(出資証券の記載事項等)第一条日本銀行が発行する出資証券(以下「出資証券」という。)には、次に掲げる事項及び番号を記載し、総裁がこれに記名押印しなければならない。一日本銀行の名称二日本銀行成立の年月日三資本金額四出資一口の金額2出資証券は、記名式とする。
(出資者原簿)第二条日本銀行は、出資者原簿を本店に備えて置かなければならない。2出資者原簿には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一出資者の氏名又は名称及び住所二各出資者の出資の口数及び当該出資に係る出資証券の番号三各出資証券の取得の年月日3日本銀行の出資者は、日本銀行の業務時間内は、いつでも、出資者原簿の閲覧を求めることができる。
(出資者に対する通知等)第三条日本銀行が出資者に対してする通知又は催告は、出資者原簿に記載したその出資者の住所(出資者が別に通知又は催告を受ける場所を日本銀行に通知したときは、その場所)にあててすれば足りる。2前項の通知又は催告は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。
(持分の移転等の対抗要件)第六条出資者の持分の移転は、その取得者の氏名又は名称及び住所を出資者原簿に記載し、かつ、その氏名又は名称を出資証券に記載した後でなければ、日本銀行その他の第三者に対抗することができない。2出資者の持分については、信託財産に属する財産である旨を出資者原簿及び出資証券に記載した後でなければ、当該持分が信託財産に属することを日本銀行その他の第三者に対抗することができない。
(持分に対する質権の設定)第七条出資者の持分を質権の目的とするには、出資証券を交付しなければならない。2質権者は、継続して出資証券を占有していなければ、その質権をもって、日本銀行その他の第三者に対抗することができない。
(質権者に対する配当)第八条出資者の持分を質権の目的とした場合において、質権設定者が、質権者の氏名又は名称及び住所を出資者原簿に記載し、かつ、その氏名又は名称を出資証券に記載するよう日本銀行に請求したときは、日本銀行は、出資者原簿及び出資証券にそれらの事項の記載をしなければならない。2前項の記載をされた質権者は、日本銀行から日本銀行法(以下「法」という。)第五十三条第四項に規定する剰余金の配当を受け、他の債権者に優先してこれを自己の債権の弁済に充当することができる。3民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百六十六条第三項の規定は、前項の剰余金の配当が、第一項の記載をされた質権者の債権の弁済期前にされる場合について準用する。
(政策委員会の招集)第九条政策委員会の議長(議長に事故があるときは、法第十六条第五項に規定する議長の職務を代理する者。以下この条において同じ。)は、法第十五条第一項各号に掲げる事項(以下この条において「金融調節事項」という。)を議事とする会議を、年八回、相当な間隔をおいて招集することを常例としなければならない。2政策委員会の議長は、金融調節事項を議事とする会議を招集する場合には、当該会議の会日の二営業日前までに、政策委員会の各委員並びに財務大臣及び内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第十九条第二項に規定する経済財政政策担当大臣(経済財政政策担当大臣が置かれていないときは、内閣総理大臣)に対し、その通知を発しなければならない。ただし、金融市場又は国民経済に急激な変化が生じたため、又は生じるおそれがあるため、緊急に金融調節事項を議事とする会議を招集することが必要であると認めるときにおいて行う当該会議の招集の通知(緊急に当該会議を招集する理由を示して行うものに限る。)は、当該会議の会日前二営業日以内においても、発することができる。3政策委員会の議長は、前項の規定により金融調節事項を議事とする会議の招集の通知を行うときは、当該会議に付議すべき事項及び当該事項について参考となるべき事項の通知を併せて行わなければならない。4前項の規定により招集の通知と併せて通知が行われなければならないとされる事項として通知される事項の内容は、金融調節事項を議事とする会議が適切に運営されるよう、十分に具体的なものでなければならない。
