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平成三十年法律第七十三号

法務局における遺言書の保管等に関する法律

(趣旨)

第一条この法律は、法務局(法務局の支局及び出張所、法務局の支局の出張所並びに地方法務局及びその支局並びにこれらの出張所を含む。第三条第一項において同じ。)における遺言書の保管及び情報の管理に関し必要な事項を定めるとともに、その遺言書の取扱いに関し特別の定めをするものとする。

(定義)

第二条この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一自筆証書遺言書民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百六十八条の自筆証書によってした遺言に係る遺言書をいう。
二保管証書遺言書民法第九百六十八条の二の保管証書によってする遺言に係る遺言書をいう。
三書面保管証書遺言書保管証書遺言書のうち、書面をもって作成されたものをいう。
四電子保管証書遺言書保管証書遺言書のうち、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第十七条第一項及び第十八条第一項において同じ。)をもって作成されたものをいう。
五特定遺言書保管所遺言書保管所(次条第一項に規定する遺言書保管所をいう。以下この号において同じ。)に遺言書(自筆証書遺言書又は保管証書遺言書をいう。以下同じ。)が保管されている場合における当該遺言書保管所(電子保管証書遺言書が保管されている場合にあっては、当該電子保管証書遺言書の保管の申請に係る遺言書保管所)をいう。

(遺言書保管所)

第三条遺言書の保管に関する事務は、法務大臣の指定する法務局が、遺言書保管所としてつかさどる。
2前項の指定は、告示してしなければならない。

(遺言書保管官)

第四条遺言書保管所における事務は、遺言書保管官(遺言書保管所に勤務する法務事務官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が取り扱う。

(遺言書保管官の除斥)

第五条遺言書保管官は、次の各号のいずれかに該当するときは、第七条第一項の規定による保管証書遺言書の保管の申請又は第十四条第一項の規定による保管証書遺言書の保管の申請の撤回に係る職務を行うことができない。
一当該遺言書保管官又はその配偶者若しくは四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。)が当該申請又は当該撤回に係る申請人であるとき。
二当該遺言書保管官が推定相続人(民法第八百九十二条に規定する推定相続人をいう。第十七条第一項第二号ハにおいて同じ。)若しくは受遺者又はその配偶者若しくは直系血族であるとき(前号に該当するときを除く。)。

(自筆証書遺言書の保管の申請)

第六条遺言者は、遺言書保管官に対し、自筆証書遺言書の保管の申請をすることができる。
2前項の自筆証書遺言書は、法務省令で定める様式に従って作成した無封のものでなければならない。
3第一項の申請は、遺言者の住所地若しくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所(遺言者の作成した他の遺言書が現に遺言書保管所に保管されている場合にあっては、当該他の遺言書に係る特定遺言書保管所)の遺言書保管官に対してしなければならない。
4第一項の申請をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、自筆証書遺言書及び次に掲げる事項に係る情報(次項において「申請情報」という。)を遺言書保管官に提供しなければならない。
一自筆証書遺言書に記載されている作成の年月日
二遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)
三自筆証書遺言書に次に掲げる者の記載があるときは、その氏名又は名称及び住所
イ受遺者
ロ民法第千六条第一項の規定により指定された遺言執行者
四前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
5第一項の申請をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、その申請情報と併せて、前項第二号に掲げる事項を証する情報その他法務省令で定める情報を提供しなければならない。

(保管証書遺言書の保管の申請)

