(輸出の承認)
第四条特定有害廃棄物等を輸出しようとする者は、外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第四十八条第三項の規定により、輸出の承認を受ける義務を課せられるものとする。
2経済産業大臣は、その輸出に係る特定有害廃棄物等の処分に伴い生ずるおそれのある大気の汚染、水質の汚濁その他の環境の汚染(以下単に「環境の汚染」という。)を防止するため特に必要があるものとして経済産業省令、環境省令で定める地域を仕向地とする経済産業省令、環境省令で定める特定有害廃棄物等の輸出について前項の承認の申請があったときは、その申請書の写しを環境大臣に送付するものとする。
3環境大臣は、前項の規定により申請書の写しの送付があったときは、その申請書に係る特定有害廃棄物等の処分について環境省令で定める環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられているかどうかを確認し、その結果を経済産業大臣に通知するものとする。
4経済産業大臣は、前項の規定により環境の汚染を防止するために必要な措置が講じられている旨の環境大臣の通知を受けた後でなければ、第一項の輸出の承認をしてはならない。
(輸出移動書類の交付等)
第五条経済産業大臣は、前条第一項の輸出の承認をしたときは、速やかに、その承認を受けた者に対し、当該特定有害廃棄物等に係る移動書類(以下「輸出移動書類」という。)を交付しなければならない。
2経済産業大臣は、前項の規定により輸出移動書類を交付したときは、当該輸出移動書類の写しを環境大臣に送付するものとする。
3第一項の規定により輸出移動書類の交付を受けた者は、当該輸出移動書類が汚損され、又は失われたときは、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。この場合において、当該輸出移動書類の交付を受けた者は、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に申請し、その再交付を受けることができる。
4第一項の規定により輸出移動書類の交付を受けた者は、前項後段の規定により輸出移動書類の再交付を受けた場合において、その失われた輸出移動書類を回復するに至ったときは、経済産業省令で定めるところにより、当該輸出移動書類を添付して、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
(輸入移動書類の交付等)
第九条経済産業大臣は、前条第一項の輸入の承認をした場合において、その承認を受けた者から当該特定有害廃棄物等に係る移動書類の提出を受けたときは、当該移動書類が当該特定有害廃棄物等に関し条約第六条1の規定により通告された内容(同条2又は4の規定により条件を付して同意した場合にあっては、その条件を付したもの)と一致することを確認の上、速やかに、その承認を受けた者に対し、その旨を証明する文書(以下「輸入移動書類」という。)を交付しなければならない。
2前項の規定により輸入移動書類の交付を受けた者又は第十一条の規定により輸入移動書類とともに当該輸入移動書類に係る特定有害廃棄物等を譲り受け、若しくはその引渡しを受けた者(以下「輸入移動書類の交付を受けた者等」という。)が当該輸入移動書類を汚損し、又は失ったときは、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。この場合において、当該輸入移動書類の交付を受けた者等は、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に申請し、その再交付を受けることができる。
3輸入移動書類の交付を受けた者等は、前項後段の規定により輸入移動書類の再交付を受けた場合において、その失った輸入移動書類を回復するに至ったときは、経済産業省令で定めるところにより、当該輸入移動書類を添付して、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
4第五条第二項及び第五項の規定は、輸入移動書類について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは、「第九条第一項」と読み替えるものとする。
(輸入特定有害廃棄物等の運搬又は処分)
第十条前条第一項の規定により輸入移動書類が交付された特定有害廃棄物等(以下「輸入特定有害廃棄物等」という。)の運搬又は処分を行う場合は、当該輸入移動書類を携帯してしなければならない。
2前項の規定により輸入移動書類を携帯して運搬又は処分を行う者は、当該輸入移動書類にその輸入特定有害廃棄物等の引渡しを受けた日付その他の経済産業省令、環境省令で定める事項を記載し、かつ、署名しなければならない。
3輸入特定有害廃棄物等の運搬又は処分を行う場合は、当該輸入特定有害廃棄物等に係る輸入移動書類に記載された内容に従ってしなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一当該輸入特定有害廃棄物等の運搬又は処分について廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)その他輸入特定有害廃棄物等の運搬又は処分の適正な実施が確保されるものとして政令で定める法律の政令で定める規定の適用を受けるとき。
二当該輸入特定有害廃棄物等の運搬又は処分について第十七条第二項の規定又は同項ただし書の政令で定める法律の政令で定める規定による命令がされたとき。
4輸入移動書類の交付を受けた者等は、前項第一号に規定する規定により、又は同項第二号に規定する命令に従って、運搬を行う場合において、当該輸入移動書類に記載された内容と異なる運搬を行ったときは、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出て、その書換えを受けなければならない。
5経済産業大臣は、前項の規定により輸入移動書類の書換えをしたときは、その旨を環境大臣に通知するものとする。
(再生利用等目的輸入事業者の認定)
第十四条特定有害廃棄物等を輸入しようとする者は、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、次の各号のいずれにも適合していることについて、経済産業大臣及び環境大臣の認定を受けることができる。
一当該輸入の目的が、次条第一項の認定を受けた者が行う当該認定に係る再生利用等であること。
二当該輸入を行おうとする者が、当該輸入を的確に行うことができる者として経済産業省令、環境省令で定める基準に適合する者であること。
三当該輸入及び次条第一項の認定に係る施設への運搬が、人の健康の保護及び生活環境の保全上支障のないものとして経済産業省令、環境省令で定める基準に適合すること。
2前項の認定を受けようとする者は、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書その他経済産業省令、環境省令で定める書類を経済産業大臣及び環境大臣に提出しなければならない。
一氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その法人番号及び代表者の氏名
二前項第三号に係る次条第一項の認定を受けた者に関する事項
三輸入しようとする特定有害廃棄物等の種類及び輸入の方法
