第八条行政庁は、公益信託認可の申請に係る公益信託が次に掲げる基準(その信託行為において信託財産が寄附により受け入れた金銭又は預貯金、国債その他これらに準ずる資産(いずれも内閣府令で定める要件に該当するものに限る。)に限られる旨及び当該信託財産(その信託財産に帰せられる収益を含む。)について内閣府令で定める方法によってのみ支出する旨を定める公益信託(第十六条第一項において「特定資産公益信託」という。)にあっては、第八号から第十号までに掲げる基準を除く。第三十条第二項第一号において同じ。)に適合すると認めるときは、公益信託認可をするものとする。
一公益事務を行うことのみを目的とするものであること。
二その受託者が公益信託事務を適正に処理するのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること。
三その信託管理人が受託者による公益信託事務の適正な処理のため必要な監督をするのに必要な能力を有するものであること。
四公益信託に係る信託行為の内容を証する書面、事業計画書及び収支予算書の内容に照らし、その存続期間を通じて公益信託事務が処理されることが見込まれるものであること。
五受託者がその公益信託事務を処理するに当たり、委託者、受託者、信託管理人その他の政令で定める公益信託の関係者に対し信託財産を用いて特別の利益を与えるものでないこと。
六受託者がその公益信託事務を処理するに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、信託財産を用いて寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
イ公益法人(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号)第二条第三号に規定する公益法人をいう。以下このイ及び第十三号において同じ。)に対し、当該公益法人が行う公益目的事業(同条第四号に規定する公益目的事業をいう。第十三号において同じ。)のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合
ロ他の公益信託の受託者に対し、当該受託者が行う公益事務のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合
七受託者がその公益信託事務を処理するに当たり、投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益信託の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること。
八その処理する公益信託事務について、第十六条第一項の規定による収支の均衡が図られるものであると見込まれるものであること。
九その公益信託事務の処理に係る費用に対する公益事務の実施に係る費用の割合として内閣府令で定めるところにより算定される割合(第十六条第二項において「公益事務割合」という。)が公益事務の実施の状況その他の事情を勘案して内閣府令で定める割合(同項において「基準割合」という。)以上となると見込まれるものであること。
十その公益信託事務を処理するに当たり、第十七条第二項に規定する使途不特定財産額が同条第一項の制限を超えないと見込まれるものであること。
十一公益信託報酬(公益信託に係る信託報酬(信託法第五十四条第一項に規定する信託報酬をいう。)及び信託管理人の報酬(同法第百二十七条第三項に規定する報酬をいう。)をいう。第十九条において同じ。)について、内閣府令で定めるところにより、当該公益信託の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支払基準を定めているものであること。
十二その信託財産に他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の内閣府令で定める財産が属しないものであること。ただし、当該信託財産に当該財産が属することによって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める場合は、この限りでない。
十三当該公益信託の目的とする公益事務(以下この号において「対象公益事務」という。)と類似の公益事務をその目的とする他の公益信託の受託者若しくは対象公益事務と類似の公益目的事業をその目的とする公益法人若しくは次に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体を帰属権利者とする旨を信託行為に定めているものであること。
イ私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人
ロ社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人
ハ更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)第二条第六項に規定する更生保護法人
ニ独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人
ホ国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人又は同条第三項に規定する大学共同利用機関法人
ヘ地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人
トその他イからヘまでに掲げる法人に準ずるものとして政令で定める法人