(医療の給付)
第十条厚生労働大臣は、原子爆弾の傷害作用に起因して負傷し、又は疾病にかかり、現に医療を要する状態にある被爆者に対し、必要な医療の給付を行う。ただし、当該負傷又は疾病が原子爆弾の放射能に起因するものでないときは、その者の治癒能力が原子爆弾の放射能の影響を受けているため現に医療を要する状態にある場合に限る。
2前項に規定する医療の給付の範囲は、次のとおりとする。
四居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
五病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
3第一項に規定する医療の給付は、厚生労働大臣が第十二条第一項の規定により指定する医療機関(以下「指定医療機関」という。)に委託して行うものとする。
4第一項に規定する医療の給付を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、指定医療機関から、電子資格確認その他厚生労働省令で定める方法により、次条第一項の認定を受けた被爆者であることの確認を受けるものとする。
5前項の「電子資格確認」とは、第一項に規定する医療の給付を受けようとする者が、都道府県知事及び厚生労働大臣に対し、個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。第十八条第七項において同じ。)に記録された利用者証明用電子証明書(電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第二十二条第一項に規定する利用者証明用電子証明書をいう。第十八条第七項において同じ。)を送信する方法その他の厚生労働省令で定める方法により、被爆者健康手帳の交付及び次条第一項の認定の情報(第一項に規定する医療の給付に係る費用の請求に必要な情報を含む。)の照会を行い、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により、都道府県知事及び厚生労働大臣から回答を受けて当該情報を第一項に規定する医療の給付を受ける指定医療機関に提供し、当該指定医療機関から次条第一項の認定を受けた被爆者であることの確認を受けることをいう。
(診療報酬の審査及び支払)
第十五条厚生労働大臣は、指定医療機関の診療内容及び診療報酬の請求を随時審査し、かつ、指定医療機関が前条の規定により請求することができる診療報酬の額を決定することができる。
2指定医療機関は、厚生労働大臣が行う前項の規定による診療報酬の額の決定に従わなければならない。
3厚生労働大臣は、第一項の規定による診療報酬の額の決定に当たっては、医療情報基盤・診療報酬審査支払機構法(昭和二十三年法律第百二十九号)に定める審査委員会、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)に定める国民健康保険診療報酬審査委員会その他政令で定める医療に関する審査機関の意見を聴かなければならない。
4国は、指定医療機関に対する診療報酬の支払に関する事務を医療情報基盤・診療報酬審査支払機構、国民健康保険団体連合会その他厚生労働省令で定める者に委託することができる。
5第一項の規定による診療報酬の額の決定については、審査請求をすることができない。
(医療費の支給)
第十七条厚生労働大臣は、被爆者が、緊急その他やむを得ない理由により、指定医療機関以外の者から第十条第二項各号に掲げる医療を受けた場合において、必要があると認めるときは、同条第一項に規定する医療の給付に代えて、医療費を支給することができる。被爆者が指定医療機関から同条第二項各号に掲げる医療を受けた場合において、当該医療が緊急その他やむを得ない理由により同条第一項の規定によらないで行われたものであるときも、同様とする。
2前項の規定により支給する医療費の額は、第十四条の規定により指定医療機関が請求することができる診療報酬の例により算定した額とする。ただし、現に要した費用の額を超えることができない。
3厚生労働大臣は、第一項の規定により医療費を支給するため必要があるときは、当該医療を行った者又はこれを使用する者に対し、その行った医療に関し、報告若しくは診療録若しくは帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員をして質問させることができる。
(一般疾病医療費の支給)
第十八条厚生労働大臣は、被爆者が、負傷又は疾病(第十条第一項に規定する医療の給付を受けることができる負傷又は疾病、遺伝性疾病、先天性疾病及び厚生労働大臣の定めるその他の負傷又は疾病を除く。)につき、都道府県知事が次条第一項の規定により指定する医療機関(以下「被爆者一般疾病医療機関」という。)から第十条第二項各号に掲げる医療を受け、又は緊急その他やむを得ない理由により被爆者一般疾病医療機関以外の者からこれらの医療を受けたときは、その者に対し、当該医療に要した費用の額を限度として、一般疾病医療費を支給することができる。ただし、その者が、当該負傷若しくは疾病につき、健康保険法(大正十一年法律第七十号)、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)、国民健康保険法、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号。他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)若しくは地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)(以下この条において「社会保険各法」という。)、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)、船員法(昭和二十二年法律第百号)若しくは独立行政法人日本スポーツ振興センター法(平成十四年法律第百六十二号)の規定により医療に関する給付を受け、若しくは受けることができたとき、又は当該医療が法令の規定により国若しくは地方公共団体の負担による医療に関する給付として行われたときは、当該医療に要した費用の額から当該医療に関する給付の額を控除した額(その者が社会保険各法若しくは高齢者の医療の確保に関する法律による療養の給付を受け、又は受けることができたときは、当該療養の給付に関する当該社会保険各法若しくは高齢者の医療の確保に関する法律の規定による一部負担金に相当する額とし、当該医療が法令の規定により国又は地方公共団体の負担による医療の現物給付として行われたときは、当該医療に関する給付について行われた実費徴収の額とする。)の限度において支給するものとする。
2前条第二項の規定は、前項の医療に要した費用の額の算定について準用する。
3被爆者が被爆者一般疾病医療機関から医療を受けた場合においては、厚生労働大臣は、一般疾病医療費として当該被爆者に支給すべき額の限度において、その者が当該医療に関し当該医療機関に支払うべき費用を、当該被爆者に代わり、当該医療機関に支払うことができる。
4前項の規定による支払があったときは、当該被爆者に対し、一般疾病医療費の支給があったものとみなす。
5社会保険各法若しくは高齢者の医療の確保に関する法律の規定による被保険者又は組合員である被爆者が、第一項に規定する負傷又は疾病について被爆者一般疾病医療機関から医療を受ける場合には、当該社会保険各法又は高齢者の医療の確保に関する法律の規定により当該医療機関に支払うべき一部負担金は、当該社会保険各法又は高齢者の医療の確保に関する法律の規定にかかわらず、当該医療に関し厚生労働大臣が第三項の規定による支払をしない旨の決定をするまでは、支払うことを要しない。
6被爆者は、第一項に規定する負傷又は疾病について被爆者一般疾病医療機関から医療を受けようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、被爆者一般疾病医療機関から、電子資格確認その他厚生労働省令で定める方法により、被爆者であることの確認を受けるものとする。
7前項の「電子資格確認」とは、被爆者が、都道府県知事に対し、個人番号カードに記録された利用者証明用電子証明書を送信する方法その他の厚生労働省令で定める方法により、被爆者健康手帳の交付の情報(一般疾病医療費の請求に必要な情報を含む。)の照会を行い、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により、都道府県知事から回答を受けて当該情報を医療を受ける被爆者一般疾病医療機関に提供し、当該被爆者一般疾病医療機関から被爆者であることの確認を受けることをいう。