(特定空港の指定等)
第二条空港法(昭和三十一年法律第八十号)第四条第一項各号に掲げる空港及び同法第五条第一項に規定する地方管理空港であつて、おおむね十年後においてその周辺の広範囲な地域にわたり航空機の著しい騒音が及ぶこととなり、かつ、その地域において宅地化が進むと予想されるため、その周辺について航空機の騒音により生ずる障害を防止し、あわせて適正かつ合理的な土地利用を図る必要があると認められるものは、政令で特定空港として指定する。
2前項の規定による指定があつたときは、当該特定空港の設置者は、国土交通省令で定めるところにより、おおむね十年後における当該特定空港の施設の概要、当該特定空港の周辺で航空機の著しい騒音が及ぶこととなる地域及び当該地域における航空機の騒音の程度並びに当該特定空港の設置者が講ずる航空機の騒音により生ずる障害の防止のための措置の概要を示して、当該地域を管轄する都道府県知事に対し、次条第一項に規定する基本方針を定めるべきことを要請しなければならない。次項の規定による調査の結果が都道府県知事に示した事項と著しく異なることとなる場合として政令で定める場合も、同様とする。
3特定空港の設置者は、前項の規定による要請をしたときは、おおむね五年ごとに、おおむね十年後における当該特定空港の周辺で航空機の著しい騒音が及ぶこととなる地域及び当該地域における航空機の騒音の程度について調査を行うものとする。
(航空機騒音対策基本方針)
第三条都道府県知事は、前条第二項の規定による要請があつたときは、政令で定めるところにより、特定空港の周辺で航空機の著しい騒音が及ぶこととなる地域及びこれと一体的に土地利用を図るべき地域について、航空機騒音対策基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。
2基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区の位置及び区域に関する基本的事項
二航空機の騒音により生ずる障害の防止に配意した土地利用に関する基本的事項
3前項各号に掲げるもののほか、基本方針においては、航空機の騒音により生ずる障害の防止のために必要な施設及び航空機の騒音により生ずる障害の防止に配意した土地利用を図るための施設の整備に関する基本的事項について定めるよう努めるものとする。
4都道府県知事は、基本方針を定めようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、当該基本方針の案を公表しなければならない。
5前項の規定による公表があつたときは、関係市町村の住民及び利害関係人は、公表の日から起算して二週間以内に、その公表された基本方針の案について、都道府県知事に意見書を提出することができる。
6都道府県知事は、基本方針を定めようとするときは、当該基本方針の案について、関係市町村長の意見を聴き、かつ、特定空港の周辺で航空機の著しい騒音が及ぶこととなる地域が二以上の都府県の区域にわたるときは関係都府県知事に協議しなければならない。
7都道府県知事は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、第二項各号に掲げる事項に係る部分について、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。この場合において、国土交通大臣は、同意をしようとするときは、同項第二号に掲げる事項に係る部分について関係行政機関の長に協議しなければならない。
8都道府県知事は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、国土交通大臣に報告しなければならない。
9前各項の規定は、都道府県知事が基本方針を変更する必要があると認める場合について準用する。
(航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区)
第四条特定空港の周辺で都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第五条の規定により指定された都市計画区域内の地域においては、都市計画に航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区を定めることができる。
2航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区に関する都市計画は、基本方針に基づいて定めなければならない。
3航空機騒音障害防止地区は、航空機の著しい騒音が及ぶこととなる地域について定めるものとする。
4航空機騒音障害防止特別地区は、航空機騒音障害防止地区のうち航空機の特に著しい騒音が及ぶこととなる地域について定めるものとする。
(航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区内における建築の制限等)
第五条航空機騒音障害防止地区(航空機騒音障害防止特別地区を除く。)内において次に掲げる建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に規定する建築物をいう。以下同じ。)の建築(同条第十三号に規定する建築をいう。以下同じ。)をしようとする場合においては、当該建築物は、政令で定めるところにより、防音上有効な構造としなければならない。
一学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校
二医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の五第一項に規定する病院
四前三号に掲げる建築物に類する建築物で政令で定めるもの
2航空機騒音障害防止特別地区内においては、前項各号に掲げる建築物の建築をしてはならない。ただし、都道府県知事が、公益上やむを得ないと認め、又は航空機騒音障害防止特別地区以外の地域に建築をすることが困難若しくは著しく不適当であると認めて許可した場合は、この限りでない。
3前項ただし書の許可には、航空機の騒音により生ずる障害の防止のために必要な限度において、建築物の構造又は設備に関し条件を付けることができる。
4航空機騒音障害防止特別地区に関する都市計画が定められた際既に着手していた建築については、第二項の規定は、適用しない。
5前各項の規定は、建築物の用途を変更して第一項各号に掲げる建築物のいずれかとしようとする場合について準用する。