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令和六年法律第六十九号

学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律

目次

  • 第一章 総則(第一条〜第三条)
  • 第二章 学校設置者等が講ずべき措置等(第四条〜第十八条)
  • 第三章 民間教育保育等事業者の認定等及び認定事業者等が講ずべき措置等(第十九条〜第三十二条)
  • 第四章 犯罪事実確認書の交付等(第三十三条〜第三十九条)
  • 第五章 雑則(第四十条〜第四十二条)
  • 第六章 罰則(第四十三条〜第四十八条)
  • 附則

第一章 総則

(目的)

第一条この法律は、児童対象性暴力等が児童等の権利を著しく侵害し、児童等の心身に生涯にわたって回復し難い重大な影響を与えるものであることに鑑み、児童等に対して教育、保育等の役務を提供する事業を行う立場にある学校設置者等及び民間教育保育等事業者が教員等及び教育保育等従事者による児童対象性暴力等の防止等をする責務を有することを明らかにし、学校設置者等が講ずべき措置並びにこれと同等の措置を実施する体制が確保されている民間教育保育等事業者を認定する仕組み及び当該認定を受けた民間教育保育等事業者が講ずべき措置について定めるとともに、教員等及び教育保育等従事者が特定性犯罪事実該当者に該当するか否かに関する情報を国が学校設置者等及び当該認定を受けた民間教育保育等事業者に対して提供する仕組みを設けることとし、もって児童等の心身の健全な発達に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条この法律において「児童等」とは、次に掲げる者をいう。
一教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和三年法律第五十七号)第二条第二項に規定する児童生徒等
二前号に掲げる者のほか、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第百十五条に規定する高等専門学校の第一学年から第三学年まで又は第三項第一号ロに規定する専修学校に在学する者
2この法律において「児童対象性暴力等」とは、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律第二条第三項に規定する児童生徒性暴力等及び前項第二号に掲げる者に対して行われるこれに相当する行為をいう。
3この法律において「学校設置者等」とは、次に掲げる者をいう。
一次に掲げる施設(以下「学校等」という。)を設置する者
イ学校教育法第一条に規定する学校(同法第八十三条に規定する大学を除く。次項第一号において同じ。)
ロ学校教育法第百二十四条に規定する専修学校(同法第百二十五条第一項に規定する高等課程に係るものに限る。)
ハ就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号。ニ及び次項第四号並びに第十二条第四号において「認定こども園法」という。)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園(次項第三号において「幼保連携型認定こども園」という。)
ニ認定こども園法第三条第一項又は第三項の認定を受けた施設及び同条第十項の規定による公示がされた施設
ホ児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第十二条第一項に規定する児童相談所(次項第五号において「児童相談所」という。)
ヘ児童福祉法第二十四条の二第一項に規定する指定障害児入所施設等(次項第六号において「指定障害児入所施設等」という。)
ト児童福祉法第三十七条に規定する乳児院(次項第七号において「乳児院」という。)
チ児童福祉法第三十八条に規定する母子生活支援施設(次項第八号において「母子生活支援施設」という。)
リ児童福祉法第三十九条に規定する保育所(次項第九号において「保育所」という。)
ヌ児童福祉法第四十条に規定する児童館(次項第十号において「児童館」という。)
ル児童福祉法第四十一条に規定する児童養護施設(次項第十一号において「児童養護施設」という。)
ヲ児童福祉法第四十二条に規定する障害児入所施設(同法第二十四条の二第一項に規定する指定障害児入所施設を除く。次項第十二号において「障害児入所施設」という。)
ワ児童福祉法第四十三条の二に規定する児童心理治療施設(次項第十三号において「児童心理治療施設」という。)
カ児童福祉法第四十四条に規定する児童自立支援施設(次項第十四号において「児童自立支援施設」という。)
二次に掲げる事業(以下「児童福祉事業」という。)を行う者
イ児童福祉法第六条の二の二第一項に規定する障害児通所支援事業であって、同法第二十一条の五の三第一項の規定による指定を受けた者が行うもの(次項第十五号及び第五項第四号から第七号までにおいて「指定障害児通所支援事業」という。)
ロ児童福祉法第六条の三第二十三項に規定する乳児等通園支援事業(次項第十六号において「乳児等通園支援事業」という。)
ハ児童福祉法第二十四条第二項に規定する家庭的保育事業等(次項第十七号において「家庭的保育事業等」という。)
三児童福祉法第三十三条第一項第一号に規定する登録一時保護委託者(次項第十八号において「登録一時保護委託者」という。)
4この法律において「教員等」とは、次に掲げるものをいう。
一学校教育法第一条に規定する学校の教職員のうち、次に掲げるもの
イ校長、園長、副校長、副園長及び教頭
ロ主幹教諭、指導教諭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭、講師、実習助手、寄宿舎指導員、教授、准教授及び助教
ハロに掲げる教職員の業務に類する業務を行う職員として内閣府令で定めるもの
二前項第一号ロに規定する専修学校の校長、教員及び教員の業務に類する業務を行う職員として内閣府令で定めるもの
三幼保連携型認定こども園の教職員のうち、次に掲げるもの
イ園長、副園長及び教頭
ロ主幹保育教諭、指導保育教諭、主幹養護教諭、主幹栄養教諭、保育教諭、助保育教諭、講師、養護教諭、養護助教諭及び栄養教諭
ハロに掲げる教職員の業務に類する業務を行う職員として内閣府令で定めるもの
四前項第一号ニに掲げる施設の長及び当該施設の従業者のうち子ども(認定こども園法第二条第一項に規定する子どもをいう。)の教育又は保育に関する業務を行うもの
五児童相談所の所長及び児童相談所の従業者のうち児童(児童福祉法第四条第一項に規定する児童をいう。以下この条において同じ。)の指導又は一時保護に関する業務を行うもの
六指定障害児入所施設等の長並びに指定障害児入所施設等の従業者のうち障害児(児童福祉法第四条第二項に規定する障害児をいう。以下この条において同じ。)に対する保護、日常生活における基本的な動作及び独立自活に必要な知識技能の習得のための支援又は治療に関する業務を行うもの
七乳児院の長及び乳児院の従業者のうち児童福祉法第三十七条に規定する乳児の養育に関する業務を行うもの
八母子生活支援施設の長及び母子生活支援施設の従業者のうち児童の保護又は生活の支援に関する業務を行うもの
九保育所の長及び保育所の従業者のうち児童の保育に関する業務を行うもの
十児童館の長及び児童館の従業者のうち児童の遊びの指導に関する業務を行うもの
十一児童養護施設の長及び児童養護施設の従業者のうち児童の養護に関する業務を行うもの
十二障害児入所施設の長及び障害児入所施設の従業者のうち障害児に対する児童福祉法第四十二条各号に定める支援に関する業務を行うもの
十三児童心理治療施設の長及び児童心理治療施設の従業者のうち児童の心理に関する治療又は生活指導に関する業務を行うもの
十四児童自立支援施設の長及び児童自立支援施設の従業者のうち児童の指導又は自立の支援に関する業務を行うもの
十五指定障害児通所支援事業を行う事業所の管理者及び指定障害児通所支援事業に従事する者であって次のイからニまでに掲げるもののうち当該イからニまでに定めるもの
イ児童福祉法第六条の二の二第二項に規定する児童発達支援(次項第四号において「児童発達支援」という。)に従事する者障害児に対する同条第二項の内閣府令で定める便宜の供与又は同項に規定する治療に関する業務を行う者
ロ児童福祉法第六条の二の二第三項に規定する放課後等デイサービス(次項第五号において「放課後等デイサービス」という。)に従事する者障害児に対する同条第三項の便宜の供与に関する業務を行う者
ハ児童福祉法第六条の二の二第四項に規定する居宅訪問型児童発達支援(次項第六号において「居宅訪問型児童発達支援」という。)に従事する者障害児に対する同条第四項の内閣府令で定める便宜の供与に関する業務を行う者
ニ児童福祉法第六条の二の二第五項に規定する保育所等訪問支援(次項第七号において「保育所等訪問支援」という。)に従事する者障害児に対する同条第五項の便宜の供与に関する業務を行う者
十六乳児等通園支援事業を行う事業所の管理者及び乳児等通園支援事業に従事する者のうち児童福祉法第六条の三第二十三項に規定する乳児又は幼児の遊び又は生活の支援に関する業務を行うもの
十七家庭的保育事業等を行う事業所の管理者及び家庭的保育事業等に従事する者のうち児童の保育に関する業務を行うもの
十八登録一時保護委託者が一時保護を行う施設(第十六条第一項及び第三十三条第三項第三号において「登録一時保護委託施設」という。)の管理者及び当該一時保護の業務に従事する者
5この法律において「民間教育保育等事業者」とは、次に掲げる事業(以下「民間教育保育等事業」という。)を行う者をいう。
一学校教育法第百二十四条に規定する専修学校(同法第百二十五条第一項に規定する一般課程に係るものに限る。)又は同法第百三十四条第一項に規定する各種学校における児童等を専ら対象とする学校教育に類する教育を行う事業
二学校教育法第一条に規定する学校以外の教育施設で学校教育に類する教育を行うもののうち当該教育を行うにつき同法以外の法律に特別の規定があるものにおける学校教育法第五十条に規定する高等学校の課程に類する教育を行う事業であって、内閣府令で定めるもの
