(定義)
第二条この法律において「石油」とは、原油及び石油製品をいう。
2この法律において「石油製品」とは、揮発油、灯油、軽油その他の炭化水素油及び石油ガス(液化したものを含む。)であつて、政令で定めるものをいう。
3この法律において「石油精製業者」とは、石油の備蓄の確保等に関する法律(昭和五十年法律第九十六号)第二条第四項に規定する特定設備を用いる石油製品の製造(石油製品以外の物品の製造工程における技術的理由による石油製品の副生を除く。第七条第三項において「石油の精製」という。)の事業を行う者をいう。
4この法律において「石油輸入業者」とは、石油の輸入の事業を行う者をいう。
5この法律において「石油販売業者」とは、石油の販売の事業を行う者をいう。
(石油生産計画等)
第六条石油精製業者、石油輸入業者又は石油の販売量が一定の数量以上であることその他の経済産業省令で定める要件に該当する石油販売業者(以下「特定石油販売業者」という。)は、それぞれ、経済産業省令で定めるところにより、石油生産計画、石油輸入計画又は石油販売計画(以下「石油生産計画等」という。)を作成し、経済産業大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
2経済産業大臣は、石油供給目標を達成するため特に必要があると認めるときは、前項の規定による届出をした石油精製業者又は特定石油販売業者に対し、その届出に係る石油生産計画又は石油販売計画を変更すべきことを指示することができる。
3第一項の規定による届出をした石油精製業者、石油輸入業者又は特定石油販売業者(前項の規定による指示があつた場合において、その指示に従つて石油生産計画又は石油販売計画の変更をしなかつた者を除く。)は、それぞれ、その届出に係る石油生産計画等(第一項後段の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの。次項において同じ。)に沿つて石油の生産、輸入又は販売を行わなければならない。
4経済産業大臣は、第二項の規定による指示を受けた者がその指示に従わなかつたとき、又は前項に規定する石油精製業者、石油輸入業者若しくは特定石油販売業者が、正当な理由なく、その届出に係る石油生産計画等に沿つて石油の生産、輸入若しくは販売を行わなかつたと認めるときは、その旨を公表するものとする。
(石油の使用の制限)
第七条石油を使用する者は、政令で定める期間(以下「使用期間」という。)に、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数量を超えて当該石油を使用してはならない。ただし、使用期間に、当該数量を超えて当該石油を使用しようとする者が、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に申し出た場合において、主務大臣が指定した数量の範囲内で当該石油を使用するときは、この限りでない。
一特定石油(その使用を特に節減する必要があるものとして経済産業省令で定める石油をいう。以下この項において同じ。)の指定がされていないとき政令で定める数量
二特定石油の指定がされている場合において、特定石油のみを使用するとき政令で定める数量
三特定石油の指定がされている場合において、特定石油以外の石油のみを使用するとき第一号の政令で定める数量
四特定石油の指定がされている場合において、特定石油及び特定石油以外の石油を使用するとき第一号の政令で定める数量。ただし、特定石油については、第二号の政令で定める数量
2前項ただし書の規定による数量の指定は、石油供給目標、当該申出に係る者の当該石油の使用実績等を勘案して行うものとする。
3第一項の規定は、石油を石油の精製に使用する場合には、適用しない。
4主務大臣は、第一項の規定に違反した者があつたときは、その旨を公表するものとする。
(石油の保有の指示等)
第十条経済産業大臣は、特定石油販売業者に対し、経済産業省令で定める数量を超えない範囲内の数量の石油を、次項の規定による指示が行われた場合に限り販売することができるものとして保有すべきことを指示することができる。
2経済産業大臣は、国民の生命、身体若しくは財産の保護又は公共の利益の確保のために不可欠な事業又は活動に対する石油の供給に著しい支障を生じている場合において、その事業又は活動に対する石油の供給を確保するため特に必要があると認めるときは、特定石油販売業者に対し、石油を売り渡すべきことを指示することができる。
3経済産業大臣は、前二項の規定による指示を受けた者がその指示に従わなかつたときは、その旨を公表するものとする。
4経済産業大臣は、第二項の規定による指示を受けた者が、前項の規定によりその指示に従わなかつた旨を公表された後において、なお、正当な理由なく、その指示に係る措置を行わなかつたときは、その者に対し、売渡しをすべき期限及び数量並びに売渡先を定めて、当該売渡先に石油を売り渡すべきことを命ずることができる。
5前項の規定による命令があつた場合において、当事者が支払い、又は受領すべき金額その他その命令の実施に関し、必要な細目は、当事者間の協議により定める。
6経済産業大臣は、第四項の規定による命令に係る売渡しをすべき期限までに当事者が前項の協議をすることができず、又は当該協議が整わないと認めるときは、政令で定めるところにより、裁定を行うものとする。
7経済産業大臣は、前項の裁定をしたときは、遅滞なく、その旨を当事者に通知しなければならない。
8第六項の裁定があつたときは、その裁定の定めるところに従い、当事者間に協議が整つたものとみなす。
9第六項の裁定のうち当事者が支払い、又は受領すべき金額について不服のある者は、その裁定の通知を受けた日から六月以内に訴えをもつてその金額の増減を請求することができる。
10前項の訴えにおいては、他の当事者を被告とする。
11第六項の裁定についての審査請求においては、当事者が支払い、又は受領すべき金額についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。
(報告徴収及び立入検査)
第十六条経済産業大臣は、第六条、第九条及び第十条の規定の施行に必要な限度において、石油精製業者、石油輸入業者若しくは石油販売業者に対し、その業務に関し報告させ、又はその職員に、これらの者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2主務大臣は、第七条の規定の施行に必要な限度において、石油を使用する者に対し、その石油の使用状況に関し報告させ、又はその職員に、石油を使用する者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
3主務大臣は、第十二条第一項の規定に基づく政令の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、石油精製業者、石油輸入業者、石油販売業者、石油を使用する者その他政令で定める関係者に対し、同項に規定する事項に関し報告させ、又はその職員に、これらの者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
4前三項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
5第一項から第三項までの規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(主務大臣等)
第十九条この法律において主務大臣は、経済産業大臣及び石油を使用する者の行う事業を所管する大臣とする。ただし、第十二条第一項の規定に基づく政令による権限の行使(第十六条第三項の規定による権限の行使を含む。)に関しては、その政令の定めるところによる。
2この法律において主務省令は、前項本文の主務大臣の発する命令とする。
3この法律に規定する経済産業大臣又は主務大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、地方公共団体の長が行うこととすることができる。
4この法律による経済産業大臣又は主務大臣の権限は、政令で定めるところにより、地方支分部局の長に委任することができる。