(湖辺環境保護地区の指定)
第二十九条都道府県知事は、湖沼水質保全基本方針に基づき、指定湖沼の水質の保全を図るために、湖沼の水辺地及びこれに隣接する水域のうち、植物(湖沼の水質の改善に資するものとして環境省令で定めるものに限る。以下同じ。)が生育している地区の自然環境(以下「湖辺環境」という。)を保護する必要があると認めるときは、当該地区を湖辺環境保護地区として当該指定湖沼に係る指定地域内に指定することができる。
2都道府県知事は、湖辺環境保護地区を指定しようとする場合において必要があると認めるときは、あらかじめ、公聴会の開催等指定地域の住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
3都道府県知事は、湖辺環境保護地区を指定しようとするときは、関係市町村長の意見を聴くとともに、当該湖辺環境保護地区に係る指定湖沼を管理する河川管理者に協議しなければならない。
4都道府県知事は、湖辺環境保護地区の指定をしたときは、その旨を公表するとともに、当該湖辺環境保護地区をその区域に含む市町村に通知しなければならない。
5前三項の規定は、湖辺環境保護地区の変更について準用する。
(湖辺環境保護地区内における行為の届出等)
第三十条湖辺環境保護地区内において、次に掲げる行為をしようとする者は、都道府県知事に対し、環境省令で定めるところにより、行為の種類、場所並びに開始及び終了の時期その他環境省令で定める事項を届け出なければならない。
四前三号に掲げるもののほか、湖辺環境の保護に支障があると認められる行為として政令で定める行為をすること。
2都道府県知事は、指定湖沼の湖辺環境を保護するために必要があると認めるときは、湖辺環境保護地区内において前項の規定により届出を要する行為をしようとする者又はした者に対して、その湖辺環境を保護するために必要な限度において、当該行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。
3前項の処分は、第一項の規定による届出をした者に対しては、その届出があつた日から起算して三十日以内に限り、することができる。
4都道府県知事は、第一項の規定による届出があつた場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他前項の期間内に第二項の処分をすることができない合理的な理由があるときは、その理由が存続する間、前項の期間を延長することができる。この場合においては、同項の期間内に、第一項の規定による届出をした者に対し、その旨及び期間を延長する理由を通知しなければならない。
5第一項の規定による届出をした者は、その届出をした日から起算して三十日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。
6都道府県知事は、指定湖沼の湖辺環境の保護に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項の期間を短縮することができる。
7前各項の規定にかかわらず、国の機関又は地方公共団体が行う行為については、第一項の規定による届出をすることを要しない。この場合において、当該国の機関又は地方公共団体は、同項の届出を要する行為をしようとするときは、あらかじめ、都道府県知事にその旨を通知しなければならない。
8都道府県知事は、前項の規定による通知があつた場合において、湖辺環境保護地区の湖辺環境を保護するために必要があると認めるときは、当該通知をした国の機関又は地方公共団体に対し、湖辺環境の保護のために執るべき措置について協議を求めることができる。
9次に掲げる行為については、前各項の規定は、適用しない。
一通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、指定湖沼の湖辺環境の保護に支障を及ぼすおそれがないと認められるものとして環境省令で定めるもの
二湖辺環境保護地区が指定され、又はその区域が拡張された際既に着手していた行為
四河川法第二十三条、第二十四条、第二十五条、第二十六条第一項若しくは第二十七条第一項(これらの規定を同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の規定若しくは同法第二十八条若しくは第二十九条(これらの規定を同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の規定に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定による許可又は同法第二十三条の二(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の規定による登録を要する行為
五河川法第二十八条又は第二十九条(これらの規定を同法第百条第一項において準用する場合を含む。)の規定に基づく政令又は都道府県の条例の規定により制限された行為
(原状回復命令等)
第三十一条都道府県知事は、指定湖沼の湖辺環境の保護のために必要があると認めるときは、その必要な限度において、前条第二項の規定による処分に違反した者又はその者からその行為の行われた土地についての権利を承継した者に対して、相当の期限を定めて、原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。
2前項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置(以下「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、都道府県知事は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が当該原状回復等を行う旨をあらかじめ公告しなければならない。
3前項の規定により原状回復等を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。