三学校等における教育及び前二号に掲げる事業のほか、児童等に対して技芸又は知識の教授を行う事業であって、次に掲げる要件を満たすもの(次項第三号において「民間教育事業」という。)
イ当該技芸又は知識を習得するための標準的な修業期間が、六月以上であること。
ロ児童等に対して対面による指導を行うものであること。
ハ当該事業を営む者の事業所その他の当該事業を営む者が当該事業を行うために用意する場所において指導を行うものであること。
ニ当該事業において当該技芸又は知識の教授を行う者の人数が、児童対象性暴力等を防止し及び児童対象性暴力等が行われた場合に児童等を保護するための措置を講ずるために必要な人数その他の事情を勘案して政令で定める人数以上であること。
四児童発達支援を行う事業(指定障害児通所支援事業に係るものを除く。次項第四号において「児童発達支援事業」という。)
五放課後等デイサービスを行う事業(指定障害児通所支援事業に係るものを除く。次項第五号において「放課後等デイサービス事業」という。)
六居宅訪問型児童発達支援を行う事業(指定障害児通所支援事業に係るものを除く。次項第六号において「居宅訪問型児童発達支援事業」という。)
七保育所等訪問支援を行う事業(指定障害児通所支援事業に係るものを除く。次項第七号において「保育所等訪問支援事業」という。)
八児童福祉法第六条の三第一項に規定する児童自立生活援助事業(次項第八号において「児童自立生活援助事業」という。)
九児童福祉法第六条の三第二項に規定する放課後児童健全育成事業及びこれに類する事業で学校教育法第二十九条に規定する小学校、社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)第二十条に規定する公民館その他の内閣府令で定める施設において行われるもの(次項第九号において「放課後児童健全育成事業等」という。)
十児童福祉法第六条の三第三項に規定する子育て短期支援事業(次項第十号において「子育て短期支援事業」という。)
十一児童福祉法第六条の三第七項に規定する一時預かり事業(次項第十一号において「一時預かり事業」という。)
十二児童福祉法第六条の三第八項に規定する小規模住居型児童養育事業(次項第十二号において「小規模住居型児童養育事業」という。)
十三児童福祉法第六条の三第十三項に規定する病児保育事業(次項第十三号において「病児保育事業」という。)
十四児童福祉法第六条の三第十七項に規定する意見表明等支援事業(次項第十四号において「意見表明等支援事業」という。)
十五児童福祉法第六条の三第十八項に規定する妊産婦等生活援助事業(次項第十五号において「妊産婦等生活援助事業」という。)
十六児童福祉法第六条の三第二十項に規定する児童育成支援拠点事業(次項第十六号において「児童育成支援拠点事業」という。)
十七児童福祉法第五十九条の二第一項に規定する施設における同法第六条の三第九項から第十二項まで又は第三十九条第一項に規定する業務を行う事業(次項第十七号において「認可外保育事業」という。)
十八障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号。以下この号及び次項第十八号において「障害者総合支援法」という。)第二十九条第一項に規定する指定障害福祉サービスを行う事業(障害児に対する障害者総合支援法第五条第二項に規定する居宅介護、同条第四項に規定する同行援護、同条第五項に規定する行動援護、同条第八項に規定する短期入所又は同条第九項に規定する重度障害者等包括支援を行うものに限る。同号において「指定障害福祉サービス事業」という。)
6この法律において「教育保育等従事者」とは、次に掲げる者をいう。
一前項第一号の教育を行う同号に規定する専修学校又は各種学校の校長及び当該教育を行う教員
二前項第二号の教育を行う教育施設の長及び当該教育を行う教員
三民間教育事業を行う事業所の管理者及び民間教育事業に従事する者のうち児童等に対して技芸又は知識の教授を行うもの
四児童発達支援事業を行う事業所の管理者及び児童発達支援事業に従事する者のうち障害児に対する児童福祉法第六条の二の二第二項の内閣府令で定める便宜の供与又は同項に規定する治療に関する業務を行うもの
五放課後等デイサービス事業を行う事業所の管理者及び放課後等デイサービス事業に従事する者のうち障害児に対する児童福祉法第六条の二の二第三項の便宜の供与に関する業務を行うもの
六居宅訪問型児童発達支援事業を行う事業所の管理者及び居宅訪問型児童発達支援事業に従事する者のうち障害児に対する児童福祉法第六条の二の二第四項の内閣府令で定める便宜の供与に関する業務を行うもの
七保育所等訪問支援事業を行う事業所の管理者及び保育所等訪問支援事業に従事する者のうち障害児に対する児童福祉法第六条の二の二第五項の便宜の供与に関する業務を行うもの
八児童自立生活援助事業を行う事業所の管理者及び児童自立生活援助事業に従事する者のうち児童福祉法第六条の三第一項第一号に掲げる者(児童に限る。)に対する同項に規定する児童自立生活援助を行うもの
九放課後児童健全育成事業等を行う事業所の管理者及び放課後児童健全育成事業等に従事する者のうち児童の遊び又は生活の支援に関する業務を行うもの
十子育て短期支援事業を行う事業所の管理者及び子育て短期支援事業に従事する者のうち児童に対する児童福祉法第六条の三第三項に規定する支援に関する業務を行うもの
十一一時預かり事業を行う事業所の管理者及び一時預かり事業に従事する者のうち児童福祉法第六条の三第七項各号に掲げる者の保護に関する業務を行うもの
十二小規模住居型児童養育事業を行う事業所の管理者及び小規模住居型児童養育事業に従事する者のうち児童の養育に関する業務を行うもの
十三病児保育事業を行う事業所の管理者及び病児保育事業に従事する者のうち児童の保育に関する業務を行うもの
十四意見表明等支援事業を行う事業所の管理者及び意見表明等支援事業に従事する者のうち児童の意見若しくは意向の把握又は児童に対する支援に関する業務を行うもの
十五妊産婦等生活援助事業を行う事業所の管理者及び妊産婦等生活援助事業に従事する者のうち児童に対する日常生活を営むのに必要な便宜の供与に関する業務を行うもの
十六児童育成支援拠点事業を行う事業所の管理者及び児童育成支援拠点事業に従事する者のうち児童に対する生活の支援、情報の提供及び相談に関する業務を行うもの
十七認可外保育事業を行う施設の管理者及び認可外保育事業に従事する者のうち児童の保育に関する業務を行うもの
十八指定障害福祉サービス事業を行う事業所の管理者及び指定障害福祉サービス事業に従事する者であって次のイからホまでに掲げるもののうち当該イからホまでに定めるもの
イ障害者総合支援法第五条第二項に規定する居宅介護に従事する者障害児に対する同項の主務省令で定める便宜の供与に関する業務を行う者
ロ障害者総合支援法第五条第四項に規定する同行援護に従事する者障害児に対する同項の主務省令で定める便宜の供与に関する業務を行う者
ハ障害者総合支援法第五条第五項に規定する行動援護に従事する者障害児に対する同項の主務省令で定める便宜の供与に関する業務を行う者
ニ障害者総合支援法第五条第八項に規定する短期入所に従事する者障害児に対する同項の主務省令で定める便宜の供与に関する業務を行う者
ホ障害者総合支援法第五条第九項に規定する重度障害者等包括支援に従事する者障害児に対する同項の主務省令で定める障害福祉サービスの提供に関する業務を行う者
7この法律において「特定性犯罪」とは、次に掲げる罪をいう。
一刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十六条、第百七十七条、第百七十九条から第百八十二条まで、第二百四十一条第一項若しくは第三項又は第二百四十三条(同項の罪に係る部分に限る。)の罪
二盗犯等の防止及び処分に関する法律(昭和五年法律第九号)第四条の罪(刑法第二百四十一条第一項の罪を犯す行為に係るものに限る。)
三児童福祉法第六十条第一項の罪
四児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第四条から第八条までの罪
五性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和五年法律第六十七号)第二条から第六条までの罪
六都道府県の条例で定める罪であって、次のイからニまでに掲げる行為のいずれかを罰するものとして政令で定めるもの
イみだりに人の身体の一部に接触する行為
ロ正当な理由がなくて、人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体をのぞき見し、若しくは写真機その他の機器(以下このロにおいて「写真機等」という。)を用いて撮影し、又は当該下着若しくは身体を撮影する目的で写真機等を差し向け、若しくは設置する行為
ハみだりに卑わいな言動をする行為(イ又はロに掲げるものを除く。)
ニ児童と性交し、又は児童に対しわいせつな行為をする行為
8この法律において「特定性犯罪事実該当者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
一特定性犯罪について拘禁刑を言い渡す裁判が確定した者(その刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者(当該執行猶予の言渡しが取り消された者を除く。次号において「執行猶予者」という。)を除く。)であって、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二十年を経過しないもの
二特定性犯罪について拘禁刑を言い渡す裁判が確定した者のうち執行猶予者であって、当該裁判が確定した日から起算して十年を経過しないもの
三特定性犯罪について罰金を言い渡す裁判が確定した者であって、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して十年を経過しないもの

