(趣旨)第一条この規則は、育児又は介護を行う職員の福祉を増進し、もって職員の能率を発揮させるため、当該職員を早出遅出勤務とする措置、当該職員の深夜勤務を制限する措置及び当該職員の超過勤務を制限する措置に関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)第二条この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。一早出遅出勤務始業及び終業の時刻を、職員が育児又は介護を行うためのものとしてあらかじめ定められた特定の時刻とする勤務時間の割振りによる勤務をいう。二深夜勤務深夜(午後十時から翌日の午前五時までの間をいう。以下同じ。)における勤務をいう。三超過勤務勤務時間法第十三条第二項に規定する勤務又は常勤を要しない職員のこれに相当する勤務をいう。
(育児を行う職員の早出遅出勤務)第三条各省各庁の長(勤務時間法第三条に規定する各省各庁の長をいう。以下同じ。)は、次に掲げる職員(勤務時間法第六条第三項又は第四項の規定により勤務時間を割り振られた職員を除く。)がその子(同項第一号において子に含まれるものとされる者(以下「特別養子縁組の成立前の監護対象者等」という。)を含む。以下同じ。)を養育するために請求した場合には、公務の運営に支障がある場合を除き、人事院の定めるところにより、当該職員に当該請求に係る早出遅出勤務をさせるものとする。一小学校就学の始期に達するまでの子のある職員二小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部に就学している子のある職員であって、人事院の定めるもの
(育児を行う職員の早出遅出勤務の請求手続等)第四条職員は、早出遅出勤務請求書により、早出遅出勤務を請求する一の期間(以下「早出遅出勤務期間」という。)について、その初日(以下「早出遅出勤務開始日」という。)及び末日(以下「早出遅出勤務終了日」という。)とする日を明らかにして、あらかじめ前条の規定による請求を行うものとする。2前条の規定による請求があった場合においては、各省各庁の長は、公務の運営の支障の有無について、速やかに当該請求をした職員に対し通知しなければならない。当該通知後において、公務の運営に支障が生じる日があることが明らかとなった場合にあっては、各省各庁の長は、当該日の前日までに、当該請求をした職員に対しその旨を通知しなければならない。3各省各庁の長は、前条の請求に係る事由について確認する必要があると認めるときは、当該請求をした職員に対して証明書類の提出を求めることができる。
第五条第三条の規定による請求がされた後早出遅出勤務開始日とされた日の前日までに、次の各号に掲げるいずれかの事由が生じた場合には、当該請求はされなかったものとみなす。一当該請求に係る子が死亡した場合二当該請求に係る子が離縁又は養子縁組の取消しにより当該請求をした職員の子でなくなった場合三当該請求をした職員が当該請求に係る子と同居しないこととなった場合四当該請求に係る特別養子縁組の成立前の監護対象者等が民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百十七条の二第一項の規定による請求に係る家事審判事件が終了したこと(特別養子縁組の成立の審判が確定した場合を除く。)又は養子縁組が成立しないまま児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十七条第一項第三号の規定による措置が解除されたことにより当該特別養子縁組の成立前の監護対象者等でなくなった場合五第一号、第二号又は前号に掲げる場合のほか、当該請求をした職員が第三条に規定する職員に該当しなくなった場合2早出遅出勤務開始日以後早出遅出勤務終了日とされた日の前日までに、前項各号に掲げるいずれかの事由が生じた場合には、第三条の規定による請求は、当該事由が生じた日を早出遅出勤務期間の末日とする請求であったものとみなす。3前二項の場合において、職員は遅滞なく、第一項各号に掲げる事由が生じた旨を各省各庁の長に届け出なければならない。4前条第三項の規定は、前項の届出について準用する。
(育児を行う職員の深夜勤務の制限)第六条各省各庁の長は、小学校就学の始期に達するまでの子のある職員(職員の配偶者で当該子の親であるものが、深夜において常態として当該子を養育することができるものとして人事院の定める者に該当する場合における当該職員を除く。)が当該子を養育するために請求した場合には、公務の運営に支障がある場合を除き、深夜勤務をさせてはならない。