第七条保管証書によって遺言をしようとする者は、遺言書保管官に対し、保管証書遺言書の保管の申請をしなければならない。
2前項の保管証書遺言書は、法務省令で定めるところにより作成したものでなければならない。
3第一項の申請をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、保管証書遺言書及び次に掲げる事項に係る情報(次項において「申請情報」という。)を遺言書保管官に提供しなければならない。
一遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)
二保管証書遺言書に次に掲げる者の記載又は記録があるときは、その氏名又は名称及び住所
イ受遺者
ロ民法第千六条第一項の規定により指定された遺言執行者
三前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
4第一項の申請をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、その申請情報と併せて、前項第一号に掲げる事項を証する情報その他法務省令で定める情報を提供しなければならない。
5遺言書保管官は、第一項の申請があった場合には、申請人に、民法第九百六十八条の二第一項第二号の口述(当該口述に代えてする同法第九百六十八条の三第一項の規定による通訳人の通訳による申述又は自書を含む。以下この条において同じ。)をさせるものとする。ただし、同法第九百六十八条の三第二項の法務省令で定める措置を講ずるときは、同項の目録については、この限りでない。
6第一項の申請人は、保管証書遺言書の遺言の全文が外国語により記載され、又は記録されている場合には、その遺言の全文の日本語による翻訳文の遺言書保管官への提供及び民法第九百六十八条の二第一項第二号の口述の通訳をさせる措置その他の当該口述がされたことを遺言書保管官において確認するために必要な措置として法務省令で定めるものを講じなければならない。
7遺言書保管官は、申請人からの申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、遺言書保管官及び申請人(遺言書保管官が通訳人に通訳をさせる場合にあっては、遺言書保管官並びに申請人及び当該通訳人)が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、民法第九百六十八条の二第一項第二号の口述をさせることができる。
8遺言書保管官は、申請人からの申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、遺言書保管官及び立会人である医師が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、民法第九百七十三条第三項の規定による申述をさせることができる。
9前条第三項の規定は、第一項の申請について準用する。

(遺言書保管官による本人確認)

第八条遺言書保管官は、第六条第一項又は前条第一項の申請があった場合において、申請人に対し、法務省令で定めるところにより、当該申請人が本人であるかどうかの確認をするため、出頭を求め、当該申請人を特定するために必要な氏名その他の法務省令で定める事項を示す資料の提示若しくは提供又はこれらの事項についての説明を求めるものとする。
2遺言書保管官は、申請人からの申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、前項の規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、遺言書保管官及び申請人が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、同項に規定する提示若しくは提供又は説明をさせることができる。

(自筆証書遺言書等の保管)

第九条自筆証書遺言書又は書面保管証書遺言書の保管は、第六条第四項の規定により提供された自筆証書遺言書又は第七条第三項の規定により提供された書面保管証書遺言書を遺言書保管官が遺言書保管所の施設内において保管することによって行う。
2遺言書保管官は、前項の規定による自筆証書遺言書又は書面保管証書遺言書の保管をする場合において、遺言者の死亡の日(遺言者の生死が明らかでない場合にあっては、これに相当する日として政令で定める日)から相続に関する紛争を防止する必要があると認められる期間として政令で定める期間が経過した後は、これを廃棄することができる。

(電子保管証書遺言書の保管)

第十条電子保管証書遺言書の保管は、第七条第三項の規定により提供された電子保管証書遺言書に記録された事項を遺言書保管官が次条第二項に規定する遺言書保管ファイルに記録することによって行う。

(遺言書に係る情報の管理)

第十一条遺言書保管官は、第九条第一項及び前条の規定により保管する遺言書について、次項に定めるところにより、当該遺言書に係る情報の管理をしなければならない。
2遺言書に係る情報の管理は、次の各号に掲げる遺言書の区分に応じ、当該各号に定める事項を、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。第十四条第五項において同じ。)をもって調製する遺言書保管ファイルに記録することによって行う。
一自筆証書遺言書次に掲げる事項
イ自筆証書遺言書の画像情報
ロ第六条第四項第一号から第三号までに掲げる事項
ハ自筆証書遺言書の保管を開始した年月日
ニ特定遺言書保管所の名称及び保管番号
ホイからニまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項
二書面保管証書遺言書次に掲げる事項
イ書面保管証書遺言書の画像情報
ロ第七条第三項第一号及び第二号に掲げる事項
ハ書面保管証書遺言書の保管を開始した年月日
ニ特定遺言書保管所の名称及び保管番号
ホ民法第九百六十八条の三第一項に定める方式に従って遺言をしたときは、その旨(通訳人の通訳により申述したときにあっては、その旨及び当該通訳人の氏名)
ヘ民法第九百七十三条の規定により医師が立ち会ったときは、当該医師の氏名及び申述の趣旨
ト第七条第六項の規定により申請人が同項の法務省令で定める措置を講じたときは、その旨
チイからトまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項
三電子保管証書遺言書前条に規定する事項のほか、次に掲げる事項
イ第七条第三項第一号及び第二号に掲げる事項
ロ電子保管証書遺言書の保管を開始した年月日
ハ特定遺言書保管所の名称及び保管番号
ニ民法第九百六十八条の三第一項に定める方式に従って遺言をしたときは、その旨(通訳人の通訳により申述したときにあっては、その旨及び当該通訳人の氏名)
ホ民法第九百七十三条の規定により医師が立ち会ったときは、当該医師の氏名及び申述の趣旨
ヘ第七条第六項の規定により申請人が同項の法務省令で定める措置を講じたときは、その旨
トイからヘまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項
3第九条第二項の規定は、前項の規定による遺言書に係る情報の管理について準用する。この場合において、同条第二項中「廃棄する」とあるのは、「消去する」と読み替えるものとする。

