(指定)
第七条国土交通大臣は、次の各号に掲げる要件を備える者の申請があつた場合において、その者が次条各号に掲げる事業(以下「船員雇用促進等事業」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるときは、この章の定めるところにより船員雇用促進等事業を行う者として、指定することができる。
一申請者が一般社団法人又は一般財団法人であること。
二申請者が第二十三条第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過していない者でないこと。
三申請者の役員のうちに、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者がないこと。
四申請者の役員のうちに、拘禁刑以上の刑に処せられ、若しくはこの法律若しくは船員職業安定法の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過していない者がないこと。
五申請者の役員のうちに、心身の故障により船員雇用促進等事業を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものがないこと。
2国土交通大臣は、前項の指定をしたときは、その指定した者(以下「船員雇用促進センター」という。)の名称、住所及び事務所の所在地を官報で公示しなければならない。
3船員雇用促進センターは、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
4国土交通大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(船員労務供給事業の実施に関する基本的事項)
第十一条船員雇用促進センターが行う船員労務供給事業は、船員労務供給の対象となる船員(以下「労務供給船員」という。)として船員雇用促進センターが雇用する者について行う。ただし、その雇用する労務供給船員のみによつては船員労務供給契約(船員雇用促進センターが事業主に対し船員労務供給を行うことを約する契約をいう。以下同じ。)に基づく船員労務供給の役務の提供が困難である場合その他の国土交通省令で定める場合においては、労務供給船員となろうとする者として船員雇用促進センターが行う登録を受けた者についても行うことができる。
2船員雇用促進センターは、次に掲げる基準に適合する者の中から労務供給船員を雇用するものとする。
一海上企業をめぐる経済事情及び国際環境の変化、船舶に係る技術革新等に対処して我が国の海上運送を適正に確保し、又はその健全な発展を促す見地から必要と認められる措置であつて国際航海に従事する日本船舶に係る船員の就業構造の変更その他の政令で定めるものに伴い離職を余儀なくされた者であること。
二船員雇用促進センターとの雇用関係を基礎としてその職業及び生活の安定のための特別措置を講ずることが適切であると認められる者として国土交通省令で定める要件に該当する者であること。
3船員雇用促進センターは、船員労務供給契約において船員労務供給の役務に従事する労務供給船員と当該船員労務供給の役務の提供を受ける事業主との間で雇入契約(船員法(昭和二十二年法律第百号)又は同法に相当する外国の法令の適用を受ける雇入契約をいう。)を締結することとされている場合でなければ、船員労務供給を行つてはならない。ただし、同法第一条第一項に規定する船舶以外の船舶であつて国土交通省令で定めるものに係る船員労務供給については、この限りでない。
4船員雇用促進センターは、船員労務供給を行おうとするときは、あらかじめ、当該船員労務供給の役務に従事することとなる者に対し、その従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
5船員職業安定法第七条、第十九条、第二十一条、第九十六条及び第百条の規定は、船員雇用促進センターが行う船員労務供給事業について準用する。この場合において、第二十一条第一項中「求職者を紹介してはならない」とあるのは「船員労務供給(当該同盟罷業、閉出又はけい船の行われる際現に当該船舶につき船員労務供給を行つている場合にあつては、当該船員労務供給及びこれに相当するものを除く。)を行つてはならない」と、同条第二項中「求職者を無制限に紹介する」とあるのは「無制限に船員労務供給が行われる」と、「求職者を紹介してはならない」とあるのは「船員労務供給(当該通報の際現に当該船舶につき船員労務供給を行つている場合にあつては、当該船員労務供給及びこれに相当するものを除く。)を行つてはならない」と、「求職者を紹介する」とあるのは「船員労務供給を行う」と読み替えるものとする。
6前各項に規定するもののほか、船員労務供給事業について船員雇用促進センターが遵守すべき事項は、国土交通省令で定める。
(船員法等の適用に関する特例)
第十四条船員雇用促進センターとその雇用する労務供給船員との労働関係については、労務供給船員を船員法第二条第二項に規定する予備船員と、船員雇用促進センターを同法第五条第一項の規定により船舶所有者に関する規定の適用を受ける者とみなして、同法第一条第一項、第四条、第三十一条、第三十二条、第三十三条から第三十五条まで、第四十四条の二、第四十四条の三、第五十条第一項及び第四項、第五十二条から第五十四条まで、第五十六条、第五十八条の二、第七章、第八十一条第一項、第八十三条、第八十七条第一項本文及び第二項本文、第十章、第十一章(第九十七条第一項(第四号に係る部分に限る。)、第三項及び第四項を除く。)、第百一条第一項、第百二条、第百三条、第百五条、第百六条、第百七条(第五項を除く。)、第百八条、第百九条、第百十条、第百十二条、第百十三条第一項及び第二項、第百十四条から第百十七条まで、第百十九条、第百十九条の二並びに第百二十一条の二の規定並びに当該規定に基づいて発する命令の規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。