(学校設置者等及び民間教育保育等事業者の責務等)

第三条学校設置者等及び民間教育保育等事業者は、児童等に対して教育、保育等の役務を提供する事業を行う立場にあるものであり、児童等に対して当該役務を提供する業務を行う教員等及び教育保育等従事者による児童対象性暴力等の防止に努め、仮に児童対象性暴力等が行われた場合には児童等を適切に保護する責務を有する。
2国は、学校設置者等及び民間教育保育等事業者が前項に定める責務を確実に果たすことができるようにするため、必要な情報の提供、制度の整備その他の施策を実施しなければならない。

第二章 学校設置者等が講ずべき措置等

(犯罪事実確認義務等)

第四条学校設置者等は、教員等としてその本来の業務に従事させようとする者(施行時現職者(この法律の施行の際現に存在し又は行われている学校等又は児童福祉事業についてこの法律の施行の際現に教員等としてその本来の業務に従事させている者及びこの法律の施行の日(以下この項及び第三項において「施行日」という。)の前日までに当該業務に従事させることを決定していた者であって施行日後に当該業務に従事させるものをいう。同項において同じ。)を除く。次項において同じ。)について、当該業務を行わせるまでに、第三十三条第一項に規定する犯罪事実確認書(以下この章及び次章において「犯罪事実確認書」という。)による特定性犯罪事実該当者であるか否かの確認(以下「犯罪事実確認」という。)を行わなければならない。
2学校設置者等は、教員等に急な欠員を生じた場合その他のやむを得ない事情として内閣府令で定めるものにより、教員等としてその本来の業務に従事させようとする者について当該業務を行わせるまでに犯罪事実確認を行ういとまがない場合であって、直ちにその者に当該業務を行わせなければ学校等又は児童福祉事業の運営に著しい支障が生ずるときは、前項の規定にかかわらず、その者の犯罪事実確認は、その者を当該業務に従事させた日から六月以内で政令で定める期間内に行うことができる。ただし、学校設置者等は、犯罪事実確認を行うまでの間は、その者を特定性犯罪事実該当者とみなして必要な措置を講じなければならない。
3学校設置者等は、施行時現職者については、施行日から起算して三年以内で政令で定める期間を経過する日までに、その全ての者(施行日から当該政令で定める期間を経過する日までの間に当該業務に従事しなくなった者を除く。)について、犯罪事実確認を行わなければならない。
4学校設置者等は、この条の規定による犯罪事実確認を行った教員等をその者の直近の犯罪事実確認書に記載された確認日(第三十四条第二項に規定する確認日をいう。)の翌日から起算して五年を経過する日の属する年度の末日を超えて引き続き教員等としてその本来の業務に従事させるときは、当該年度の初日から末日までの間に、改めて、その者について、犯罪事実確認を行わなければならない。

(児童対象性暴力等を把握するための措置)

第五条学校設置者等は、児童等との面談その他の教員等による児童対象性暴力等が行われるおそれがないかどうかを早期に把握するための措置として内閣府令で定めるものを実施しなければならない。
2学校設置者等は、教員等による児童対象性暴力等に関して児童等が容易に相談を行うことができるようにするために必要な措置として内閣府令で定めるものを実施しなければならない。

(犯罪事実確認の結果等を踏まえて講ずべき措置)

第六条学校設置者等は、第四条の規定による犯罪事実確認に係る者について、その犯罪事実確認の結果、前条第一項の措置により把握した状況、同条第二項の児童等からの相談の内容その他の事情を踏まえ、その者による児童対象性暴力等が行われるおそれがあると認めるときは、その者を教員等としてその本来の業務に従事させないことその他の児童対象性暴力等を防止するために必要な措置を講じなければならない。

(児童対象性暴力等が疑われる場合等に講ずべき措置)

第七条学校設置者等は、教員等による児童対象性暴力等が行われた疑いがあると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、その事実の有無及び内容について調査を行わなければならない。
2学校設置者等は、児童等が教員等による児童対象性暴力等を受けたと認めるときは、内閣府令で定めるところにより、当該児童等の保護及び支援のための措置を講じなければならない。

(研修の実施)

第八条学校設置者等は、児童対象性暴力等の防止に対する関心を高めるとともに、そのために取り組むべき事項に関する理解を深めるための研修を教員等に受講させなければならない。

(県費負担教職員の場合の特例)

