(目的)第一条この法律は、北方領土が我が国固有の領土であるにもかかわらず、北方領土問題が今なお未解決である現在の状況並びにこれに起因して北方地域元居住者及び北方領土隣接地域が置かれている特殊な事情に鑑み、平成二十八年十二月十六日に我が国とロシア連邦との間で協議の開始が合意された我が国及びロシア連邦により北方地域において共同で行われる経済活動(第二条第五項において「共同経済活動」という。)の進展も踏まえつつ、北方領土問題その他北方地域に関する諸問題についての国民世論の啓発、交流等事業の推進、北方地域元居住者に対する援護等の措置の充実、特定共同経済活動の円滑な実施のための環境整備並びに北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する計画の策定及びその実施の推進を図る等のために必要な特別の措置を定めることにより、北方領土問題及びこれに関連する諸問題の解決の促進を図り、ひいては北方領土の早期返還を実現して我が国とロシア連邦との間の平和条約を締結し、両国の友好関係を真に安定した基礎の上に発展させることに資することを目的とする。
(定義)第二条この法律において「北方地域」とは、歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島をいう。2この法律において「北方領土隣接地域」とは、北海道根室市(歯舞群島の区域を除く。)、野付郡別海町、標津郡中標津町、同郡標津町及び目梨郡羅臼町の区域をいう。3この法律において「北方地域元居住者」とは、昭和二十年八月十五日において北方地域に生活の本拠を有していた者及びその者の子で同日後北方地域において出生したものをいい、それらの者の子及び孫を含むものとする。4この法律において「交流等事業」とは、次に掲げる事業で政令で定めるものをいう。一日本国民と継続的にかつ現に北方地域に居住するロシア連邦国民との間の相互理解の増進を図り、北方領土問題の解決に寄与することを目的として行われるこれらの者の旅券及び査証を用いない相互訪問の事業二北方地域元居住者等(北方地域元居住者及びその家族である日本国民をいう。以下同じ。)の北方地域への墓参のための訪問の事業三前号に定めるもののほか、北方地域元居住者等の北方地域への最大限に簡易化された手続による訪問の事業5この法律において「特定共同経済活動」とは、共同経済活動のうち主として北方領土隣接地域の経済の活性化に資するものとして主務大臣が定める共同経済活動をいう。
(国の責務)第二条の二国は、北海道並びに北方領土隣接地域の市及び町をはじめとする地方公共団体並びに民間の団体との密接な連携を図りながら、北方領土問題等の解決の促進を図るため必要な施策を積極的に推進し、我が国固有の領土である北方領土の早期返還を実現するため最大限の努力をするものとする。
(北方領土問題等の解決の促進を図るための基本方針)第三条主務大臣は、第一条の目的を達成するため、関係行政機関の長に協議して、北方領土問題等の解決の促進を図るための基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。2基本方針に定める事項は、次のとおりとする。一北方領土問題その他北方地域に関する諸問題についての国民世論の啓発に関する事項二交流等事業の実施に関する事項三北方地域元居住者に対する援護等に関する事項四北方領土隣接地域の振興(特定共同経済活動の円滑な実施のための環境整備を含む。以下同じ。)及び住民の生活の安定に関する事項3主務大臣は、必要に応じて、基本方針の見直しを行い、必要な変更を加えなければならない。4第一項及び第二項の規定は、基本方針の変更について準用する。
(北方領土問題その他北方地域に関する諸問題についての国民世論の啓発)第四条国は、基本方針に基づき、北方領土問題その他北方地域に関する諸問題についての国民世論の啓発を図るため、北方領土返還運動の推進のための環境の整備その他の必要な施策を推進するものとする。2国は、国民が北方領土問題その他北方地域に関する諸問題についての理解と関心を深めることができるよう、学校教育及び社会教育における北方領土問題その他北方地域に関する諸問題に関する教育及び学習の振興並びに広報活動等を通じた知識の普及その他の必要な施策を講ずるものとする。
(交流等事業の推進)第四条の二国は、北方領土問題が解決されるまでの間、交流等事業の積極的な推進に努めるものとする。2国は、北方領土隣接地域が交流等事業の推進の拠点として重要な役割を果たしていることに留意しつつ、交流等事業の円滑な推進のため必要な財政上の配慮をするものとする。3国は、北方領土問題が未解決であることに起因して自ら渡航手段を確保することができない等の北方地域元居住者等の置かれている特殊な事情にかんがみ、北方領土問題が解決されるまでの間、第二条第四項第二号及び第三号の訪問が支障なく行われるようにするため、特別の配慮をするものとする。
(北方地域元居住者に対する援護等)第五条国は、北方領土問題が未解決であることに起因して北方地域元居住者の置かれている特殊な事情及び北方領土問題の解決のための諸施策の推進を図る上において北方地域元居住者の占める特別な地位にかんがみ、基本方針に基づき、次条及び第十条に定めるもののほか、北方地域元居住者に対する援護等の措置の一層の充実強化を図るために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるものとする。
