(通信・放送機構の解散等)
第三条通信・放送機構は、この法律の施行の時において解散するものとし、その資産及び債務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において研究機構が承継する。
2前項の規定による承継の際現に通信・放送機構が有する資産であって次に掲げるものは、この法律の施行の時において国が承継する。
一附則第九条の規定による廃止前の通信・放送機構法(昭和五十四年法律第四十六号。以下「旧通信・放送機構法」という。)第三十三条の二に規定する研究開発推進勘定に属する資産のうち研究機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産
二旧通信・放送機構法第三十三条の二に規定する研究開発出資勘定に属する資産のうち研究機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産
三基盤技術研究円滑化法(昭和六十年法律第六十五号)第九条に規定する特別の勘定に属する資産のうち研究機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産
四基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律(平成十三年法律第六十号。以下「平成十三年基盤技術研究法改正法」という。)附則第九条に規定する通信・放送承継勘定(以下「旧通信・放送承継勘定」という。)に属する資産のうち研究機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産
五旧通信・放送機構法第三十三条の二に規定する衛星所有勘定に属する残余財産
六附則第十六条の規定による改正前の民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法(昭和六十一年法律第七十七号)第五十六条の五第一項に規定する特別通信・放送基盤施設整備基金に属する残余財産
3前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4通信・放送機構の平成十五年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、研究機構が従前の例により行うものとする。この場合において、旧通信・放送機構法第三十二条第一項に規定する財務諸表の承認については、旧通信・放送機構法第四十三条第一項の規定(附則第二十一条の規定による改正前の特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律(平成十年法律第五十三号)第六条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)は、なお効力を有する。
5第一項の規定により研究機構が通信・放送機構の資産及び債務を承継したときは、その承継の際、旧通信・放送機構法第三十三条の二に規定する研究開発推進勘定に属する資産のうち研究機構が承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額は、政府から研究機構に、独立行政法人情報通信研究機構法(平成十一年法律第百六十二号。以下「研究機構法」という。)第十五条第四号に掲げる業務に必要な資金に充てるべきものとして示して出資されたものとする。
6第一項の規定により研究機構が通信・放送機構の資産及び債務を承継したときは、その承継の際、次の表の上欄に掲げる金額は、それぞれ、同表の中欄に掲げる者から研究機構に、同表の下欄に掲げる業務に必要な資金に充てるべきものとして示して出資されたものとする。
一 政府から特定通信・放送開発事業実施円滑化法(平成二年法律第三十五号)第六条第一項第二号に掲げる業務(これに附帯する業務を含む。)に必要な資金に充てるべきものとして示して出資されている出資金に相当する金額 | 政府 | 研究機構法第十五条第三号に掲げる業務 |
二 政府から基盤技術研究円滑化法第七条に規定する業務に必要な資金に充てるべきものとして示して出資されている出資金に相当する金額 | 政府 | 研究機構法第十五条第一号に掲げる業務 |
三 政府及び政府以外の者から平成十三年基盤技術研究法改正法附則第六条及び第七条の規定による業務に必要な資金に充てるべきものとして示して出資されている出資金に相当する金額 | 政府及び当該政府以外の者 | 研究機構法附則第九条第四項から第六項までに規定する業務 |
7第一項の規定により研究機構が通信・放送機構の資産及び債務を承継したときは、その承継の際、政府から次の各号に掲げる業務に必要な資金に充てるべきものとして示して出資されている出資金に相当する金額は、研究機構法第十五条に規定する出資勘定に帰属するものとし、当該金額は、政府から研究機構に出資されたものとする。