第九条教員等が県費負担教職員(市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)第一条に規定する小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程若しくは特別支援学校又は同法第二条に規定する高等学校で定時制の課程を置くものの教員等であって、同法の規定により都道府県がその給与を負担するものをいう。)である場合における第四条及び第六条の規定の適用については、第四条第一項、第二項本文、第三項及び第四項中「学校設置者等」とあるのは「都道府県の教育委員会」と、同条第二項ただし書及び第六条中「学校設置者等」とあるのは「都道府県の教育委員会及び第九条第二項に規定する市町村の教育委員会」とする。
2都道府県の教育委員会は、前項の規定により読み替えて適用する第四条の規定により犯罪事実確認を行ったときは、当該犯罪事実確認に係る教員等が勤務する学校を設置する市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(第三十三条第八項において「指定都市」という。)を除き、特別区を含む。第十一条及び第三十三条第八項において同じ。)町村の教育委員会に対し、前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置を講ずるために必要な限度において、当該教員等の犯罪事実確認記録(第三十八条第一項に規定する犯罪事実確認記録をいう。以下この章及び次章において同じ。)を提供するものとする。

(施設等運営者がある場合の特例)

第十条施設等運営者(学校設置者等から地方自治法第二百四十四条の二第三項若しくは国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第十二条の三第一項の規定による指定又は委託を受けて当該学校設置者等が設置する学校等又は当該学校設置者等が行う児童福祉事業に係る事業所を管理する者をいう。以下同じ。)がある場合における第四条から第八条までの規定の適用については、これらの規定中「学校設置者等」とあるのは、「学校設置者等及び第十条第一項に規定する施設等運営者」とする。
2第三十五条第二項の規定により学校設置者等又は施設等運営者が犯罪事実確認書の交付を受けたときは、その交付を受けた者は、他方の者に対し、犯罪事実確認及び前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置の実施に必要な限度において、当該犯罪事実確認書に係る教員等の犯罪事実確認記録を提供することができる。

(犯罪事実確認記録等の管理に関する措置)

第十一条第四条(第九条第一項又は前条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により犯罪事実確認を行わなければならない者及び第九条第二項の規定により犯罪事実確認記録の提供を受ける市町村の教育委員会(以下この章において「犯罪事実確認実施者等」という。)は、犯罪事実確認記録等(第三十八条第一項に規定する犯罪事実確認記録等をいう。以下この章及び次章において同じ。)の管理責任者の設置その他の犯罪事実確認記録等を適正に管理するために必要な措置として内閣府令で定めるものを講じなければならない。

(利用目的による制限及び第三者に対する提供の禁止)

第十二条犯罪事実確認実施者等は、次に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない。
一第九条第二項又は第十条第二項の規定により提供する場合
二訴訟手続その他の裁判所における手続又は刑事事件の捜査のために提供する場合
三情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示する場合
四第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項、第三十四条の二十五第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項の規定により報告若しくは提出若しくは提示を求められ、又は質問若しくは検査に応じる場合

(犯罪事実確認書に記載された情報の漏えい等の報告)

第十三条犯罪事実確認実施者等は、犯罪事実確認書に記載された情報の漏えいその他の犯罪事実確認記録等の管理が適正に行われていないと認められる事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして内閣府令で定めるものが生じたときは、内閣府令で定めるところにより、直ちにその旨を内閣総理大臣に報告しなければならない。

(犯罪事実確認記録等の適正な管理)

第十四条犯罪事実確認実施者等は、犯罪事実確認記録等を適正に管理しなければならない。

(帳簿の備付け及び定期報告)

第十五条犯罪事実確認実施者等(国、地方公共団体、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人、国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人及び地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人並びにこれらの者が設置する学校等又はこれらの者が行う児童福祉事業の事業所の管理を行う施設等運営者を除く。以下この章において同じ。)は、内閣府令で定めるところにより、帳簿を備え、これに犯罪事実確認の実施状況を記載し、これを保存しなければならない。
2犯罪事実確認実施者等は、犯罪事実確認の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況について、内閣府令で定めるところにより、定期的に、内閣総理大臣に報告しなければならない。

(報告徴収及び立入検査)

第十六条内閣総理大臣は、犯罪事実確認の適切な実施及び犯罪事実確認記録等の適正な管理を確保するために必要な限度において、犯罪事実確認実施者等に対し、犯罪事実確認の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況に関し必要な報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、犯罪事実確認実施者等の事務所、学校等の施設、児童福祉事業を行う事業所、登録一時保護委託施設その他必要な場所に立ち入り、犯罪事実確認の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況に関し質問させ、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(犯罪事実確認義務に違反した場合の公表)

第十七条内閣総理大臣は、犯罪事実確認実施者等が第四条(第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定に違反していると認めるときは、当該犯罪事実確認実施者等の氏名又は名称その他内閣府令で定める事項をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。

(是正命令)

第十八条内閣総理大臣は、犯罪事実確認実施者等が第十一条又は第十四条の規定に違反していると認めるとき(同条の規定の違反にあっては、第十三条の内閣府令で定める事態が生じた場合に限る。)は、当該犯罪事実確認実施者等に対し、当該違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

第三章 民間教育保育等事業者の認定等及び認定事業者等が講ずべき措置等

(認定の申請)

第十九条民間教育保育等事業者は、その行う民間教育保育等事業(事業運営者(民間教育保育等事業者から地方自治法第二百四十四条の二第三項の規定による指定又は委託を受けて当該民間教育保育等事業者が行う民間教育保育等事業に係る事業所を管理する者をいう。以下同じ。)がある場合にあっては、当該事業運営者が管理する事業所において行われるものを除く。)について、前章の規定により学校設置者等が講ずべき措置と同等のものを実施する体制が確保されている旨の内閣総理大臣の認定(以下この章(第二十一条第一項を除く。)において「認定」という。)を受けることができる。
2認定は、認定を受けようとする民間教育保育等事業者の申請により行う。
3認定を受けようとする民間教育保育等事業者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一認定を受けようとする民間教育保育等事業者の氏名又は名称及び住所又は所在地並びに法人にあってはその代表者の氏名
二その行う民間教育保育等事業(事業運営者が管理する事業所において行われるものを除く。)の概要及び当該民間教育保育等事業が第二条第五項各号に掲げる事業のいずれの事業に該当するかの別
三前号の民間教育保育等事業を行う事業所の名称及び所在地
四第二号の民間教育保育等事業に従事する者のうち、その行う業務が教育保育等従事者の業務に該当すると思料するものの業務の概要
五その他内閣府令で定める事項
4前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一前項第二号の民間教育保育等事業及び同項第四号の業務の詳細を説明する資料
二次条第一項各号に掲げる基準に適合していることを証する資料
三次条第一項第四号に規定する児童対象性暴力等対処規程
四認定を受けようとする民間教育保育等事業者が犯罪事実確認を適切に実施する旨を誓約する書面
五その他内閣府令で定める書類

(認定の基準等)

