(事業計画)
第四条森林所有者等(指定地域内の森林の森林所有者(森林法第二条第二項に規定する森林所有者をいう。以下同じ。)その他権原に基づき森林の立木の使用若しくは収益をする者又は森林経営管理法(平成三十年法律第三十五号)第三十六条第二項の規定により公表されている民間事業者、国有林野の管理経営に関する法律(昭和二十六年法律第二百四十六号)第八条の五第一項に規定する樹木採取権の設定を受けることを希望する者その他の権原に基づき森林の立木の使用若しくは収益をしようとする者をいう。以下同じ。)は、当該森林所有者等が生産した木材を製品の原材料若しくはエネルギー源として利用する事業者若しくはその組織する団体(以下「木材利用事業者等」という。)又は木材利用事業者等及び当該木材を原材料とする製品(第三項第二号ヘ(2)において「木材製品」という。)を利用する事業として政令で定めるもの(同号ヘ(2)において「木材製品利用事業」という。)を行う者(第十六条第二号ロ及びハにおいて「木材製品利用事業者」という。)若しくはその組織する団体(以下「木材製品利用事業者等」という。)と共同して、木材の安定的な取引関係の確立(これと併せて実施する作業路網、乾燥施設その他の木材の生産又は流通の改善を図るための施設(以下「木材生産流通改善施設」という。)の整備を含む。)を図る事業(以下「木材安定供給確保事業」という。)に関する計画(以下この章において「事業計画」という。)を作成し、これを当該指定地域を指定した都道府県知事(同項第二号ハの事業所、同号ニの木材生産流通改善施設又は同号ヘ(2)の事業所若しくは区域が当該都道府県以外の都道府県の区域内に所在する場合にあっては、農林水産大臣。以下「都道府県知事等」という。)に提出して、当該事業計画が適当である旨の認定を受けることができる。
2事業計画には、次に掲げる者が森林所有者等、木材利用事業者等又は木材製品利用事業者等との安定的な取引関係に基づき行う立木の伐採及び木材の搬出の効率化、木材の需要の開拓その他の木材安定供給確保事業を促進するための措置(以下「促進措置」という。)に関する計画を含めることができる。
一森林組合、森林組合連合会又はその他の森林所有者の組織する団体
二素材生産業若しくは木材卸売業を営む者、木材取引のために開設される市場(政令で定めるものに限る。)を開設する者(第十六条第二号イにおいて「市場開設者」という。)又は木材の輸送を業として行う者
3事業計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
二木材安定供給確保事業(促進措置を含む。以下同じ。)の内容に関する次に掲げる事項及び実施期間
ロ森林の区域並びに当該区域における伐採及び伐採後の造林に関する方針
ハ木材利用事業者等の事業所であって森林所有者等が生産した木材の引取りを行うものの所在地
ニ木材生産流通改善施設を整備しようとする場合にあっては、当該施設の所在地、種類及び規模
ホ促進措置に関する計画を含める場合にあっては、当該促進措置の内容(ニに掲げる事項を除く。)
ヘ森林所有者等、木材利用事業者等及び木材製品利用事業者等が共同して事業計画を作成する場合にあっては、次に掲げる事項
(2)木材製品利用事業者等の事業所であって木材製品の引取りを行うものの所在地又は木材製品利用事業を行う区域
三木材安定供給確保事業を実施するのに必要な資金の額及びその調達方法
四森林法第五条第一項の規定によりたてられた地域森林計画(以下「地域森林計画」という。)の対象となっている民有林(同項に規定する民有林をいう。以下同じ。)であって保安林(同法第二十五条又は第二十五条の二の規定により指定された保安林をいう。以下同じ。)並びに保安施設地区(同法第四十一条の規定により指定された保安施設地区をいう。以下同じ。)の区域内及び海岸保全区域(海岸法(昭和三十一年法律第百一号)第三条の規定により指定された海岸保全区域をいう。以下同じ。)内の森林以外の森林において木材生産流通改善施設を整備するために森林法第十条の二第一項に規定する開発行為(以下「開発行為」という。)をしようとする場合にあっては、当該施設の配置及び構造