(北方地域元居住者に係る北方領土返還運動の後継者の育成)第五条の二国は、北方領土返還運動の有力な担い手として重要な役割を果たしている北方地域元居住者の高齢化が進展している現状にかんがみ、北方地域元居住者(第二条第三項に規定する孫の子を含む。)が北方領土返還運動の有力な担い手として引き続き重要な役割を果たすことができるよう、北方領土返還運動の後継者の育成を図るために必要な措置を講ずるものとする。
(北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する計画)第六条北海道知事は、北方領土返還運動の拠点である北方領土隣接地域を安定した地域社会として形成するのに資するため、基本方針に基づき、北方領土隣接地域の市及び町の長の意見を聴いて、北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する計画を作成し、主務大臣に協議し、その同意を求めることができる。2前項に規定する計画に定める事項は、次のとおりとする。一北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する基本的な事項二交通施設及び通信施設の整備に関する事項三国土保全及び水資源開発に関する事項四教育及び文化の振興に関する事項五生活環境施設及び社会福祉施設の整備に関する事項六医療の確保に関する事項七農林水産業、商工業その他の産業の振興に関する事項八観光の開発に関する事項九特定共同経済活動の円滑な実施のための環境整備に関する事項十前各号に掲げるもののほか、北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定のために必要な事項3主務大臣は、第一項の規定により協議された計画が適当なものであると認められるときは、これに同意するものとする。この場合において、主務大臣は、関係行政機関の長に協議しなければならない。4前三項の規定は、振興計画(前項の規定により同意を得た第一項に規定する計画をいう。以下同じ。)の変更について準用する。
(特別の助成)第七条振興計画に基づいて、北方領土隣接地域の市又は町が国又は北海道から負担金、補助金又は交付金の交付を受けて行う事業(北海道から負担金、補助金又は交付金の交付を受けて行うものにあつては、北海道が負担し、若しくは補助し、又は交付金を交付するために要する費用の一部について国が負担し、若しくは補助し、又は交付金を交付するものに限る。)のうち、次に掲げる事業(災害復旧に係るもの、当該事業に係る経費の全額を国又は北海道が負担するもの及び当該事業に係る経費を北方領土隣接地域の市又は町が負担しないものを除く。)で政令で定めるもの(以下「特定事業」という。)に係る経費に対する国の負担又は補助の割合(北方領土隣接地域の市又は町に対する負担又は補助のために北海道が要する費用の一部を国が負担し、又は補助している場合にあつては、国の負担金又は補助金の当該特定事業に係る経費に対する割合。以下「国の負担割合」という。)は、次条に定めるところにより算定するものとする。一次の施設の整備に関する事業イ道路ロ河川ハ下水道ニ住宅ホ都市公園ヘ教育施設ト厚生施設チ農地並びに農業用施設及び林業用施設で政令で定めるものリ漁港及び漁業用施設で政令で定めるものヌ一般廃棄物の処理施設ル消防施設ヲ水道二前号に掲げるもののほか、生活環境及び産業基盤の整備のために必要な事業で政令で定めるもの
第七条の二特定事業に係る経費に対する国の負担割合は、北方領土隣接地域の市又は町ごとに北海道の区域以外の区域における当該特定事業に相当する事業に係る経費に対する通常の国の負担割合に次の式により算定した数(小数点以下二位未満は、切り上げるものとする。以下「引上率」という。)を乗じて算定するものとする。1+0.25×(当該年度におけるすべての特定事業に係る当該市又は町の負担額のうち、当該市又は町の標準負担額を超え、その2倍に至るまでの額/当該市又は町の標準負担額)×調整率2前項の式において「当該市又は町の標準負担額」とは、当該市又は町の当該年度の地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第十条の規定により算定した普通交付税の額、同法第十四条の規定により算定した基準財政収入額からその算定の基礎となつた地方揮発油譲与税、特別とん譲与税、自動車重量譲与税、航空機燃料譲与税及び交通安全対策特別交付金の収入見込額を控除した額の七十五分の百に相当する額並びに当該地方揮発油譲与税、特別とん譲与税、自動車重量譲与税、航空機燃料譲与税及び交通安全対策特別交付金の収入見込額の合算額の百分の二に相当する額をいう。3第一項の式において「調整率」とは、次の式により算定した数値をいい、その数値が負数となるときは、零とする。0.25+0.75×((0.72-当該市又は町の財政力指数)/(0.72-すべての北方領土隣接地域の市及び町のうち財政力指数が最低の北方領土隣接地域の市又は町の財政力指数))4前項の式において「財政力指数」とは、地方交付税法第十四条の規定により算定した基準財政収入額を同法第十一条の規定により算定した基準財政需要額で除して得た数値で当該年度前三年度内の各年度に係るものを合算したものの三分の一の数値をいう。5第一項の規定を適用した場合において、北方領土隣接地域の市又は町の負担割合が百分の二十未満となるときは、同項の規定にかかわらず、当該特定事業に係る経費に対する北方領土隣接地域の市又は町の負担割合が百分の二十となるように国の負担割合を定める。6総務大臣は、第一項に規定する引上率を算定し、特定事業に係る事務を所掌する各省各庁の長(財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十条第二項に規定する各省各庁の長をいう。)及び国土交通大臣、北海道知事並びに北方領土隣接地域の市及び町の長に通知するものとする。
