(自筆証書遺言書の保管の申請)
第六条遺言者は、遺言書保管官に対し、自筆証書遺言書の保管の申請をすることができる。
2前項の自筆証書遺言書は、法務省令で定める様式に従って作成した無封のものでなければならない。
3第一項の申請は、遺言者の住所地若しくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所(遺言者の作成した他の遺言書が現に遺言書保管所に保管されている場合にあっては、当該他の遺言書に係る特定遺言書保管所)の遺言書保管官に対してしなければならない。
4第一項の申請をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、自筆証書遺言書及び次に掲げる事項に係る情報(次項において「申請情報」という。)を遺言書保管官に提供しなければならない。
二遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)
三自筆証書遺言書に次に掲げる者の記載があるときは、その氏名又は名称及び住所
ロ民法第千六条第一項の規定により指定された遺言執行者
5第一項の申請をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、その申請情報と併せて、前項第二号に掲げる事項を証する情報その他法務省令で定める情報を提供しなければならない。
(保管証書遺言書の保管の申請)
第七条保管証書によって遺言をしようとする者は、遺言書保管官に対し、保管証書遺言書の保管の申請をしなければならない。
2前項の保管証書遺言書は、法務省令で定めるところにより作成したものでなければならない。
3第一項の申請をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、保管証書遺言書及び次に掲げる事項に係る情報(次項において「申請情報」という。)を遺言書保管官に提供しなければならない。
一遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)
二保管証書遺言書に次に掲げる者の記載又は記録があるときは、その氏名又は名称及び住所
ロ民法第千六条第一項の規定により指定された遺言執行者
4第一項の申請をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、その申請情報と併せて、前項第一号に掲げる事項を証する情報その他法務省令で定める情報を提供しなければならない。
5遺言書保管官は、第一項の申請があった場合には、申請人に、民法第九百六十八条の二第一項第二号の口述(当該口述に代えてする同法第九百六十八条の三第一項の規定による通訳人の通訳による申述又は自書を含む。以下この条において同じ。)をさせるものとする。ただし、同法第九百六十八条の三第二項の法務省令で定める措置を講ずるときは、同項の目録については、この限りでない。
6第一項の申請人は、保管証書遺言書の遺言の全文が外国語により記載され、又は記録されている場合には、その遺言の全文の日本語による翻訳文の遺言書保管官への提供及び民法第九百六十八条の二第一項第二号の口述の通訳をさせる措置その他の当該口述がされたことを遺言書保管官において確認するために必要な措置として法務省令で定めるものを講じなければならない。
7遺言書保管官は、申請人からの申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、遺言書保管官及び申請人(遺言書保管官が通訳人に通訳をさせる場合にあっては、遺言書保管官並びに申請人及び当該通訳人)が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、民法第九百六十八条の二第一項第二号の口述をさせることができる。
8遺言書保管官は、申請人からの申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、遺言書保管官及び立会人である医師が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、民法第九百七十三条第三項の規定による申述をさせることができる。
9前条第三項の規定は、第一項の申請について準用する。
(遺言者による遺言書保管ファイルの記録の閲覧)
第十三条遺言者は、遺言書保管官に対し、いつでも、第六条第一項又は第七条第一項の申請に係る遺言書に係る遺言書保管ファイルに記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。
2前項の請求は、特定遺言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してもすることができる。
3第一項の請求をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、その旨その他法務省令で定める情報を遺言書保管官に提供しなければならない。
4遺言書保管官は、請求人からの申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、遺言書保管官及び請求人が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、第一項の閲覧をさせることができる。
(遺言書の保管の申請の撤回)
第十四条遺言者は、特定遺言書保管所の遺言書保管官に対し、いつでも、第六条第一項又は第七条第一項の申請を撤回することができる。
2前項の撤回をしようとする遺言者は、法務省令で定めるところにより、その旨その他法務省令で定める情報を遺言書保管官に提供しなければならない。
4遺言書保管官は、遺言者が第一項の撤回(自筆証書遺言書又は書面保管証書遺言書に係るものに限る。)をしたときは、遅滞なく、当該遺言者に第九条第一項の規定により保管している自筆証書遺言書又は書面保管証書遺言書を返還しなければならない。
5遺言書保管官は、遺言者が第一項の撤回をしたときは、遅滞なく、第十一条第二項の規定により管理しているその遺言書に係る情報を消去するとともに、当該情報その他法務省令で定める情報を、磁気ディスクをもって調製する閉鎖遺言書保管ファイルに記録しなければならない。
6遺言者が第一項の撤回(保管証書遺言書に係るものに限る。)をしたときは、その保管証書遺言書については、遺言を撤回したものとみなす。
(遺言書情報証明書の交付等)
第十七条次に掲げる者(以下この条において「関係相続人等」という。)は、遺言書保管官に対し、遺言書保管所に保管されている遺言書(その遺言者が死亡している場合に限る。)について、遺言書保管ファイルに記録されている事項を証明した書面(第六項及び第二十一条第一項第三号において「遺言書情報証明書」という。)の交付又は当該事項を証明した電磁的記録(第六項及び同号において「遺言書情報証明情報」という。)の提供を請求することができる。
一当該遺言書の保管を申請した遺言者の相続人(民法第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者及び相続の放棄をした者を含む。以下この条において同じ。)
二前号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載され、若しくは記録された次に掲げる者又はその相続人
