(定義)
第二条この法律において「中小企業者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
一資本金の額又は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であって、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種及び第五号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
二資本金の額又は出資の総額が一億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人であって、卸売業(第五号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
三資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人であって、サービス業(第五号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
四資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が五十人以下の会社及び個人であって、小売業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
五資本金の額又は出資の総額がその業種ごとに政令で定める金額以下の会社並びに常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人であって、その政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの
八事業協同組合、事業協同小組合、商工組合、協同組合連合会その他の特別の法律により設立された組合及びその連合会であって、政令で定めるもの
2この法律において「中小企業者等」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
二一般社団法人であって中小企業者を直接又は間接の構成員とするもの(政令で定める要件に該当するものに限る。)
三資本金の額又は出資の総額が政令で定める金額以下の会社その他政令で定める法人(第一号に掲げる者を除く。)
四常時使用する従業員の数が政令で定める数以下の会社その他政令で定める法人及び個人(前三号に掲げる者を除く。)
3この法律において「新規中小企業者」とは、中小企業者であって次の各号のいずれかに該当するものをいう。
三事業を開始した日以後の期間が五年以上十年未満の個人又は設立の日以後の期間が五年以上十年未満の会社であって、前年又は前事業年度において試験研究費その他政令で定める費用の合計額の政令で定める収入金額に対する割合が政令で定める割合を超えるもの
4この法律において「新規中小企業者等」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
二中小企業者等であって、事業を開始した日以後の期間が五年未満の個人(前号に掲げる者を除く。)
三中小企業者等であって、設立の日以後の期間が五年未満の会社(第一号に掲げる者を除く。)
四中小企業者等であって事業を開始した日以後の期間が五年以上十年未満の個人又は設立の日以後の期間が五年以上十年未満の会社であるもののうち、プログラム(情報処理の促進に関する法律(昭和四十五年法律第九十号)第二条第二項に規定するプログラムをいう。第十四項及び第十七条第三項において同じ。)の開発その他の情報処理(同法第二条第一項に規定する情報処理をいう。第四十三条第一項及び第二項において同じ。)に関する高度な知識又は技能を活用して行う業務として経済産業省令で定める業務に従事する常時使用する従業員の数の常時使用する従業員の総数に対する割合が経済産業省令で定める割合を超えるもの(第一号に掲げる者を除く。)
5この法律において「特定事業者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
一常時使用する従業員の数が五百人以下の会社及び個人であって、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号及び第三号に掲げる業種並びに第四号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
二常時使用する従業員の数が四百人以下の会社及び個人であって、卸売業(第四号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
三常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であって、小売業又はサービス業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
四常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人であって、その政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの
七事業協同組合、事業協同小組合、商工組合、協同組合連合会その他の特別の法律により設立された組合及びその連合会であって、政令で定めるもの
八一般社団法人であって前各号に掲げるものを直接又は間接の構成員とするもの(政令で定める要件に該当するものに限る。)
6この法律において「特定事業者等」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
二常時使用する従業員の数が政令で定める数以下の会社その他政令で定める法人及び個人(前号に掲げる者を除く。)
7この法律において「新事業活動」とは、新商品の開発又は生産、新役務の開発又は提供、商品の新たな生産又は販売の方式の導入、役務の新たな提供の方式の導入、技術に関する研究開発及びその成果の利用その他の新たな事業活動をいう。
8この法律において「社外高度人材活用新事業分野開拓」とは、新規中小企業者等が、新事業活動に係る投資及び指導を新規中小企業者等に対して行うことを業とする者として経済産業省令で定める要件に該当する者から投資及び指導を受け、社外高度人材(当該新規中小企業者等の役員及び使用人その他の従業者以外の者であって、新事業活動に有用な高度な知識又は技能を有する者として経済産業省令で定める要件に該当する者をいう。以下同じ。)を活用して、新事業活動を行うことにより、新たな事業分野の開拓を図ることをいう。
9この法律において「経営革新」とは、事業者が新事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ることをいう。
10この法律において「経営力向上」とは、事業者が、事業活動に有用な知識又は技能を有する人材の育成、財務内容の分析の結果の活用、商品又は役務の需要の動向に関する情報の活用、経営能率の向上のための情報システムの構築その他の方法であって、現に有する経営資源(設備、技術、個人の有する知識及び技能その他の事業活動に活用される資源をいう。以下同じ。)又は次に掲げるいずれかの措置(以下「事業承継等」という。)により他の事業者から取得した若しくは提供された経営資源を高度に利用するものを導入して事業活動を行うことにより、経営能力を強化し、経営の向上を図ることをいう。
一吸収合併(会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社及び同項第一号に規定する吸収合併消滅会社が特定事業者等である場合に限る。)により当該吸収合併存続会社となり、当該吸収合併消滅会社の権利義務の全部を承継すること。
二新設合併(会社法第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社及び同項第一号に規定する新設合併消滅会社が特定事業者等である場合に限る。)により当該新設合併設立会社を設立し、当該新設合併消滅会社の権利義務の全部を承継すること。
三吸収分割(会社法第七百五十七条に規定する吸収分割承継会社及び同法第七百五十八条第一項第一号に規定する吸収分割会社が特定事業者等である場合に限る。)により当該吸収分割承継会社となり、当該吸収分割会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継すること。
四新設分割(会社法第七百六十三条第一項に規定する新設分割設立会社及び同項第五号に規定する新設分割会社が特定事業者等である場合に限る。)により当該新設分割設立会社を設立し、当該新設分割会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継すること。
五株式交換(会社法第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社及び同法第七百六十八条第一項第一号に規定する株式交換完全子会社が特定事業者等である場合に限る。)により当該株式交換完全親会社となり、当該株式交換完全子会社の発行済株式の全部を取得すること。
六株式移転(会社法第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社及び同項第五号に規定する株式移転完全子会社が特定事業者等である場合に限る。)により当該株式移転完全子会社となり、その発行済株式の全部を当該株式移転設立完全親会社に取得させること。
六の二株式交付(会社法第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付親会社及び株式交付子会社が特定事業者等である場合に限る。)により当該株式交付親会社となり、当該株式交付子会社の株式を譲り受けること。
七事業又は資産の譲受け(特定事業者等が他の特定事業者等から譲り受ける場合に限る。)
八他の特定事業者等の株式又は持分の取得(特定事業者等による当該取得によって当該他の特定事業者等が当該特定事業者等の関係事業者(他の事業者がその経営を実質的に支配していると認められているものとして主務省令で定める関係を有するものをいう。)となる場合に限る。)
11この法律において「承継等特定事業者等」とは、特定事業者等が事業承継等(前項第一号から第四号までに掲げる措置及び同項第七号に掲げる措置のうち事業の譲受けに係るものに限る。次項、第十七条第四項第一号、第十八条第三項並びに第二十七条第一項及び第二項において同じ。)を行う場合における当該特定事業者等をいう。