(一時貸付けの対象となる金融機関等)第十条法第三十七条第一項に規定する政令で定める金融業を営む者は、次に掲げる者とする。一法第三十七条第一項に規定する金融機関二金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第九項に規定する金融商品取引業者(同法第二十八条第八項に規定する有価証券関連業を行う者に限る。)三金融商品取引法第二条第三十項に規定する証券金融会社四貸金業法施行令(昭和五十八年政令第百八十一号)第一条の二第三号に掲げる者2法第三十七条第一項に規定する政令で定める期間は、一月とする。
(考査)第十一条法第四十四条第一項に規定する政令で定める要件は、次に掲げるものとする。一日本銀行は、考査(法第四十四条第一項に規定する考査をいう。以下この条及び次条第十八号において同じ。)を行うときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、同項に規定する取引先金融機関等(第三号において「取引先金融機関等」という。)に対し連絡しその承諾を得なければならないものであること。二考査を行う日本銀行の職員は、日本銀行が発行するその身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならないものであること。三考査に関する契約に係る契約書において、前二号に掲げる要件のほか、次に掲げる事項が明らかにされているものであること。イ日本銀行が行う考査及びその結果に基づき行う取引先金融機関等に対する助言等は、法第三十七条から第三十九条までに規定する業務を適切に行い、及びこれらの業務の適切な実施に備えるために必要な限度を超えるものであってはならないこと。ロ日本銀行は、その行う考査がその行おうとする目的に照らして取引先金融機関等に対し過大な事務負担を及ぼすことのないよう、考査に当たって提出を求める資料の内容、考査を行う日本銀行の職員の数その他の考査の実施の方法について配慮しなければならないこと。ハ日本銀行の役員及び職員は、法第四十四条第三項の規定により考査の結果を記載した書類その他の考査に関する資料を金融庁長官に対し提出し、又はその職員に閲覧させる場合その他正当な理由がある場合を除くほか、考査により知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用してはならない義務を負うものであること。
(業務方法書の記載事項)第十二条法第四十五条第二項に規定する政令で定める事項は、次に掲げる事項とする。一資金の貸付けに関する事項二商業手形その他の手形の割引に関する事項三商業手形その他の手形(日本銀行の振出しに係るものを含む。)、国債その他の債券又は電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権をいう。)の売買に関する事項四金銭を担保とする国債その他の債券の貸借に関する事項五預り金(法第三十三条第二項に規定する預り金をいう。)に関する事項六内国為替取引に関する事項七有価証券その他の財産権に係る証券又は証書の保護預りに関する事項八地金銀の売買に関する事項九国に対する貸付けその他の法第三十四条各号に掲げる業務に関する事項十国庫金の取扱いに関する事項十一通貨及び金融に関する国の事務の取扱いに関する事項十二金融機関等(法第三十七条第一項に規定する金融機関等をいう。)に対する一時貸付けに関する事項十三信用秩序の維持に資するための業務に関する事項十四資金決済の円滑に資するための業務に関する事項十五外国為替の売買に関する事項十六外国中央銀行等又は国際機関(法第四十条第一項に規定する外国中央銀行等又は国際機関をいう。)との協力を図るための業務に関する事項十七その他の業務に関する事項十八考査に関する事項十九日本銀行券(法第四十六条第二項に規定する日本銀行券をいう。以下同じ。)の発行、引換え等に関する事項二十業務時間及び休日に関する事項二十一業務の代理に関する事項
(経費)第十四条法第五十一条第一項に規定する政令で定める経費は、次に掲げる経費とする。一日本銀行券の製造に要する経費二役員及び職員の報酬及び給与(賞与その他の金銭の給付を含む。)並びに退職手当三国庫金及び国債の取扱事務に要する経費四交通費及び通信費五修繕費六前三号に掲げる事務費以外の事務費七固定資産(業務の用に供する不動産を除く。)の取得に要する経費八予備費