(遺言者による自筆証書遺言書等の閲覧)

第十二条遺言者は、特定遺言書保管所の遺言書保管官に対し、いつでも、第六条第一項又は第七条第一項の申請に係る遺言書(電子保管証書遺言書を除く。)の閲覧を請求することができる。
2前項の請求をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、その旨その他法務省令で定める情報を遺言書保管官に提供しなければならない。
3第八条第一項の規定は、第一項の請求について準用する。

(遺言者による遺言書保管ファイルの記録の閲覧)

第十三条遺言者は、遺言書保管官に対し、いつでも、第六条第一項又は第七条第一項の申請に係る遺言書に係る遺言書保管ファイルに記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。
2前項の請求は、特定遺言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してもすることができる。
3第一項の請求をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、その旨その他法務省令で定める情報を遺言書保管官に提供しなければならない。
4遺言書保管官は、請求人からの申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、遺言書保管官及び請求人が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、第一項の閲覧をさせることができる。
5第八条の規定は、第一項の請求について準用する。

(遺言書の保管の申請の撤回)

第十四条遺言者は、特定遺言書保管所の遺言書保管官に対し、いつでも、第六条第一項又は第七条第一項の申請を撤回することができる。
2前項の撤回をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、その旨その他法務省令で定める情報を遺言書保管官に提供しなければならない。
3第八条の規定は、第一項の撤回について準用する。
4遺言書保管官は、遺言者が第一項の撤回(自筆証書遺言書又は書面保管証書遺言書に係るものに限る。)をしたときは、遅滞なく、当該遺言者に第九条第一項の規定により保管している自筆証書遺言書又は書面保管証書遺言書を返還しなければならない。
5遺言書保管官は、遺言者が第一項の撤回をしたときは、遅滞なく、第十一条第二項の規定により管理しているその遺言書に係る情報を消去するとともに、当該情報その他法務省令で定める情報を、磁気ディスクをもって調製する閉鎖遺言書保管ファイルに記録しなければならない。
6遺言者が第一項の撤回(保管証書遺言書に係るものに限る。)をしたときは、その保管証書遺言書については、遺言を撤回したものとみなす。

(閉鎖遺言書保管ファイルに記録された情報の消去)

第十五条遺言書保管官は、遺言者の死亡の日(遺言者の生死が明らかでない場合にあっては、これに相当する日として政令で定める日)から相続に関する紛争を防止する必要があると認められる期間として政令で定める期間が経過した後は、閉鎖遺言書保管ファイルに記録された情報を消去することができる。

(遺言者による閉鎖遺言書保管ファイルの記録の閲覧)

第十六条遺言者は、第十四条第一項の撤回をした場合において、特別の事由があるときは、遺言書保管官に対し、当該撤回がされた申請に係る遺言書に係る閉鎖遺言書保管ファイルに記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。
2前項の請求は、その請求に係る遺言書を保管していた遺言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してもすることができる。
3第十三条第三項から第五項までの規定は、第一項の請求について準用する。

(遺言書情報証明書の交付等)

