(機構の行う家賃債務保証保険契約に係る保険)
第二十条機構は、機構法第十三条第一項に規定する業務のほか、家賃債務保証保険契約に係る保険を行うことができる。
2前項の「家賃債務保証保険契約」とは、機構が事業年度ごとに家賃債務保証業者(賃貸住宅の賃借人の委託を受けて当該賃借人の家賃の支払に係る債務(以下「家賃債務」という。)を保証することを業として行う者であって、家賃債務の保証を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして国土交通省令で定める要件に該当する者をいう。以下この条において同じ。)と締結する契約であって、家賃債務保証業者が登録住宅に入居する住宅確保要配慮者(以下「登録住宅入居者」という。)の家賃債務(利息に係るものを除く。以下この条において同じ。)の保証をしたことを機構に通知することにより、当該家賃債務保証業者が登録住宅入居者の家賃債務につき保証をした金額の総額が一定の金額に達するまで、その保証につき、機構と当該家賃債務保証業者との間に保険関係が成立する旨を定めるものをいう。
3前項に規定する家賃債務保証保険契約(第十項において単に「家賃債務保証保険契約」という。)に係る保険関係においては、家賃債務保証業者が登録住宅入居者の家賃債務につき保証をした金額を保険価額とし、家賃債務保証業者が登録住宅入居者に代わってする家賃債務の全部又は一部の弁済を保険事故とし、保険価額に百分の七十を超えない範囲内において国土交通省令で定める割合を乗じて得た金額を保険金額とする。
4機構が前項の保険関係に基づいて支払うべき保険金の額は、家賃債務保証業者が登録住宅入居者に代わって弁済をした家賃債務の額から当該家賃債務保証業者が保険金の支払の請求をする時までに当該登録住宅入居者に対する求償権(弁済をした日以後の利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償に係る部分を除く。)を行使して取得した額を控除した残額に、同項の国土交通省令で定める割合を乗じて得た額とする。
5前項の求償権を行使して取得した額は、家賃債務保証業者が登録住宅入居者の家賃債務のほか利息又は費用についても弁済をしたときは、当該求償権を行使して取得した総額に、その弁済をした家賃債務の額の総弁済額に対する割合を乗じて得た額とする。
6家賃債務保証業者は、保険事故の発生の日から一年を超えない範囲内において国土交通省令で定める期間を経過した後は、保険金の支払の請求をすることができない。
7家賃債務保証業者は、第三項の保険関係が成立した保証に基づき登録住宅入居者に代わって弁済をした場合には、その求償に努めなければならない。
8保険金の支払を受けた家賃債務保証業者は、その支払の請求をした後登録住宅入居者に対する求償権(家賃債務保証業者が登録住宅入居者に代わって家賃債務の弁済をした日以後保険金の支払を受けた日までの利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償に係る部分を除く。)を行使して取得した額に、当該支払を受けた保険金の額の当該保険金に係る第四項に規定する残額に対する割合を乗じて得た額を機構に納付しなければならない。
9前項の求償権を行使して取得した額については、第五項の規定を準用する。
10機構は、家賃債務保証業者が家賃債務保証保険契約の条項に違反したときは、第三項の保険関係に基づく保険金の全部若しくは一部を支払わず、若しくは保険金の全部若しくは一部を返還させ、又は将来にわたって当該保険契約を解除することができる。