(定義)
第二条この法律で「農地」とは耕作(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第四十三条第一項の規定により耕作に該当するものとみなされる農作物の栽培を含む。)の目的に供される土地をいい、「農業用施設」とは農地の利用又は保全上必要な公共的施設であつて次に掲げるものをいう。
2この法律で「林業用施設」とは、林地の利用又は保全上必要な公共的施設であつて左に掲げるものをいう。
一林地荒廃防止施設(法令により地方公共団体又はその機関の維持管理に属するものを除く。以下同じ。)
3この法律で「漁業用施設」とは、漁場の利用又は保全上必要な公共的施設であつて次に掲げるものをいう。
一沿岸漁場整備開発施設(消波施設その他政令で定めるものに限る。)
二漁港施設(漁業の根拠地となる水域及び陸域内にあり、かつ、水産業協同組合の維持管理に属する外郭施設、係留施設及び水域施設に限る。以下同じ。)
4この法律で「共同利用施設」とは、農業協同組合、農業協同組合連合会、森林組合、生産森林組合、森林組合連合会、水産業協同組合その他営利を目的としない法人で政令で定めるものの所有する倉庫、加工施設、共同作業場その他の農林水産業者の共同利用に供する施設でその所有者の区分ごとに政令で定めるものをいう。
5この法律で「災害」とは、暴風、こう水、高潮、地震その他の異状な天然現象により生じた災害をいう。
6この法律で「災害復旧事業」とは、災害によつて必要を生じた事業で、災害にかかつた農地等を原形に復旧すること(原形に復旧することが不可能な場合において、当該農地等の従前の効用を復旧するために必要な施設をすることを含む。)を目的とするもののうち、一箇所の工事の費用が四十万円以上のものをいう。
7災害によつて必要を生じた事業で、災害にかかつた施設(農地を含む。以下同じ。)を原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合においてこれに代わるべき必要な施設をすることを目的とするもののうち、一箇所の工事の費用が四十万円以上のものは、この法律の適用については、災害復旧事業とみなす。
8前二項の場合において、一の施設について災害にかかつた箇所が百五十メートル(漁港施設にあつては百メートル。以下同じ。)以内の間隔で連続しているものに係る工事並びに一の施設について災害にかかつた箇所が百五十メートルを超える間隔で連続しているものに係る工事又は二以上の施設にわたる工事で当該工事を分離して施行することが当該施設の効用上困難又は不適当なものは、一箇所の工事とみなす。ただし、当該工事を施行する者が二以上あるものについては、この限りでない。
(補助の対象及び補助率)
第三条国は、予算の範囲内で、都道府県に対し、次に掲げる経費を補助することができる。
二都道府県以外の者の行う災害復旧事業につき、都道府県が、次項各号(第三項の区域内の農地、農業用施設、林道及び漁業用施設の災害復旧事業の事業費のうち同項の政令で定める額に相当する部分については、同項各号)の区分に従い、それぞれ当該各号に定める比率を下らない比率による補助をする場合におけるその補助に要する経費(当該各号に定める比率を超えて補助する場合には、その超える部分の補助に要する経費を除いた経費)の全部
2前項第一号の規定により国が行う補助の比率は、次の区分による。
一農地に係るもの当該災害復旧事業の事業費の十分の五
二農業用施設に係るもの当該災害復旧事業の事業費の十分の六・五
三林業用施設に係るもの
イ林地荒廃防止施設に係るもの当該災害復旧事業の事業費の十分の六・五
ロ林道に係るもの
(一)奥地幹線林道に係るもの当該災害復旧事業の事業費の十分の六・五
(二)その他の林道に係るもの当該災害復旧事業の事業費の十分の五
四漁業用施設に係るもの当該災害復旧事業の事業費の十分の六・五
五共同利用施設に係るもの当該災害復旧事業の事業費の十分の二
3その年の一月一日から十二月三十一日までに発生した災害により甚大な被害を受けた地域に限り、その被害を受けた農地、農業用施設、林道及び漁業用施設の災害復旧事業の事業費のうち政令で定める額に相当する部分につき、第一項第一号の規定により国が行う補助の比率は、前項の規定にかかわらず、次の区分による。
一農地に係るもの当該部分の十分の八(当該部分のうち政令で定める額に相当する部分については、十分の九)
二農業用施設に係るもの当該部分の十分の九(当該部分のうち政令で定める額に相当する部分については、十分の十)
三林道に係るもの