第十七条次に掲げる者(以下この条において「関係相続人等」という。)は、遺言書保管官に対し、遺言書保管所に保管されている遺言書(その遺言者が死亡している場合に限る。)について、遺言書保管ファイルに記録されている事項を証明した書面(第六項及び第二十一条第一項第三号において「遺言書情報証明書」という。)の交付又は当該事項を証明した電磁的記録(第六項及び同号において「遺言書情報証明情報」という。)の提供を請求することができる。
一当該遺言書の保管を申請した遺言者の相続人(民法第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者及び相続の放棄をした者を含む。以下この条において同じ。)
二前号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載され、若しくは記録された次に掲げる者又はその相続人
イ第六条第四項第三号イ又は第七条第三項第二号イに掲げる者
ロ民法第七百八十一条第二項の規定により認知するものとされた子(胎内に在る子にあっては、その母)
ハ民法第八百九十三条の規定により廃除する意思を表示された推定相続人又は同法第八百九十四条第二項において準用する同法第八百九十三条の規定により廃除を取り消す意思を表示された推定相続人
ニ民法第八百九十七条第一項ただし書の規定により指定された祖先の祭祀しを主宰すべき者
ホ国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)第十七条の五第三項の規定により遺族補償一時金を受けることができる遺族のうち特に指定された者又は地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)第三十七条第三項の規定により遺族補償一時金を受けることができる遺族のうち特に指定された者
ヘ信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合においてその受益者となるべき者として指定された者若しくは残余財産の帰属すべき者となるべき者として指定された者又は同法第八十九条第二項の規定による受益者指定権等の行使により受益者となるべき者
ト保険法(平成二十年法律第五十六号)第四十四条第一項又は第七十三条第一項の規定による保険金受取人の変更により保険金受取人となるべき者
チイからトまでに掲げる者のほか、これらに類するものとして政令で定める者
三前二号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載され、又は記録された次に掲げる者
イ第六条第四項第三号ロ又は第七条第三項第二号ロに掲げる者
ロ民法第八百三十条第一項の財産について指定された管理者
ハ民法第八百三十九条第一項の規定により指定された未成年後見人又は同法第八百四十八条の規定により指定された未成年後見監督人
ニ民法第九百二条第一項の規定により共同相続人の相続分を定めることを委託された第三者、同法第九百八条の規定により遺産の分割の方法を定めることを委託された第三者又は同法第千六条第一項の規定により遺言執行者の指定を委託された第三者
ホ著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第七十五条第二項の規定により同条第一項の登録について指定を受けた者又は同法第百十六条第三項の規定により同条第一項の請求について指定を受けた者
ヘ信託法第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合においてその受託者となるべき者、信託管理人となるべき者、信託監督人となるべき者又は受益者代理人となるべき者として指定された者
トイからヘまでに掲げる者のほか、これらに類するものとして政令で定める者
2関係相続人等は、特定遺言書保管所の遺言書保管官に対し、遺言書保管所に保管されている自己が関係相続人等に該当する遺言書(その遺言者が死亡している場合に限る。以下この条及び次条第一項において「関係遺言書」という。)(電子保管証書遺言書を除く。)の閲覧を請求することができる。
3関係相続人等は、遺言書保管官に対し、遺言書保管所に保管されている関係遺言書に係る遺言書保管ファイルに記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。
4第一項又は前項の請求は、特定遺言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してもすることができる。
5第一項から第三項までの請求をしようとする者は、法務省令で定めるところにより、その旨その他法務省令で定める情報を遺言書保管官に提供しなければならない。
6遺言書保管官は、第一項の請求により遺言書情報証明書を交付し、若しくは遺言書情報証明情報を提供し、又は第二項若しくは第三項の請求により関係遺言書若しくは遺言書保管ファイルに記録された事項を表示したものの閲覧をさせたときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該関係遺言書を保管している旨を遺言者の相続人並びに当該関係遺言書に係る第六条第四項第三号イ及びロ又は第七条第三項第二号イ及びロに掲げる者に通知するものとする。ただし、それらの者が既にこれを知っているときその他のその通知をしないことが相当であるときとして法務省令で定めるときは、この限りでない。
7次に掲げる者は、第十四条第一項の撤回をした遺言者が死亡している場合において、特別の事由があるときは、遺言書保管官に対し、当該撤回がされた申請に係る遺言書に係る閉鎖遺言書保管ファイルに記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。
一当該遺言者の相続人
二前号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載され、若しくは記録されていた第一項第二号イからチまでに掲げる者又はその相続人
三前二号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載され、又は記録されていた第一項第三号イからトまでに掲げる者
8前項の請求は、その請求に係る遺言書を保管していた遺言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してもすることができる。
9第五項の規定は、第七項の請求について準用する。

(遺言書保管事実証明書の交付等)