第七条の三国は、前二条の規定にかかわらず、北方領土隣接地域の市又は町に係る特定事業のうち、前条の規定により算定した国の負担割合が北海道の区域における当該特定事業に係る経費に対する国の負担割合を超えないものについては、北海道の区域における当該特定事業に係る経費に対する国の負担割合により算定した額に相当する額を負担し、又は補助するものとする。
第七条の五国は、特定事業に係る経費に充てるため政令で定める交付金を交付する場合においては、政令で定めるところにより、当該経費について第七条及び第七条の二又は第七条の三の規定を適用したとするならば国が負担し、又は補助することとなる割合を参酌して、当該交付金の額を算定するものとする。
(地方債についての配慮)第八条北海道又は北方領土隣接地域の市若しくは町が振興計画に基づいて行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については、国は、北海道又は当該市若しくは町の財政状況が許す限り起債できるよう、及び資金事情が許す限り財政融資資金をもつて引き受けるよう特別の配慮をするものとする。
(北方地域の領海における漁業者の操業の円滑な実施の確保)第九条国は、北方領土問題が未解決であることに起因して北方地域の領海において操業する我が国漁業者が置かれている特殊な事情にかんがみ、当該海域における我が国漁業者の操業の円滑な実施を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(北方領土隣接地域振興等基金)第十条北海道は、北方領土問題が未解決であることによる特殊事情に起因する諸問題の解決に資するため、北方領土隣接地域の市若しくは町又は北海道の区域内の公共的団体等が行う振興計画に基づく事業、北方領土問題その他北方地域に関する諸問題についての世論の啓発に関する事業及び北方地域元居住者の援護等に関する事業(国の補助又は負担を伴わないものに限る。)のうち、次に掲げるものに要する経費の一部を補助するため、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十一条の基金として、北方領土隣接地域振興等基金を設けることができる。一北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定のための事業で次に掲げるものイ北方領土隣接地域の特性に即した基幹的な産業の振興に資するための事業ロ教育施設、文化施設、生活環境施設及び厚生施設の整備に関する事業二北方領土問題その他北方地域に関する諸問題についての世論の啓発に関する事業三北方地域元居住者の援護等に関する事業で次に掲げるものイ北方地域元居住者がその能力に適合した職業に就くことができるようにするための技能研修及び知識の習得その他その生活の安定及び福祉の増進を図るための事業ロ北方地域元居住者が北方領土問題の解決のための諸施策の推進を図る上において特別の地位にあることについての認識を深めるのに資するための事業2北海道が前項の規定により北方領土隣接地域振興等基金を設ける場合には、国は、その財源に充てるための資金の一部を北海道に対して補助するものとする。3第一項の北方領土隣接地域振興等基金の額は、前項の規定により国から交付を受けた補助金の額に当該補助金の額の四分の一に相当する額を加算した額を下らないものとする。4北海道が第一項の北方領土隣接地域振興等基金を取り崩す場合には、その取崩し後の北方領土隣接地域振興等基金の額の五分の四に相当する額を第二項の規定により国から交付を受けた補助金の額とみなして前項の規定を適用する。
(財政上の措置等)第十条の二国は、第四条の二から前条までに定めるもののほか、この法律の目的を達成するため、予算の範囲内において必要な財政上の措置を講ずるとともに、必要な金融上及び技術上の配慮をしなければならない。
(北方地域の村の長の権限に属する事務)第十一条当分の間、北方地域(歯舞群島を除く。以下この条において同じ。)に本籍を有する者についての戸籍事務は、他の法令の規定にかかわらず、法務大臣が北方領土隣接地域の市又は町の長のうちから指名した者が管掌する。2当分の間、北方地域に本籍を有する者についての住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第九条第二項の規定による通知及び同法第三章に規定する戸籍の附票に関する事務は、他の法令の規定にかかわらず、総務大臣及び法務大臣が北方領土隣接地域の市又は町の長のうちから指名した者が管理する。3前二項に定めるもののほか、当分の間、北方地域の村の長の権限に属する事務のうち政令で定めるものは、他の法令の規定にかかわらず、北海道知事が北方領土隣接地域の市又は町の長のうちから指名した者が行う。4前三項の事務を行うにつき必要な事項は、政令で定める。