イ第六条第四項第三号イ又は第七条第三項第二号イに掲げる者
ロ民法第七百八十一条第二項の規定により認知するものとされた子(胎内に在る子にあっては、その母)
ハ民法第八百九十三条の規定により廃除する意思を表示された推定相続人又は同法第八百九十四条第二項において準用する同法第八百九十三条の規定により廃除を取り消す意思を表示された推定相続人
ニ民法第八百九十七条第一項ただし書の規定により指定された祖先の祭祀を主宰すべき者
ホ国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)第十七条の五第三項の規定により遺族補償一時金を受けることができる遺族のうち特に指定された者又は地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)第三十七条第三項の規定により遺族補償一時金を受けることができる遺族のうち特に指定された者
ヘ信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合においてその受益者となるべき者として指定された者若しくは残余財産の帰属すべき者となるべき者として指定された者又は同法第八十九条第二項の規定による受益者指定権等の行使により受益者となるべき者
ト保険法(平成二十年法律第五十六号)第四十四条第一項又は第七十三条第一項の規定による保険金受取人の変更により保険金受取人となるべき者
チイからトまでに掲げる者のほか、これらに類するものとして政令で定める者
三前二号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載され、又は記録された次に掲げる者
イ第六条第四項第三号ロ又は第七条第三項第二号ロに掲げる者
ロ民法第八百三十条第一項の財産について指定された管理者
ハ民法第八百三十九条第一項の規定により指定された未成年後見人又は同法第八百四十八条の規定により指定された未成年後見監督人
ニ民法第九百二条第一項の規定により共同相続人の相続分を定めることを委託された第三者、同法第九百八条の規定により遺産の分割の方法を定めることを委託された第三者又は同法第千六条第一項の規定により遺言執行者の指定を委託された第三者
ホ著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第七十五条第二項の規定により同条第一項の登録について指定を受けた者又は同法第百十六条第三項の規定により同条第一項の請求について指定を受けた者
ヘ信託法第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合においてその受託者となるべき者、信託管理人となるべき者、信託監督人となるべき者又は受益者代理人となるべき者として指定された者
トイからヘまでに掲げる者のほか、これらに類するものとして政令で定める者
2関係相続人等は、特定遺言書保管所の遺言書保管官に対し、遺言書保管所に保管されている自己が関係相続人等に該当する遺言書(その遺言者が死亡している場合に限る。以下この条及び次条第一項において「関係遺言書」という。)(電子保管証書遺言書を除く。)の閲覧を請求することができる。
3関係相続人等は、遺言書保管官に対し、遺言書保管所に保管されている関係遺言書に係る遺言書保管ファイルに記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。
4第一項又は前項の請求は、特定遺言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してもすることができる。
5第一項から第三項までの請求をしようとする者は、法務省令で定めるところにより、その旨その他法務省令で定める情報を遺言書保管官に提供しなければならない。
6遺言書保管官は、第一項の請求により遺言書情報証明書を交付し、若しくは遺言書情報証明情報を提供し、又は第二項若しくは第三項の請求により関係遺言書若しくは遺言書保管ファイルに記録された事項を表示したものの閲覧をさせたときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該関係遺言書を保管している旨を遺言者の相続人並びに当該関係遺言書に係る第六条第四項第三号イ及びロ又は第七条第三項第二号イ及びロに掲げる者に通知するものとする。ただし、それらの者が既にこれを知っているときその他のその通知をしないことが相当であるときとして法務省令で定めるときは、この限りでない。
7次に掲げる者は、第十四条第一項の撤回をした遺言者が死亡している場合において、特別の事由があるときは、遺言書保管官に対し、当該撤回がされた申請に係る遺言書に係る閉鎖遺言書保管ファイルに記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧を請求することができる。
二前号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載され、若しくは記録されていた第一項第二号イからチまでに掲げる者又はその相続人
三前二号に掲げる者のほか、当該遺言書に記載され、又は記録されていた第一項第三号イからトまでに掲げる者
8前項の請求は、その請求に係る遺言書を保管していた遺言書保管所以外の遺言書保管所の遺言書保管官に対してもすることができる。
(審査請求)
第二十五条遺言書保管官の処分に不服がある者又は遺言書保管官の不作為に係る処分を申請した者は、監督法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。
2審査請求をするには、遺言書保管官に審査請求書を提出しなければならない。
3遺言書保管官は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、相当の処分をしなければならない。
4遺言書保管官は、前項に規定する場合を除き、三日以内に、意見を付して事件を監督法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。この場合において、監督法務局又は地方法務局の長は、当該意見を行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項に規定する審理員に送付するものとする。
5法務局又は地方法務局の長は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、遺言書保管官に相当の処分を命じ、その旨を審査請求人のほか利害関係人に通知しなければならない。
6法務局又は地方法務局の長は、審査請求に係る不作為に係る処分についての申請を却下すべきものと認めるときは、遺言書保管官に当該申請を却下する処分を命じなければならない。
7第一項の審査請求に関する行政不服審査法の規定の適用については、同法第二十九条第五項中「処分庁等」とあるのは「審査庁」と、「弁明書の提出」とあるのは「法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成三十年法律第七十三号)第二十五条第四項に規定する意見の送付」と、同法第三十条第一項中「弁明書」とあるのは「法務局における遺言書の保管等に関する法律第二十五条第四項の意見」とする。