(趣旨)第一条生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号。以下「法」という。)第三十九条第二項の厚生労働省令で定める基準は、次の各号に掲げる基準に応じ、それぞれ当該各号に定める規定による基準とする。一法第三十九条第一項の規定により、同条第二項第一号に掲げる事項について都道府県(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)にあつては、指定都市又は中核市。以下この条において同じ。)が条例を定めるに当たつて従うべき基準第五条、第六条、第十一条、第十九条、第二十五条及び第三十条の規定による基準二法第三十九条第一項の規定により、同条第二項第二号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たつて従うべき基準第十条第三項第一号及び第五項第一号ロ(第十条の二において準ずる場合並びに第十八条第三項及び第二十九条第三項において準用する場合を含む。)、第十八条第一項第一号、第二十九条第一項第一号並びに附則第二項(第十条第五項第一号ロに係る部分に限る。)の規定による基準三法第三十九条第一項の規定により、同条第二項第三号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たつて従うべき基準第六条の四、第十五条第二項(第二十二条、第二十七条の二及び第三十三条において準用する場合を含む。)及び第二十六条の規定による基準四法第三十九条第一項の規定により、同条第二項第四号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たつて標準とすべき基準第九条第一項及び第二項、第十七条第一項、第二十三条第一項、第二十八条第一項並びに附則第二項(第九条第一項及び第二項、第十七条第一項、第二十三条第一項並びに第二十八条第一項に係る部分に限る。)の規定による基準五法第三十九条第一項の規定により、同条第二項各号に掲げる事項以外の事項について都道府県が条例を定めるに当たつて参酌すべき基準この省令に定める基準のうち、前各号に定める規定による基準以外のもの
(基本方針)第二条救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設(以下「救護施設等」という。)は、利用者に対し、健全な環境のもとで、社会福祉事業に関する熱意及び能力を有する職員による適切な処遇を行なうよう努めなければならない。
(職員の資格要件)第五条救護施設等の長(以下「施設長」という。)は、社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第十九条第一項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業に二年以上従事した者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。2生活指導員は、社会福祉法第十九条第一項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。
(苦情への対応)第六条の二救護施設等は、その行つた処遇に関する入所者からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。2救護施設等は、その行つた処遇に関し、生活保護法第十九条第四項に規定する保護の実施機関から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従つて必要な改善を行わなければならない。3救護施設等は、社会福祉法第八十三条に規定する運営適正化委員会が行う同法第八十五条第一項の規定による調査にできる限り協力しなければならない。
(就業環境の整備)第六条の三救護施設等は、利用者に対し適切な処遇を行う観点から、職場において行われる性的な言動又は優越的な関係を背景とした言動であつて業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより職員の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講じなければならない。
(業務継続計画の策定等)第六条の四救護施設等は、感染症や非常災害の発生時において、利用者に対する処遇を継続的に行うための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(以下「業務継続計画」という。)を策定し、当該業務継続計画に従い必要な措置を講じなければならない。2救護施設等は、職員に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修及び訓練を定期的に実施しなければならない。3救護施設等は、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うものとする。
(非常災害対策)第七条救護施設等は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に対する具体的計画を立てておかなければならない。2救護施設等は、非常災害に備えるため、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行なわなければならない。3救護施設等は、前項に規定する訓練の実施に当たつて、地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければならない。
(規模)第九条救護施設は、三十人以上の人員を入所させることができる規模を有しなければならない。2救護施設は、当該施設と一体的に管理運営を行う、日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて生活扶助を行うことを目的とする施設であつて入所者が二十人以下のもの(以下この章において「サテライト型施設」という。)を設置する場合は、五人以上の人員を入所させることができる規模を有するものとしなければならない。3救護施設は、被保護者の数が当該施設における入所者の総数のうちに占める割合がおおむね八十パーセント以上としなければならない。
