(国の賠償責任)第一条日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基き日本国内にあるアメリカ合衆国の陸軍、海軍又は空軍(以下「合衆国軍隊」という。)の構成員又は被用者が、その職務を行うについて日本国内において違法に他人に損害を加えたときは、国の公務員又は被用者がその職務を行うについて違法に他人に損害を加えた場合の例により、国がその損害を賠償する責に任ずる。
第二条合衆国軍隊の占有し、所有し、又は管理する土地の工作物その他の物件の設置又は管理に瑕疵があつたために日本国内において他人に損害を生じたときは、国の占有し、所有し、又は管理する土地の工作物その他の物件の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じた場合の例により、国がその損害を賠償する責に任ずる。
第三条前二条の規定は、被害者が日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(以下「協定」という。)にいう合衆国軍隊の構成員、軍属又はこれらの者の家族である場合には、適用しない。
(強制執行等の特例)第五条合衆国軍隊が使用する施設又は区域内にある動産(合衆国軍隊が使用するものを除く。)に対して強制執行又は仮差押え若しくは仮処分の執行をする場合には、執行裁判所又は保全執行裁判所は、債権者の申立てにより、合衆国軍隊の権限ある機関に対し執行官にその物を引き渡すべきことを求めなければならない。
(施行期日)1この法律は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。(経過措置)2この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。3前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。