(届出等)
第二十九条有料老人ホーム(老人を入居させ、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活上必要な便宜であつて厚生労働省令で定めるもの(以下「介護等」という。)の供与(他に委託して供与をする場合及び将来において供与をすることを約する場合を含む。第十三項を除き、以下この条において同じ。)をする事業を行う施設であつて、老人福祉施設、認知症対応型老人共同生活援助事業を行う住居その他厚生労働省令で定める施設でないものをいう。以下同じ。)を設置しようとする者は、あらかじめ、その施設を設置しようとする地の都道府県知事に、次の各号に掲げる事項を届け出なければならない。
二設置しようとする者の氏名及び住所又は名称及び所在地
2前項の規定による届出をした者は、厚生労働省令で定める事項に変更を生じたときは、変更の日から一月以内に、その旨を当該都道府県知事に届け出なければならない。
3第一項の規定による届出をした者は、その事業を廃止し、又は休止しようとするときは、その廃止又は休止の日の一月前までに、その旨を当該都道府県知事に届け出なければならない。
4都道府県知事は、前三項の規定による届出がされたときは、遅滞なく、その旨を、当該届出に係る有料老人ホームの設置予定地又は所在地の市町村長に通知しなければならない。
5市町村長は、第一項から第三項までの規定による届出がされていない疑いがある有料老人ホーム(高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第七条第五項に規定する登録住宅を除く。)を発見したときは、遅滞なく、その旨を、当該有料老人ホームの設置予定地又は所在地の都道府県知事に通知するよう努めるものとする。
6有料老人ホームの設置者は、当該有料老人ホームの事業について、厚生労働省令で定めるところにより、帳簿を作成し、これを保存しなければならない。
7有料老人ホームの設置者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該有料老人ホームに入居する者又は入居しようとする者に対して、当該有料老人ホームにおいて供与をする介護等の内容その他の厚生労働省令で定める事項に関する情報を開示しなければならない。
8有料老人ホームの設置者は、家賃、敷金及び介護等その他の日常生活上必要な便宜の供与の対価として受領する費用を除くほか、権利金その他の金品を受領してはならない。
9有料老人ホームの設置者のうち、終身にわたつて受領すべき家賃その他厚生労働省令で定めるものの全部又は一部を前払金として一括して受領するものは、当該前払金の算定の基礎を書面で明示し、かつ、当該前払金について返還債務を負うこととなる場合に備えて厚生労働省令で定めるところにより必要な保全措置を講じなければならない。
10有料老人ホームの設置者は、前項に規定する前払金を受領する場合においては、当該有料老人ホームに入居した日から厚生労働省令で定める一定の期間を経過する日までの間に、当該入居及び介護等の供与につき契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した場合に当該前払金の額から厚生労働省令で定める方法により算定される額を控除した額に相当する額を返還する旨の契約を締結しなければならない。
11有料老人ホームの設置者は、当該有料老人ホームに係る有料老人ホーム情報(有料老人ホームにおいて供与をする介護等の内容及び有料老人ホームの運営状況に関する情報であつて、有料老人ホームに入居しようとする者が有料老人ホームの選択を適切に行うために必要なものとして厚生労働省令で定めるものをいう。)を、厚生労働省令で定めるところにより、当該有料老人ホームの所在地の都道府県知事に対して報告しなければならない。
12都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定により報告された事項を公表しなければならない。
13都道府県知事は、この法律の目的を達成するため、有料老人ホームの設置者若しくは管理者若しくは設置者から介護等の供与(将来において供与をすることを含む。)を委託された者(以下「介護等受託者」という。)に対して、その運営の状況に関する事項その他必要と認める事項の報告を求め、又は当該職員に、関係者に対して質問させ、若しくは当該有料老人ホーム若しくは当該介護等受託者の事務所若しくは事業所に立ち入り、設備、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
14第十八条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による質問又は立入検査について準用する。
15都道府県知事は、有料老人ホームの設置者が第六項から第十一項までの規定に違反したと認めるとき、入居者の処遇に関し不当な行為をし、又はその運営に関し入居者の利益を害する行為をしたと認めるとき、その他入居者の保護のため必要があると認めるときは、当該設置者に対して、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
16都道府県知事は、有料老人ホームの設置者がこの法律その他老人の福祉に関する法律で政令で定めるもの若しくはこれに基づく命令又はこれらに基づく処分に違反した場合であつて、入居者の保護のため特に必要があると認めるときは、当該設置者に対して、その事業の制限又は停止を命ずることができる。
17都道府県知事は、前二項の規定による命令をしたときは、その旨を公示しなければならない。
18都道府県知事は、介護保険法第四十二条の二第一項本文の指定(地域密着型特定施設入居者生活介護の指定に係るものに限る。)を受けた有料老人ホームの設置者に対して第十六項の規定による命令をしたときは、遅滞なく、その旨を、当該指定をした市町村長に通知しなければならない。
19都道府県知事は、有料老人ホームの設置者が第十六項の規定による命令を受けたとき、その他入居者の心身の健康の保持及び生活の安定を図るため必要があると認めるときは、当該入居者に対し、介護等の供与を継続的に受けるために必要な助言その他の援助を行うように努めるものとする。
(有料老人ホーム協会)
第三十条その名称中に有料老人ホーム協会という文字を用いる一般社団法人は、有料老人ホームの入居者の保護を図るとともに、有料老人ホームの健全な発展に資することを目的とし、かつ、有料老人ホームの設置者を社員(以下この章において「会員」という。)とする旨の定款の定めがあるものに限り、設立することができる。
2前項に規定する定款の定めは、これを変更することができない。
3第一項に規定する一般社団法人(以下「協会」という。)は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を、厚生労働大臣に届け出なければならない。
4協会は、会員の名簿を公衆の縦覧に供しなければならない。