一旧通信・放送機構法第五条第四項に規定する研究開発出資業務
二附則第九条の規定による廃止前の有線テレビジョン放送の発達及び普及のための有線テレビジョン放送番組充実事業の推進に関する臨時措置法(平成四年法律第三十六号。附則第十条において「旧放送番組充実法」という。)第六条に規定する業務
三附則第九条の規定による廃止前の放送番組素材利用促進事業の推進に関する臨時措置法(平成六年法律第三十六号。附則第十条において「旧放送番組素材法」という。)第六条に規定する業務
四附則第九条の規定による廃止前の受信設備制御型放送番組の制作の促進に関する臨時措置法(平成七年法律第七十七号。附則第十条において「旧放送番組促進法」という。)第六条第二号に掲げる業務(これに附帯する業務を含む。)
五電気通信基盤充実臨時措置法の一部を改正する法律(平成十三年法律第四十三号)による改正前の電気通信基盤充実臨時措置法(平成三年法律第二十七号)第六条第二号に掲げる業務(これに附帯する業務を含む。)
8第一項の規定により研究機構が通信・放送機構の資産及び債務を承継したときは、その承継の際、政府から通信・放送機構に旧通信・放送機構法附則第七条第一項に規定する衛星放送受信対策基金に充てるべきものとして出資されている出資金に相当する金額から国庫に納付するものとして政令で定める資産の価額に相当する金額を除いた金額は、政府から研究機構に、研究機構法附則第十四条第一項に規定する衛星放送受信対策基金に充てるべきものとして示して出資されたものとする。
9第一項の規定により研究機構が通信・放送機構の資産及び債務を承継したときは、その承継の際、政府以外の者から通信・放送機構に旧通信・放送機構法第二十九条の二第一項に規定する信用基金に充てるべきものとして出資されている出資金に相当する金額は、当該政府以外の者から研究機構に、研究機構法第十七条第一項に規定する信用基金に充てるべきものとして示して出資されたものとする。
10第一項の規定により研究機構が通信・放送機構の資産及び債務を承継したときは、その承継の際、政府以外の者から通信・放送機構に旧通信・放送機構法第二十九条の二第一項に規定する信用基金に充てるべきものとして出えんされた金額に相当する金額は、当該政府以外の者から研究機構に、研究機構法第十七条第一項に規定する信用基金に充てるべきものとして出えんされたものとする。
11第一項の規定により研究機構が通信・放送機構の資産及び債務を承継したときは、その承継の際、次の各号に掲げる勘定に属する資産のうち研究機構が承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額が当該各号に掲げる勘定に属する資本金の金額を超えるときは、その差額に相当する額についてはそれぞれ当該各号に定める勘定に属する積立金として、次の各号に掲げる勘定に属する資産のうち研究機構が承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額が当該各号に掲げる勘定に属する資本金の金額を下回るときは、その差額に相当する額についてはそれぞれ当該各号に定める勘定に属する繰越欠損金として、整理するものとする。
一旧通信・放送機構法第三十三条の二に規定する研究開発出資勘定研究機構法第十五条に規定する出資勘定
二旧通信・放送機構法第三十三条の二に規定する研究開発債務保証勘定研究機構法第十五条に規定する債務保証勘定
三旧通信・放送機構法第四十一条第二項に規定する一般勘定研究機構法附則第十三条第一項に規定する衛星管制債務償還勘定
四基盤技術研究円滑化法第九条に規定する特別の勘定研究機構法第十五条に規定する基盤技術研究促進勘定
五旧通信・放送承継勘定研究機構法附則第十一条に規定する通信・放送承継勘定
12第五項及び前項の規定における資産の価額は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
13前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は政令で定める。
14第一項の規定により研究機構が通信・放送機構の資産及び債務を承継したときは、その承継の際附則第十八条の規定による改正前の電気通信基盤充実臨時措置法(第十六項において「旧電気通信基盤法」という。)第七条の三第一項に規定する高度電気通信施設整備促進基金として管理されている金額は、研究機構法附則第十五条第一項に規定する高度電気通信施設整備促進基金として管理しなければならない。
15通信・放送機構の解散については、旧通信・放送機構法第四十二条第一項の規定による残余財産の国庫への納付又は各出資者に対する分配は、第一項の規定により国に承継させるものを除き、行わない。
