(河川管理者の監督処分)
第七十五条河川管理者は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、この法律若しくはこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定によつて与えた許可、登録若しくは承認を取り消し、変更し、その効力を停止し、その条件を変更し、若しくは新たに条件を付し、又は工事その他の行為の中止、工作物の改築若しくは除却(第二十四条の規定に違反する係留施設に係留されている船舶の除却を含む。)、工事その他の行為若しくは工作物により生じた若しくは生ずべき損害を除去し、若しくは予防するために必要な施設の設置その他の措置をとること若しくは河川を原状に回復することを命ずることができる。
一この法律若しくはこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定若しくはこれらの規定に基づく処分に違反した者、その者の一般承継人若しくはその者から当該違反に係る工作物(除却を命じた船舶を含む。以下この条において同じ。)若しくは土地を譲り受けた者又は当該違反した者から賃貸借その他により当該違反に係る工作物若しくは土地を使用する権利を取得した者
二この法律又はこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定による許可、登録又は承認に付した条件に違反している者
三詐欺その他不正な手段により、この法律又はこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定による許可、登録又は承認を受けた者
2河川管理者は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、この法律又はこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定による許可、登録又は承認を受けた者に対し、前項に規定する処分をすることができる。
一許可、登録若しくは承認に係る工事その他の行為につき、又はこれらに係る事業を営むことにつき、他の法令の規定による行政庁の許可又は認可その他の処分を受けることを必要とする場合において、これらの処分を受けることができなかつたとき、又はこれらの処分が取り消され、若しくは効力を失つたとき。
二許可、登録若しくは承認に係る工事その他の行為又はこれらに係る事業の全部又は一部の廃止があつたとき。
三洪水、津波、高潮その他の天然現象により河川の状況が変化したことにより、許可、登録又は承認に係る工事その他の行為が河川管理上著しい支障を生ずることとなつたとき。
五前号に掲げる場合のほか、公益上やむを得ない必要があるとき。
3前二項の規定により必要な措置をとることを命じようとする場合において、過失がなくて当該措置を命ずべき者を確知することができないときは、河川管理者は、当該措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該措置を行うべき旨及びその期限までに当該措置を行わないときは、河川管理者又はその命じた者若しくは委任した者が当該措置を行う旨を、あらかじめ公告しなければならない。
4河川管理者は、前項の規定により工作物を除却し、又は除却させたときは、当該工作物を保管しなければならない。
5河川管理者は、前項の規定により工作物を保管したときは、当該工作物の所有者、占有者その他当該工作物について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)に対し当該工作物を返還するため、政令で定めるところにより、政令で定める事項を公示しなければならない。
6河川管理者は、第四項の規定により保管した工作物が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又は前項の規定による公示の日から起算して三月を経過してもなお当該工作物を返還することができない場合において、政令で定めるところにより評価した当該工作物の価額に比し、その保管に不相当な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、当該工作物を売却し、その売却した代金を保管することができる。
7河川管理者は、前項の規定による工作物の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該工作物を廃棄することができる。
8第六項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。
9第三項から第六項までに規定する工作物の除却、保管、売却、公示その他の措置に要した費用は、当該工作物の返還を受けるべき所有者等その他第三項に規定する当該措置を命ずべき者の負担とする。
10第五項の規定による公示の日から起算して六月を経過してもなお第四項の規定により保管した工作物(第六項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該工作物の所有権は、国土交通大臣が保管する工作物にあつては国、都道府県知事が保管する工作物にあつては当該都道府県知事が統括する都道府県に帰属する。