五保安林の区域内において作業路網等(作業路網その他の伐採を実施するために必要な施設であって、農林水産省令で定めるものをいう。以下同じ。)を整備するために森林法第三十四条第二項本文に規定する行為(以下「形質変更等行為」という。)をしようとする場合にあっては、当該作業路網等の配置及び構造
4事業計画には、前項各号に掲げる事項のほか、木材安定供給確保事業に係る立木の伐採に関し、森林の所在場所、保安林とその他の森林との区別、伐採面積、伐採方法、伐採齢、伐採後の造林の方法、期間及び樹種その他伐採及び伐採後の造林に関し農林水産省令で定める事項を記載することができる。
5都道府県知事等は、第一項の認定の申請があった場合において、その事業計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
一第三項第一号に掲げる目標が森林所有者等から木材利用事業者等又は木材製品利用事業者等に対する木材の安定供給を確保するために有効かつ適切なものであること。
二その事業計画に係る木材安定供給確保事業が地域森林計画その他法律の規定による森林の整備に関する計画に照らして適当であると認められること。
三第三項第二号から第五号までに掲げる事項(前項の規定により同項に規定する事項を記載した場合にあっては、当該事項を含む。)が第三項第一号に掲げる目標を確実に達成するために適切なものであること。
四保安林の区域内において立木を伐採しようとする場合にあっては、その事業計画に係る伐採について、当該保安林に係る森林法第三十三条第一項(同条第六項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による告示に係る同条第一項に規定する指定施業要件(その変更につき同法第三十三条の三において読み替えて準用する同項(同法第三十三条第六項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による告示があったときは、その変更後のもの。第十項第一号において「指定施業要件」という。)及び伐採の限度に関し政令で定める基準に適合すると認められること。
五地域森林計画の対象となっている民有林であって保安林並びに保安施設地区の区域内及び海岸保全区域内の森林以外の森林において木材生産流通改善施設を整備するために開発行為をしようとする場合にあっては、森林法第十条の二第二項各号のいずれにも該当しないと認められること。
六保安林の区域内において作業路網等を整備するために形質変更等行為をしようとする場合にあっては、その事業計画に係る形質変更等行為について、当該保安林の指定の目的の達成に支障を及ぼさないと認められること。
6都道府県知事等は、地域森林計画の対象となっている民有林(保安林及び保安施設地区の区域内の森林を除く。以下この項において同じ。)についての第四項に規定する事項を含む事業計画について第一項の認定をしようとするときは、第四項に規定する事項について、当該事業計画において伐採及び伐採後の造林をすることとされている民有林の所在地の属する市町村の長の意見を聴かなければならない。
7都道府県知事は、第三項第四号に掲げる事項を含む事業計画について第一項の認定をしようとするときは、当該事項について都道府県森林審議会及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。
8農林水産大臣は、次の各号に掲げる事項を含む事業計画について第一項の認定をしようとするときは、当該事項について、それぞれ当該各号に定める森林の所在地を管轄する都道府県知事に協議し、その同意を得なければならない。
一保安林の区域内における立木の伐採(森林法第三十四条の二第一項に規定する択伐による立木の伐採(以下「択伐による立木の伐採」という。)及び同法第三十四条の三第一項に規定する間伐のための立木の伐採(以下「間伐のための立木の伐採」という。)を除く。第十項第一号及び第十条において同じ。)に関する事項当該保安林
二第三項第四号に掲げる事項当該木材生産流通改善施設の用に供される森林
三第三項第五号に掲げる事項当該作業路網等の用に供される保安林