第二十条内閣総理大臣は、認定の申請に係る前条第三項第二号の民間教育保育等事業及び同項第四号の業務の内容がそれぞれ民間教育保育等事業及び教育保育等従事者の業務に該当し、かつ、当該申請が次に掲げる基準に適合すると認めるときでなければ、認定をしてはならない。
一認定を受けようとする民間教育保育等事業者が前条第三項第四号の業務に従事させようとする者の犯罪事実確認を適切に実施するための体制として内閣府令で定めるものを備えていること。
二認定を受けようとする民間教育保育等事業者が前条第三項第四号の業務に従事する者による児童対象性暴力等が行われるおそれがないかどうかを早期に把握するための措置として内閣府令で定めるものを実施していること。
三認定を受けようとする民間教育保育等事業者が前条第三項第四号の業務に従事する者による児童対象性暴力等に関して児童等が容易に相談を行うことができるようにするために必要な措置として内閣府令で定めるものを実施していること。
四認定を受けようとする民間教育保育等事業者が次のイからハまでに掲げる措置を定めた規程(以下この章において「児童対象性暴力等対処規程」という。)を作成しており、かつ、その内容が内閣府令で定める基準に適合するものであること。
イ犯罪事実確認の結果、第二号の措置により把握した状況、前号の児童等からの相談の内容その他の事情を踏まえて前条第三項第四号の業務に従事する者による児童対象性暴力等が行われるおそれがあると認める場合において、児童対象性暴力等を防止するためにとるべき措置(第二十六条第七項において「防止措置」という。)
ロ前条第三項第四号の業務に従事する者による児童対象性暴力等が行われた疑いがあると認める場合において、その事実の有無及び内容を確認するための調査の実施
ハ前条第三項第四号の業務に従事する者による児童対象性暴力等を受けた児童等があると認める場合において、当該児童等を保護し、及び支援するためにとるべき措置
五認定を受けようとする民間教育保育等事業者が、児童対象性暴力等の防止に対する関心を高めるとともに、そのために取り組むべき事項に関する理解を深めるための研修として内閣府令で定めるものを前条第三項第四号の業務に従事する者に受講させていること。
六認定を受けようとする民間教育保育等事業者が犯罪事実確認記録等を適正に管理するために必要な措置として内閣府令で定めるものを講じていること。
2次の各号のいずれかに該当する民間教育保育等事業者は、認定を受けることができない。
一第三十二条第一項又は第二項の規定により認定等(第二十二条に規定する認定等をいう。以下この号において同じ。)を取り消された者であって、その取消しの日から二年を経過しない者(認定等を取り消された者が法人である場合にあっては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条第一項の規定による通知があった日前六十日以内に当該法人の役員であった者でその取消しの日から二年を経過しないものを含む。)
二この法律の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
三法人であって、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの

(共同認定の申請)

第二十一条民間教育保育等事業者及び事業運営者は、その行う民間教育保育等事業(事業運営者が管理する事業所において行われるものに限る。)について、前章の規定により学校設置者等が講ずべき措置と同等のものを実施する体制が確保されている旨の内閣総理大臣の認定(以下「共同認定」という。)を受けることができる。
2共同認定は、共同認定を受けようとする民間教育保育等事業者及び事業運営者の共同の申請により行う。
3第十九条第三項及び第四項並びに前条の規定は、共同認定について準用する。この場合において、第十九条第三項(第二号から第五号までの規定を除く。)及び第四項第四号並びに前条第一項各号及び第二項中「民間教育保育等事業者」とあるのは「民間教育保育等事業者及び事業運営者」と、第十九条第三項第二号中「を除く」とあるのは「に限る」と、同条第四項第二号中「資料」とあるのは「資料(民間教育保育等事業者及び事業運営者のそれぞれの役割を説明した資料を含む。)」と読み替えるものとする。

(認定等の公表)

第二十二条内閣総理大臣は、認定又は共同認定(以下「認定等」という。)をしたときは、遅滞なく、その旨及び次に掲げる事項を、認定等の申請をした者に通知するとともに、インターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
一認定を受けた民間教育保育等事業者又は共同認定を受けた民間教育保育等事業者及び事業運営者(以下「認定事業者等」という。)の氏名又は名称及び住所又は所在地並びに法人にあってはその代表者の氏名
二認定等に係る民間教育保育等事業(以下「認定等事業」という。)の概要及び第二条第五項各号に掲げる事業のいずれの事業に該当するかの別
三認定等事業を行う事業所の名称及び所在地
四認定等に係る教育保育等従事者の業務の概要
五その他内閣府令で定める事項

(認定等の表示)

第二十三条認定事業者等は、認定等事業に関する広告その他の内閣府令で定めるもの(次項において「広告等」という。)に、内閣総理大臣が定める表示を付することができる。
2何人も、前項の規定による場合を除くほか、広告等に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。

(変更の届出等)

第二十四条認定事業者等は、第二十二条各号に掲げる事項を変更するときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
3認定事業者等は、児童対象性暴力等対処規程又は第二十条第一項第六号(第二十一条第三項において準用する場合を含む。)の措置を変更するときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。ただし、軽微な変更として内閣府令で定めるものについては、この限りではない。

(児童対象性暴力等対処規程の遵守義務)

第二十五条認定事業者等は、児童対象性暴力等対処規程を遵守しなければならない。

(犯罪事実確認義務等)

第二十六条認定事業者等は、認定等に係る教育保育等従事者としてその業務に従事させようとする者(認定時現職者(認定等の際現に当該業務に従事させている者及び認定等を受けた日(以下この項及び第三項において「認定等の日」という。)の前日までに当該業務に従事させることを決定していた者であって認定等の日の後に当該業務に従事させるものをいう。同項において同じ。)を除く。次項において同じ。)について、当該業務を行わせるまでに、犯罪事実確認を行わなければならない。
2認定事業者等は、認定等に係る教育保育等従事者に急な欠員を生じた場合その他のやむを得ない事情として内閣府令で定めるものにより、認定等に係る教育保育等従事者としてその業務に従事させようとする者について当該業務を行わせるまでに犯罪事実確認を行ういとまがない場合であって、直ちにその者に当該業務を行わせなければ認定等事業の運営に著しい支障が生ずるときは、前項の規定にかかわらず、その者の犯罪事実確認は、その者を当該業務に従事させた日から六月以内で政令で定める期間内に行うことができる。ただし、認定事業者等は、犯罪事実確認を行うまでの間は、その者を特定性犯罪事実該当者とみなして必要な措置を講じなければならない。
3認定事業者等は、認定時現職者については、認定等の日から起算して一年以内で政令で定める期間を経過する日までに、その全ての者(認定等の日から当該政令で定める期間を経過する日までの間に当該業務に従事しなくなった者を除く。)について、犯罪事実確認を行わなければならない。
4認定事業者等は、前項の犯罪事実確認が完了したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出るものとする。
5内閣総理大臣は、前項の規定による届出を受けたときは、当該認定事業者等が法定の期間内に認定等事業に従事する全ての教育保育等従事者について犯罪事実確認を行った旨をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
6認定事業者等は、第一項から第三項まで及びこの項の規定による犯罪事実確認を行った者をその者の直近の犯罪事実確認書に記載された確認日(第三十四条第二項に規定する確認日をいう。)の翌日から起算して五年を経過する日の属する年度の末日を超えて引き続き認定等に係る教育保育等従事者としてその業務に従事させるときは、当該年度の初日から末日までの間に、改めて、その者について、犯罪事実確認を行わなければならない。
7第三十五条第二項の規定により民間教育保育等事業者又は事業運営者が犯罪事実確認書の交付を受けたときは、その交付を受けた者は、他方の者に対し、犯罪事実確認及び児童対象性暴力等対処規程に定める防止措置の実施に必要な限度において、当該犯罪事実確認に係る教育保育等従事者の犯罪事実確認記録を提供することができる。

(犯罪事実確認記録等の適正な管理)

第二十七条認定事業者等は、犯罪事実確認記録等を適正に管理しなければならない。
2第十二条及び第十三条の規定は、認定事業者等について準用する。この場合において、第十二条中「第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置」とあるのは「第二十六条第七項に規定する防止措置」と、同条第一号中「第九条第二項又は第十条第二項」とあるのは「第二十六条第七項」と、同条第四号中「第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項、第三十四条の二十五第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項」とあるのは「第二十九条第一項」と、「提出若しくは提示」とあるのは「提出」と読み替えるものとする。

(帳簿の備付け及び定期報告)

第二十八条認定事業者等は、内閣府令で定めるところにより、帳簿を備え、これに犯罪事実確認の実施状況を記載し、これを保存しなければならない。
2認定事業者等は、犯罪事実確認等(犯罪事実確認、第二十条第一項第二号、第三号、第五号及び第六号(これらの規定を第二十一条第三項において準用する場合を含む。)に規定する措置並びに児童対象性暴力等対処規程に定める第二十条第一項第四号イからハまで(これらの規定を第二十一条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる措置をいう。次条第一項において同じ。)の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況について、内閣府令で定めるところにより、定期的に、内閣総理大臣に報告しなければならない。