この場合において、同法第四十四条の二第一項中「第八十七条第一項又は第二項の規定によつて作業に従事しない期間」とあるのは「第八十七条第一項本文又は第二項本文の規定によつて船員労務供給(船員の雇用の促進に関する特別措置法(以下「特別措置法」という。)第八条第二号に規定する船員労務供給をいう。以下同じ。)の役務に従事しない期間」と、同法第五十三条第二項中「これを毎月」とあるのは「船舶所有者が雇用契約に基づきこれを支払うべきこととされている期間において毎月」と、同法第七十四条第一項、第二項及び第四項中「同一の事業に属する船舶」とあるのは「特別措置法第十一条第一項ただし書に規定する船員労務供給契約に係る船舶」と、同項中「第八十七条第一項又は第二項の規定によつて勤務に従事しない期間」とあるのは「第八十七条第一項本文又は第二項本文の規定によつて船員労務供給に係る勤務に従事しない期間」と、同法第七十五条第一項中「十五日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに五日を加える」とあるのは「十五日を基準として国土交通省令で定める日数とする」と、同条第二項中「十日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに三日(同項ただし書に規定する期間については、一箇月を増すごとに一日)」とあるのは「十日を基準として国土交通省令で定める日数とし、同項ただし書に規定する期間一箇月を増すごとに一日」と、同条第三項中「二十五日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに五日を加える」とあるのは「二十五日を基準として国土交通省令で定める日数とする」と、同条第四項中「十五日とし、連続した勤務三箇月を増すごとに三日(同項ただし書に規定する期間については、一箇月を増すごとに一日)」とあるのは「十五日を基準として国土交通省令で定める日数とし、同項ただし書に規定する期間一箇月を増すごとに一日」と、同法第七十八条第一項中「並びに国土交通省令の定める手当及び食費」とあるのは「及び国土交通省令で定める手当」と、同法第八十一条第一項中「作業用具の整備、船内衛生の保持に必要な設備の設置及び物品の備付け、船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関する措置の船内における実施及びその管理の体制の整備その他の船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令で定める事項」とあるのは「船員労務供給の役務に従事する者の安全及び健康の確保に関し国土交通省令で定める事項」と、同法第八十三条第一項中「船舶に乗り組ませてはならない」とあるのは「船員労務供給の役務に従事させてはならない」と、同法第八十七条第一項本文及び第二項本文中「船内で使用してはならない」とあるのは「国土交通省令で定める場合を除き船員労務供給の役務に従事させてはならない」と、同法第八十九条第二項中「雇入契約存続中」とあるのは「船員労務供給の役務に従事するために乗船中」と、同法第九十五条中「船員保険法」とあるのは「船員保険法(特別措置法第十五条第一項の規定により適用される場合を含む。)」と、同法第百一条第一項中「、この法律」とあるのは「、この法律(特別措置法第十四条第一項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)」と、「船員の労働関係」とあるのは「船員の労働関係(特別措置法第十四条第四項に規定する労働関係を含む。)」と、同法第百十三条第一項中「労働協約」とあるのは「特別措置法第十二条第一項の規定により認可を受けた船員労務供給規程、労働協約」と、同項及び同条第二項中「船内及びその他の事業場内」とあるのは「事業場内」とする。
2前項の規定により船員法の適用を受ける労働関係に係る労務供給船員が同法第一条第一項に規定する船舶に乗り組んでいる場合には、前項の規定にかかわらず、同法第十章の規定は、当該労働関係については、適用しない。
3第一項の規定により船員法及び同法に基づいて発する命令の規定を適用する場合における技術的読替えその他必要な事項は、命令で定める。
4第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係については、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)(第一条から第十一条まで、第百十七条から第百十九条まで及び第百二十一条を除く。)、労働災害防止団体法(昭和三十九年法律第百十八号)、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成四年法律第九十号)の規定は、適用しない。ただし、労働基準法第七条の規定の適用については、当該労働関係に係る労務供給船員が船員労務供給契約に基づく船員労務供給の役務に従事していない場合に限る。
5第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係に係る労務供給船員は、労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)、労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)、最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)、勤労者財産形成促進法(昭和四十六年法律第九十二号)、賃金の支払の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第三十四号)及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)並びにこれらの法律に基づいて発する命令の規定の適用については、船員法の適用を受ける船員とみなす。この場合において、必要な技術的読替えは、命令で定める。
