(流域水害対策計画の策定)
第四条前条の規定により特定都市河川及び特定都市河川流域が指定されたときは、当該特定都市河川の河川管理者、当該特定都市河川流域の区域の全部又は一部をその区域に含む都道府県及び市町村の長並びに当該特定都市河川流域に係る特定都市下水道の下水道管理者(以下「河川管理者等」という。)は、共同して、特定都市河川流域における浸水被害の防止を図るための対策に関する計画(以下「流域水害対策計画」という。)を定めなければならない。
2流域水害対策計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
三特定都市河川流域において都市浸水の発生を防ぐべき目標となる降雨
四前号の降雨が生じた場合に都市浸水が想定される区域及び浸水した場合に想定される水深(第五十三条第一項及び第五十六条第一項において「都市浸水想定」という。)
六特定都市河川流域において当該特定都市河川の河川管理者が行う雨水貯留浸透施設の整備に関する事項
七下水道管理者が行う特定都市下水道の整備に関する事項(汚水のみを排除するためのものを除く。)
八特定都市河川流域において河川管理者及び下水道管理者以外の者が行う雨水貯留浸透施設の整備その他浸水被害の防止を図るための雨水の一時的な貯留又は地下への浸透に関する事項
九第十一条第一項に規定する雨水貯留浸透施設整備計画の同項の認定に関する基本的事項
十下水道管理者が管理する特定都市下水道のポンプ施設(河川に下水を放流するためのものに限る。)の操作に関する事項
十二第五十三条第一項に規定する貯留機能保全区域又は第五十六条第一項に規定する浸水被害防止区域の指定の方針
十三浸水被害が発生した場合における被害の拡大を防止するための措置に関する事項
十四前各号に定めるもののほか、浸水被害の防止を図るために必要な措置に関する事項
3前項第八号に掲げる事項には、特定都市河川流域の区域の全部又は一部をその区域に含む市町村における緑地に関する施策(当該緑地における雨水貯留浸透施設の整備その他当該緑地が有する雨水を一時的に貯留し又は地下に浸透させる機能を確保し又は向上させるためのものであって、浸水被害の防止を目的とするものに限る。)に関する事項を記載することができる。
4河川管理者等は、第一項の規定により流域水害対策計画を定めるときは、あらかじめ、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。ただし、当該流域水害対策計画に係る特定都市河川の河川管理者が国土交通大臣である場合は、この限りでない。
5河川管理者等は、流域水害対策計画を定める場合において必要があると認めるときは、あらかじめ、河川及び下水道に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。
6河川管理者等は、前項に規定する場合において必要があると認めるときは、あらかじめ、公聴会の開催等特定都市河川流域内の住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
7河川管理者等は、流域水害対策計画のうち第二項第五号及び第六号に掲げる事項については、当該特定都市河川の河川管理者が作成する案に基づいて定めるものとする。
8河川管理者等は、流域水害対策計画のうち第二項第七号に掲げる事項については、当該特定都市下水道の下水道管理者及び当該下水道管理者の管理する下水道の排水区域の全部又は一部をその区域に含む都道府県の知事が共同して作成する案に基づいて定めるものとする。ただし、当該排水区域の全部が一の市町村の区域内にある場合においては、当該下水道管理者が作成する案に基づいて定めるものとする。
9河川管理者等は、流域水害対策計画のうち第二項第八号に掲げる事項(特定都市河川流域において地方公共団体が行う雨水貯留浸透施設の整備に係るものに限る。)については、当該地方公共団体が作成する案に基づいて定めるものとする。
10河川管理者等は、流域水害対策計画を定めたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、これを公表しなければならない。
11河川管理者等は、流域水害対策計画を定めたときは、定期的に、流域水害対策計画に基づく措置の実施の状況に関する評価を行い、流域水害対策計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更することその他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。
12第四項から第十項までの規定は、流域水害対策計画の変更について準用する。
(流域水害対策協議会)
第六条第三条第一項及び第三項の規定により特定都市河川及び特定都市河川流域が指定されたときは、河川管理者等は、共同して、流域水害対策計画の作成及び変更に関する協議並びに流域水害対策計画の実施に係る連絡調整を行うため、流域水害対策協議会を組織するものとする。
2流域水害対策協議会は、次に掲げる者をもって構成する。
三当該特定都市河川流域の区域の全部又は一部をその区域に含む都道府県又は市町村に隣接する地方公共団体の長、学識経験者その他の河川管理者等が必要と認める者
3流域水害対策協議会において協議が調った事項については、流域水害対策協議会の構成員はその協議の結果を尊重しなければならない。
4前三項に定めるもののほか、流域水害対策協議会の運営に関し必要な事項は、流域水害対策協議会が定める。