16研究機構は、次に掲げる金額を、この法律の施行後速やかに国庫に納付しなければならない。
一第八項に規定する政令で定める資産の価額に相当する金額
二旧通信・放送機構法第三十三条の二に規定する研究開発債務保証勘定において積立金として整理されている金額があるときの当該金額のうち政令で定める金額
三旧電気通信基盤法第七条の三第一項に規定する高度電気通信施設整備促進基金として管理されている金額のうち政令で定める金額
17第八項並びに前項第二号及び第三号の政令を定める場合においては、研究機構の業務運営上の必要性の有無を勘案しなければならない。
18第十六項の規定による納付金に関し、納付の手続その他必要な事項は、政令で定める。
19第一項の規定により通信・放送機構が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(持分の払戻し)
第四条平成十三年基盤技術研究法改正法附則第三条第一項の規定により政府以外の者から通信・放送機構に出資があったものとされた額(同法附則第十条の規定により資本金を増加し又は減少した場合にあっては、同条の規定により出資があったものとされた額を含み、同条の規定により出資がなかったものとされた額を除く。)については、当該政府以外の者は、通信・放送機構に対し、政令で定める期間に限り、その持分の払戻しを請求することができる。
2通信・放送機構は、前項の規定による請求があったときは、旧通信・放送機構法第六条第一項の規定にかかわらず、当該請求をした者に対し、政令で定める日における旧通信・放送承継勘定に属する資産の価額から負債の金額を差し引いた額に対する当該請求をした者の持分に相当する金額により払戻しをしなければならない。この場合において、通信・放送機構は、当該持分に係る出資額に相当する金額により資本金を減少するものとする。
3前条第九項の規定により政府及び日本政策投資銀行以外の者が研究機構に出資したものとされた金額については、当該政府及び日本政策投資銀行以外の者は、研究機構に対し、施行日から一月以内に限り、当該出資に係る持分の払戻しを請求することができる。
4研究機構は、前項の規定による請求があったときは、研究機構法第八条第一項の規定にかかわらず、当該持分に係る出資額に相当する金額により払戻しをしなければならない。この場合において、研究機構は、その払戻しをした金額により資本金を減少するものとする。
5第二項に規定する資産の価額は、同項に規定する政令で定める日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
6前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は政令で定める。
(役員に関する経過措置)
第五条施行日の前日において研究所の理事長である者の任期は、この法律による改正前の独立行政法人通信総合研究所法(平成十一年法律第百六十二号)第九条の規定にかかわらず、その日に満了する。この場合において、この法律の施行後最初に独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)第二十条第一項の規定により研究機構の理事長に任命された者の任期は、研究機構法第十二条の規定にかかわらず、施行日の前日において研究所の理事長であった者の研究所の理事長としての残任期間と同一の期間とする。
2この法律の施行の際研究所の理事又は監事である者は、別に辞令を用いないで、その際通則法第二十条第二項及び第三項の規定により研究機構の理事又は監事として任命されたものとみなす。
3前項の規定により任命されたものとみなされた研究機構の理事又は監事の任期は、研究機構法第十二条の規定にかかわらず、この法律の施行の際におけるその者の研究所の理事又は監事としての残任期間と同一の期間とする。
(通信・放送機構の役職員であった者に係る国家公務員共済組合法の規定の適用の特例)
第六条施行日の前日において健康保険法(大正十一年法律第七十号)による保険給付を受けることができる者であった通信・放送機構の役員又は職員で、施行日に総務省共済組合(国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第三条第一項の規定により総務省に属する職員(同法第二条第一項第一号に規定する職員をいう。以下この項において同じ。)及びその所管する独立行政法人(通則法第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)の職員をもって組織された国家公務員共済組合をいう。以下この条及び次条において同じ。)の組合員となった者(研究機構の役員又は職員となった者に限る。)に係る施行日以後の給付に係る国家公務員共済組合法の短期給付に関する規定及び同法第百二十六条の五第一項の規定の適用については、その者は、施行日前の健康保険法による保険給付を受けることができる者であった間(通信・放送機構の役員又は職員であった間に限る。)総務省共済組合の組合員であったものとみなし、その者が施行日前に健康保険法による保険給付を受けていた場合における当該保険給付は、国家公務員共済組合法に基づく当該保険給付に相当する給付とみなす。