(債券取引損失引当金等)第十五条日本銀行は、各事業年度において、債券(国債その他の財務省令で定める債券をいう。次項において同じ。)又は外国為替等(外国為替及び外国通貨で表示された資産(財務省令で定めるものに限る。)をいう。次項において同じ。)のそれぞれについて、その売買、保有等に伴い生じた収益の額として財務省令で定めるところにより計算した金額(次項において「収益金額」という。)が、その売買、保有等に伴い生じた損失の額として財務省令で定めるところにより計算した金額(次項において「損失金額」という。)を超えるときは、財務省令で定めるところにより、それぞれ、その超える部分の金額の全部又は一部を、財務大臣の承認を受けて、債券取引損失引当金又は外国為替等取引損失引当金として積み立てることができる。2前項の債券取引損失引当金又は外国為替等取引損失引当金は、各事業年度において、債券又は外国為替等のそれぞれについて、損失金額が収益金額を超えるときにおけるその超える部分の金額の補てんに充てる場合のほか、取り崩してはならない。ただし、財務大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(精算納付等)第十八条日本銀行は、各事業年度に係る国庫納付金の一部を前条の規定により概算で納付した場合において、当該各事業年度に係る国庫納付金の額からその概算で納付した金額を控除してなお残額があるときは、その残額を翌事業年度の五月三十一日までに国庫に納付しなければならない。2日本銀行が各事業年度に係る国庫納付金の一部を前条の規定により概算で納付した場合において、当該各事業年度に係る国庫納付金の額がその概算で納付した金額を下回ることとなったときは、政府は、その下回ることとなった部分の金額に相当する金額を翌々事業年度末までに還付するものとする。
(国庫納付金の会計年度所属区分の特例)第十九条日本銀行の各事業年度に係る国庫納付金は、予算決算及び会計令(昭和二十二年勅令第百六十五号)第一条の二第一項第一号の規定にかかわらず、当該各事業年度に対応する国の会計年度所属の歳入金とする。この場合において、日本銀行の各事業年度に係る国庫納付金で翌事業年度五月一日以後国庫納付されたものについては、日本銀行は、同令第七条第一項本文の規定にかかわらず、これを当該各事業年度に対応する国の会計年度所属の歳入金として受け入れるものとする。
(納付の手続)第二十条日本銀行は、各事業年度の損益計算上剰余金を生じたときは、法第五十三条第五項の規定に基づいて計算した国庫納付金の計算書に、当該各事業年度末の貸借対照表、当該各事業年度の損益計算書その他当該国庫納付金の計算の基礎を明らかにした書類を添付して、翌事業年度の五月二十日までに、これを財務大臣に提出しなければならない。
(債券取引損失引当金に係る経過措置)第一条の二第十五条第一項の規定の適用については、当分の間、同項中「債券をいう。次項」とあるのは「債券をいう。以下この条」と、「損失の額」とあるのは「損失の額(債券にあっては、費用の額)」とする。
(日本銀行券の種類に係る経過措置)第三条法附則第十六条第一項の規定により法第四十六条第一項の規定により発行された日本銀行券とみなされる銀行券については、旧日本銀行法(昭和十七年法律第六十七号)第三十三条第一項及び第二項の規定により主務大臣が定め、及び公示した銀行券の種類(新令第十三条に規定する日本銀行券の種類と同一のものを除く。)は、法第四十七条第一項の規定により政令で定めるものとされる日本銀行券の種類とみなす。
(経費の予算に係る経過措置)第四条新令第十四条の規定は、この政令の施行の日(以下「施行日」という。)以後に開始する事業年度に係る経費の予算(法第五十一条第一項に規定する経費の予算をいう。次項において同じ。)について適用し、施行日前に開始した事業年度に係る予算については、なお従前の例による。2法附則第十九条第二項の規定により施行日に開始する事業年度に係る経費の予算の認可をする場合における当該経費の予算に係る経費については、新令第十四条の規定の例による。
(債券取引損失引当金等に係る経過措置)第五条この政令の施行の際現に新令第十五条第一項に規定する債券又は外国為替等の保有額に対応する引当金として積み立てられている金額は、それぞれ同項に規定する債券取引損失引当金又は外国為替等取引損失引当金として積み立てられている金額とみなす。
(国庫納付金に係る経過措置)第六条新令第十七条、第十八条及び第二十条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る国庫納付金について適用し、施行日前に開始した事業年度に係る国庫納付金については、なお従前の例による。