(定義)
第二条この省令において「有価証券発行学校法人」とは、金融商品取引法施行令(昭和四十年政令第三百二十一号)第一条第二号に掲げる証券若しくは証書を発行し、若しくは発行しようとし、又は同令第一条の三の四に規定する権利を有価証券として発行し、若しくは発行しようとする学校法人等(法第三条に規定する学校法人及び法第六十四条第四項に規定する法人をいう。以下同じ。)であって、当該証券若しくは当該証書又は当該権利について金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)に規定する募集又は売出しを行うものをいう。
2この省令において「財務諸表」とは、法第四十七条第一項に規定する書類のうち貸借対照表及び収支計算書(損益計算書、純資産変動計算書、キャッシュ・フロー計算書及び附属明細表に限る。)をいう。
3この省令において「一年内」とは、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内の日をいう。
4この省令において「経常的な活動」とは、有価証券発行学校法人の事業目的のための事業活動において経常的に又は短期的に循環して行われる活動をいう。
5この省令において「子会社」とは、有価証券発行学校法人が会社等(会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む。)をいう。以下同じ。)の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下この項及び次項において「意思決定機関」という。)を支配している場合の当該会社等をいう。この場合において、有価証券発行学校法人及び子会社又は子会社が他の会社等の意思決定機関を支配している場合における当該他の会社等も、当該有価証券発行学校法人の子会社とみなす。
6前項に規定する「会社等の意思決定機関を支配している場合」とは、次に掲げる場合(財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の会社等の意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる場合を除く。)をいう。
一会社等(民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)の規定による再生手続開始の決定を受けた会社等、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)の規定による更生手続開始の決定を受けた株式会社、破産法(平成十六年法律第七十五号)の規定による破産手続開始の決定を受けた会社等その他これらに準ずる会社等であって、かつ、有効な支配従属関係が存在しないと認められるものを除く。以下この項において同じ。)の議決権の過半数を自己の計算において所有している場合
二会社等の議決権の百分の四十以上百分の五十以下を自己の計算において所有している場合であって、かつ、次に掲げる要件のいずれかに該当する場合
イ自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、当該会社等の議決権の過半数を占めていること。
ロ役員等(理事、監事、評議員若しくはこれらに準ずる者をいう。以下同じ。)である者(子会社にあっては、役員、業務を執行する社員若しくは使用人である者。第八項第二号イにおいて同じ。)又はこれらであった者であって自己が当該会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、当該会社等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めていること。
ハ当該会社等の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。
ニ当該会社等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。第十一項において同じ。)の総額の過半について融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下同じ。)を行っていること(自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の過半となる場合を含む。第十一項において同じ。)。
ホその他当該会社等の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること。
三自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて当該会社等の議決権の過半数を占めている場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)であって、かつ、前号ロからホまでに掲げる要件のいずれかに該当する場合
7この省令において「関連会社」とは、有価証券発行学校法人及びその子会社が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社以外の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該子会社以外の会社等をいう。
8前項に規定する「子会社以外の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合」とは、次に掲げる場合(財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて子会社以外の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないことが明らかであると認められる場合を除く。)をいう。
一子会社以外の会社等(民事再生法の規定による再生手続開始の決定を受けた会社等、会社更生法の規定による更生手続開始の決定を受けた株式会社、破産法の規定による破産手続開始の決定を受けた会社等その他これらに準ずる会社等であって、かつ、当該会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないと認められる会社等を除く。以下この項において同じ。)の議決権の百分の二十以上を自己の計算において所有している場合
二子会社以外の会社等の議決権の百分の十五以上百分の二十未満を自己の計算において所有している場合であって、かつ、次に掲げる要件のいずれかに該当する場合