12この法律において「被承継等特定事業者等」とは、承継等特定事業者等が他の特定事業者等から、事業承継等を行う場合における当該他の特定事業者等をいう。
13この法律において「事業再編投資」とは、投資事業有限責任組合(投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合をいう。第二十条第一項及び第二十一条第一項において同じ。)が行う特定事業者等に対する投資事業(主として経営力向上(事業承継等を行うものに限る。)を図る特定事業者等に対するものであることその他の経済産業省令で定める要件に該当するものに限る。)であって、当該特定事業者等に対する経営資源を高度に利用する方法に係る指導を伴うことが確実であると見込まれるものとして経済産業省令で定めるものをいう。
14この法律において「先端設備等」とは、従来の処理に比して大量の情報の処理を可能とする技術その他の先端的な技術を活用した施設、設備、機器、装置又はプログラムであって、それを迅速に導入することが中小企業者の生産性の向上に不可欠なものとして経済産業省令で定めるものをいう。
15この法律において「事業継続力強化」とは、事業者が、自然災害又は通信その他の事業活動の基盤における重大な障害(以下「自然災害等」という。)の発生が事業活動に与える影響を踏まえて、自然災害等が発生した場合における対応手順の決定、当該影響の軽減に資する設備の導入、損害保険契約の締結、関係者との連携及び協力その他の事業活動に対する当該影響の軽減及び事業活動の継続に資する対策を事前に講ずるとともに、必要な組織の整備、訓練の実施その他の当該対策の実効性を確保するための取組を行うことにより、自然災害等が発生した場合における事業活動を継続する能力の強化を図ることをいう。
(基本方針)
第三条主務大臣は、中小企業等の経営強化に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2基本方針には、次に掲げる事項について定めるものとする。
一新たに設立された企業の事業活動の促進に関する次に掲げる事項
イ新規中小企業の事業活動の促進に関する次に掲げる事項
(1)新規中小企業の事業活動の促進に関する基本的な方向
(2)新規中小企業の事業活動の促進に当たって配慮すべき事項
ロ社外高度人材活用新事業分野開拓に関する次に掲げる事項
(1)社外高度人材活用新事業分野開拓の内容に関する事項
(2)社外高度人材活用新事業分野開拓において活用される社外高度人材の有すべき知識又は技能の内容及びその活用の態様に関する事項
(3)社外高度人材活用新事業分野開拓の促進に当たって配慮すべき事項
二中小企業等の経営革新及び経営力向上に関する次に掲げる事項
イ経営革新に関する次に掲げる事項
(3)海外において経営革新のための事業が行われる場合における国内の事業基盤の維持その他経営革新の促進に当たって配慮すべき事項
(4)技術に関する研究開発及びその成果の利用に当たって配慮すべき事項
ロ経営力向上に関する次に掲げる事項
(3)海外において経営力向上に係る事業が行われる場合における国内の事業基盤の維持その他経営力向上の促進に当たって配慮すべき事項
ハ経営革新及び経営力向上の支援体制の整備に関する次に掲げる事項
(1)経営革新等支援業務(第三十一条第一項に規定する経営革新等支援業務をいう。以下この号において同じ。)の内容に関する事項
(3)経営革新等支援業務の実施に当たって配慮すべき事項
(4)事業分野別経営力向上推進業務(第三十九条第一項に規定する事業分野別経営力向上推進業務をいう。以下この号において同じ。)の内容に関する事項
(5)事業分野別経営力向上推進業務の実施体制に関する事項
(6)事業分野別経営力向上推進業務の実施に当たって配慮すべき事項
(7)情報処理支援業務(第四十三条第一項に規定する情報処理支援業務をいう。以下この号において同じ。)の内容に関する事項
(9)情報処理支援業務の実施に当たって配慮すべき事項
三中小企業の先端設備等の導入の促進に関する次に掲げる事項
四中小企業の事業継続力強化に関する次に掲げる事項
イ単独で行う事業継続力強化の内容に関する次に掲げる事項
(4)親事業者(下請中小企業振興法(昭和四十五年法律第百四十五号)第二条第二項に規定する親事業者をいう。以下同じ。)、政府関係金融機関その他の者による事業継続力強化に係る協力
(6)(1)から(5)までに掲げるもののほか、事業継続力強化に資する対策及び取組
ロ連携して行う事業継続力強化(以下「連携事業継続力強化」という。)の内容に関する次に掲げる事項
(2)連携事業継続力強化に資する設備、機器及び装置
(3)地方公共団体、商工会、商工会議所、中小企業団体中央会その他の者による連携事業継続力強化に係る協力
(4)連携事業継続力強化の実効性を確保するための取組
3主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、中小企業政策審議会及び産業構造審議会の意見を聴かなければならない。ただし、主務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
4主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。