(生物検査命令)
第十七条主務大臣は、主務省令で定めるところにより、前条の規定による届出をした者に対し、その者が行う輸入に係る生物(第三項及び第五項において「検査対象生物」という。)につき、主務大臣又は主務大臣の登録を受けた者(以下「登録検査機関」という。)から、同条の指定の理由となった遺伝子組換え生物等であるかどうかについての検査(以下「生物検査」という。)を受けるべきことを命ずることができる。
2主務大臣は、前項の規定による命令は、前条の規定による届出を受けた後直ちにしなければならない。
3第一項の規定による命令を受けた者は、生物検査を受け、その結果についての通知を受けるまでの間は、施設等を用いることその他の主務大臣の指定する条件に基づいて検査対象生物の使用等をしなければならず、また、検査対象生物を譲渡し、又は提供してはならない。
4前項の通知であって登録検査機関がするものは、主務大臣を経由してするものとする。
5主務大臣は、第三項に規定する者が同項の規定に違反していると認めるときは、その者に対し、同項の条件に基づいて検査対象生物の使用等をすることその他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
(登録検査機関)
第十八条前条第一項の登録(以下この節において「登録」という。)は、生物検査を行おうとする者の申請により行う。
2次の各号のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。
一この法律に規定する罪を犯して刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者であること。
二第二十一条第四項又は第五項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。
三法人であって、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があること。
3主務大臣は、登録の申請をした者(以下この項において「登録申請者」という。)が次の各号のいずれにも適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、主務省令で定める。
一凍結乾燥器、粉砕機、天びん、遠心分離機、分光光度計、核酸増幅器及び電気泳動装置を有すること。
二次のいずれかに該当する者が生物検査を実施し、その人数が生物検査を行う事業所ごとに二名以上であること。
イ学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学(短期大学を除く。)、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学又は旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)に基づく専門学校において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学、農芸化学、応用化学若しくは生物学の課程又はこれらに相当する課程を修めて卒業した後、一年以上分子生物学的検査の業務に従事した経験を有する者であること。
ロ学校教育法に基づく短期大学(同法に基づく専門職大学の前期課程を含む。)又は高等専門学校において工業化学若しくは生物学の課程又はこれらに相当する課程を修めて卒業した後(同法に基づく専門職大学の前期課程にあっては、修了した後)、三年以上分子生物学的検査の業務に従事した経験を有する者であること。
ハイ及びロに掲げる者と同等以上の知識経験を有する者であること。
三登録申請者が、業として遺伝子組換え生物等の使用等をし、又は遺伝子組換え生物等を譲渡し、若しくは提供している者(以下この号において「遺伝子組換え生物使用業者等」という。)に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
イ登録申請者が株式会社である場合にあっては、遺伝子組換え生物使用業者等がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいう。)であること。
ロ登録申請者の役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。)にあっては、業務を執行する社員)に占める遺伝子組換え生物使用業者等の役員又は職員(過去二年間にその遺伝子組換え生物使用業者等の役員又は職員であった者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。
ハ登録申請者(法人にあっては、その代表権を有する役員)が、遺伝子組換え生物使用業者等の役員又は職員(過去二年間にその遺伝子組換え生物使用業者等の役員又は職員であった者を含む。)であること。
4登録は、登録検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
(遵守事項等)
第十九条登録検査機関は、生物検査を実施することを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、生物検査を実施しなければならない。
2登録検査機関は、公正に、かつ、主務省令で定める方法により生物検査を実施しなければならない。
3登録検査機関は、生物検査を実施する事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、主務大臣に届け出なければならない。
4登録検査機関は、その生物検査の業務の開始前に、主務省令で定めるところにより、その生物検査の業務の実施に関する規程を定め、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
5登録検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項及び次項において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備えて置かなければならない。
6生物検査を受けようとする者その他の利害関係人は、登録検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録検査機関の定めた費用を支払わなければならない。
一財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
三財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって主務省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
7登録検査機関は、主務省令で定めるところにより、帳簿を備え、生物検査に関し主務省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
8登録検査機関は、主務大臣の許可を受けなければ、その生物検査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(適合命令等)
第二十一条主務大臣は、登録検査機関が第十八条第三項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
2主務大臣は、登録検査機関が第十九条第一項若しくは第二項の規定に違反していると認めるとき、又は登録検査機関が行う第十七条第三項の通知の記載が適当でないと認めるときは、その登録検査機関に対し、生物検査を実施すべきこと又は生物検査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
3主務大臣は、第十九条第四項の規程が生物検査の公正な実施上不適当となったと認めるときは、その規程を変更すべきことを命ずることができる。
4主務大臣は、登録検査機関が第十八条第二項第一号又は第三号に該当するに至ったときは、登録を取り消さなければならない。
5主務大臣は、登録検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて生物検査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一第十九条第三項から第五項まで、第七項又は第八項の規定に違反したとき。
二第十九条第四項の規程によらないで生物検査を実施したとき。
三正当な理由がないのに第十九条第六項各号の規定による請求を拒んだとき。
四第一項から第三項までの規定による命令に違反したとき。