(育児を行う職員の深夜勤務の制限の請求手続等)第七条職員は、深夜勤務制限請求書により、深夜勤務の制限を請求する一の期間(六月以内の期間に限る。以下「深夜勤務制限期間」という。)について、その初日(以下「深夜勤務制限開始日」という。)及び末日(以下「深夜勤務制限終了日」という。)とする日を明らかにして、深夜勤務制限開始日の一月前までに前条の規定による請求を行うものとする。2前条の規定による請求があった場合においては、各省各庁の長は、公務の運営の支障の有無について、速やかに当該請求をした職員に対し通知しなければならない。当該通知後において、公務の運営に支障が生じる日があることが明らかとなった場合にあっては、各省各庁の長は、当該日の前日までに、当該請求をした職員に対しその旨を通知しなければならない。3第四条第三項の規定は、前条の規定による請求について準用する。
第八条第六条の規定による請求がされた後深夜勤務制限開始日とされた日の前日までに、次の各号に掲げるいずれかの事由が生じた場合には、当該請求はされなかったものとみなす。一当該請求に係る子が死亡した場合二当該請求に係る子が離縁又は養子縁組の取消しにより当該請求をした職員の子でなくなった場合三当該請求をした職員が当該請求に係る子と同居しないこととなった場合四当該請求に係る特別養子縁組の成立前の監護対象者等が民法第八百十七条の二第一項の規定による請求に係る家事審判事件が終了したこと(特別養子縁組の成立の審判が確定した場合を除く。)又は養子縁組が成立しないまま児童福祉法第二十七条第一項第三号の規定による措置が解除されたことにより当該特別養子縁組の成立前の監護対象者等でなくなった場合五第一号、第二号又は前号に掲げる場合のほか、当該請求をした職員が第六条に規定する職員に該当しなくなった場合2深夜勤務制限開始日以後深夜勤務制限終了日とされた日の前日までに、前項各号に掲げるいずれかの事由が生じた場合には、第六条の規定による請求は、当該事由が生じた日を深夜勤務制限期間の末日とする請求であったものとみなす。3前二項の場合において、職員は遅滞なく、第一項各号に掲げる事由が生じた旨を各省各庁の長に届け出なければならない。4第四条第三項の規定は、前項の届出について準用する。
(育児を行う職員の超過勤務の制限)第九条各省各庁の長は、三歳に満たない子のある職員が当該子を養育するために請求した場合には、当該請求をした職員の業務を処理するための措置を講ずることが著しく困難である場合を除き、超過勤務(災害その他避けることのできない事由に基づく臨時の勤務を除く。以下同じ。)をさせてはならない。
第十条各省各庁の長は、小学校就学の始期に達するまでの子のある職員が当該子を養育するために請求した場合には、当該請求をした職員の業務を処理するための措置を講ずることが著しく困難である場合を除き、一月について二十四時間、一年について百五十時間を超えて、超過勤務をさせてはならない。
(育児を行う職員の超過勤務の制限の請求手続等)第十一条職員は、超過勤務制限請求書により、超過勤務の制限を請求する一の期間について、その初日(以下「超過勤務制限開始日」という。)及び期間(一年又は一年に満たない月を単位とする期間に限る。)を明らかにして、超過勤務制限開始日の前日までに第九条又は前条の規定による請求を行わなければならない。この場合において、第九条の規定による請求に係る期間と前条の規定による請求に係る期間とが重複しないようにしなければならない。2第九条又は前条の規定による請求があった場合においては、各省各庁の長は、第九条又は前条に規定する措置を講ずることが著しく困難であるかどうかについて、速やかに当該請求をした職員に対し通知しなければならない。3各省各庁の長は、第九条又は前条の規定による請求が、当該請求があった日の翌日から起算して一週間を経過する日(以下「一週間経過日」という。)前の日を超過勤務制限開始日とする請求であった場合で、第九条又は前条に規定する措置を講ずるために必要があると認めるときは、当該超過勤務制限開始日から一週間経過日までの間のいずれかの日に超過勤務制限開始日を変更することができる。4各省各庁の長は、前項の規定により超過勤務制限開始日を変更した場合においては、当該超過勤務制限開始日を当該変更前の超過勤務制限開始日の前日までに当該請求をした職員に対し通知しなければならない。5第四条第三項の規定は、第九条又は前条の規定による請求について準用する。