第十八条何人も、遺言書保管官に対し、遺言書保管所における関係遺言書の保管の有無並びに当該関係遺言書が保管されている場合には遺言書保管ファイルに記録されている第十一条第二項第一号ロ(第六条第四項第一号に係る部分に限る。)及びニ、第二号ハ及びニ若しくは第三号ロ及びハに掲げる事項を証明した書面(第二十一条第一項第三号において「遺言書保管事実証明書」という。)の交付又はこれらの事項を証明した電磁的記録(同号において「遺言書保管事実証明情報」という。)の提供を請求することができる。
2前条第四項及び第五項の規定は、前項の請求について準用する。

(遺言者の死亡を確認したときの通知)

第十九条第六条第一項又は第七条第一項の申請に係る遺言者は、法務省令で定めるところにより、当該遺言者の死亡後に、当該遺言者が指定する者に対し、その申請に係る遺言書を保管している旨を遺言書保管官が通知することの申出をすることができる。
2前項の申出をした遺言者は、いつでも、法務省令で定めるところにより、その申出を撤回し、又はその指定する者を変更することができる。
3遺言書保管官は、第一項の申出をした遺言者の死亡の事実を確認したときは、法務省令で定めるところにより、その申出に係る遺言書を保管している旨を当該遺言者が指定した者に通知するものとする。ただし、第十四条第一項の撤回がされた場合は、この限りでない。

(遺言書の検認の適用除外)

第二十条民法第千四条第一項の規定は、遺言書保管所に保管されている遺言書については、適用しない。

(手数料)

第二十一条次の各号に掲げる者は、物価の状況のほか、当該各号に定める事務に要する実費を考慮して政令で定める額の手数料を納めなければならない。
一遺言書の保管の申請をする者遺言書の保管及び遺言書に係る情報の管理に関する事務
二遺言書又は遺言書保管ファイル若しくは閉鎖遺言書保管ファイルに記録された事項を表示したものの閲覧を請求する者遺言書又は遺言書保管ファイル若しくは閉鎖遺言書保管ファイルに記録された事項を表示したものの閲覧及びそのための体制の整備に関する事務
三遺言書情報証明書若しくは遺言書情報証明情報又は遺言書保管事実証明書若しくは遺言書保管事実証明情報の交付又は提供を請求する者遺言書情報証明書若しくは遺言書情報証明情報又は遺言書保管事実証明書若しくは遺言書保管事実証明情報の交付又は提供及びそのための体制の整備に関する事務
2前項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。ただし、法務省令で定める方法で同項第一号の申請、同項第二号の閲覧の請求又は同項第三号の交付若しくは提供の請求をするときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。

(行政手続法の適用除外)

第二十二条遺言書保管官の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章の規定は、適用しない。

(行政機関の保有する情報の公開に関する法律の適用除外)

第二十三条遺言書保管所に保管されている遺言書、遺言書保管ファイル及び閉鎖遺言書保管ファイルについては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。

(個人情報の保護に関する法律の適用除外)

第二十四条遺言書保管所に保管されている遺言書、遺言書保管ファイル及び閉鎖遺言書保管ファイルに記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。

(審査請求)

第二十五条遺言書保管官の処分に不服がある者又は遺言書保管官の不作為に係る処分を申請した者は、監督法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。
2審査請求をするには、遺言書保管官に審査請求書を提出しなければならない。
3遺言書保管官は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、相当の処分をしなければならない。
4遺言書保管官は、前項に規定する場合を除き、三日以内に、意見を付して事件を監督法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。この場合において、監督法務局又は地方法務局の長は、当該意見を行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員に送付するものとする。
5法務局又は地方法務局の長は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、遺言書保管官に相当の処分を命じ、その旨を審査請求人のほか利害関係人に通知しなければならない。
6法務局又は地方法務局の長は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、遺言書保管官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。
7第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、同法第二十九条第五項中「処分庁等」とあるのは「審査庁」と、「弁明書の提出」とあるのは「法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成三十年法律第七十三号)第二十五条第四項に規定する意見の送付」と、同法第三十条第一項中「弁明書」とあるのは「法務局における遺言書の保管等に関する法律第二十五条第四項の意見」とする。

(行政不服審査法の適用除外)

第二十六条行政不服審査法第十三条、第十五条第六項、第十八条、第二十一条、第二十五条第二項から第七項まで、第二十九条第一項から第四項まで、第三十一条、第三十七条、第四十五条第三項、第四十六条、第四十七条、第四十九条第三項(審査請求に係る不作為が違法又は不当である旨の宣言に係る部分を除く。)から第五項まで及び第五十二条の規定は、前条第一項の審査請求については、適用しない。
2第七条第一項の申請に対する処分又はその不作為についての前条第一項の審査請求については、前項の規定にかかわらず、行政不服審査法第三十一条の規定を適用する。

