(検事正等の措置)
第七条第五条第一項第一号の命令を受けた検事正は、その庁の検察官に共助に必要な証拠を収集するための処分をさせなければならない。
2警察庁が前条の指示を受けた場合においては、警察庁長官は、警察庁の司法警察員に前項の処分をさせなければならない。
3前条の指示を受けた都道府県警察の警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)は、その都道府県警察の司法警察員に第一項の処分をさせなければならない。
4第五条第一項第三号の書面の送付を受けた国の機関の長は、その機関の相当と認める司法警察員に第一項の処分をさせなければならない。
(検察官等の処分)
第八条検察官又は司法警察員は、共助に必要な証拠の収集に関し、次に掲げる処分をすることができる。
四書類その他の物の所有者、所持者又は保管者にその物の提出を求めること。
五公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めること。
六電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、三十日を超えない期間(延長する場合には、通じて六十日を超えない期間)を定めて、これを消去しないよう、書面で求めること。
2検察官又は司法警察員は、共助に必要な証拠の収集に関し、必要があると認めるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。
3検察官又は司法警察員は、前二項の規定により収集すべき証拠が業務書類等(業務を遂行する過程において作成され、又は保管される書類その他の物をいう。以下この項において同じ。)である場合において、当該業務書類等の作成又は保管の状況に関する事項の証明に係る共助の要請があるときは、作成者、保管者その他の当該業務書類等の作成又は保管の状況に係る業務上の知識を有すると認める者に対し、当該要請に係る事項についての証明書の提出を求めることができる。
4検察官又は司法警察員は、前項の規定により証明書の提出を求めるに当たつては、その提出を求める者に対し、虚偽の証明書を提出したときは刑罰が科されることがある旨を告知しなければならない。
5検察官又は司法警察員は、検察事務官又は司法警察職員に第一項から第三項までの処分をさせることができる。
(処分を終えた場合等の措置)
第十四条検事正は、共助に必要な証拠の収集を終えたときは、速やかに、意見を付して、収集した証拠を法務大臣に送付しなければならない。第五条第一項第三号の国の機関の長が証拠の収集を終えたときも、同様とする。
2都道府県公安委員会は、警察本部長が共助に必要な証拠の収集を終えたときは、速やかに、意見を付して、収集した証拠を国家公安委員会に送付しなければならない。
3国家公安委員会は、警察庁長官が共助に必要な証拠の収集を終えたとき又は前項の規定により証拠の送付を受けたときは、速やかに、意見を付して、収集した証拠又は送付を受けた証拠を法務大臣に送付するものとする。
4第五条第二項の規定により共助の要請に関する書面の送付を受けた訴訟に関する書類の保管者は、速やかに、意見を付して、当該書類又はその謄本を法務大臣に送付するものとし、送付することができないときは、共助の要請に関する書面を法務大臣に返送しなければならない。
5法務大臣は、第一項、第三項又は前項の規定による送付を受けた場合において、必要があると認めるときは、証拠の使用又は返還に関し要請国が遵守しなければならない条件を定めるものとする。
6法務大臣は、前項の条件を遵守する旨の要請国の保証がないときは、共助をしないものとする。
(国際刑事警察機構への協力)
第十八条国家公安委員会は、国際刑事警察機構から外国の刑事事件の捜査について協力の要請を受けたときは、次の各号のいずれかの措置を採ることができる。
一相当と認める警察庁又は都道府県警察に必要な調査を指示すること。
二第五条第一項第三号の国の機関の長に協力の要請に関する書面を送付すること。
2第二条(第三号を除く。)の規定は、前項の場合に準用する。
3国家公安委員会は、第一項に規定する措置を採るため必要があると認めるときは、警察庁の職員に関係人の所在その他必要な事項について調査させることができる。
4国家公安委員会は、第一項の措置に関し、要請において調査を行う機関が明らかな場合を除き、所管に応じて、同項第二号の国の機関の長と協議するものとする。
5国家公安委員会は、第一項の措置を採ることとするときは、法務大臣の意見を聴くものとする。
6警察庁が第一項第一号の指示を受けた場合においては、警察庁長官は、警察庁の警察官に調査のための必要な措置を採ることを命ずるものとする。
7第一項第一号の指示を受けた都道府県警察の警察本部長は、その都道府県警察の警察官に調査のための必要な措置を採ることを命ずるものとする。
8第一項第二号の規定により協力の要請に関する書面の送付を受けた国の機関の長は、司法警察職員であるその機関の職員に当該要請に係る調査のための必要な措置を採ることを命ずることができる。
9警察官又は前項の国の機関の職員は、前三項の調査に関し、関係人に質問し、実況見分をし、書類その他の物の所有者、所持者若しくは保管者にその物の提示を求め、又は公務所若しくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。