(報告徴収及び立入検査)

第二十九条内閣総理大臣は、犯罪事実確認等の適切な実施及び犯罪事実確認記録等の適正な管理を確保するために必要な限度において、認定事業者等に対し、犯罪事実確認等の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況に関し必要な報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、認定事業者等の事務所、認定等事業を行う事業所その他必要な場所に立ち入り、犯罪事実確認等の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況に関し質問させ、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2第十六条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

(適合命令及び是正命令)

第三十条内閣総理大臣は、認定事業者等が第二十条第一項各号(第二十一条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる基準のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該認定事業者等に対し、期限を定めて、当該基準に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
2内閣総理大臣は、認定事業者等が第二十七条第一項の規定に違反していると認めるとき(同条第二項において準用する第十三条の内閣府令で定める事態が生じた場合に限る。)は、当該認定事業者等に対し、当該違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(廃止の届出)

第三十一条認定事業者等は、認定等事業を廃止するときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨及び廃止しようとする日(以下この条において「廃止の日」という。)を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨及び廃止の日をインターネットの利用その他の方法により、公表しなければならない。
3認定等は、廃止の日として第一項の規定により届け出られた日以後は、その効力を失う。

(認定等の取消し等)

第三十二条内閣総理大臣は、認定事業者等が次の各号のいずれかに該当するときは、認定等を取り消すものとする。
一偽りその他不正の手段により認定等を受けたとき。
二第二十条第二項第二号又は第三号(これらの規定を第二十一条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる者に該当することとなったとき。
三第二十六条第一項から第三項まで又は第六項の規定に違反して犯罪事実確認を行っていないとき。
四第三十条の規定による命令に違反したとき。
2内閣総理大臣は、認定事業者等が次の各号のいずれかに該当するときは、認定等を取り消すことができる。
一民間教育保育等事業者又は事業運営者に該当しなくなったとき。
二認定等事業を行っていないと認めるとき。
三第二十条第一項各号(第二十一条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる基準のいずれかに適合しなくなったと認めるとき。
四第二十四条第一項若しくは第三項、第二十五条、第二十八条又は前条第一項の規定に違反したとき。
五第二十七条第一項又は同条第二項において準用する第十二条若しくは第十三条の規定に違反したとき(第二十七条第一項の規定の違反にあっては、同条第二項において準用する第十三条の内閣府令で定める事態が生じた場合に限る。)。
六第二十九条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
3内閣総理大臣は、前二項の規定による認定等の取消しをしたときは、その旨をインターネットの利用その他の方法により公表しなければならない。

第四章 犯罪事実確認書の交付等

(犯罪事実確認書の交付申請)

第三十三条対象事業者(第四条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)並びに第二十六条第一項から第三項まで及び第六項の規定により犯罪事実確認を行わなければならない者をいう。以下同じ。)は、これらの規定により犯罪事実確認を行わなければならないこととされている者(次項において「従事者」という。)について、内閣総理大臣に対し、特定性犯罪事実該当者に該当するか否かに関する情報を記載した書面(以下「犯罪事実確認書」という。)の交付を申請することができる。
2前項の規定による申請(以下この章において「交付申請」という。)の対象とする従事者(以下この章において「申請従事者」という。)の行う業務が施設等運営者又は事業運営者が管理する施設又は事業所において行われるものである場合にあっては、交付申請は、学校設置者等及び施設等運営者又は共同認定を受けた民間教育保育等事業者及び事業運営者が共同して行うものとする。
3犯罪事実確認書の交付を受けようとする対象事業者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一交付を受けようとする対象事業者の氏名又は名称及び住所又は所在地並びに法人にあってはその代表者の氏名
二申請従事者の氏名、住所又は居所、生年月日及び性別
三申請従事者が勤務する学校等若しくは登録一時保護委託施設の名称及び所在地又は申請従事者が従事する児童福祉事業若しくは認定等事業の概要
四申請従事者が行う業務の内容
五申請従事者が教員等又は認定等に係る教育保育等従事者の業務に従事させようとする者である場合にあっては、当該申請従事者を当該業務に従事させる予定の日(第三十八条第二項第二号において「従事予定日」という。)
六交付申請が前項の規定により共同で行われる場合にあっては、交付申請をした者のうち犯罪事実確認書の送付を受ける者
七その他内閣府令で定める事項
4前項の申請書(以下この章において「申請書」という。)には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一申請従事者と対象事業者との間の雇用契約の契約書の写しその他の当該申請従事者を交付申請に係る業務に従事させることを証する書類
二その他内閣府令で定める書類
5対象事業者は、申請書を提出するときは、申請従事者に、内閣府令で定めるところにより、申請対象者情報(当該申請従事者の氏名、住所又は居所、生年月日及び性別並びに当該対象事業者の氏名又は名称及び住所又は所在地をいう。第三十五条第四項及び第三十七条第三項第一号において同じ。)を記載した書面及び次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める書類を内閣総理大臣に提出させるものとする。
一申請従事者が日本の国籍を有する場合次に掲げる書類(ロに掲げる書類にあっては、当該申請従事者に係る除かれた戸籍がある場合に限る。)
イ当該申請従事者の本籍、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第十三条第一項第一号から第四号までに掲げる事項その他の次条第一項に規定する本人特定情報(以下この条において「本人特定情報」という。)に関する事項として内閣府令で定めるもの(ロにおいて「本籍等」という。)が記載され又は記録された全ての戸籍の抄本、戸籍に記載した事項に関する証明書、同法第百二十条第一項に規定する戸籍証明書又は戸籍の謄本
ロ当該申請従事者の本籍等が記載され又は記録された全ての除かれた戸籍の抄本、除かれた戸籍に記載した事項に関する証明書、戸籍法第百二十条第一項に規定する除籍証明書又は除かれた戸籍の謄本
二申請従事者が日本の国籍を有しない場合当該申請従事者の住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第十二条第一項に規定する住民票の写しその他の本人特定情報を把握するために必要な書類として内閣府令で定めるもの
6前項の規定により当該申請従事者が同項各号に定める書類を提出する場合において、当該書類のうちに当該申請従事者が同項の規定により既に提出したものがあるときは、内閣府令で定めるところにより、当該書類(本人特定情報の変更の有無及び内容を把握するために必要なものとして内閣府令で定めるものを除く。)の提出を省略することができる。
7申請従事者が第五項の規定による書類の提出を当該対象事業者を経由して行うことを希望するときは、当該対象事業者は、これを拒んではならない。
8内閣総理大臣は、本人特定情報の確認のため必要があるときは、市町村、指定都市の区若しくは総合区又は出入国在留管理庁に照会し、又は協力を求めることができる。

(内閣総理大臣による犯罪事実の確認)