第十二条第九条又は第十条の規定による請求がされた後超過勤務制限開始日の前日までに、次の各号に掲げるいずれかの事由が生じた場合には、当該請求はされなかったものとみなす。一当該請求に係る子が死亡した場合二当該請求に係る子が離縁又は養子縁組の取消しにより当該請求をした職員の子でなくなった場合三当該請求をした職員が当該請求に係る子と同居しないこととなった場合四当該請求に係る特別養子縁組の成立前の監護対象者等が民法第八百十七条の二第一項の規定による請求に係る家事審判事件が終了したこと(特別養子縁組の成立の審判が確定した場合を除く。)又は養子縁組が成立しないまま児童福祉法第二十七条第一項第三号の規定による措置が解除されたことにより当該特別養子縁組の成立前の監護対象者等でなくなった場合五第一号、第二号又は前号に掲げる場合のほか、当該請求をした職員がそれぞれ第九条又は第十条に規定する職員に該当しなくなった場合2超過勤務制限開始日から起算して第九条又は第十条の規定による請求に係る期間を経過する日の前日までの間に、次の各号に掲げるいずれかの事由が生じた場合には、これらの規定による請求は、超過勤務制限開始日から当該事由が生じた日までの期間についての請求であったものとみなす。一前項各号に掲げるいずれかの事由が生じた場合二当該請求に係る子が、第九条の規定による請求にあっては三歳に、第十条の規定による請求にあっては小学校就学の始期に達した場合3前二項の場合において、職員は遅滞なく、第一項各号に掲げる事由が生じた旨を各省各庁の長に届け出なければならない。4第四条第三項の規定は、前項の届出について準用する。
(介護を行う職員の早出遅出勤務並びに深夜勤務及び超過勤務の制限)第十三条第三条から前条まで(第五条第一項第三号から第五号まで、第八条第一項第三号から第五号まで及び前条第一項第三号から第五号までを除く。)の規定は、勤務時間法第二十条第一項に規定する要介護者を介護する職員について準用する。この場合において、第三条中「次に掲げる」とあるのは「勤務時間法第二十条第一項に規定する要介護者(以下「要介護者」という。)のある」と、「その子(同項第一号において子に含まれるものとされる者(以下「特別養子縁組の成立前の監護対象者等」という。)を含む。以下同じ。)を養育」とあるのは「当該要介護者を介護」と、第五条第一項第一号、第八条第一項第一号及び前条第一項第一号中「子」とあるのは「要介護者」と、第五条第一項第二号、第八条第一項第二号及び前条第一項第二号中「子が離縁又は養子縁組の取消しにより当該請求をした職員の子でなくなった」とあるのは「要介護者と当該請求をした職員との親族関係が消滅した」と、第六条中「小学校就学の始期に達するまでの子のある職員(職員の配偶者で当該子の親であるものが、深夜において常態として当該子を養育することができるものとして人事院の定める者に該当する場合における当該職員を除く。)が当該子を養育」とあり、第九条中「三歳に満たない子のある職員が当該子を養育」とあり、及び第十条中「小学校就学の始期に達するまでの子のある職員が当該子を養育」とあるのは「要介護者のある職員が当該要介護者を介護」と、第九条中「当該請求をした職員の業務を処理するための措置を講ずることが著しく困難である」とあるのは「公務の運営に支障がある」と、第十一条第二項中「、第九条」とあるのは「、それぞれ第九条に規定する支障の有無」と、同条第三項中「第九条又は前条の」とあるのは「前条の」と、「第九条又は前条に」とあるのは「同条に」と、前条第二項中「次の各号」とあるのは「前項第一号又は第二号」と読み替えるものとする。
1この規則は、平成十四年一月一日から施行する。2改正後の規則一〇―一一第六条(同規則第九条の規定により読み替えて準用する場合を含む。)の規定は、この規則の施行の日以後にする請求から適用し、同日前にした請求による超過勤務の制限については、なお従前の例による。
(施行期日)1この規則は、平成二十二年六月三十日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。(経過措置)2この規則の施行の日(以下「施行日」という。)以後の日を早出遅出勤務開始日とする改正後の規則一〇―一一第三条の規定による請求、同規則第九条の規定による請求又は施行日以後の日を超過勤務制限開始日とする同規則第十条の規定による請求を行おうとする職員は、施行日前においても、同規則第四条第一項又は第十一条第一項の規定の例により、これらの請求を行うことができる。
(施行期日)第一条この規則は、令和七年四月一日から施行する。ただし、次条及び附則第四条の規定は公布の日から、第五条の規定並びに第十一条中規則一五―一四の目次の改正規定、同規則中第一条の二を第一条の三とし、第一条の次に一条を加える改正規定及び同規則第十三条第一項第三号の改正規定は令和六年四月一日から施行する。