イ奥地幹線林道に係るもの当該部分の十分の九(当該部分のうち政令で定める額に相当する部分については、十分の十)
ロその他の林道に係るもの当該部分の十分の七・五(当該部分のうち政令で定める額に相当する部分については、十分の八・五)
四漁業用施設に係るもの当該部分の十分の九(当該部分のうち政令で定める額に相当する部分については、十分の十)
4前項の地域は、その年ごとに農林水産大臣が指定する。
(連年災害における補助率の特例)
第三条の二その年の十二月三十一日までの三年間に発生した災害により甚大な被害を受けた政令で定める地域内においてその年の一月一日から十二月三十一日までに発生した災害により被害を受けた農地、農業用施設及び林道の災害復旧事業につき前条第一項第一号の規定により国が行なう補助の比率は、同条第二項及び第三項の規定にかかわらず、農地、農業用施設並びに奥地幹線林道及びその他の林道ごとに、当該三年間の災害により被害を受けたこれらの施設の災害復旧事業の事業費の総額につき、当該三年間の災害がその年の一月一日から十二月三十一日までの間に発生したものとみなし、かつ、その地域につき同条第四項の規定による指定がなされたものとみなして同条第二項及び第三項の補助の比率を適用して算出した補助金の額に相当する額を、その事業費の総額で除して得た商に相当する比率とする。この場合において、その商は、小数点以下三位まで算出するものとし、四位以下は、四捨五入するものとする。
2前項に規定する地域内においてその年の一月一日から十二月三十一日までに発生した災害により被害を受けた農地、農業用施設及び林道の災害復旧事業で都道府県以外の者の行うものについての第三条第一項の規定の適用については、同項第二号中「次項各号(第三項の区域内の農地、農業用施設、林道及び漁業用施設の災害復旧事業の事業費のうち同項の政令で定める額に相当する部分については、同項各号)の区分に従い、それぞれ当該各号に定める比率」とあるのは「次条第一項の規定により算出される比率」と、「当該各号に定める比率を超えて」とあるのは「その同項の規定により算出される比率を超えて」とする。
3前二項の規定は、これらの規定を適用しないものとして前条の規定により算出した同条の規定による国の補助の額が、前二項の規定を適用して同条の規定により算出した同条の規定による国の補助の額をこえる場合は、適用しない。
(補助金の返還)
第四条第三条第一項第一号の規定によりその行う災害復旧事業につき補助金の交付を受けた都道府県は、その交付を受けた年度(当該年度において施行すべき災害復旧事業の一部を翌年度において施行することについての農林水産大臣の承認(以下この項において「農林水産大臣の承認」という。)があつた場合には、当該年度及び翌年度)において当該都道府県が当該事業に支出した金額に当該事業に対する国の補助率(同条の規定により当該事業につき国が補助する金額の当該事業の事業費に対する比率をいう。)を乗じて得た額が、当該年度において交付を受けた補助金の額に満たないときは、その交付を受けた補助金のうちその差額に相当する金額を、当該年度の終了後(当該年度の終了前に当該事業が終了した場合又は農林水産大臣の承認があつた場合においては、当該事業の終了後)遅滞なく国に返還しなければならない。
2第三条第一項第二号の規定により都道府県以外の者が行う災害復旧事業に対してその行う補助につき補助金の交付を受けた都道府県は、その交付を受けた年度(当該年度において当該補助のために支出すべき金額の一部を翌年度において支出することについての農林水産大臣の承認(以下この項において「農林水産大臣の承認」という。)があつた場合には、当該年度及び翌年度)において当該都道府県が当該補助のために支出した金額(その金額の全部又は一部につき返還があつた場合には、当該返還金に相当する金額を除いた金額)が、当該年度において交付を受けた補助金の額に満たないときは、その交付を受けた補助金のうちその差額に相当する金額を当該年度の終了後(当該年度の終了前に当該事業が終了した場合又は農林水産大臣の承認があつた場合においては、当該事業の終了後)遅滞なく国に返還しなければならない。
3農林水産大臣は、第三条第一項の規定により補助金の交付を受けた都道府県がその補助金の交付を受けた年度(前二項に規定する農林水産大臣の承認があつた場合には、当該年度及び翌年度)において当該補助の目的に従つてその補助金を使用しないとき、又は当該補助の目的である事業の施行若しくは補助の実施が著しく不適当であるときは、当該都道府県に対し、補助金の全部又は一部の返還を命ずることができる。