2この法律の施行の際前項に規定する者のうち健康保険法第九十九条第一項の規定による傷病手当金の支給を受けることができた者であって、同一の傷病について国家公務員共済組合法第六十六条第一項の規定による傷病手当金の支給を受けることができるものに係る同条第二項の規定の適用については、当該健康保険法第九十九条第一項の規定による傷病手当金の支給を始めた日を当該国家公務員共済組合法第六十六条第一項の規定による傷病手当金の支給を始めた日とみなす。
3第一項に規定する者のうち国家公務員共済組合法第六十六条第一項の規定による傷病手当金の支給を受けることができる者であって、当該傷病による障害について厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)による障害厚生年金又は障害手当金の支給を受けることができるものに係る同条第四項又は第五項の規定の適用については、これらの者が引き続き総務省共済組合の組合員である間(研究機構の役員又は職員である間に限る。)は、当該障害厚生年金又は障害手当金を国家公務員共済組合法による障害共済年金又は障害一時金とみなす。
第七条施行日の前日において厚生年金保険の被保険者であった通信・放送機構の役員又は職員で、施行日に総務省共済組合の組合員となった者(研究機構の役員又は職員となった者に限る。以下この条において「通信・放送機構の役職員であった組合員」という。)のうち、一年以上の引き続く組合員期間(総務省共済組合の組合員である期間(研究機構の役員又は職員である期間に係るものに限る。)をいう。以下この条において同じ。)を有しない者であり、かつ、施行日前の厚生年金保険の保険者期間(通信・放送機構の役員又は職員であった期間に係るものに限る。以下この条において「厚生年金保険期間」という。)と当該厚生年金保険期間に引き続く組合員期間とを合算した期間が一年以上となるものに係る国家公務員共済組合法第七十七条第二項の規定の適用については、その者は、一年以上の引き続く組合員期間を有する者とみなす。
2通信・放送機構の役職員であった組合員のうち、組合員期間が二十年未満であり、かつ、当該組合員期間と厚生年金保険期間とを合算した期間が二十年以上となるもの(一年以上の引き続く組合員期間を有する者及び前項の規定により一年以上の引き続く組合員期間を有する者と見なされる者に限る。)に係る国家公務員共済組合法第七十七条第二項の規定の適用については、その者は、組合員期間が二十年以上である者とみなす。
3通信・放送機構の役職員であった組合員のうち、組合員期間が二十年未満であり、かつ、当該組合員期間と厚生年金保険期間とを合算した期間が二十年以上となるものに係る国家公務員共済組合法第八十九条第一項及び第二項の規定の適用については、その者は、組合員期間が二十年以上である者とみなす。
4通信・放送機構の役職員であった組合員のうち、厚生年金保険期間及び組合員期間がいずれも二十年未満であり、かつ、これらの期間を合算した期間が二十年以上となるものに係る国家公務員共済組合法による退職共済年金については、その年金額の算定の基礎となる組合員期間が二十年以上であるものとみなして、同法第七十八条の規定を適用する。この場合において、同条第一項中「六十五歳未満の配偶者」とあるのは「配偶者」と、同条第四項中「次の各号」とあるのは「次の各号(第四号を除く。)」とする。
5前項に規定する者に係る国家公務員共済組合法による遺族共済年金については、その年金額の算定の基礎となる組合員期間が二十年以上であるものとみなして、同法第九十条の規定を適用する。
6通信・放送機構の役職員であった組合員のうち、組合員期間が一年未満であり、かつ、当該組合員期間と厚生年金保険期間とを合算した期間が一年以上となるものに係る国家公務員共済組合法附則第十二条の三の規定の適用については、その者は、一年以上の組合員期間を有する者とみなす。
7通信・放送機構の役職員であった組合員のうち、厚生年金保険期間及び組合員期間がいずれも四十四年未満であり、かつ、これらの期間を合算した期間が四十四年以上となるものに係る国家公務員共済組合法附則第十二条の四の三第一項又は第三項の規定の適用については、その者は、組合員期間が四十四年以上である者とみなす。