(設備の基準)第十条救護施設の建物(入所者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二に規定する耐火建築物をいう。次項(第十八条第三項において準用する場合を含む。)において同じ。)又は準耐火建築物(同法第二条第九号の三に規定する準耐火建築物をいう。次項(第十八条第三項において準用する場合を含む。)において同じ。)でなければならない。2前項の規定にかかわらず、都道府県知事(指定都市及び中核市にあつては、指定都市又は中核市の市長。第十八条第三項において準用する場合において同じ。)が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号のいずれかの要件を満たす木造かつ平屋建ての救護施設の建物であって、火災に係る入所者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。一スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。二非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。三避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。3救護施設には、次の各号に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより施設の効果的な運営を期待することができる場合であつて、入所者の処遇に支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。一居室二静養室三食堂四集会室五浴室六洗面所七便所八医務室九調理室十事務室十一宿直室十二介護職員室十三面接室十四洗濯室又は洗濯場十五汚物処理室十六霊安室4前項第一号に掲げる居室については、一般居室のほか、必要に応じ、常時の介護を必要とする者を入所させる居室(以下「特別居室」という。)を設けるものとする。5第三項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。一居室イ地階に設けてはならないこと。ロ入所者一人当たりの床面積は、収納設備等を除き、三・三平方メートル以上とすること。ハ一以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。ニ入所者の寝具及び身の回り品を各人別に収納することができる収納設備を設けること。ホ特別居室は、原則として一階に設け、寝台又はこれに代わる設備を備えること。二静養室イ医務室又は介護職員室に近接して設けること。ロイに定めるもののほか、前号イ及びハからホまでに定めるところによること。三洗面所居室のある階ごとに設けること。四便所居室のある階ごとに男子用と女子用を別に設けること。五医務室入所者を診療するために必要な医薬品、衛生材料及び医療機械器具を備えるほか、必要に応じて臨床検査設備を設けること。六調理室火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。七介護職員室居室のある階ごとに居室に近接して設けること。6前各項に規定するもののほか、救護施設の設備の基準は、次に定めるところによる。一廊下の幅は、一・三五メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は、一・八メートル以上とすること。二廊下、便所その他必要な場所に常夜灯を設けること。三階段の傾斜は、ゆるやかにすること。
(職員の配置の基準)第十一条救護施設には、次の各号に掲げる職員を置かなければならない。ただし、調理業務の全部を委託する救護施設にあつては、第七号に掲げる職員を置かないことができる。一施設長二医師三生活指導員四介護職員五看護師又は准看護師六栄養士七調理員2生活指導員、介護職員及び看護師又は准看護師の総数は、通じておおむね入所者の数を五・四で除して得た数以上とする。
(衛生管理等)第十五条救護施設は、入所者の使用する設備、食器等又は飲用に供する水については、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品、衛生材料及び医療機械器具の管理を適正に行わなければならない。2救護施設は、当該救護施設において感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。一当該救護施設における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置その他の情報通信機器を活用して行うことができるものとする。)を定期的に開催するとともに、その結果について、職員に周知徹底を図ること。二当該救護施設における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針を整備すること。三当該救護施設において、職員に対し、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修並びに感染症の予防及びまん延の防止のための訓練を定期的に実施すること。
(生活指導等)第十六条救護施設は、入所者に対し、生活の向上及び更生のための指導を受ける機会を与えなければならない。2救護施設は、入所者に対し、その精神的及び身体的条件に応じ、機能を回復し又は機能の減退を防止するための訓練又は作業に参加する機会を与えなければならない。3入所者の日常生活に充てられる場所は、必要に応じ、採暖のための措置を講じなければならない。4一週間に二回以上、入所者を入浴させ、又は清拭しなければならない。5教養娯楽設備等を備えるほか、適宜レクリエーシヨン行事を行なわなければならない。6救護施設は、入所者の自立支援を行うため、入所者の意向を踏まえ、各入所者ごとに個別支援計画を作成しなければならない。
(給付金として支払を受けた金銭の管理)第十六条の二救護施設は、当該救護施設の設置者が入所者に係る厚生労働大臣が定める給付金(以下この条において「給付金」という。)の支給を受けたときは、給付金として支払を受けた金銭を次に掲げるところにより管理しなければならない。一当該入所者に係る当該金銭及びこれに準ずるもの(これらの運用により生じた収益を含む。以下この条において「入所者に係る金銭」という。)をその他の財産と区分すること。二入所者に係る金銭を給付金の支給の趣旨に従つて用いること。三入所者に係る金銭の収支の状況を明らかにする帳簿を整備すること。四当該入所者が退所した場合には、速やかに、入所者に係る金銭を当該入所者に取得させること。