6第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係についての雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号)の規定の適用に関しては、同法第三十一条第一項中「船員法(昭和二十二年法律第百号)第八十七条第一項又は第二項の規定によつて作業に従事しなかつたこと」とあるのは、「船員の雇用の促進に関する特別措置法第十四条第一項の規定により読み替えて適用される船員法(昭和二十二年法律第百号)第八十七条第一項本文又は第二項本文の規定によつて船員労務供給の役務に従事しなかつたこと」とする。
(船員保険法等の適用に関する特例)
第十五条前条第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係(同条第二項の規定により同法第十章の規定が適用されない場合における当該労働関係を除く。次条第一項において同じ。)に係る労務供給船員は、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第二条第一項に規定する船員保険の被保険者(同条第二項に規定する疾病任意継続被保険者を除く。)に含まれるものとして、同法及び同法に基づいて発する命令の規定を適用する。この場合において、同条第一項中「船員(以下「船員」という。)」とあるのは「船員(労務供給船員(船員の雇用の促進に関する特別措置法(以下「特別措置法」という。)第十一条第一項に規定する労務供給船員をいう。)を含む。以下「船員」という。)」と、同法第三十三条第四項中「船員法第八十九条第二項」とあるのは「船員法第八十九条第二項(特別措置法第十四条第一項の規定により適用される場合を含む。)」と、同法第四十六条第一項中「船員法」とあるのは「船員法(特別措置法第十四条第一項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)」と、同法第五十三条第三項第二号及び第六十七条第一項中「雇入契約存続中」とあるのは「特別措置法第八条第二号に規定する船員労務供給の役務に従事するために乗船中」とする。
2前項の規定により船員保険法及び同法に基づいて発する命令の規定を適用する場合における技術的読替えその他必要な事項は、命令で定める。
3第一項の規定により船員保険法第二条第一項に規定する船員保険の被保険者(同条第二項に規定する疾病任意継続被保険者を除く。)に含まれるものとされた労務供給船員(次項において「船員保険の被保険者に含まれるものとされた労務供給船員」という。)及びその被扶養者(船員保険法第二条第九項に規定する被扶養者をいう。次項において同じ。)は、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第五条の規定にかかわらず、同条に規定する国民健康保険の被保険者としない。
4船員保険の被保険者に含まれるものとされた労務供給船員及びその被扶養者は、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)及び介護保険法(平成九年法律第百二十三号)並びにこれらの法律に基づいて発する命令の規定の適用については、それぞれ、船員保険法の規定による被保険者及び同法の規定による被扶養者とみなす。この場合において、必要な技術的読替えは、命令で定める。
(厚生年金保険法等の適用に関する特例)
第十六条第十四条第一項の規定により船員法の適用を受ける労働関係に係る労務供給船員及び船員雇用促進センターは、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)及び同法に基づいて発する命令の規定の適用については、それぞれ、同法第六条第一項第三号に規定する船員及び船舶所有者とみなす。この場合において、同号中「使用される者」とあるのは「使用される者(船員の雇用の促進に関する特別措置法(以下「特別措置法」という。)第十一条第一項に規定する労務供給船員(以下「労務供給船員」という。)を除く。)」と、「以下単に「船舶」という。)」とあるのは「以下単に「船舶」という。)又は労務供給船員を使用する船舶所有者の事業所若しくは事務所」と、同法第二十四条の二中「船員保険法」とあるのは「船員保険法(特別措置法第十五条第一項の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)」と、同法附則第七条の三第一項第三号中「船舶」とあるのは「船舶(労務供給船員にあつては、当該労務供給船員を使用する船舶所有者の事業所又は事務所)」とする。
2前項の場合における技術的読替えその他必要な事項は、命令で定める。
3第一項の規定により厚生年金保険法第六条第一項第三号に規定する船員とみなされる労務供給船員は、国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)(以下「昭和六十年改正法」という。)附則第八条第八項、第十二条第一項(第五号に係る部分に限る。)、第四十六条、第四十七条第四項及び第五十二条の規定並びに国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百四号)附則第三十三条の規定の適用については昭和六十年改正法附則第五条第十二号に規定する第三種被保険者と、昭和六十年改正法附則第八十一条第三項の規定の適用については同項に規定する厚生年金保険の被保険者とみなす。