第三十四条内閣総理大臣は、犯罪事実確認書を交付するため、法務大臣に対し、申請従事者に係る次に掲げる事項(以下この章において「本人特定情報」という。)を提供し、次項に規定する事項を通知するよう求めることができる。
一氏名(変更があった者については、変更前の全ての氏名及び変更の年月日を含む。)
二出生の年月日
三次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める事項
イ当該申請従事者が日本の国籍を有する場合本籍(変更があった者については、変更前の全ての本籍及び変更の年月日を含む。)
ロ当該申請従事者が日本の国籍を有しない場合住民基本台帳法第三十条の四十五に規定する国籍等(以下このロ及び次項において「国籍等」という。)(変更があった者については、変更前の全ての国籍等及び変更の年月日を含む。)
2法務大臣は、前項の規定による求めがあったときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項及び当該各号のいずれの場合に該当するかの確認を行った日(次条第四項及び第三十八条第一項において「確認日」という。)を内閣総理大臣に通知するものとする。
一特定性犯罪についての事件(拘禁刑又は罰金を言い渡す裁判が確定したものに限る。次号において同じ。)の保管記録(刑事確定訴訟記録法(昭和六十二年法律第六十四号)第二条第三項に規定する保管記録をいう。次号において同じ。)に記録された被告人の氏名、出生の年月日及び本籍又は国籍等のうちに、前項の規定により提供された本人特定情報に合致するものがない場合その旨
二特定性犯罪についての事件の保管記録に記録された被告人の氏名、出生の年月日及び本籍又は国籍等のうちに、前項の規定により提供された本人特定情報に合致するものがある場合本人特定情報に合致する被告人の特定性犯罪についての次に掲げる事項
イ罪名
ロ裁判(拘禁刑又は罰金に処する確定裁判に限る。)の主文の内容
ハロの裁判において示された法令の適用
ニロの裁判が確定した日
ホ当該被告人が当該特定性犯罪について拘禁刑の全部の執行猶予の言渡しを受け、その言渡しが取り消された者であるときは、その旨
ヘ当該被告人が当該特定性犯罪について刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった者であるときは、当該刑の執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日

(犯罪事実確認書の交付)

第三十五条内閣総理大臣は、前条第二項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、交付申請をした対象事業者に対し、当該交付申請に係る申請従事者の犯罪事実確認書を交付するものとする。
2交付申請が第三十三条第二項の規定により共同で行われた場合における前項の規定による犯罪事実確認書の交付は、申請書に記載された同条第三項第六号の者に対して犯罪事実確認書を送付することにより行うものとする。
3第一項の規定にかかわらず、内閣総理大臣は、第十八条の規定による命令、第三十条第一項の規定による命令(第二十条第一項第六号(第二十一条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる基準に係るものに限る。)又は第三十条第二項の規定による命令を受けた対象事業者からの交付申請については、これらの命令に係る措置が講じられたものと認めるまでの間は、犯罪事実確認書の交付を行わないものとする。
4犯罪事実確認書には、申請対象者情報及び確認日並びに次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める事項を記載する。
一申請従事者が特定性犯罪事実該当者であると認められない場合その旨
二申請従事者が特定性犯罪事実該当者であると認められる場合次に掲げる事項
イ当該申請従事者についての第二条第八項各号に掲げる特定性犯罪事実該当者の区分
ロその特定性犯罪の裁判が確定した日
5内閣総理大臣は、第一項の規定により前項第二号に定める事項を記載した犯罪事実確認書を交付するときは、あらかじめ、当該犯罪事実確認書に係る申請従事者に当該犯罪事実確認書に記載する内容を通知しなければならない。この場合においては、当該犯罪事実確認書の第一項の規定による交付は、第三十七条第二項に規定する期間を経過するまで(当該期間内に同項に規定する訂正請求があった場合にあっては、当該訂正請求に係る同条第六項又は第七項の規定による通知をするまで)は、行わないものとする。
6前各項に定めるもののほか、犯罪事実確認書の様式その他の犯罪事実確認書の交付の手続に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

(犯罪事実確認書管理簿)

第三十六条内閣総理大臣は、申請従事者ごとに、次に掲げる事項を記載した帳簿(次項において「犯罪事実確認書管理簿」という。)を作成しなければならない。
一本人特定情報
二申請書に記載された第三十三条第三項各号に掲げる事項
三第三十四条第二項又は次条第五項の規定により法務大臣から通知された事項
四次条第二項に規定する訂正請求があった場合にあっては、同条第六項又は第七項の決定の内容
五犯罪事実確認書に記載した事項及び当該犯罪事実確認書の交付の日
2前項に定めるもののほか、犯罪事実確認書管理簿の様式その他犯罪事実確認書管理簿に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

(訂正請求)

第三十七条第三十五条第五項の規定による通知を受けた申請従事者は、同項の規定により通知された内容(以下この条において「通知内容」という。)が事実でないと思料するときは、内閣総理大臣に対し、当該通知内容の訂正を請求することができる。
2前項の規定による訂正の請求(以下この条において「訂正請求」という。)は、第三十五条第五項の規定による通知を受けた日から二週間以内にしなければならない。
3訂正請求は、次に掲げる事項を記載した書面を内閣総理大臣に提出してしなければならない。
一訂正請求をする者の申請対象者情報
二訂正請求の趣旨及び理由
4内閣総理大臣は、訂正請求に理由があるかどうかの判断をするため必要があるときは、法務大臣に対し、第三十四条第二項の規定により通知された内容に誤りがないかどうかについて確認を求めることができる。
5法務大臣は、第三十四条第二項の規定により通知した内容に誤りがあることを発見したときは、直ちに、内閣総理大臣に対して、その内容を訂正して通知しなければならない。
6内閣総理大臣は、訂正請求に理由があると認めるときは、通知内容を訂正する旨の決定をし、訂正請求をした申請従事者に対しその旨を書面により通知するとともに、交付申請をした対象事業者に対し訂正した内容を記載した犯罪事実確認書を交付しなければならない。
7内閣総理大臣は、訂正請求に理由がないと認めるときは、通知内容を訂正しない旨の決定をし、訂正請求をした申請従事者に対し、その旨及び理由を書面により通知しなければならない。

(犯罪事実確認記録等の廃棄及び消去)

第三十八条犯罪事実確認書受領者等(犯罪事実確認書の交付を受けた対象事業者及び第九条第二項、第十条第二項又は第二十六条第七項の規定による提供を受けた者をいう。以下同じ。)は、犯罪事実確認書に記載された確認日から起算して五年を経過した日の属する年度の末日から起算して三十日を経過する日までに、当該犯罪事実確認書の犯罪事実確認記録等(犯罪事実確認書及び犯罪事実確認書に記載された情報に係る記録(第四十六条第三号において「犯罪事実確認記録」という。)をいう。以下この条において同じ。)を廃棄し及び消去しなければならない。
2前項の規定にかかわらず、犯罪事実確認書受領者等は、犯罪事実確認に係る申請従事者が離職した場合又は犯罪事実確認書受領者等が当該申請従事者を任命せず若しくは雇用しなかった場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から起算して三十日が経過する日までに、当該申請従事者の犯罪事実確認記録等を廃棄し及び消去しなければならない。
一当該申請従事者が離職した場合離職の日
二犯罪事実確認書受領者等が当該申請従事者を任命せず又は雇用しなかった場合従事予定日として当該申請従事者の犯罪事実確認書の申請書に記載した日(当該犯罪事実確認書の交付の日が当該従事予定日より遅いときは、当該交付の日)
3前二項の規定にかかわらず、犯罪事実確認書受領者等は、学校設置者等、施設等運営者又は認定事業者等のいずれにも該当しなくなったときは、その日から起算して三十日が経過する日までに、当該犯罪事実確認書受領者等が取得した全ての犯罪事実確認記録等を廃棄し及び消去しなければならない。

(職員等の秘密保持義務)

第三十九条犯罪事実確認書受領者等(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員若しくは従業者又はこれらであった者は、その業務に関して知り得た犯罪事実確認書(第三十五条第四項第二号に定める事項が記載されたものに限る。第四十五条第二項において同じ。)に記載された情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

第五章 雑則

(手数料)

第四十条認定等を受けようとする者(国及び地方公共団体並びにこれらが行う民間教育保育等事業の事業所の管理を行う事業運営者を除く。)は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

(関係大臣への協議)

第四十一条内閣総理大臣は、次の各号に掲げる内閣府令を制定し、又は改廃するときは、あらかじめ、当該各号に定める大臣に協議するものとする。
一第二条第四項第一号ハ、第二号及び第三号ハ並びに第五項第二号及び第九号、第四条第二項(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)並びに第五条及び第七条(これらの規定を第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の内閣府令文部科学大臣
二第二十条第一項第一号から第五号まで(これらの規定を第二十一条第三項において準用する場合を含む。)及び第二十六条第二項の内閣府令文部科学大臣及び経済産業大臣

