(栄養塩類管理計画の策定)
第十二条の六関係府県知事は、単独で又は共同して、次に掲げる区域について、栄養塩類(窒素及びその化合物並びに燐及びその化合物をいう。以下同じ。)を適切に増加させるための海域における栄養塩類の投入、工場又は事業場における汚水等の処理の方法の変更その他の措置(以下「栄養塩類増加措置」という。)の計画的な実施に関する計画(以下「栄養塩類管理計画」という。)を定めることができる。
一前二節に規定する措置のみによつては生物の多様性及び生産性の確保が困難であり、栄養塩類増加措置の実施が必要と認められる瀬戸内海の海域(以下「対象海域」という。)
二対象海域における潮流その他の自然的条件及び排出水の排出の状況に照らして当該対象海域と一体として栄養塩類増加措置を実施することが相当と認められる瀬戸内海の海域及び陸域(当該府県の区域内に限る。)
2栄養塩類管理計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一栄養塩類管理計画の区域(以下「計画区域」という。)
二対象海域において栄養塩類増加措置の対象とする物質及び当該物質に係る水質の目標値
三栄養塩類増加措置を実施する者の氏名又は名称並びにその実施場所(工場又は事業場にあつては、その名称及び所在地)及び実施方法
五前号に規定する測定の結果に基づく対象海域の水質の状況についての調査、分析及び評価の方法
六前各号に掲げるもののほか、栄養塩類増加措置の計画的な実施に関し必要な事項
3栄養塩類管理計画は、基本計画及び当該府県知事が定めた府県計画に即するとともに、他の法律の規定による環境の保全に関する計画との調和が保たれたものでなければならない。
4第二項第二号の目標値は、環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項の規定による水質の汚濁に係る環境上の条件についての基準の範囲内において定めなければならない。
5関係府県知事は、栄養塩類管理計画を定めようとするときは、栄養塩類増加措置が環境に及ぼす影響について、調査、予測及び評価を行うものとする。
6関係府県知事は、栄養塩類管理計画を定めようとするときは、あらかじめ、計画区域内において特定施設を設置する工場又は事業場の設置者、住民その他の関係者の意見を聴くとともに、当該栄養塩類管理計画に記載しようとする栄養塩類増加措置を実施する者に協議しなければならない。
7関係府県知事は、栄養塩類管理計画を定めようとするときは、あらかじめ、計画区域における栄養塩類増加措置の実施に関し環境保全上関係がある他の関係府県の知事及び市町村の長の意見を聴くとともに、環境大臣に協議しなければならない。
8環境大臣は、前項の規定による協議を受けたときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
9関係府県知事は、栄養塩類管理計画を定めたときは、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を公告するとともに、環境大臣に報告し、かつ、第七項に規定する他の関係府県の知事及び市町村の長に通知しなければならない。
(水質汚濁防止法の特例)
第十二条の九指定地域内計画事業場(水質汚濁防止法第四条の五第一項に規定する指定地域内事業場である計画事業場をいう。次項において同じ。)についての同法第八条の二、第十二条の二及び第十三条第三項の規定の適用については、同法第八条の二中「総量規制基準」とあるのは、「総量規制基準(指定地域内計画事業場(瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和四十八年法律第百十号)第十二条の九第一項に規定する指定地域内計画事業場をいう。)が定められた同法第十二条の六第一項に規定する栄養塩類管理計画に定められた同条第二項第二号に規定する物質による汚濁負荷量に係る部分を除く。第十二条の二及び第十三条第三項において同じ。)」とする。
2栄養塩類管理計画の変更により指定地域内計画事業場でなくなつた水質汚濁防止法第四条の五第一項に規定する指定地域内事業場についての同法第十二条の二及び第十三条第三項の規定の適用については、当該指定地域内事業場が指定地域内計画事業場でなくなつた日から六月間は、同法第十二条の二中「指定地域内事業場の」とあるのは「指定地域内事業場(瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和四十八年法律第百十号)第十二条の六第一項に規定する栄養塩類管理計画の変更により同法第十二条の九第一項に規定する指定地域内計画事業場でなくなつたものに限る。以下この条及び第十三条第三項において同じ。)の」と、「総量規制基準」とあるのは「総量規制基準(当該変更前の栄養塩類管理計画に定められていた同法第十二条の六第二項第二号に規定する物質による汚濁負荷量に係る部分を除く。第十三条第三項において同じ。)」とする。