(売渡しに関する指示及び命令)
第四条内閣総理大臣及び主務大臣は、特定物資の生産、輸入又は販売の事業を行う者が買占め又は売惜しみにより当該特定物資を多量に保有していると認めるときは、その者に対し、売渡しをすべき期限及び数量並びに売渡先(内閣総理大臣及び主務大臣が当該特定物資の買受けにつきその同意を得た者に限る。)を定めて、当該特定物資の売渡しをすべきことを指示することができる。
2内閣総理大臣及び主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者がその指示に従わなかつたときは、その者に対し、売渡しをすべき期限及び数量を定めて、当該売渡先に当該特定物資の売渡しをすべきことを命ずることができる。
3前項の規定による命令があつた場合において、当事者が支払い、又は受領すべき金額その他その命令の実施に関し必要な細目は、当事者間の協議により定める。
4内閣総理大臣及び主務大臣は、第二項の規定による命令に係る売渡しをすべき期限までに当事者が前項の協議をすることができず、又は当該協議が整わないと認めるときは、政令で定めるところにより、裁定を行うものとする。
5内閣総理大臣及び主務大臣は、前項の裁定をしたときは、遅滞なく、その旨を当事者に通知しなければならない。
6第四項の裁定があつたときは、その裁定の定めるところに従い、当事者間に協議が整つたものとみなす。
7第四項の裁定のうち当事者が支払い、又は受領すべき金額について不服のある者は、その裁定の通知を受けた日から六月以内に訴えをもつてその金額の増減を請求することができる。
9第四項の裁定についての審査請求においては、当事者が支払い、又は受領すべき金額についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。
(立入検査等)
第五条内閣総理大臣及び主務大臣は、前条の規定の施行に必要な限度において、特定物資の生産、輸入若しくは販売の事業を行なう者に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、これらの者の事務所、工場、事業場、店舗若しくは倉庫に立ち入り、特定物資に関し、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2内閣総理大臣及び主務大臣は、前項の規定により特定物資に関し立入検査又は質問をさせた場合において、特に必要があると認めるときは、その職員に、当該特定物資を保管していると認められる者の倉庫その他の場所に立ち入り、当該特定物資に関し、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
3前二項の規定により職員が立入検査又は質問をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4第一項及び第二項の規定による立入検査及び質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。