂行に資すると認める情報の提供を行うことができる。
2前項の規定による情報の提供については、当該情報が当該外国執行当局の職務の遂行以外に使用されず、かつ、次項の同意がなければ外国の刑事事件の捜査(その対象たる犯罪事実が特定された後のものに限る。)又は審判(同項において「捜査等」という。)に使用されないよう適切な措置がとられなければならない。
3内閣総理大臣は、外国執行当局からの要請があつたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第一項の規定により提供した情報を当該要請に係る外国(第三号において「要請国」という。)の刑事事件の捜査等に使用することについて同意をすることができる。
一当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪が政治犯罪であるとき、又は当該要請が政治犯罪について捜査等を行う目的で行われたものと認められるとき。
二当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。
三日本国が行う同種の要請に応ずる旨の要請国の保証がないとき。
4内閣総理大臣は、前項の同意をする場合においては、あらかじめ、同項第一号及び第二号に該当しないことについて法務大臣の確認を、同項第三号に該当しないことについて外務大臣の確認を、それぞれ受けなければならない。
(公示送達)
第四十四条内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、公示送達をすることができる。
一送達を受けるべき者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
二前条において読み替えて準用する民事訴訟法第百七条第一項の規定により送達をすることができない場合
三外国においてすべき送達について、前条において読み替えて準用する民事訴訟法第百八条の規定によることができず、又はこれによつても送達をすることができないと認めるべき場合
四前条において読み替えて準用する民事訴訟法第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がない場合
2公示送達は、送達すべき書類を送達を受けるべき者にいつでも交付すべき旨を内閣府令で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置くとともに、その旨が記載された書面を消費者庁の掲示場に掲示し、又はその旨を消費者庁の事務所に設置した電子計算機の映像面に表示したものを閲覧することができる状態に置く措置をとることにより行う。
3公示送達は、前項の規定による措置をとつた日から二週間を経過することによつて、その効力を生ずる。
4外国においてすべき送達についてした公示送達にあつては、前項の期間は、六週間とする。