(都市開発資金の貸付け)
第一条国は、地方公共団体に対し、次に掲げる土地の買取りに必要な資金を貸し付けることができる。
一人口の集中の著しい政令で定める大都市(その周辺の地域を含む。)又は地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律(平成四年法律第七十六号)第四条第一項の規定により指定された地方拠点都市地域の中心となる都市で政令で定めるもの(その周辺の地域を含む。)の秩序ある発展を図るために整備されるべき主要な道路、公園、緑地、広場その他の政令で定める公共施設で、都市計画において定められたものの区域内の土地
二次に掲げる土地(イからニまでに掲げる土地にあつては都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第十二条の四第一項第二号に規定する防災街区整備地区計画の区域で政令で定めるもの及び同法第八条第一項第三号に規定する高度利用地区の区域その他の政令で定める区域の内にあるものに限る。)で、都市の機能を維持し、及び増進するため計画的に整備改善を図る必要がある重要な市街地の区域内にあり、その計画的な整備改善を促進するために有効に利用できるもの
イ首都圏整備法(昭和三十一年法律第八十三号)第二条第三項に規定する既成市街地及びこれに接続して既に市街地を形成している区域内の土地
ロ近畿圏整備法(昭和三十八年法律第百二十九号)第二条第三項に規定する既成都市区域及びこれに接続して既に市街地を形成している区域内の土地
ハ人口の集中の特に著しい政令で定める大都市の既に市街地を形成している区域内の土地
ニ前号の地方拠点都市地域の中心となる都市で政令で定めるものの既に市街地を形成している区域内の土地
ホ現に地域社会の中心となつている都市(その中心市街地の活性化に関する法律(平成十年法律第九十二号)第二条の中心市街地について同法第九条第一項に規定する基本計画が同条第十項の認定を受けたものに限る。)で政令で定めるものの既に市街地を形成している区域内の土地(同法第十六条第一項に規定する認定中心市街地の区域で政令で定めるものの区域内にあるものに限る。)
ヘ大規模な災害を受けた都市で政令で定めるものの既に市街地を形成している区域内の土地(被災市街地復興特別措置法(平成七年法律第十四号)第五条第一項の規定により都市計画に定められた被災市街地復興推進地域内にあるものに限る。)
2国は、地方公共団体が次に掲げる資金の貸付けを行うときは、当該地方公共団体に対し、当該貸付けに必要な資金(第三号に掲げる資金の貸付けにあつては、当該貸付けに必要な資金の二分の一以内)を貸し付けることができる。
一密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)第三百条第一項の規定により指定された防災街区整備推進機構で政令で定めるものに対する同法第三百一条第三号に規定する土地で政令で定めるもののうち前項第二号に掲げる土地に該当するものの買取りに要する費用に充てる資金の貸付け
二中心市街地の活性化に関する法律第六十一条第一項の規定により指定された中心市街地整備推進機構で政令で定めるものに対する同法第六十二条第三号に規定する土地のうち前項第二号に掲げる土地に該当するものの買取りに要する費用に充てる資金の貸付け
三都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)第五条の六第一項に規定する認定計画提出者に対する同法第五条の七第一項に規定する認定公募設置等計画に基づく同法第五条の二第一項に規定する公募対象公園施設及び同条第二項第五号に規定する特定公園施設の建設に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てる資金の貸付け
3国は、市街地再開発事業(都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)による市街地再開発事業をいう。以下同じ。)による土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新に資するため、地方公共団体が次に掲げる貸付けを行う場合において、特に必要があると認めるときは、当該地方公共団体に対し、当該貸付けに必要な資金の二分の一以内を貸し付けることができる。
一市街地再開発事業を施行する個人施行者(都市再開発法第七条の十五第二項に規定する個人施行者をいう。)で政令で定めるもの、市街地再開発組合又は再開発会社(同法第五十条の二第三項に規定する再開発会社をいう。次号において同じ。)に対する当該市街地再開発事業に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