(こども家庭庁長官への内閣総理大臣に係る権限の委任)

第四十二条内閣総理大臣は、この法律に規定する内閣総理大臣の権限(政令で定めるものを除く。)をこども家庭庁長官に委任する。

第六章 罰則

(情報不正目的提供罪)

第四十三条犯罪事実確認書受領者等(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員若しくは従業者又はこれらであった者が、その業務に関して知り得た犯罪事実確認書に記載された情報を自己又は第三者の不正な利益を図る目的で提供したときは、二年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(犯罪事実確認書不正取得罪)

第四十四条偽りその他不正の手段により犯罪事実確認書の交付を受けたときは、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

(虚偽表示罪及び情報漏示等罪)

第四十五条第二十三条第二項の規定に違反して、同条第一項の表示又はこれと紛らわしい表示を付したときは、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2第三十九条の規定に違反して、その業務に関して知り得た犯罪事実確認書に記載された情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用した者は、一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(帳簿の不備等の罪)

第四十六条次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
一第十五条第一項又は第二十八条第一項の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。
二第十六条第一項又は第二十九条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又はこれらの規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくはこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
三第三十八条の規定に違反して犯罪事実確認書の廃棄又は犯罪事実確認記録の消去をしなかったとき。

(国外犯)

第四十七条第四十三条及び第四十五条第二項の規定は、日本国外においてこれらの規定の罪を犯した者にも適用する。

(両罰規定)

第四十八条法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第四十三条、第四十四条、第四十五条第一項又は第四十六条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

附 則抄

(施行期日)

第一条この法律は、公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第四条及び第五条の規定は、公布の日から施行する。

(改正前の刑法に規定する罪についてのこの法律の適用関係)

第二条第二条第七項(第一号に係る部分に限る。)の規定の適用については、次に掲げる罪は、同号に掲げる罪とみなす。
一刑法の一部を改正する法律(平成二十九年法律第七十二号。次項において「刑法一部改正法」という。)による改正前の刑法第百七十八条の二、第百八十一条第三項若しくは第二百四十一条の罪又はこれらの罪の未遂罪
二刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律(令和五年法律第六十六号)第一条の規定による改正前の刑法第百七十六条から第百七十八条までの罪又はこれらの罪の未遂罪
2第二条第七項(第二号に係る部分に限る。)の規定の適用については、刑法一部改正法附則第三条の規定による改正前の盗犯等の防止及び処分に関する法律第四条の罪(刑法一部改正法による改正前の刑法第二百四十一条前段の罪又はその未遂罪を犯す行為に係るものに限る。)は、同号に掲げる罪とみなす。

(懲役を言い渡す裁判についてのこの法律の適用関係)

第三条第二条第八項(第一号及び第二号に係る部分に限る。)及び第三十四条第二項(第一号並びに第二号ロ及びホに係る部分に限る。)の規定の適用については、刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)第二条の規定による改正前の刑法第十二条に規定する懲役又はその全部の執行猶予を言い渡す裁判は、拘禁刑又はその全部の執行猶予を言い渡す裁判とみなす。

(準備行為)

第四条内閣総理大臣は、第四十一条各号に掲げる内閣府令を定めるため、この法律の施行の日前においても、当該各号に定める大臣に協議することができる。

(政令への委任)

第五条附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(検討)

第六条政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況等を勘案しつつ、学校設置者等、教員等、民間教育保育等事業者、教育保育等従事者及び特定性犯罪事実該当者の範囲を含め、児童対象性暴力等の防止に関する制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附 則(令和七年四月二五日法律第二九号)抄

(施行期日)

第一条この法律は、令和七年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一附則第二十一条の規定公布の日
二及び三略
四第二条の規定、第五条の規定(前二号に掲げる改正規定を除く。)及び第十一条の規定並びに附則第四条及び第七条の規定公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日

(検討)

第二条政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

(学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第七条附則第五条第二項の規定により登録を受けた者が第四号施行日の前日までに当該登録に係る一時保護を行う施設の管理者の業務又は当該施設における一時保護の業務に従事させることを決定していた者であって、第四号施行日以後にこれらの業務に従事させるものは、学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律第四条第一項から第三項までの規定の適用については、同条第一項に規定する施行時現職者とみなす。

(罰則に関する経過措置)

第二十条この法律(附則第一条第三号に掲げる規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為並びに附則第十四条、第十六条第一項及び第十七条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)

第二十一条この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附 則(令和七年五月二三日法律第三九号)抄

(施行期日)

第一条この法律は、令和九年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。
索引
  • 第一条(目的)
  • 第二条(定義)
  • 第三条(学校設置者等及び民間教育保育等事業者の責務等)
  • 第四条(犯罪事実確認義務等)
  • 第五条(児童対象性暴力等を把握するための措置)
  • 第六条(犯罪事実確認の結果等を踏まえて講ずべき措置)
  • 第七条(児童対象性暴力等が疑われる場合等に講ずべき措置)
  • 第八条(研修の実施)
  • 第九条(県費負担教職員の場合の特例)
  • 第十条(施設等運営者がある場合の特例)
  • 第十一条(犯罪事実確認記録等の管理に関する措置)
  • 第十二条(利用目的による制限及び第三者に対する提供の禁止)
  • 第十三条(犯罪事実確認書に記載された情報の漏えい等の報告)
  • 第十四条(犯罪事実確認記録等の適正な管理)
  • 第十五条(帳簿の備付け及び定期報告)
  • 第十六条(報告徴収及び立入検査)
  • 第十七条(犯罪事実確認義務に違反した場合の公表)
  • 第十八条(是正命令)
  • 第十九条(認定の申請)
  • 第二十条(認定の基準等)
  • 第二十一条(共同認定の申請)
  • 第二十二条(認定等の公表)
  • 第二十三条(認定等の表示)
  • 第二十四条(変更の届出等)
  • 第二十五条(児童対象性暴力等対処規程の遵守義務)
  • 第二十六条(犯罪事実確認義務等)
  • 第二十七条(犯罪事実確認記録等の適正な管理)
  • 第二十八条(帳簿の備付け及び定期報告)
  • 第二十九条(報告徴収及び立入検査)
  • 第三十条(適合命令及び是正命令)
  • 第三十一条(廃止の届出)
  • 第三十二条(認定等の取消し等)
  • 第三十三条(犯罪事実確認書の交付申請)
  • 第三十四条(内閣総理大臣による犯罪事実の確認)
  • 第三十五条(犯罪事実確認書の交付)
  • 第三十六条(犯罪事実確認書管理簿)
  • 第三十七条(訂正請求)
  • 第三十八条(犯罪事実確認記録等の廃棄及び消去)
  • 第三十九条(職員等の秘密保持義務)
  • 第四十条(手数料)
  • 第四十一条(関係大臣への協議)
  • 第四十二条(こども家庭庁長官への内閣総理大臣に係る権限の委任)
  • 第四十三条(情報不正目的提供罪)
  • 第四十四条(犯罪事実確認書不正取得罪)
  • 第四十五条(虚偽表示罪及び情報漏示等罪)
  • 第四十六条(帳簿の不備等の罪)
  • 第四十七条(国外犯)
  • 第四十八条(両罰規定)
  • 附 則抄
  • 附 則(令和七年四月二五日法律第二九号)抄
  • 附 則(令和七年五月二三日法律第三九号)抄
履歴
未確定
令和7年法律第39号
令和7年法律第29号
令和7年法律第29号
令和7年10月1日
令和7年法律第29号
令和7年4月25日
令和7年法律第29号
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