(製造等の届出)
第三条新規化学物質を製造し、又は輸入しようとする者は、あらかじめ、厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、その新規化学物質の名称その他の厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定める事項を厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣に届け出なければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一第七条第一項の届出をし、同条第二項において準用する次条第一項又は第二項の規定によりその届出に係る新規化学物質が同条第一項第二号から第五号までのいずれかに該当するものである旨の通知を受けた者からその通知に係る新規化学物質を輸入しようとするとき。
二試験研究のため新規化学物質を製造し、又は輸入しようとするとき。
三試薬(化学的方法による物質の検出若しくは定量、物質の合成の実験又は物質の物理的特性の測定のために使用される化学物質をいう。以下同じ。)として新規化学物質を製造し、又は輸入しようとするとき。
四その新規化学物質に関して予定されている取扱いの方法等からみてその新規化学物質による環境の汚染が生じるおそれがないものとして政令で定める場合に該当する旨の厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣の確認を厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定めるところにより受け、かつ、その確認を受けたところに従つてその新規化学物質を製造し、又は輸入するとき。
五一の年度におけるその新規化学物質の製造予定数量又は輸入予定数量(その新規化学物質を製造し、及び輸入しようとする者にあつては、これらを合計した数量。第五条第一項及び第四項第一号において同じ。)が政令で定める数量以下の場合であつて、既に得られている知見等から判断して、その新規化学物質による環境の汚染が生じて人の健康に係る被害又は生活環境動植物の生息若しくは生育に係る被害を生ずるおそれがあるものでない旨の厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣の確認を厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定めるところにより受け、かつ、その確認に係る数量以下のその新規化学物質を当該年度において製造し、又は輸入するとき。
六その新規化学物質が、高分子化合物であつて、これによる環境の汚染が生じて人の健康に係る被害又は生活環境動植物の生息若しくは生育に係る被害を生ずるおそれがないものとして厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣が定める基準に該当する旨の厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣の確認を厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定めるところにより受けて、その新規化学物質を製造し、又は輸入するとき。
2厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、一の新規化学物質に係る前項第五号の規定による確認に係る製造予定数量及び輸入予定数量(第五条第四項の規定による確認に係る製造予定数量及び輸入予定数量を含む。)に基づき環境に影響を及ぼすものとして厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定める方法により算出される当該新規化学物質の数量を合計した数量が政令で定める数量を超えることとなる場合には、同号の確認をしてはならない。
3厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、第一項第四号の確認を取り消さなければならない。
一第一項第四号の確認を受けた者が不正の手段によりその確認を受けたとき。
二第一項第四号の確認を受けた者が、その確認を受けたところに従つてその確認に係る新規化学物質を製造し、又は輸入していないと認めるとき。
三前号に掲げる場合のほか、第一項第四号の確認に係る新規化学物質による環境の汚染が生じるおそれがあると認めるとき。
4厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、第一項第五号の確認を取り消さなければならない。
一第一項第五号の確認を受けた者が不正の手段によりその確認を受けたとき。
二第一項第五号の確認を受けた者が、その確認に係る数量を超えてその確認に係る新規化学物質を製造し、又は輸入していると認めるとき。
三前号に掲げる場合のほか、第一項第五号の確認に係る新規化学物質による環境の汚染が生じて人の健康に係る被害又は生活環境動植物の生息若しくは生育に係る被害を生ずるおそれがあると認めるとき。
5厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、第一項第六号の確認を取り消さなければならない。
一第一項第六号の確認を受けた者が不正の手段によりその確認を受けたとき。
二第一項第六号の確認に係る新規化学物質による環境の汚染が生じて人の健康に係る被害又は生活環境動植物の生息若しくは生育に係る被害を生ずるおそれがあると認めるとき。
(審査)
第四条厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、前条第一項の届出があつたときは、その届出を受理した日から三月以内に、その届出に係る新規化学物質について既に得られているその組成、性状等に関する知見に基づいて、その新規化学物質が次の各号のいずれに該当するかを判定し、その結果をその届出をした者に通知しなければならない。
二イに該当するものであつて、かつ、ロに該当しないもの
イ次のいずれかに該当するものであること。
(1)第二条第三項第一号イに該当する疑いのあるもの(同号イに該当するものを含み、自然的作用による化学的変化を生じにくいものに限る。)であること。
(2)当該化学物質が自然的作用による化学的変化を生じやすいものである場合には、自然的作用による化学的変化により生成する化学物質(元素を含む。)が(1)に該当するものであること。
ロ次のいずれかに該当するものであること。
(1)動植物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれがあるもの(自然的作用による化学的変化を生じにくいものに限り、第二条第二項第一号に該当するものを除く。)であること。
(2)当該化学物質が自然的作用による化学的変化を生じやすいものである場合には、自然的作用による化学的変化により生成する化学物質(元素を含む。)が(1)に該当するものであること。
五第一号又は第二号イ若しくはロのいずれにも該当しないもの
六第一号から第四号までに該当するかどうか明らかでないもの
2厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、前条第一項の届出に係る新規化学物質が前項第六号に該当すると判定したときは、速やかに、その新規化学物質について実施される試験の試験成績に基づいて、その新規化学物質が同項第一号から第五号までのいずれに該当するかを判定し、その結果をその届出をした者に通知しなければならない。
3厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、前項の判定を行うために必要があると認めるときは、前条第一項の届出をした者に対し、当該届出に係る新規化学物質の性状に関する第七項に規定する試験の試験成績を記載した資料その他の厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定める資料の提出を求めることができる。
4厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、第一項又は第二項の規定により判定した場合において、前条第一項の届出に係る新規化学物質が、第一項第二号から第四号までのいずれかに該当するものであつて、第二条第八項各号のいずれかに該当するもの(以下「特定新規化学物質」という。)と判定したときは、その結果をその届出をした者に通知しなければならない。ただし、第二条第五項の規定による指定をされたものについては、この限りでない。
5厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、第一項又は第二項の規定により前条第一項の届出に係る新規化学物質が第一項第二号から第五号までのいずれかに該当するものである旨の通知をしたときは、厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、その新規化学物質の名称を公示しなければならない。ただし、第二条第五項の規定による指定をされたものについては、この限りでない。
6厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、第四項の規定による通知をしたときは、前項の規定による公示の際、併せて第四項の判定の結果を公示しなければならない。
7第一項、第二項及び第四項の判定を行うために必要な試験の項目その他の技術的な事項は、厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定める。
8前項の命令を定めるに当たつては、化学物質の安全性の評価に関する試験の項目の設定についての国際的動向その他化学物質の安全性の評価についての技術上の基準に関する動向に十分配慮するよう努めなければならない。
(製造予定数量等が一定の数量以下である場合における審査の特例等)
第五条第三条第一項の届出をしようとする者で、一の年度におけるその届出に係る新規化学物質の製造予定数量又は輸入予定数量が第四項第一号の政令で定める数量以下であるものは、その届出に際し、厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣に対し、その新規化学物質が前条第一項第六号に該当する場合にはそれが次の各号のいずれかに該当するかどうかの判定を行うよう申し出ることができる。
一イ及びロに該当する化学物質であること。
イ自然的作用による化学的変化を生じにくいものであり、かつ、生物の体内に蓄積されやすいものでないこと。
ロ前条第一項第二号から第四号までに該当するかどうか明らかでないものであること。
二当該新規化学物質が自然的作用による化学的変化を生じやすいものである場合には、自然的作用による化学的変化により生成する化学物質(元素を含む。)が前号に該当するものであること。
2厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、前項の申出があつた場合において、前条第一項の判定に際してその申出に係る新規化学物質が同項第六号に該当すると認めるときは、同項の規定にかかわらず、第三条第一項の届出を受理した日から三月以内に、前条第一項第六号に該当する旨の判定を行うことに代えて、その申出に係る新規化学物質について既に得られているその組成、性状等に関する知見に基づいて、その新規化学物質が次の各号のいずれに該当するかを判定し、その結果を前項の申出をした者に通知しなければならない。この場合においては、同条第二項の規定は、適用しない。
三前項各号のいずれかに該当するかどうか明らかでないもの
3厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、第一項の申出に係る新規化学物質が前項第三号に該当すると判定したときは、速やかに、その新規化学物質について実施される試験の試験成績に基づいて、その新規化学物質が同項第一号又は第二号のいずれに該当するかを判定し、その結果をその申出をした者に通知しなければならない。
4第二項又は前項の規定によりその申出に係る新規化学物質が第二項第一号に該当するものである旨の通知を受けた者は、毎年度、あらかじめ、厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣に申し出て、その通知に係る新規化学物質の製造又は輸入が次の各号に該当する旨の確認を受けることができる。
一申出に係る年度におけるその新規化学物質の製造予定数量又は輸入予定数量が政令で定める数量以下であること。
二既に得られている知見等から判断して、その新規化学物質による環境の汚染が生じて人の健康に係る被害又は生活環境動植物の生息若しくは生育に係る被害を生ずるおそれがあるものでないこと。
5厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、一の新規化学物質に係る前項の規定による確認に係る製造予定数量及び輸入予定数量(第三条第一項第五号の規定による確認に係る製造予定数量及び輸入予定数量を含む。)に基づき環境に影響を及ぼすものとして厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定める方法により算出される当該新規化学物質の数量を合計した数量が政令で定める数量を超えることとなる場合には、前項の確認をしてはならない。
6厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、第四項の確認を取り消さなければならない。
一第四項の確認を受けた者が不正の手段によりその確認を受けたとき。
二第四項の確認を受けた者が、その確認に係る数量を超えてその確認に係る新規化学物質を製造し、又は輸入していると認めるとき。
三前号に掲げる場合のほか、第四項の確認に係る新規化学物質による環境の汚染が生じて人の健康に係る被害又は生活環境動植物の生息若しくは生育に係る被害を生ずるおそれがあると認めるとき。
7第二項又は第三項の規定によりその申出に係る新規化学物質が第二項第一号に該当するものである旨の通知を受けた者は、必要があると認めるときは、厚生労働省令、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣に対し、その通知に係る新規化学物質に関して次項の判定を行うよう申し出ることができる。
8厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣は、第二項若しくは第三項の規定により第一項の申出に係る新規化学物質が第二項第二号に該当するものである旨の通知を行つたとき、第四項の申出に係る新規化学物質の製造若しくは輸入が同項各号に該当する旨の確認を行わなかつたとき、同項の確認を取り消したとき、又は前項の申出があつたときは、速やかに、その新規化学物質について実施される試験の試験成績に基づいて、その新規化学物質が第四条第一項第一号から第五号までのいずれに該当するかを判定し、その結果をその新規化学物質について第一項の申出をした者に通知しなければならない。
9前条第七項及び第八項の規定は第二項の判定に、同条第三項、第七項及び第八項の規定は第三項の判定に、同条第三項から第八項までの規定は前項の判定に準用する。この場合において、同条第四項及び第五項中「第一項又は第二項」とあるのは、「第五条第八項」と読み替えるものとする。