二市街地再開発事業の施行者(都市再開発法第二条第二号に規定する施行者をいう。以下この号及び次条第四項において同じ。)が、施設建築物又は施設建築敷地(同法第二条第六号又は第七号に規定する施設建築物又は施設建築敷地をいう。以下この号において同じ。)に関する権利(施行地区(同条第三号に規定する施行地区をいう。以下この号において同じ。)内に宅地(同条第五号に規定する宅地をいう。以下この号において同じ。)、借地権(同条第十一号に規定する借地権をいう。以下この号において同じ。)又は権原に基づき建築物を有する者(施行者を除く。)が当該権利に対応して与えられることとなるものを除く。以下この号及び次条第四項において「施設に関する権利」という。)の全部又は一部を、国土交通省令で定めるところにより公募して譲渡しようとしたにもかかわらず譲渡することができなかつた場合において、次のいずれかに該当する者が出資している法人で政令で定めるものに取得させるときの当該法人に対する当該施設に関する権利の全部又は一部の取得に必要な費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
ハ再開発会社の株主(当該再開発会社の施行する市街地再開発事業の施行地区内に宅地又は借地権を有する者で当該権利に対応して施設建築物又は施設建築敷地に関する権利を与えられることとなるものに限る。)
4国は、土地区画整理事業(土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)による土地区画整理事業をいう。以下同じ。)に関し地方公共団体が次に掲げる貸付けを行う場合において、特に必要があると認めるときは、当該地方公共団体に対し、当該貸付けに必要な資金の二分の一以内を貸し付けることができる。
一公共施設(土地区画整理法第二条第五項に規定する公共施設をいう。以下この条において同じ。)のうち都市計画において定められた街路その他の重要な公共施設の新設又は改良に関する事業を含む土地区画整理事業で、施行地区(同法第二条第四項に規定する施行地区をいう。以下この条において同じ。)の面積、公共施設の種類及び規模等が政令で定める基準に適合するものを施行する個人施行者(同法第九条第五項に規定する個人施行者をいう。以下この項において同じ。)、土地区画整理組合又は区画整理会社(同法第五十一条の九第五項に規定する区画整理会社をいう。以下この項において同じ。)に対する当該土地区画整理事業に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
二土地の合理的かつ健全な高度利用に資する次に掲げる土地区画整理事業で、施行地区の面積、公共施設の種類及び規模等が政令で定める基準に適合するものを施行する個人施行者、土地区画整理組合又は区画整理会社に対する当該土地区画整理事業に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
イ土地区画整理法第六条第四項(同法第十六条第一項及び第五十一条の四において準用する場合を含む。)の規定による市街地再開発事業区が事業計画において定められている土地区画整理事業
ロ土地区画整理法第六条第六項(同法第十六条第一項及び第五十一条の四において準用する場合を含む。)の規定による高度利用推進区が事業計画において定められている土地区画整理事業
三都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)第百五条の二の規定による誘導施設整備区が事業計画において定められている土地区画整理事業で、施行地区の面積、公共施設の種類及び規模等が政令で定める基準に適合するものを施行する個人施行者、土地区画整理組合又は区画整理会社に対する当該土地区画整理事業に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
四施行地区の全部又は一部が景観計画区域(景観法(平成十六年法律第百十号)第八条第二項第一号に規定する景観計画区域をいう。以下この号において同じ。)に含まれる土地区画整理事業で、施行地区の面積(施行地区の一部が景観計画区域に含まれるものにあつては、施行地区の面積及び施行地区内の景観計画区域の面積。以下この条において同じ。)、公共施設の種類及び規模等が政令で定める基準に適合するものを施行する個人施行者、土地区画整理組合又は区画整理会社に対する当該土地区画整理事業に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
