(再生手続開始の決定等に関する通知の特例)
第十四条農水産業協同組合について再生手続開始の決定をしたときは、再生債権者である貯金者等に対しては、民事再生法第三十五条第三項第一号の規定による通知は、することを要しない。
2前項の場合には、裁判所は、機構に対して、民事再生法第三十五条第一項及び第二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。
3農水産業協同組合の再生手続において、第十六条第一項の規定による貯金者表の提出があるまでに、民事再生法第三十四条第一項の規定により定めた再生債権の届出をすべき期間(以下「再生債権届出期間」という。)に変更を生じた場合又は再生手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、再生債権者である貯金者等であって同法第九十四条第一項の規定による届出をしていないものに対しては、同法第三十五条第五項本文において準用する同条第三項第一号の規定又は同法第三十七条本文の規定による通知は、することを要しない。
4前項の場合には、裁判所は、機構に対して、再生債権届出期間について生じた変更の内容又は再生手続開始の決定を取り消す決定の主文を通知しなければならない。ただし、民事再生法第三十四条第二項の決定があったときは、この限りでない。
(貯金者表の作成等)
第十五条機構は、前条第二項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、知れている再生債権である貯金等債権(機構が債権者であるものを除く。第四項において同じ。)について、民事再生法第九十九条第二項に規定する事項を記載した貯金者表を作成しなければならない。
2機構は、前項の規定により貯金者表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、再生債権届出期間の末日の前日までの間、貯金者表を貯金者等の縦覧に供しなければならない。
3前項の規定による貯金者表の縦覧の開始の日は、再生債権届出期間の末日の前日の二週間以上前の日でなければならない。
4機構は、貯金者表を縦覧に供することを開始した後、当該貯金者表に記載されていない貯金等債権があることを知ったときは、遅滞なく、当該貯金者表に、当該貯金等債権に係る第一項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該貯金者表に記載されている貯金等債権について当該貯金者等の利益となる記載の変更を加えるべきことを知ったときも、同様とする。
5機構は、貯金者表を縦覧に供することを開始した後でも、当該貯金者表に記載されている貯金者等の承諾を得て、当該貯金者等に係る貯金等債権について、その記載を削除し、又は当該貯金者等の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、機構が、当該貯金者表に記載されている貯金者等に係る貯金等債権を、農水産業協同組合貯金保険法第六十条第一項若しくは第三項の規定により取得し、又は同法第七十条の規定により買い取った場合において、当該貯金等債権について、その記載を削除し、又は当該貯金者等の不利益となる記載の変更を行うときは、当該貯金者等の承諾を要しない。
(貯金者表の提出等)
第十六条機構は、再生債権届出期間の末日に、前条の規定により作成した貯金者表を裁判所に提出しなければならない。
2前条第四項前段の規定は、機構が、貯金者表を裁判所に提出した後、当該貯金者表に記載されていない貯金等債権(機構が債権者であるもの及び既に貯金者等が民事再生法の規定により裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3前項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加は、民事再生法第百六十九条第一項の規定による再生計画案を決議に付する旨の決定がされた後は、することができない。
4機構は、第一項の規定による貯金者表の提出又は第二項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加をする場合には、民事再生法第九十四条第一項に規定する事項(前条第一項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
5農水産業協同組合の再生手続についての民事再生法第十六条第一項及び第十六条の二第一項の規定の適用については、同法第十六条第一項中「同じ。)」とあるのは「同じ。)及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律(平成十二年法律第九十五号。同項において「再生特例法」という。)」と、同法第十六条の二第一項中「この法律」とあるのは「この法律及び再生特例法」とする。
(貯金者等の参加)
第十八条前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる貯金等債権(機構が民事再生法第九十六条の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら再生手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、再生債権の確定に関する裁判手続に関する行為については、この限りでない。
2前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、再生手続が終了するまでの間、することができる。
3参加の届出があったときは、裁判所は、これを機構に通知しなければならない。
4参加の届出をした貯金者等は、前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる当該貯金者等に係る貯金等債権の全部をもって、自ら再生手続に参加するものとする。
(機構による議決権の行使)
第二十六条機構は、再生計画案又は変更計画案についての議決権行使の方法として民事再生法第百六十九条第二項第一号に掲げる方法が定められた場合において、機構代理貯金者のために議決権を行使しようとするときは、当該再生計画案又は変更計画案が決議に付される最初の債権者集会の期日の二週間前までに、同意しようとする再生計画案又は変更計画案の内容を機構代理貯金者に通知するとともに、公告しなければならない。
2機構は、再生計画案又は変更計画案についての議決権行使の方法として民事再生法第百六十九条第二項第二号又は第三号に掲げる方法が定められた場合において、機構代理貯金者のために議決権を行使しようとするときは、同項第二号に規定する期間の末日の二週間前までに、同意しようとする再生計画案又は変更計画案の内容を機構代理貯金者に通知するとともに、公告しなければならない。
3機構は、機構代理貯金者のために民事再生法第二百十一条第一項又は第二百十七条第一項の規定により再生計画案についての同意並びに再生債権の調査及び確定の手続を経ないことについての同意をしようとするときは、その二週間前までに、当該再生計画案の内容を機構代理貯金者に通知するとともに、公告しなければならない。
(決済債務の弁済等の許可)
第二十八条再生手続開始の決定があった農水産業協同組合に対し農水産業協同組合貯金保険法第六十九条の三第一項(同法第百十一条において準用する場合を含む。)の規定による資金の貸付けを行う旨の決定があるときは、民事再生法第八十五条第一項の規定にかかわらず、裁判所は、再生債務者等の申立てにより、農水産業協同組合貯金保険法第六十九条の三第一項に規定する決済債務の弁済又は同法第百十一条に規定する支払対象貯金等の払戻しを許可することができる。
2裁判所は、前項の許可と同時に、弁済を行う決済債務の種類又は払戻しを行う貯金等の種別、弁済又は払戻し(以下「弁済等」という。)の限度額及び弁済等をする期間を定めなければならない。この場合においては、当該期間の末日は、再生債権届出期間の末日より前の日でなければならないものとする。
3裁判所は、前項の規定による定めをするときは、あらかじめ、機構の意見を聴かなければならない。