(特定離島港湾施設の存する港湾における水域の占用の許可等)
第九条特定離島港湾施設の存する港湾において、当該港湾の利用又は保全上特に必要があると認めて国土交通大臣が水域(政令で定めるその上空及び水底の区域を含む。)を定めて公告した場合において、その水域において、次に掲げる行為をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
一水域の占用(公有水面の埋立てによる場合を除く。)
三前二号に掲げるもののほか、港湾の利用又は保全に支障を与えるおそれのある政令で定める行為
2国土交通大臣は、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第三条第一項に規定する河川に係る同法第六条第一項に規定する河川区域又は海岸法第三条第一項の規定により指定される海岸保全区域について、前項の水域を定めようとするときは、当該河川を管理する河川法第七条に規定する河川管理者又は当該海岸保全区域を管理する海岸法第二条第三項に規定する海岸管理者に協議しなければならない。
3国土交通大臣は、第一項の行為が、港湾の利用又は保全に著しく支障を与えるものであるときは、同項の許可をしてはならない。
4国土交通大臣は、特定離島港湾施設の建設又は改良の工事のために必要な場合その他の港湾の機能の維持若しくは増進又は公益上の観点から特に必要なものとして政令で定める場合を除き、特定離島港湾施設である泊地その他の国土交通省令で定める水域施設について第一項第一号又は第三号の行為に係る同項の許可をしてはならない。
5国又は地方公共団体が第一項の行為をしようとする場合には、同項中「国土交通大臣の許可を受けなければ」とあるのは「国土交通大臣と協議しなければ」と、前二項中「許可をしては」とあるのは「協議に応じては」とする。
6国土交通大臣は、国土交通省令で定めるところにより、第一項第一号又は第二号の行為に係る同項の許可を受けた者から占用料又は土砂採取料を徴収することができる。
7国土交通大臣は、国土交通省令で定めるところにより、偽りその他不正の行為により前項の占用料又は土砂採取料の徴収を免れた者から、その徴収を免れた金額の五倍に相当する金額以下の過怠金を徴収することができる。
(監督処分)
第十一条国土交通大臣は、次に掲げる者に対し、工事その他の行為の中止又は工作物若しくは船舶その他の物件(以下この条において「工作物等」という。)の撤去、移転若しくは改築、工事その他の行為若しくは工作物等により生じた若しくは生ずべき障害を除去し、若しくは予防するため必要な施設の設置その他の措置をとること若しくは原状の回復(第三項及び第九項において「工作物等の撤去等」という。)を命ずることができる。
一第九条第一項の規定に違反して、同項各号に掲げる行為をした者
二第九条第一項の規定による許可に付した条件に違反した者
三偽りその他不正な手段により第九条第一項の規定による許可を受けた者
2国土交通大臣は、前項第二号又は第三号に該当する者に対し、第九条第一項の規定による許可を取り消し、その効力を停止し、その条件を変更し、又は新たな条件を付することができる。
3第一項の規定により工作物等の撤去等を命じようとする場合において、過失がなくて当該工作物等の撤去等を命ずべき者を確知することができないときは、国土交通大臣は、当該工作物等の撤去等を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該工作物等の撤去等を行うべき旨及びその期限までに当該工作物等の撤去等を行わないときは、国土交通大臣又はその命じた者若しくは委任した者が当該工作物等の撤去等を行う旨を、あらかじめ、公告しなければならない。
4国土交通大臣は、前項の規定により工作物等を撤去し、又は撤去させたときは、当該工作物等を保管しなければならない。
5国土交通大臣は、前項の規定により工作物等を保管したときは、当該工作物等の所有者、占有者その他当該工作物等について権原を有する者(第九項において「所有者等」という。)に対し当該工作物等を返還するため、国土交通省令で定めるところにより、国土交通省令で定める事項を公示しなければならない。
6国土交通大臣は、第四項の規定により保管した工作物等が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又は前項の規定による公示の日から起算して三月を経過してもなお当該工作物等を返還することができない場合において、国土交通省令で定めるところにより評価した当該工作物等の価額に比し、その保管に不相当な費用又は手数を要するときは、国土交通省令で定めるところにより、当該工作物等を売却し、その売却した代金を保管することができる。
7国土交通大臣は、前項の規定による工作物等の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該工作物等を廃棄することができる。
8第六項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。
9第三項から第六項までに規定する撤去、保管、売却、公示その他の措置に要した費用は、当該工作物等の返還を受けるべき所有者等その他当該工作物等の撤去等を命ずべき者の負担とする。
10第五項の規定による公示の日から起算して六月を経過してもなお第四項の規定により保管した工作物等(第六項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該工作物等の所有権は、国に帰属する。
(強制徴収)
第十三条第九条第六項の規定に基づく占用料若しくは土砂採取料、同条第七項の規定に基づく過怠金又は第十一条第九項の規定に基づく負担金(以下この条において「負担金等」と総称する。)をその納期限までに納付しない者がある場合においては、国土交通大臣は、督促状によって納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して二十日以上経過した日でなければならない。
2国土交通大臣は、前項の規定による督促をした場合においては、国土交通省令で定めるところにより、延滞金を徴収することができる。この場合において、延滞金は、年十四・五パーセントの割合で計算した額を超えない範囲内で定めなければならない。
3第一項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、国土交通大臣は、国税滞納処分の例により負担金等及び前項の延滞金を徴収することができる。この場合における負担金等及び延滞金の先取特権は、国税及び地方税に次ぐものとする。