五土地区画整理事業(前各号に規定する土地区画整理事業で、施行地区の面積、公共施設の種類及び規模等が当該各号の政令で定める基準に適合するものに限る。)の施行者(土地区画整理法第二条第三項に規定する施行者をいう。以下この条及び次条第五項において同じ。)が、保留地(同法第九十六条第一項又は第二項の規定により換地として定めない土地をいう。以下この号及び次条第五項において同じ。)の全部又は一部を、国土交通省令で定めるところにより公募して譲渡しようとしたにもかかわらず譲渡することができなかつた場合において、次のいずれかに該当する者が出資している法人で政令で定めるものに取得させるときの当該法人に対する当該保留地の全部又は一部の取得に必要な費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付け
ハ区画整理会社の株主(当該区画整理会社の施行する土地区画整理事業の施行地区内の宅地(土地区画整理法第二条第六項に規定する宅地をいい、保留地を除く。)について所有権又は借地権(同条第七項に規定する借地権をいう。)を有する者に限る。)
5国は、地方公共団体に対し、土地区画整理組合が国土交通省令で定める土地区画整理事業の施行の推進を図るための措置を講じたにもかかわらず、その施行する土地区画整理事業を遂行することができないと認められるに至つた場合において、当該地方公共団体が、その施行地区となつている区域について新たに施行者となり、土地区画整理法第百二十八条第二項の規定により当該土地区画整理組合から引き継いで施行することとなつた土地区画整理事業(前項第一号から第四号までに規定する土地区画整理事業で、施行地区の面積、公共施設の種類及び規模等が当該各号の政令で定める基準に適合するものに限る。)に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てる資金を貸し付けることができる。
6国は、地方公共団体が、都市再生特別措置法第百十八条第一項の規定により指定された都市再生推進法人又はまちづくりの推進を図る活動を行うことを目的とする法人(いずれも政令で定める要件に該当するものに限る。)に対する同法第百十九条第三号に規定する事業に要する費用で政令で定める範囲内のものに充てるための無利子の資金の貸付けを行うときは、当該地方公共団体に対し、当該貸付けに必要な資金の二分の一以内を貸し付けることができる。
7国は、独立行政法人都市再生機構に対し、独立行政法人都市再生機構法(平成十五年法律第百号)第十一条第一項第一号から第五号まで、第七号、第九号及び第十号に掲げる業務(委託に基づき行うものを除く。)に要する資金の一部を貸し付けることができる。
8国は、土地開発公社に対し、公有地の拡大の推進に関する法律(昭和四十七年法律第六十六号)第六条第一項の手続による土地の買取りに必要な資金を貸し付けることができる。
9国は、都市緑地法(昭和四十八年法律第七十二号)第六十九条第一項の規定により指定された都市緑化支援機構に対し、同法第七十条第一号、第二号及び第五号並びに古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和四十一年法律第一号)第十四条第一項第一号及び第二号に掲げる業務に要する資金を貸し付けることができる。
10国は、民間都市開発の推進に関する特別措置法(昭和六十二年法律第六十二号。以下「民間都市開発法」という。)第三条第一項の規定により指定された民間都市開発推進機構(以下「民間都市機構」という。)に対し、同法第四条第一項第一号及び第二号に掲げる業務に要する資金の一部を貸し付けることができる。
(利率、償還方法等)
第二条前条第一項、第二項又は第八項の規定による貸付金の利率は、国土交通大臣が財務大臣と協議して定める。この場合において、同条第一項第二号の土地(同号イからニまでに掲げる土地で防災街区整備地区計画の区域内のもの、同号ニに掲げる土地の区域内の土地で政令で定めるもの並びに同号ホ及びヘに掲げる土地に限る。)に係る貸付金又は同条第二項若しくは第八項の規定による貸付金の利率については、特にこれらの貸付金に係る土地の買取りが促進されるよう配慮して定めなければならない。
2前条第三項から第七項まで、第九項又は第十項の規定による貸付金は、無利子とする。
3前条第一項、第二項又は第八項の規定による貸付金の償還期間は、十年(四年以内の据置期間を含む。)以内とし、その償還は、元金均等半年賦償還の方法によるものとする。
4前条第三項の国又は地方公共団体の貸付金の償還期間、据置期間及び償還方法は、次の表の区分の欄各項に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の償還期間の欄、据置期間の欄及び償還方法の欄各項に掲げるとおりとする。
項 | 区分 | 償還期間 | 据置期間 | 償還方法 |