(規模)第十七条更生施設は、三十人以上の人員を入所させることができる規模を有しなければならない。2更生施設は、被保護者の数が当該施設における入所者の総数のうちに占める割合がおおむね八十パーセント以上としなければならない。
(設備の基準)第十八条更生施設には、次の各号に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより施設の効果的な運営を期待することができる場合であつて、入所者の処遇に支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。一居室二静養室三集会室四食堂五浴室六洗面所七便所八医務室九作業室又は作業場十調理室十一事務室十二宿直室十三面接室十四洗濯室又は洗濯場2前項第九号に掲げる作業室又は作業場には、作業に従事する者の安全を確保するための設備を設けなければならない。3前二項に規定するもののほか、更生施設の設備の基準については、第十条第一項、第二項、第五項第一号(ホを除く。)及び第二号から第六号まで並びに第六項の規定を準用する。
(職員の配置の基準)第十九条更生施設には、次の各号に掲げる職員を置かなければならない。ただし、調理業務の全部を委託する更生施設にあつては、第七号に掲げる職員を置かないことができる。一施設長二医師三生活指導員四作業指導員五看護師又は准看護師六栄養士七調理員2生活指導員、作業指導員及び看護師又は准看護師の総数は、入所人員が百五十人以下の施設にあつては六人以上、入所人員が百五十人を超える施設にあつては六人に百五十人を超える部分四十人につき一人を加えた数以上とする。
(生活指導等)第二十条更生施設は、入所者の勤労意欲を助長するとともに、入所者が退所後健全な社会生活を営むことができるよう入所者各人の精神及び身体の条件に適合する個別支援計画を作成し、これに基づく指導をしなければならない。2前項に定めるもののほか、生活指導等については、第十六条(第二項及び第六項を除く。)の規定を準用する。
(作業指導)第二十一条更生施設は、入所者に対し、前条第一項の個別支援計画に従つて、入所者が退所後自立するのに必要な程度の技能を修得させなければならない。2作業指導の種目を決定するに当たつては、地域の実情及び入所者の職歴を考慮しなければならない。
(規模)第二十三条授産施設は、二十人以上の人員を利用させることができる規模を有しなければならない。2授産施設は、被保護者の数が当該施設における利用者の総数のうちに占める割合がおおむね五十パーセント以上としなければならない。
(設備の基準)第二十四条授産施設には、次の各号に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより施設の効果的な運営を期待することができる場合であつて、利用者の処遇に支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。一作業室二作業設備三食堂四洗面所五便所六事務室2第一項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。一作業室イ必要に応じて危害防止設備を設け、又は保護具を備えること。ロ一以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。二便所男子用と女子用を別に設けること。
(規模)第二十八条宿所提供施設は、三十人以上の人員を利用させることができる規模を有しなければならない。2宿所提供施設は、被保護者の数が当該施設における入所者の総数のうちに占める割合がおおむね五十パーセント以上としなければならない。
(設備の基準)第二十九条宿所提供施設には、次の各号に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより施設の効果的な運営を期待することができる場合であつて、入所者の処遇に支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。一居室二炊事設備三便所四面接室五事務室2前項第二号に掲げる炊事設備の火器を使用する部分は、不燃材料を用いなければならない。3前二項に規定するもののほか、宿所提供施設の設備の基準については、第十条第五項第一号(ホを除く。)並びに第六項第一号及び第二号の規定を準用する。
1この省令は、昭和四十一年十月一日から施行する。2この省令の施行の際現に存する救護施設等については、第九条第一項及び第二項、第十条第一項(第十八条第三項において準用する場合を含む。)、第五項第一号ロ(第十八条第三項及び第二十九条第三項において準用する場合を含む。)及び第六項第一号(第十八条第三項及び第二十九条第三項において準用する場合を含む。)、第十七条第一項、第二十三条第一項並びに第二十八条第一項の規定は、当分の間適用しない。
(救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する最低基準の一部改正に伴う経過措置)第三条この省令の施行の際現に存する救護施設については、この省令による改正後の救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する最低基準(以下「最低基準」という。)第十条第三項第十五号の規定は、当分の間適用しない。2この省令の施行の際現に存する救護施設、更生施設及び宿所提供施設については、最低基準第十二条(第二十二条において準用する場合を含む。)及び第二十九条第三項において準用する第十条第四項第一号ロの規定にかかわらず、なお従前の例による。
(業務継続計画の策定等に係る経過措置)第二条第一条の規定の施行の日から令和六年三月三十一日までの間、同条による改正後の救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する基準(以下「新基準」という。)第六条の四の規定の適用については、「講じなければ」とあるのは「講ずるよう努めなければ」と、「実施しなければ」とあるのは「実施するよう努めなければ」と、「行うものとする」とあるのは「行うよう努めるものとする」とする。
(感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための措置に係る経過措置)第三条第一条の規定の施行の日から令和六年三月三十一日までの間、新基準第十五条第二項(新基準第二十二条、第二十七条の二及び第三十三条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、「講じなければ」とあるのは「講ずるよう努めなければ」とする。