9農林水産大臣は、第四項に規定する事項(保安林の区域内における立木の伐採(択伐による立木の伐採及び間伐のための立木の伐採に限る。)を含むものに限る。)を含む事業計画について第一項の認定をしようとするときは、第四項に規定する事項について、当該伐採をすることとされている保安林の所在地を管轄する都道府県知事の意見を聴かなければならない。
10都道府県知事は、次の各号に掲げる事項を含む事業計画についての協議があった場合において、当該事項が、それぞれ当該各号に定める要件に該当するものであると認めるときは、第八項の同意をするものとする。
一保安林の区域内における立木の伐採に関する事項当該伐採が当該保安林に係る指定施業要件及び伐採の限度に関し第五項第四号の政令で定める基準に適合すると認められること。
二第三項第四号に掲げる事項当該木材生産流通改善施設を整備するための開発行為が森林法第十条の二第二項各号のいずれにも該当しないと認められること。
三第三項第五号に掲げる事項当該作業路網等を整備するための形質変更等行為が当該保安林の指定の目的の達成に支障を及ぼさないと認められること。
11都道府県知事は、第三項第四号に掲げる事項を含む事業計画についての協議があった場合において、第八項の同意をしようとするときは、当該事項について都道府県森林審議会及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。
12都道府県知事等は、第一項の認定(当該認定に係る事業計画が第四項に規定する事項を含むものに限る。次項において同じ。)をしたときは、当該認定に係る事業計画において伐採をすることとされている民有林の所在地の属する市町村の長(農林水産大臣にあっては、第八項各号に掲げる事項を含む事業計画について、それぞれ同項各号に定める森林の所在地を管轄する都道府県知事及び当該市町村の長)に当該認定をした旨を通知しなければならない。
13都道府県知事は、第一項の認定を受けた森林所有者等が森林法第十九条第四項の規定による通知に係る農林水産大臣の認定を受けた者であるときは、農林水産大臣に第一項の認定をした旨を通知しなければならない。
(森林経営計画の変更の特例)
第九条森林法第十一条第五項の認定を受けた森林所有者又は森林所有者から森林の経営の委託を受けた者(以下この条において「認定森林所有者等」という。)が、立木の伐採に関し、当該認定に係る森林経営計画(その変更につき同法第十二条第三項において読み替えて準用する同法第十一条第五項の規定による認定があったときは、その変更後のもの)の内容と異なる内容の事業計画(第四条第四項に規定する事項を含むものに限る。)について第四条第一項又は第五条第一項の認定を受けた場合には、当該認定森林所有者等は、当該森林経営計画を変更しなければならない。この場合には、当該認定森林所有者等は、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、市町村の長(同法第十九条の規定の適用がある場合には、農林水産大臣又は都道府県知事。第四項において同じ。)に当該森林経営計画の変更が適当であるかどうかにつき認定を求めなければならない。
2前項の規定による変更の認定の請求をした森林経営計画(公益的機能別施業森林区域以外の区域内に存する森林を対象とするものに限る。)については、森林法第十二条第三項中「前二項」とあるのは「木材の安定供給の確保に関する特別措置法(平成八年法律第四十七号)第九条第一項」と、「変更が適当である」とあるのは「変更が適当である」と、同項第二号イ中「森林生産の保続及び森林生産力の増進」とあるのは「木材の安定供給の確保に関する特別措置法(平成八年法律第四十七号)第四条第一項に規定する木材安定供給確保事業による同法第二条第一項の指定地域における森林の林業的利用の合理化」と読み替えて、同項の規定を適用する。
3第一項の規定による変更の認定の請求をした森林経営計画(前項に規定するものを除く。)については、森林法第十二条第三項中「前二項」とあるのは、「木材の安定供給の確保に関する特別措置法(平成八年法律第四十七号)第九条第一項」と読み替えて、同項の規定を適用する。
4市町村の長は、認定森林所有者等が第一項の規定による森林経営計画の変更の認定の請求をせず、又は請求したが当該認定を受けられなかった場合には、当該森林経営計画に係る森林法第十一条第五項の認定を取り消すことができる。