(主務大臣)第十二条この法律における主務大臣は、特定共同経済活動の定めについては内閣総理大臣、外務大臣及び国土交通大臣、交流等事業の実施に関する事項については内閣総理大臣及び外務大臣、北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する事項については国土交通大臣、その他の事項については内閣総理大臣とする。
(特例適用期間における特別の助成についての規定の不適用)第三条第七条の規定は、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律(昭和五十六年法律第九十三号)第一条に規定する特例適用期間における各年度の予算に係る国の負担金又は補助金(当該特例適用期間経過後の年度に繰り越されたものを含む。)については、適用しない。
(北方領土隣接地域振興等基金の財源に充てるための資金に係る補助金の交付)第四条国は、第十条第二項の規定により北海道に対して交付すべき補助金については、昭和五十八年度から十年度以内を目途として交付するものとする。
(施行期日)第一条この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定公布の日
(北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律の一部改正に伴う経過措置)第十六条施行日前に第二十八条の規定による改正前の北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律第六条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定によりされた承認又はこの法律の施行の際現に同条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定によりされている承認の申請は、それぞれ第二十八条の規定による改正後の北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律第六条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定によりされた同意又は同条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定によりされた協議の申出とみなす。
(国等の事務)第百五十九条この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)第百六十条この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。2この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(不服申立てに関する経過措置)第百六十一条施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。2前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(検討)第二百五十条新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(施行期日)第一条この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定公布の日
(施行期日)第一条この法律は、公社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一第一章第一節(別表第一から別表第四までを含む。)並びに附則第二十八条第二項、第三十三条第二項及び第三項並びに第三十九条の規定公布の日
(経過措置)第二条この法律による改正後の北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律第七条から第七条の五までの規定は、平成二十二年度の予算に係る国の負担金、補助金又は交付金から適用し、平成二十一年度以前の予算に係る国の負担金、補助金又は交付金(平成二十二年度以降に繰り越されたものを含む。)については、なお従前の例による。
(北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律の一部改正に伴う経過措置)第十二条前条の規定による改正後の北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律第七条の二第二項の規定は、平成二十四年度以後の年度における当該市又は町の標準負担額の算定について適用し、平成二十三年度以前の年度における当該市又は町の標準負担額の算定については、なお従前の例による。
(施行期日)1この法律は、平成三十一年四月一日から施行する。(検討)2政府は、この法律による改正後の北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律の施行の状況を勘案し、北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定を図るための交付金に関する制度の整備その他必要な財政上の措置について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。