(政令への委任)

第二十七条この法律に定めるもののほか、遺言書保管所における遺言書の保管及び情報の管理に関し必要な事項は、政令で定める。

附 則

この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附 則(令和三年五月一九日法律第三七号)抄

(施行期日)

第一条この法律は、令和三年九月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一第二十七条(住民基本台帳法別表第一から別表第五までの改正規定に限る。)、第四十五条、第四十七条及び第五十五条(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律別表第一及び別表第二の改正規定(同表の二十七の項の改正規定を除く。)に限る。)並びに附則第八条第一項、第五十九条から第六十三条まで、第六十七条及び第七十一条から第七十三条までの規定公布の日
二及び三略
四第十七条、第三十五条、第四十四条、第五十条及び第五十八条並びに次条、附則第三条、第五条、第六条、第七条(第三項を除く。)、第十三条、第十四条、第十八条(戸籍法第百二十九条の改正規定(「戸籍の」の下に「正本及び」を加える部分を除く。)に限る。)、第十九条から第二十一条まで、第二十三条、第二十四条、第二十七条、第二十九条(住民基本台帳法第三十条の十五第三項の改正規定を除く。)、第三十条、第三十一条、第三十三条から第三十五条まで、第四十条、第四十二条、第四十四条から第四十六条まで、第四十八条、第五十条から第五十二条まで、第五十三条(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第四十五条の二第一項、第五項、第六項及び第九項の改正規定並びに同法第五十二条の三の改正規定を除く。)、第五十五条(がん登録等の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十一号)第三十五条の改正規定(「(条例を含む。)」を削る部分に限る。)を除く。)、第五十六条、第五十八条、第六十四条、第六十五条、第六十八条及び第六十九条の規定公布の日から起算して一年を超えない範囲内において、各規定につき、政令で定める日

(政令への委任)

第七十二条この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附 則(令和八年六月二四日法律第四五号)抄

(施行期日)

第一条この法律は、公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一附則第九条の規定公布の日
二略
三第一条中民法第九百六十七条の改正規定、同法第九百六十八条第二項の改正規定(「含む」の下に「。第九百六十八条の三第二項において同じ」を加える部分に限る。)及び同条の次に二条を加える改正規定並びに第五条の規定公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日

(政令への委任)

第九条この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
索引
  • 第一条(趣旨)
  • 第二条(定義)
  • 第三条(遺言書保管所)
  • 第四条(遺言書保管官)
  • 第五条(遺言書保管官の除斥)
  • 第六条(自筆証書遺言書の保管の申請)
  • 第七条(保管証書遺言書の保管の申請)
  • 第八条(遺言書保管官による本人確認)
  • 第九条(自筆証書遺言書等の保管)
  • 第十条(電子保管証書遺言書の保管)
  • 第十一条(遺言書に係る情報の管理)
  • 第十二条(遺言者による自筆証書遺言書等の閲覧)
  • 第十三条(遺言者による遺言書保管ファイルの記録の閲覧)
  • 第十四条(遺言書の保管の申請の撤回)
  • 第十五条(閉鎖遺言書保管ファイルに記録された情報の消去)
  • 第十六条(遺言者による閉鎖遺言書保管ファイルの記録の閲覧)
  • 第十七条(遺言書情報証明書の交付等)
  • 第十八条(遺言書保管事実証明書の交付等)
  • 第十九条(遺言者の死亡を確認したときの通知)
  • 第二十条(遺言書の検認の適用除外)
  • 第二十一条(手数料)
  • 第二十二条(行政手続法の適用除外)
  • 第二十三条(行政機関の保有する情報の公開に関する法律の適用除外)
  • 第二十四条(個人情報の保護に関する法律の適用除外)
  • 第二十五条(審査請求)
  • 第二十六条(行政不服審査法の適用除外)
  • 第二十七条(政令への委任)
  • 附 則
  • 附 則(令和三年五月一九日法律第三七号)抄
  • 附 則(令和八年六月二四日法律第四五号)抄
履歴
未確定
令和8年法律第45号
令和8年6月24日
令和8年法律第45号
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