(傾斜偶力てこ)
第十四条第十一条第一項第一号の風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。
((1.71AH+0.268Σ(7-(n/a))nb)/100W)(メートル)
この場合において、
Aは、直立状態における船舶の喫水線上の部分及び暴露部に積載する貨物の船体縦断面に対する投影面積(平方メートル)
Hは、船舶の船体縦断面に対する投影において、直立状態における船舶の喫水線上の部分及び暴露部に積載する貨物の面積の中心から喫水線下の部分の中心までの垂直距離(メートル)
nは、旅客搭載場所ごとの旅客の数
aは、旅客搭載場所ごとの床面積(平方メートル)
bは、旅客搭載場所ごとの旅客の移動可能の平均幅(メートル)
Wは、排水量(トン)
2第十一条第一項第二号及び第二項第二号イの旋回により生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。
0.0204(V02/L)(KG-d/2)(メートル)
この場合において、
V0は、最強速力(メートル毎秒)
Lは、喫水線の全長(メートル)
KGは、基線から船舶の重心までの垂直距離(メートル)
dは、キールの下面から測つた船舶の平均喫水(メートル)
3第十一条第二項第一号及び第五号の風により生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。
(kAH/W)(メートル)
この場合において、
A、H及びWは、それぞれ第一項のA、H及びWに同じ。
kは、次表に掲げる係数
船舶の分類 | k |
特定の水域のみを航行する船舶 | 〇・〇一七一 |
沿海区域を航行区域とする船舶(特定の水域のみを航行する船舶を除く。) | 〇・〇二七四 |
その他の船舶 | 〇・〇五一四 |
4第十一条第二項第二号ロの旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこは、次の算式で定めるものとする。
((0.9375Σ(4-n/a)nb)/100W)(メートル)
この場合において、
nは、旅客搭載場所ごとの旅客の数。ただし、2aを超えるときは2aとする。
a、b及びWは、それぞれ第一項のa、b及びWに同じ。
(ロールオン・ロールオフ旅客船の傾斜偶力てこ及び横揺れ角)
第十五条の二平水区域を航行区域とするロールオン・ロールオフ旅客船の風及び旅客の移動により生ずる傾斜偶力てこは、第十四条第一項の規定にかかわらず、次の算式で定めるものとする。ただし、管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合には、この限りでない。
((2.74AH+0.268Σ(7-n/a)nb)/100W)(メートル)
この場合において、
A、H、n、a、b及びWは、第十四条第一項のA、H、n、a、b及びWに同じ。
2前項に規定する船舶以外のロールオン・ロールオフ旅客船の風により生ずる傾斜偶力てこは、第十四条第三項の規定にかかわらず、次の算式で定めるものとする。
(kAH/W)(メートル)
この場合において、
A、H及びWは、それぞれ第十四条第一項のA、H及びWに同じ。
kは、次表に掲げる係数
船舶の分類 | k |
特定の水域のみを航行する船舶 | 〇・〇二七四 |
その他の船舶 | 〇・〇五一四 |
3前項のロールオン・ロールオフ旅客船の横揺れ角は、第十五条第一項の規定にかかわらず、次の算式で定めるものとする。
109kX1X2(rs)1/2(度)
この場合において、
k、X1、X2及びrは、第十五条第一項のk、X1、X2及びrに同じ。
sは、船舶の分類に応じ次表に掲げる値
特定の水域のみを航行する船舶 | その他の船舶 |
T | s | T | s |
四・五以下 | 〇・一〇〇〇 | 六以下 | 〇・一〇〇 |
五・五 | 〇・〇九八八 | 七 | 〇・〇九八 |
六 | 〇・〇九二五 | 八 | 〇・〇九三 |
七 | 〇・〇八三〇 | 一二 | 〇・〇六五 |
九 | 〇・〇六三〇 | 一四 | 〇・〇五三 |
一一 | 〇・〇四六〇 | 一六 | 〇・〇四四 |
一二 | 〇・〇四一〇 | 一八 | 〇・〇三八 |
一三 | 〇・〇三六八 | 二〇以上 | 〇・〇三五 |
一四以上 | 〇・〇三五〇 | | |
備考一 Tは、船舶の横揺れ周期(秒)二 Tがこの表に掲げるものの中間にあるときは、補間法によりsを算定する。 |