イ役員等である者又はこれらであった者であって自己が当該子会社以外の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、当該子会社以外の会社等の代表取締役、取締役又はこれらに準ずる役職に就任していること。
ロ当該子会社以外の会社等に対して重要な融資を行っていること。
ハ当該子会社以外の会社等に対して重要な技術を提供していること。
ニ当該子会社以外の会社等との間に重要な販売、仕入れその他の営業上又は事業上の取引があること。
ホその他当該子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができることが推測される事実が存在すること。
三自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて当該子会社以外の他の会社等の議決権の百分の二十以上を占めている場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)であって、かつ、前号イからホまでに掲げる要件のいずれかに該当する場合
四複数の独立した学校法人等及び企業(会社及び会社に準ずる事業体をいう。以下この号において同じ。)により、契約等に基づいて共同で支配される企業に該当する場合
9特別目的会社(資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号。以下この項において「資産流動化法」という。)第二条第三項に規定する特定目的会社及び事業内容の変更が制限されているこれと同様の事業を営む事業体をいう。以下この項において同じ。)については、適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者(資産流動化法第二条第十二項に規定する特定目的借入れに係る債権者を含む。)に享受させることを目的として設立されており、当該特別目的会社の事業がその目的に従って適切に遂行されているときは、当該特別目的会社に対する出資者及び当該特別目的会社に資産を譲渡した会社等(以下この項において「出資者等」という。)から独立しているものと認め、第五項及び第六項の規定にかかわらず、出資者等の子会社に該当しないものと推定する。
10この省令において「関係会社」とは、有価証券発行学校法人の子会社及び関連会社をいう。
11この省令において「関係学校法人」とは、有価証券発行学校法人と人事、資金、技術、取引等の関係を通じて密接な関係を有する次に掲げる学校法人等をいう。
一次に掲げる要件のいずれかに該当する学校法人等
イ当該有価証券発行学校法人の重要な財務又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。
ロ当該有価証券発行学校法人の資金調達額の総額の過半について融資を行っていること。
ハ役員等である者又はこれらであった者であって自己が当該有価証券発行学校法人の財務及び事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、当該有価証券発行学校法人の役員等の過半数を占めていること。
二有価証券発行学校法人が次に掲げる要件のいずれかに該当する場合における当該他の学校法人等(民事再生法の規定による再生手続開始の決定を受けた学校法人等、破産法の規定による破産手続開始の決定を受けた学校法人等その他これらに準ずる学校法人等であって、かつ、当該学校法人等の財務及び事業の方針の決定に関し密接な関係を有さないと認められるものを除く。以下この号において同じ。)
イ他の学校法人等の重要な財務又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。
ロ他の学校法人等の資金調達額の総額の過半について融資を行っていること。
ハ役員等である者又はこれらであった者であって自己が他の学校法人等の財務及び事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、当該他の学校法人等の役員等の過半数を占めていること。
12この省令において「関連当事者」とは、次に掲げる者をいう。
二有価証券発行学校法人の関連会社及び当該関連会社の子会社
三有価証券発行学校法人の関係学校法人及び当該関係学校法人の子会社
四有価証券発行学校法人と同一の関係学校法人をもつ学校法人等
五有価証券発行学校法人の役員等及びその近親者(配偶者又は二親等以内の親族をいう。)
六前号に掲げる者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社等及び当該会社等の子会社
七職員(校長及び教員を含む。以下同じ。)のための適格退職年金等(有価証券発行学校法人と重要な取引(掛金の拠出を除く。)を行う場合に限る。)
13この省令において「キャッシュ・フロー」とは、次項に規定する資金の増加又は減少をいう。
14この省令において「資金」とは、現金(当座預金、普通預金その他預金者が一定の期間を経ることなく引き出すことができる預金を含む。以下第五章において同じ。)及び現金同等物(容易に換金することが可能であり、かつ、価値の変動のリスクが低い短期的な有価証券等の投資をいう。以下同章において同じ。)であって第三十六条により規定する流動資産に属するものをいう。
15この省令において「売買目的有価証券」とは、時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券をいう。
16この省令において「満期保有目的の債券」とは、満期まで所有する意図をもって保有する社債券その他の債券(満期まで所有する意図をもって取得したものに限る。)をいう。
17この省令において「その他有価証券」とは、売買目的有価証券、満期保有目的の債券並びに子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券をいう。
(リース取引に関する注記)
第八条ファイナンス・リース取引(リース契約に基づくリース期間の中途において当該リース契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引(次項において「解約不能のリース取引」という。)であって、当該リース契約により使用する物件(以下「リース物件」という。)の借主が、当該リース物件からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じる費用等を実質的に負担することとなるものをいう。以下同じ。)については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
一有価証券発行学校法人がリース物件の借主である場合次に掲げる事項