一 | 前条第三項第一号の貸付金(二の項に掲げるものを除く。) | 八年(都市再開発法第十一条第二項の規定により設立された市街地再開発組合で同条第三項の規定による事業計画の認可を受けていないものにあつては、十二年)以内 | ― | 一括償還 |
二 | 前条第三項第一号の貸付金のうち施行者が施設に関する権利の全部又は一部を、国土交通省令で定めるところにより公募して譲渡しようとしたにもかかわらず譲渡することができなかつた場合における当該施設に関する権利の管理処分に要する費用に充てるための貸付金 | 二十五年以内(据置期間を含む。) | 十年以内 | 均等半年賦償還 |
三 | 前条第三項第二号の貸付金 | 二十五年以内(据置期間を含む。) | 十年以内 | 均等半年賦償還 |
5前条第四項の国又は地方公共団体の貸付金の償還期間、据置期間、償還方法及び償還期限は、次の表の区分の欄各項に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の償還期間の欄、据置期間の欄、償還方法の欄及び償還期限の欄各項に掲げるとおりとする。
項 | 区分 | 償還期間 | 据置期間 | 償還方法 | 償還期限 |
一 | 前条第四項第一号から第四号までの貸付金(二の項及び三の項に掲げるものを除く。) | 八年以内(据置期間を含む。) | 六年以内 | 均等半年賦償還 | 土地区画整理法第九条第三項、第二十一条第三項又は第五十一条の九第三項の規定による公告があつた日(土地区画整理組合が国土交通省令で定める土地区画整理事業の施行の推進を図るための措置を講じたにもかかわらず、工事その他国土交通省令で定める主要な部分が相当期間にわたり実施されていない土地区画整理事業で、当該主要な部分を実施するために事業計画を変更したものを施行する場合における当該土地区画整理組合に対する貸付金(二の項において「特定貸付金」という。)にあつては、当該事業計画の変更に係る同法第三十九条第四項の規定による公告があつた日(二の項において「変更公告の日」という。))の翌日から起算して十年以内 |
二 | 前条第四項第一号から第四号までの貸付金のうち土地区画整理法第十四条第二項の規定により設立された土地区画整理組合で同条第三項の規定による事業計画の認可を受けていないものに対するもの(三の項に掲げるものを除く。) | 十年以内(据置期間を含む。) | 八年以内 | 均等半年賦償還 | 土地区画整理法第二十一条第四項の規定による公告があつた日の翌日から起算して十二年(特定貸付金にあつては、変更公告の日の翌日から起算して十年)以内 |
三 | 前条第四項第一号から第四号までの貸付金のうち施行者が保留地の全部又は一部を、国土交通省令で定めるところにより公募して譲渡しようとしたにもかかわらず譲渡することができなかつた場合における当該保留地の管理処分に要する費用に充てるための貸付金 | 二十五年以内(据置期間を含む。) | 十年以内 | 均等半年賦償還 | |
四 | 前条第四項第五号の貸付金 | 二十五年以内(据置期間を含む。) | 十年以内 | 均等半年賦償還 | |
6前条第五項の規定による貸付金の償還期間は、八年(六年以内の据置期間を含む。)以内とし、その償還は、均等半年賦償還の方法によるものとする。ただし、償還期限は、土地区画整理法第五十五条第九項の規定による公告があつた日の翌日から起算して十年以内とする。
7前条第三項又は第四項の地方公共団体の貸付金の貸付けを受けた者が貸付金を貸付けの目的以外の目的に使用したとき、その他貸付けの条件に違反したときは、当該地方公共団体は、政令で定めるところにより、当該貸付けを受けた者から加算金を徴収することができるものとし、かつ、その徴収した加算金の全部又は一部に相当する金額を国に納付するものとする。
8前項に定めるもののほか、前条第三項から第五項までの国又は地方公共団体の貸付金に関する償還期限の繰上げ又は延長、延滞金の徴収その他必要な貸付けの条件の基準については、政令で定める。
9前条第六項又は第九項の規定による貸付金の償還期間は、十年(四年以内の据置期間を含む。)以内とし、その償還は、均等半年賦償還の方法によるものとする。
10前条第七項又は第十項の規定による貸付金の償還期間は、二十年(同条第七項の規定による貸付金にあつては十年以内の、同条第十項の規定による貸付金にあつては五年以内の据置期間を含む。)以内とし、その償還は、均等半年賦償還の方法によるものとする。
11国は、前条第十項の規定による貸付金で民間都市開発法第四条第一項第一号に掲げる業務に要する資金に係るものについて民間都市機構が当該貸付金を充てて負担した費用の償還方法を勘案し特に必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、その償還を、一括償還の方法によるものとすることができる。この場合においては、その償還期間は、十年以内とする。