3経済産業大臣及び環境大臣は、第一項の認定を受けようとする者が同項各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認定をするものとする。
4第一項の認定は、五年を超えない範囲内で政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
5第一項の認定を受けた者は、第二項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、経済産業大臣及び環境大臣の認定を受けなければならない。ただし、その変更が経済産業省令、環境省令で定める軽微な変更であるときは、この限りでない。
6第三項の規定は、第四項の認定の更新及び前項の認定について準用する。この場合において、第三項中「同項各号」とあるのは、「第一項各号」と読み替えるものとする。
7第一項の認定を受けた者は、第五項ただし書の経済産業省令、環境省令で定める軽微な変更をしたときは、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を経済産業大臣及び環境大臣に届け出なければならない。
8経済産業大臣及び環境大臣は、第一項の認定を受けた者が同項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるとき、又は第五項若しくは前項の規定に違反したときは、当該認定を取り消すことができる。
9前各項に規定するもののほか、第一項及び第五項の認定並びに第四項の認定の更新に関し必要な事項は、政令で定める。
(再生利用等事業者の認定)
第十五条特定有害廃棄物等の再生利用等を行おうとする者は、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、次の各号のいずれにも適合していることについて、経済産業大臣及び環境大臣の認定を受けることができる。
一当該再生利用等を行おうとする者が、当該再生利用等を的確に行うことができる者として経済産業省令、環境省令で定める基準に適合する者であること。
二当該再生利用等を行おうとする者が設置し、又は設置しようとする当該再生利用等を行おうとする施設及び当該施設における当該再生利用等が、人の健康の保護及び生活環境の保全上支障のないものとして経済産業省令、環境省令で定める基準に適合すること。
2前項の認定を受けようとする者は、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書その他経済産業省令、環境省令で定める書類を経済産業大臣及び環境大臣に提出しなければならない。
一氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その法人番号及び代表者の氏名
三再生利用等を行おうとする特定有害廃棄物等の種類及び処理の方法
3経済産業大臣及び環境大臣は、第一項の認定を受けようとする者が同項各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認定をするものとする。
4第一項の認定は、五年を超えない範囲内で政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
5前条第五項から第八項までの規定は、第一項の認定について準用する。この場合において、同条第五項中「第二項各号」とあるのは「次条第二項各号」と、同条第六項中「第三項の」とあるのは「次条第三項の」と、「第四項」とあるのは「同条第四項」と、「第三項中」とあるのは「同条第三項中」と読み替えるものとする。
6前各項に規定するもののほか、第一項及び前項の規定により準用する前条第五項の認定並びに第四項の認定の更新に関し必要な事項は、政令で定める。
(措置命令)
第十七条経済産業大臣及び環境大臣は、特定有害廃棄物等の輸出又はこれに伴う運搬若しくは処分(以下この項において「特定有害廃棄物等の輸出等」という。)がこの法律の規定又は外国為替及び外国貿易法第四十八条第三項の規定に基づく政令の規定に違反した場合その他の特定有害廃棄物等の輸出等が適正に行われない場合において、人の健康又は生活環境に係る被害を防止するため特に必要があると認めるときは、当該特定有害廃棄物等を輸出した者又は輸出された特定有害廃棄物等の運搬を行う者若しくはその排出者等(当該特定有害廃棄物等を排出した者をいい、その者が明らかでない場合にあっては、当該特定有害廃棄物等を所有し、又は管理していた者をいう。以下同じ。)であって当該特定有害廃棄物等の輸出等が適正に行われないことについてその責めに帰する事由があるものに対し、当該特定有害廃棄物等の回収又は適正な処分のための措置その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。ただし、当該特定有害廃棄物等の輸出等の適正な実施が確保されるものとして政令で定める法律の政令で定める規定の適用を受ける場合は、この限りでない。
2経済産業大臣及び環境大臣は、特定有害廃棄物等(廃棄物に該当するものを除く。以下この項、次条第二項及び第十九条第二項において同じ。)の輸入、運搬又は処分(以下この項において「特定有害廃棄物等の輸入等」という。)がこの法律の規定又は外国為替及び外国貿易法第五十二条の規定に基づく政令の規定に違反した場合その他の特定有害廃棄物等の輸入等が適正に行われない場合において、人の健康又は生活環境に係る被害を防止するため特に必要があると認めるときは、当該特定有害廃棄物等を輸入した者又は輸入された特定有害廃棄物等の運搬若しくは処分を行う者に対し、当該特定有害廃棄物等の適正な処分その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。ただし、当該特定有害廃棄物等の輸入等の適正な実施が確保されるものとして政令で定める法律の政令で定める規定の適用を受ける場合は、この限りでない。
(立入検査)
第十九条経済産業大臣及び環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、特定有害廃棄物等を輸出した者、輸出された特定有害廃棄物等の運搬を行う者又はその排出者等の事務所その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、関係者に質問させ、又は検査のために必要な最小限度の分量に限り当該特定有害廃棄物等を収去させることができる。
2経済産業大臣及び環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、特定有害廃棄物等を輸入した者、輸入された特定有害廃棄物等の運搬若しくは処分を行う者又は第十四条第一項若しくは第十五条第一項の認定を受けた者の事務所その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、関係者に質問させ、又は検査のために必要な最小限度の分量に限り当該特定有害廃棄物等を収去させることができる。
3前二項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4第一項又は第二項の規定による立入検査、質問及び収去の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。