二有価証券発行学校法人がリース物件の貸主である場合次に掲げる事項
イ当会計年度末におけるリース投資資産に係るリース料債権(将来のリース料を収受する権利をいう。以下この号において同じ。)部分の金額及び見積残存価額(リース期間終了時に見積られる残存価額であって借主又は第三者による保証のない額をいう。)部分の金額並びに受取利息相当額
ロ当会計年度末におけるリース債権及びリース投資資産に係るリース料債権部分の金額について、貸借対照表日後五年内における一年ごとの回収予定額及び貸借対照表日後五年超の回収予定額
2当会計年度末におけるオペレーティング・リース取引(リース取引のうちファイナンス・リース取引以外のものをいう。)のうち解約不能のリース取引については、当該解約不能のリース取引に係る未経過リース料の金額を一年内のリース期間に係る金額及びそれ以外の金額に区分して注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
3転リース取引(リース物件の所有者から物件のリースを受け、さらに当該物件をほぼ同一の条件で第三者にリースする取引をいう。以下この項において同じ。)であって借主としてのリース取引及び貸主としてのリース取引がともにファイナンス・リース取引に該当する場合において、有価証券発行学校法人が転リース取引に係るリース債権若しくはリース投資資産又はリース債務を利息相当額を控除する前の金額で貸借対照表に計上しているときには、当該リース債権若しくはリース投資資産又はリース債務の金額を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
(有価証券に関する注記)
第九条有価証券については、次の各号に掲げる有価証券の区分に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。ただし、第六号に定める事項については、同号に掲げるその他有価証券の売却損益の合計額の金額の重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。
二満期保有目的の債券のうち時価のあるもの次に掲げる金額
ハ当該債券を貸借対照表日における時価が貸借対照表日における貸借対照表計上額を超えるもの及び当該時価が当該貸借対照表計上額を超えないものに区分し、当該区分ごとの当該時価と当該貸借対照表計上額との差額
三子会社株式及び関連会社株式で時価のあるもの(第一号に該当するものを除く。)次に掲げる金額
ハ貸借対照表日における貸借対照表計上額と貸借対照表日における時価との差額
四その他有価証券のうち時価のあるもの有価証券の種類(株式及び債券等をいう。)ごとの次に掲げる金額
ハ当該有価証券を貸借対照表日における貸借対照表計上額が取得原価を超えるもの及び当該貸借対照表計上額が取得原価を超えないものに区分し、当該区分ごとの当該貸借対照表計上額と取得原価との差額
五当該会計年度中に売却した満期保有目的の債券債券の種類ごとの売却原価、売却額、売却損益及び売却の理由
六当該会計年度中に売却したその他有価証券売却額、売却益の合計額及び売却損の合計額
2時価評価されていない有価証券(前項第二号及び第三号に掲げる有価証券を除く。)がある場合には、主なものについて保有目的ごとにその内容及び貸借対照表計上額を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
3当該会計年度中に売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式並びにその他有価証券の保有目的を変更した場合には、その旨、変更の理由(満期保有目的の債券の保有目的を変更した場合に限る。)及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
4その他有価証券のうち満期があるもの及び満期保有目的の債券については、有価証券の種類(株式及び債券等(債券にあっては債券の種類)をいう。)ごとに、償還予定額の合計額を一定の期間に区分した金額を注記しなければならない。
(関連当事者との取引に関する注記)
第十二条有価証券発行学校法人と関連当事者との間に取引がある場合(当該関連当事者が第三者のために当該有価証券発行学校法人との間で行う取引及び当該有価証券発行学校法人と第三者との間の取引であって当該関連当事者が当該取引に関して当該有価証券発行学校法人に重要な影響を及ぼしているものがある場合を含む。)には、その重要なものについて、次に掲げる事項を関連当事者ごとに注記しなければならない。
一当該関連当事者が会社等である場合には、その名称、所在地、資本金又は出資金、事業の内容及び当該関連当事者の議決権に対する当該有価証券発行学校法人の所有割合
二当該関連当事者が個人である場合には、その氏名及び職業
三当該有価証券発行学校法人と当該関連当事者との関係
七取引により発生した債権又は債務に係る主な科目別の当会計年度末における残高
八取引条件の変更があった場合には、その旨、変更の内容及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容
九関連当事者に対する債権が貸倒懸念債権(経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じている、又は生じる可能性の高い債務者に対する債権をいう。)又は破産更生債権等(破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権をいう。第三十一条第一項第十一号において同じ。)に区分されている場合には、次に掲げる事項
ハ当会計年度に計上した貸倒損失等(一般債権(経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権をいう。)に区分されていた場合において生じた貸倒損失を含む。)
十関連当事者との間の取引に関して、貸倒引当金以外の引当金が設定されている場合において、注記することが適当と認められるものについては、前号に準ずる事項
2前項の規定にかかわらず、同項第九号及び第十号に掲げる事項は、第二条第十二項各号に掲げる関連当事者の種類ごとに合算して記載することができる。
3関連当事者との間の取引のうち次に掲げるものについては、第一項に規定する注記を要しない。
一一般競争入札による取引並びに預金利息及び配当の受取りその他取引の性質から見て取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引
4第一項及び第二項の規定による注記は、様式第一号により記載するものとする。